『ファイナルファンタジー零式』と世界設定を同じくする『ファイナルファンタジー アギト』、田畑プロデューサーに直撃

2011年に、プレイステーション・ポータブルで発売された『ファイナルファンタジー零式』に新たな動きが! スマートフォンで展開する新作について、プロデューサーを務める田畑端氏にインタビューを行った。

●アギト候補生となり、『ファイナルファンタジー零式』の世界へ飛び込め

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 救世主たる“アギト”を目指し、魔導院で技を磨く少年少女たちの過酷な戦いを描いたPSP用ソフト『ファイナルファンタジー零式』(以下、『FF零式』)は、少しずつ形を変えて歴史がくり返されている、という設定だった。スマートフォン向けに展開される『ファイナルファンタジー アギト』(今冬配信予定、基本無料[アイテム課金制])では、そのくり返されてきた歴史の一巡目……つまり、原初の物語が綴られる。プレイヤーは“候補生”のひとりとして、アギトになるべく日々の任務に勤しむことになる。
 
 ファミ通.comでは、『FF零式』のディレクターであり、今回はプロデューサーとして作品に携わる田畑端氏のインタビューを掲載。併せて、本作の内容についても迫っていこう。

※本記事は週刊ファミ通2013年9月26日号に掲載したものに加筆したものです。


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▲プロデューサーの田畑端氏(文中は田畑)。

【物語】

千年の永きにわたり、戦乱が続く世界【オリエンス】。
人々は4つのクリスタルを巡り、連綿と争い続けてきた。
その果てに訪れる終末的大戦、世界支配を目論む独裁者の侵攻。
湧き上がる戦火の中で、人類を滅びから救う希望の光、【アギト】――。
アギトとなることを目指して集結した少年少女たち【アギト候補生】。
彼らは戦乱の時代を終わらせるため、戦場に身を投じる。
交戦か和平か。恭順か抵抗か。
候補生たちの【決断】が、世界の未来を決めていく。
それは六億を越える螺旋の一巡――。


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■6億数千回の輪廻を、1回目から体験する

――今回、『FFアギト』をリリースすることになった経緯をお聞かせください。

田畑 まず、『FF零式』の主人公たちが、異なる運命をたどる物語を描きたかったんです。『FF零式』をプレイされたユーザーの方からも、そういった声を多くいただきましたし、スタッフの中にも「やりたい」という者がたくさんいて。そこで、『FF零式』はもともとケータイで出そうとしていたタイトル(※)で、“アギト”というタイトルも気に入っていたので、それを活かして制作しようとプロジェクトを立ち上げました。あれから時間が経っているので、いま出すならスマートフォンで、当時の『FFアギトXIII』でやろうとしていたことを盛り込みつつ、『FF零式』とは違う、ユーザーがライブで物語を体験できるものにしようと。

※『FF零式』は発表当時、『FFアギトXIII』というタイトルで、“ファブラ ノヴァ クリスタリス FF”と称されるタイトル郡の1作品として携帯電話用に開発されていた。その後タイトルを変え、ハードもPSPに移った経緯がある。

――『FF零式』で描かれた過酷な運命とは、違った過程や結末を描きたかったということですね。

田畑 『FF零式』では、オリエンスという世界の歴史は6億数千回という輪廻をくり返しています。だとしたら、違う運命を描くこともできるはず。『FF零式』にあったシークレット映像は、そういうイメージで作ったものでもありました。今回は、その6億数千回の輪廻の1回目を体験でき、プレイヤーはアギト候補生のひとりとして、そこに参加します。


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▲おしゃべりや恋、平和な学園生活を楽しむ0組(クラスゼロ)のメンバーを描いた『FF零式』のシークットムービー。シリアスな本編とのギャップや、コンポーザーの石元丈晴氏による『カラフルフォーリングラブ』というポップな楽曲などが、いろいろな意味で話題になった。

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▲『FFアギト』でプレイヤーの分身となる候補生は、性別、顔、髪型などを選択して作成する。武器や防具による外見の変更も可能だ。

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▲候補生が集う魔導院には、教室や噴水広場、チョコボ牧場などの施設のほかに、彼らが暮らす寮もある。各所では、『FF零式』に登場した主人公たちと話したり、クリアーすると報酬がもらえる“依頼”を受けられるのだ。

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――0組のメンバーは、『FF零式』のときとはマントの色が違っていますね。

田畑 はい。彼らの所属クラスは0組ではありません。性格も、『FF零式』とは少し違うかもしれません。そもそも物語の最初は、0組自体が存在しないんです。プレイヤーは、最初は12組からスタートし、成績がいいと11組、10組と、所属クラスがランクアップしていく仕組みです。


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▲ジャックは青緑色(12組)のマントを着用。メガネをかけることもある!? 0組メンバーの『FFアギト』での所属については、インタビュー本文下部の画像も参照のこと。 

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▲エースの羽織る赤いマントは、『FFアギト』の序盤には存在しない0組のもの。最初はほかのクラスにいるのか、もしくは魔導院にいないということか? 

――新キャラクターのミユウ・カギロヒは、どういった立場の人物なのでしょうか。

田畑 生徒会長ですね。今回の物語では重要な立ち位置にいます。『FFアギトXIII』をケータイ用に制作していたころは、魔導院での日常生活に関わる部分を充実させようとしていました。『FFアギト』はその流れを汲んで、学園生活が楽しめるようになっているのですが、そのなかで関わっていくことになります。


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▲ミユウ・カギロヒ(声:戸松遥)は、『FF零式』には登場しなかった人物。候補生を代表する“候補生総代”という立場にある、勝気な少女だ。候補生の意見をまとめ、魔導院の行動方針の決定に関わるという役割を担っている。

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――イベント画面では、キャラクターのビジュアルが、『FF零式』とは異なる質感になっていますね。

田畑 キャラクターとのやり取りが身近に感じられるものを目指しました。ゲームは3Dですが、会話するときはアップになって、柔らかさのある表現にしようと。これには、“モーションポートレート”という画像処理技術を使っています。表情も変わりますし、タップしたところをキャラクターが見るといった反応もしますね。スマホでこれだけキャラクターを表現できている作品はなかなかないですし、身近なデバイスなので、『FF零式』よりもキャラクターたちとの距離感が近いのが特徴です。今回の0組のメンバーは、身近にいる人たちとして登場し、仲間や友人として接していけるようになっています。


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――キャラクターとの会話画面に、ハートマークのサイト(照準)が出ていますが、これは?

田畑 会話をしていると表示されることがあるんですが、これをタップすると絆が深まります。プレイヤーは、魔導院での生活を通して、さまざまなキャラクターと徐々に関係性を築いていくんです。

――2012年9月に開催された“FF展”で、フェイク企画として発表された『トキメキ★ファイナルファンタジー 魔導院ペリシティリウム朱雀~私の恋にクリスタルの加護あれっ★~』(以下、『トキまど』)を思い出しますね。

田畑 『トキまど』を公開したのは、ちょうど『FFアギト』の開発を立ち上げたばかりのころだったんですが……『FFアギト』からシリアス要素を除いて、多少アレンジをかけたのが『トキまど』とも言えます(笑)。『FFアギト』は“『FF零式』のシークレット映像をゲームにしたら?”、というところから始まっているので、『トキまど』のノリと近いですね。ちなみに、あのシークレット映像は『FFアギト』でも使います。


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――シークレット映像を使うということは、衝撃の『カラフルフォーリングラブ』も流れるわけですね?

田畑 コンポーザーの石元がぜひということで、新曲『カラフルフォーリングラブ2』(※仮称)を書いたので、そちらが流れます。『FFアギト』はこういった感じで、スタッフたちが本気で悪ノリしている部分がありますね(笑)。

――悪ノリ部分も本気ですね(笑)。ところで、『FF零式』とは異なる運命を描くというお話ですが、『FFアギト』には物語としての終わりはあるのでしょうか?

田畑 あります。『ビフォア クライシス -FFVII-』(以下、『BC-FFVII-』)のような形で物語が続いていき、エンディングがあります。そして、一度物語が終わると、つぎの輪廻が始まり、最初から歴史がくり返されるんです。

――なるほど。6億数千回の輪廻の1回目から、順に体験していくことになるんですね。最初からやり直す際は、同じお話をくり返すことになるんですか?

田畑 『FFアギトXIII』でやろうとしていた、ユーザーがストーリーの方向性を決めていく“決断”システムがあるので、物語は徐々に変化していくはずです。これは、物語の節目に選択肢が出現し、どちらを選ぶかをユーザーの投票による多数決で決めるもので、その選択次第でストーリーが変化します。2周目では、違う選択をするかもしれないし、選択肢自体が増えているかもしれない。そういったライブ感は、本作ならではのものです。


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▲オンラインでつながったプレイヤーの意志が、大きく作用する“決断”。全プレイヤーが、選択肢の中から今後取る行動を選択する。その結果によって、物語が大きく変わる!?

――1回の輪廻のサイクルは、どれくらいのペースになるのでしょうか。

田畑 『BC-FFVII-』は2年かけて24話まで配信したのですが、『FFアギト』の1サイクルは、もっと短く、くり返し遊べるペースにしようと考えています。何章を1サイクルにするかは検討しているところですが、各章は2週間に1回の配信を予定しています。それと、これはたとえですが、約3ヵ月の出来事を描いた『FF零式』を、現実時間で3ヵ月かけて体験したら、時間のリンクによってライブ感があるじゃないですか。そういった演出も考えていて、そのためには1サイクルの期間をどれくらいにすればいいか、といった基準での検討もしています。


■RPGらしさのあるシステム

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――『FF零式』では、人に話しかけたり、授業を受けたりすると時間が過ぎ、特定の時刻になるとミッションに向かうというシステムでした。『FFアギト』では、時間の流れはどうなるのでしょうか?

田畑 今回は時間が来たら向かうのではなく、好きなタイミングで任務へ向かいます。

――任務で発生するバトルは、アクションになるのでしょうか?

田畑 いえ、基本的にはオートで戦います。ターゲットを選べるほか、アビリティの発動などの形で関与していくことになりますね。アビリティにはATBのようなチャージ時間があって連発はできないのですが、発動するとあらかじめセットしておいた複数のアビリティを連続でくり出します。『FF零式』にあった“キルサイト”は、赤いサイトが表示された敵をタップすると、即死もしくは大ダメージを与えられる仕様にして入れ込んでいます。家庭用ゲーム機ではないので、手軽で簡単に遊べることを意識していますね。あと、たとえばタップした位置に猛ダッシュするとか、バトルを高速モードにするなど、せっかちに遊べることにはこだわっています。


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▲時間などで回復する“行動力”(ACTゲージ)を消費して、他国の兵士やモンスターと戦う“任務”。武器による攻撃はオートで行われ、プレイヤーは標的を選んだり、アビリティを発動するといった形で参加する。

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▲バトルのテンポはかなり速い。さらに、高速モードでの“せっかちな”プレイも可能。何度も挑むことになる任務も、ストレスなく、サクサクと遊べそうだ。

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▲画面下の“斬”や“炎”、“技”といったアイコンをタップすると、あらかじめセットしておいたアビリティが連続で発動する。手軽に派手なバトルを楽しめるのだ。

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▲クラサメやカヅサといった、『FF零式』でおなじみのキャラクターも候補生を見守っている。魔導院では、彼らとも会話を交わすことがあるかもしれない。

――一部のバトル画面に、“必”や“隊”といったアイコンがありますが、これは必殺技のようなものですか?

田畑 そうです。“必”は、時間などで溜まるゲージを消費して放つ、高威力の全体攻撃ですね。

――では、“隊”は?

田畑 これは、ゲームのサイクルに関わるシステムなのですが……まず『FFアギト』の各章の内容は、ふたつのフェーズに分かれているんですね。それが、“ソロプレイフェーズ”と、“チームプレイフェーズ”です。1章が展開する期間が2週間なら、ソロプレイフェーズが10日間、チームプレイフェーズが4日間となります。ソロプレイフェーズでは個人個人が任務を行い、チームプレイフェーズでは小隊(チーム)全員で強力なボスに挑みます。章の開始時に、配属小隊と担当ジョブが自動的に決まるのですが、ソロプレイフェーズでそのジョブを成長させ、チームプレイフェーズに備えるのが基本的なプレイスタイルになります。


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▲2週間に一度ほどの頻度で現れる、強大な敵が相手の“討伐戦”が、チームプレイフェーズに相当。討伐戦に出現するボスは、攻撃力や体力が高く、一度の戦闘では倒せない。小隊の仲間と協力して、ダメージを蓄積させていくことになる。

――ジョブの概念があるんですね。

田畑 はい。ジョブには専用のアビリティがあって、たとえばナイトだったら、自分以外のユーザーの被弾率を下げる“かばう”を修得できます。ソロプレイフェーズでは、任務をこなしてジョブ用のポイントを獲得し、アビリティを習得していきます。このジョブアビリティはチームプレイフェーズのボス戦で使用できるもので、“隊”をタップすると発動し、小隊全員に効果が及びます。

――それは、同タイミングでログインしているプレイヤーが効果を得られるのですが?

田畑 多少、時間がずれていても、ちゃんと効果を得られます。もちろん、同じ時間帯にプレイしているほうが、メリットは多いですけれどね。異なる時間でも非同期でいっしょに遊べて、でも同じ時間帯に遊ぶとよりいいことがある、というのは、『FFアギトXIII』にあった要素のひとつです。

――ジョブの育成をサボると、怒られそうですね(笑)。

田畑 サボっていたり、あまり育成ができない人がいても、小隊のほかの仲間がフォローできるシステムになります。どんな遊びかたをしていても、チームに貢献できるようにしたいですね。ボス戦では延々と戦い続けるので、弱いとガンガン死ぬんですよ。でも、それでもチームに貢献できるようなシステムを盛り込む予定です。『BC-FFVII-』では、“救出”(※)というシステムがありましたが、それに近いものを導入していくプランもあります。

※HPがゼロになったり、ミッション中に特定の条件を満たせなかったことで、収容所に入れられたプレイヤーを救出しに行くモード。救出を行う側は、アイテムを入手できる場合がある。

――バトルのパーティーメンバーは自分を含めて3人のようですが、残りふたりはどのように決定するのですか?

田畑 通常任務のときには、所属チームかフレンドから選べるほか、ランダムで知らないプレイヤーから選択することも可能です。ボス戦では、小隊の仲間からパーティメンバーを選びます。メンバーを選ぶと、そのキャラクターのデータがAIで動く形です。

――なるほど。ちなみに、召喚はあるのでしょうか。

田畑 あります。『FF零式』では、召喚を行ったキャラクターは死んでしまい、そのミッション中は操作できなくなりますが、今回は“軍神許可証”を所持しており、召喚を行っても死にません。召喚では、召喚獣だけでなく、仲よくなった0組のメンバーが助けにきてくれたりもします。0組のメンバーは、パーティーメンバーとしての登場も検討していますが、まずは呼ぶと攻撃して帰っていく、召喚の形での活躍となります。

――お話を聞いていると、ソーシャル要素以上に、RPGの要素が強い印象を受けます。

田畑 “アギト候補生をプレイする”RPGですね。キャラクターは、アビリティのほかにも、武器や防具でカスタマイズできますし、戦場で獲得した素材を使っての武器強化システムなどもあります。バトルも、なんとなく遊んでいても楽しめるものになっています。スマホ向けとして、複雑なゲーム性を持たせるのではなく、楽しいか楽しくないか、そして短い時間でいかにせっかちに楽しめるかを重視した作りのRPGです。


■フリー・トゥ・プレイと課金

――学園生活や決断のシステムなどのほかに、本作で実現したかったことはありますか?

田畑 フリー・トゥ・プレイでエンディングまで行けること。僕が絶対に課金をしないので(笑)。

――では、どのような部分に、課金要素があるのでしょう?

田畑 ミッションで消費する“行動力”は時間で回復しますが、すぐに遊びたい場合は、購入したアイテムで回復できます。あとは、いわゆるガチャでアビリティを買えるほか、コンティニューがおもな課金部分です。任務では、最後に待つ敵を倒すと報酬を得て魔導院に帰還できるのですが、途中で死んでしまうと獲得したものを持ち帰れません。コンティニューすれば、続きから遊べて、それらのアイテムを持ち帰れます。

――フリー・トゥ・プレイでの収益のバランスについては、どのようにお考えですか?

田畑 モバイルを手掛けている部署があり、スタッフもたくさんいるので、彼らを頼ってその知識を活かしてやっていければと。会社として、スクウェア・エニックスらしいコンテンツを、いろいろなプラットフォームで展開するという方針があり、『FFアギト』の展開はそれに則った施策ということになります。スマホのコンテンツとして展開して、ビジネス的な効果を見るというのは、今後を占う意味で重要でしょうね。作り手としては、あまりあこぎに課金するゲームは作りたくないと考えています。『FFアギト』の開発スタッフはその思いが強く、ユーザーからお金を払ってもらうに際して、自分たちが嫌にならないようなやりかたを模索しているところです。

――開発は『FF零式』チームが担当しているのでしょうか?

田畑 『FF零式』のスタッフと、株式会社たゆたうさんとの共同制作です。弊社側のディレクターは、『FF零式』でレベルデザインを担当した西田(匡泰氏)が、アートディレクターは、キャラクターのパンツの描画にこだわっていた星野(小夜子氏)が務めています。

――実機で動くところを拝見しましたが、バトルシーンを見るに、今回も潔いまでにパンツ丸見えですね(笑)。ところで田畑さんは、『BC-FFVII-』を展開されていたころと現在で、“ゲーム専用機ではないデバイスで展開するゲーム”について、何がいちばん変わったと感じていますか?

田畑 スマホやタブレットによって、ゲームを選ぶ環境が一変したと思います。画面にアイコンが並んでいて、条件別にフィルタやソートができたりもする。選択肢も多くて、アイコンや説明、レビューを見てゲームをダウンロードするというシステムは、以前のゲームショップの感覚そのものです。それと、月額課金ではなく、基本無料が主流になりましたね。うちの子は、複雑な気分ですが、ゲームにお金を使わないように嫁に教育されていて、有料ゲームは絶対ダウンロードしません(苦笑)。

――それは、パッケージゲームも手掛けられる田畑さんとしては、悩ましいところでもありますね。本作を、PS Vitaなどで展開するということはないのでしょうか?

田畑 前例として、『拡散性ミリオンアーサー』があるので、可能性はあります。ただ、『FFアギト』は海外展開も視野に入れているのですが、それ以前に『FF零式』が海外で発売されていないので、そのあたりを検討するのが先でしょうね。

――『FF零式』は、ブランド化したいという思いがあって、『FFアギトXIII』から『FF零式』に改題されましたよね。田畑さんとしては、今回のスマホでの展開とは別に、家庭用ゲーム機を見据えた『FF零式』の新しい展開や、『ザ・サード バースデイ』の続編なども構想があるのでは?


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▲田畑氏と『FF零式』チームが参加する『FFXV』。アクション要素の強い『FF』ナンバリングタイトルとして、開発が進んでいる。

田畑 まずは『FFXV』ですね。先日、Co.ディレクターとしての参加が公表されましたが、僕といっしょに『FF零式』のチームがガッツリと入って、開発は順調に進んでいます。これからエンジン開発とゲーム開発側の足並みを揃えていく、重要なフェーズに突入するところです。

――田畑さんは、スクウェア・エニックスで据え置き機のタイトルを担当するのはこれが初ですが、いきなりの新世代機で、しかも大作を担当されるということについてはいかがですか?

田畑 PS3やXbox 360は、強烈に「作りたい!」と思うことはなかったんです。でも、PS4やXbox Oneは、表現の段階が飛び抜けていて、モチベーションが上がりました。大画面で見たら、その世界に本気で没入できる品質のものが、作ろうと思えば作れる。海外旅行で感じるのに近い、カルチャーショックを受けるようなものができる。アーティストにしても、これまで実現できなかった領域まで魅せられるという点で、おもしろいと感じていると思いますよ。

――しかし、どこまでも作り込めるという点で、作業はたいへんなのでは?

田畑 そうですね。PSPで開発しているときは、キャラの武器がマントにめり込んだりしても気にしなかったんですが、新世代機では表現がリアルにできるだけに気になったりもしますね。でも、ヴィジュアルワークスの野末(武志氏)のチームと合同開発したことで、ハイエンドCGの制作にこちらのチームもだいぶ慣れてきました。

――新世代機で、いままで以上に本気の作品づくりができるわけですね。一方、スマートフォンのタイトルは、田畑さんにとってどういった部分が魅力なのでしょうか。

田畑 ライフスタイルとセットになったゲームデザインができることです。ユーザーの近くにあって、さまざまな消費のされかたがある、多様性がいい。身近なデバイスでゲームに触れられるという手軽さがある一方、だからこそ長時間やりたくなかったりもする。サクッとやって、サクッと理解できて、サクッと結果がわかるという、楽しい暇つぶしこそがスマホのゲームの本質だと思います。

――田畑さんが手掛けられるタイトルの中で、いちばん先にユーザーが触れられるのは『FFアギト』だと思いますが、配信時期は決定しているのでしょうか。

田畑 今冬です。ユーザーの方には、東京ゲームショウのステージイベントで、少し内容を紹介する予定です。

――かなり高いスペックを求められそうですが、それについては?

田畑 そうなりますね。iPhone5、Androidなら4.0以降の対応になる予定です。なるべく同じくらいのタイミングでスタートしたいと考えています。

――それでは最後に、ユーザーの皆さんへメッセージをお願いします。

田畑 『FF零式』が好きな方は間違いなく楽しめますし、知らなくても楽しめます。一部の方には課金していただきたいですが(笑)、無料で遊べますので、ぜひダウンロードしてみてください。スマートデバイスに向けて、スクウェア・エニックスらしいコンテンツを提供していくという流れの先陣を切る作品になるので、いろいろな方に見てもらいたいですね。コンシューマーとモバイルのノウハウを活かして展開していく『FFアギト』を、ぜひ楽しんでください。


■『FF零式』で0組だったキャラクターと本作での所属

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▲エース(0組/マントの色:赤)

▲デュース(4組/マントの色:橙)

▲トレイ(11組/マントの色:白)

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▲ケイト(10組/マントの色:黒)

▲シンク(3組/マントの色:紫)

▲サイス(6組/マントの色:緑)

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▲セブン(6組/マントの色:桃)

▲エイト(5組/マントの色:黄緑)

▲ナイン(2組/マントの色:紺)

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▲ジャック(12組/マントの色:青緑)

▲クイーン(1組/マントの色:水)

▲キング(9組/マントの色:茶)

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▲マキナ(2組/マントの色:紺)

▲レム(7組/マントの色:桃)



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※画面は開発中のものです。