マーベラスAQLが運営するブラウザゲームの金字塔、『ブラウザ三国志』。今後のアップデートの進捗状況や運営方針などについてインタビュー!

●大型アップデート“天覇争乱”、現在の状況を聞く

 中国・三国時代の天下を巡る争乱を描いた『三国志』。『ブラウザ三国志』は、この物語を題材としたシミュレーションRPGだ。手軽に、短時間でコツコツ遊ぶのもよし、腰をすえて武将の育成や戦争に挑むのもよしと、インストール不要ですぐにプレイできるブラウザゲームでありながら、さまざまな楽しさを見出すことができる奥深さが魅力となっている。サービス開始から数多くのプレイヤーに支持されており、5年目に突入した現在も、その盛り上がりはまさに衰え知らずだ。

 今回は、5月のオフラインイベントにて、2013年中に実施予定と発表された大型アップデートについて、本作の運営を担うマーベラスAQLの五味一郎氏、勝木洋輔氏にインタビューを実施。気になるいまの状況や、運営にあたってのポリシーなどがうかがい知れるはずだ。

 なお、5月に発表された大型アップデートについては、以前の記事(『ブラウザ三国志』5年目突入! 2013年下半期のロードマップも発表され、さらなる進化を遂げる本作の魅力とは?)を参照のこと。

▲ゲームを開始すると、広大なマップ上に本拠地ひとつと若干の資源が与えられる。まずはこの資源を使い、本拠地の空き地に資源を生み出す畑や石切り場などの施設を建てていくのがセオリー。最初はチュートリアルに沿って進めていき、報酬として資源などが得られるクエストにも挑戦してみよう。
▲本作を進めるうえで欠かせないのが、ゲーム内で入手できるポイントやアイテムを消費して引く“ブショーダス”から排出される数多くの武将たち。領地の確保や資源獲得量アップなど、戦闘や内政で活躍してくれるのだ。これら武将を育成していくことも、本作の醍醐味のひとつ。
株式会社マーベラスAQL
『ブラウザ三国志』プロデューサー
五味一郎氏
株式会社マーベラスAQL
『ブラウザ三国志』ディレクター
勝木洋輔氏

●7月に実施された大型アップデート“乱の章”について

――サーバー負荷に関する技術的な問題がクリアーされ、7月に大型アップデート“乱の章”として“ワールド”の大統合が行われました。これに対するユーザーの反応などを教えてください。
五味 統合したmixiの1~16ワールドはかなり活気が出てきまして、我々が想定する以上の激しい戦闘がくり広げられていました。

――君主の数が20000人を超えていましたね。1ワールドあたりのプレイ人数としては破格かと思います。
五味 ただ、準備万端と言っておきながら、大規模な障害も出てしまいました。対応はすでに終えていて、いまは安定しています。障害が起きてしまうくらい、遊んでいただいたということでもあるので、うれしい悲鳴と言えなくもないのですが、これは本当に申し訳ないと思っています。

――多くのプレイヤーが集中してプレイしたことによってデータの転送量が増え、障害が起きてしまってということでしょうか。
五味 そのワールド内で大規模な戦争が起きていた時期にキャンペーンが始まったのですが、それも合わさって出兵数が想定よりもかなり多くなってしまい、障害が起きてしまいました。

――どんどん出兵してください、というキャンペーンでしたからね。
五味 処理が重くなった原因は取り除くことができましたが、再びこのようなことが起こらないように、ほかの関連する箇所にも手を入れて、より安定したサービスが提供できるようにしました。もちろん、同じ処理をほかのワールドにも適応していきますよ。

●第5の勢力が追加される“覇の章”について

――魏、呉、蜀、他につぐ第5の勢力が追加される“覇の章”について、現在の進捗などを教えてください。
五味 現状のバランスを見たり、お客様の反応なども合わせて検討しているのですが……じつは発表した時点の想定より、もっと手を入れなくてはならないと考えています。9月中の実装を予定していましたが、お客様にとって新しい遊びを提供するために、一度仕切り直して、試行錯誤するお時間をいただければと。その代わりに、多くのお客様に楽しんでもらえる要素になることは、お約束させていただきます。

――“覇の章”はブラッシュアップの時間が必要ということですね。それ以降の予定も仕切り直しになりますか。
五味 そのほかの予定は発表したスケジュール通りに行うことを考えています。ただ、覇の章で新しい武将を追加すると、当然、ゲーム全体に影響があるため、バランスの調整が難しくなってしまうという懸念点もあります。もちろん、しっかり全体のバランスを整えてから実装させていただきたいと考えています。

――“覇の章”に関しては、どういった調整を行っているのでしょうか。
勝木 もともとのコンセプトに変更はありません。ただ強い武将というわけではなく、テクニカルな遊びかたができるようなものにしたいと考えています。

――入手経路や習得スキルに関して決定していることは?
勝木 まだ未確定な部分が多いですが、おそらくブショーダスがメインの入手経路になると思います。

●新しい兵種が追加される“争の章”について

――10月の“争の章”では、新しい兵種を追加するという発表が行われました。盾兵と重盾兵に加え、アンチとして大剣兵を実装するとのことですが。
勝木 そこは変更ありません。大剣兵はいまの剣兵の上位版です。盾兵、重盾兵も剣兵の一種になりますので、兵種としては槍兵、騎馬兵、弓兵と合わせて4種類になりますね。

――この兵種の追加で、いったい何が変わるのでしょうか。
勝木 現在は槍兵、騎馬兵、弓兵で3すくみの関係が成り立っていますが、4すくみになるというよりも・・・この相関関係に一石を投じるような存在になると思います。また、戦争などのPvPやNPC砦の攻略においても、戦略が変わってきますね。剣兵の武将も、ブショーデュエル以外、活用される場面は少なかったですが、今回の兵種の追加で、新たに脚光を浴びる武将も出てくるかと思います。これも狙いのひとつですね。

――現状のバランスを変えるということは、リスキーな部分もあるかと思います。そういった決断をするには、かなりの覚悟が必要だったかと思います。
勝木 いまだ不安は残っています。ただ、いまある『ブラウザ三国志』の定跡、たとえば村の育成や武将の育成などに関しては、新しいジレンマが発生するかと思いますので、それを楽しんでいただけるかなと思っています。

――長く遊んでいるユーザーにとっては、ルーチンワークになってしまいがちなところもありますかね。
勝木 いまは、ほとんどの部分が攻略されて、定跡化されていることは認識しています。これだけ兵力があれば、このNPC砦は落ちます、といったところですね。また新たに攻略する楽しさが出てくると思います。

――定跡をしっかり遂行する楽しさがあるのも確かですが、一新されるのなら、それに越したことはないと思います。
勝木 新しく育てたくなる武将も出てくると思いますよ。剣兵の武将を育てているお客様は少ないでしょうし(笑)。

――“争の章”のタイミングで、それに対応した新武将の追加も考えていますか。
勝木 もちろん検討はしています。

――“争の章”は全ワールド同時の実装ということになるのでしょうか。
勝木 そこは慎重に検討を進めています。どちらかというと、ゲームの途中に実装するかどうかがの判断が難しいですね。昨日まで存在しなかった盾兵がメンテナンス明けにいきなり入る、ということになると、混乱が起きてしまいますから。

――1ゲームが終わったワールドから順次実装、ということも考えられると。
勝木 その方法も考えています。ただ、新ワールドで始めたばかりのお客様には、4ヵ月近くお待ちいただくことになってしまいますので、よりよい方法を模索していきます。

●“装具”が実装される“天の章”について

――12月には、“天の章”として武将に装備させて、1回だけ独自のスキルを発動させる“装具”を実装するとのことでしたが。
勝木 じつはですね……5月のイベントでは1回だけと発表しましたが、いまは耐久度というものを持たせて、1回しか使えない装具もあれば、何回か使える装具も入れようかと考えています。コンセプト自体は変えていないのですが、バリエーションを持たせる方向性です。

――装具を実装する目的を教えてください。
勝木 育てた武将は、お客様にとっては大事な資産かと思いますが、育ち切った武将に対しては、楽しみを見出すことが難しくなってしまいがちですよね。これを装具によって解消できると考えています。装具によって新たな可能性を見出すことができ、さらなる強化に臨めるようにしたいですね。また、「この装具があるんだったら、こういったステータスの振りかたもありなんじゃないか」といったように、育成にも幅を持たせたり、組み合わせのおもしろさを提供したいと考えています。

――装具によるスキルには、どういったものがあるのでしょうか。
勝木 いまのところ既存のスキルに準じるものではありますね。攻撃や移動速度の上昇であったりとか。

――移動速度はピンポイントで上げたい場面が多いですね。
勝木 使いどころで迷う、という場面が出てくるのもおもしろいかと思っています。そういう意味でも、耐久度という要素は適しているのかなと。発動するスキルも、全体のバランスを見ながら、かなり強力なものを入れてみようかと、チャレンジしています。

――入手方法は決まっているのでしょうか。
五味 うーん、まだ調整中です(笑)。

勝木 入手方法やその難度も含めてバランスを取る必要がありますから、慎重に進めています。ただ、入手方法は複数用意する予定です。たとえばNPC砦を攻略したときに、がんばったプレイヤーがもらえたりとか。

――砦攻略が熾烈になりそうですね。
勝木 キャンペーン類での配布も考えています。宝探し感覚で参加できるようなものとか。

――装具は何種類くらい用意されているのでしょうか。
勝木 まだ数は明言できませんが、組み合わせを考えると、相当なバリエーションが出てくると思います。速度が上がる馬であったりとか、攻撃が上がる矛であったり、防御が上がる盾、みたいなものがたくさん用意されている状態をイメージしてもらえればと思います。

――組み合わせといいますと?
勝木 武将にスロットがあって、そこに装具を装備させていくんです。

――つまり、複数の装具を持たせられる武将も存在するということですね。
勝木 スロット数の多い武将、少ない武将というバリエーションも出てきます。ステータスが低くても、スロットが多ければ活躍の場も増えるかもしれませんね。

――これまでのお話を聞いていると、最初の発表から、かなり内容が変更されていますね。
五味 開発を進めつつ、手触りですとかバリエーションを見ながらブラッシュアップしていく形です。覇の章の遅れは申し訳ございませんとしか言いようがありませんが、争の章は予定どおり実装できると思いますし、装具はかなり仕様が膨らんでいっているというのが現状です。

●ワールドボーナスの仕様変更について

――つぎにワールドボーナスの仕様変更についてお伺いします。一度、仕様の変更が発表されたあと、さらに実装延期と仕様変更のアナウンスが行われました。実装まえにこうした変更が行われるというのは、非常に稀なケースかと思います。
五味 先行ワールドと後発ワールドの統合時に、プレイ期間の差を埋める、よりよいシステムを施そうというのが、そもそもの出発点だったのですが、お客様から「あの期間を楽しみにしていた」という意見が非常に多かったのです。

――後発ワールドの獲得経験値が2倍になる期間ですね。
五味 機械的に同じ経験値の量にするのもいいかと考えていたのですが、経験値2倍の期間に効率よくレベル上げすることを楽しみのひとつとしていたお客様が想像以上に多くいらっしゃいました。ですので、これは考え直すべきだろうと決断したのです。

――そういった決断自体もそうですし、対応が早いなという印象を持ちました。
五味 単に止めてほしいという意見ではなくて、「こうしましょう」という建設的な意見をくださるお客様がとても多いんです。長くプレイしていただいているお客様がほとんどですので、無視してはいけないというスタンスは貫いています。

――『ブラウザ三国志』のユーザーは非常に優秀というか……(笑)。でも、そういった意見を届けてくれるユーザーは、オンラインゲームにとっては大きな財産ですよね。信頼関係が築けているんだなと感じます。
五味 僕ら以上にお詳しい面もありますからね(笑)。

※ワールドボーナスの仕様についてはこちら

●『ブラウザ三国志』の魅力

――おふたりが感じる『ブラウザ三国志』の魅力やプレイスタイルを教えてください。
勝木 私も、もともとはいちプレイヤーでした。プレイのサイクルのなかで、盟主交代が起きるような状況が、とても好きなんですね。同盟のなかで意見がまっぷたつに分かれて、同盟チャットがザワザワし出して、あちこちで書簡が飛び交って、けっきょく同盟が分裂した、といったような(笑)。また、思いもよらなかった同盟どうしの結託ですとか、同盟は生き物だなあ、ということが感じられるところですね。

――オンラインゲームならではの、人間どうしの思惑がぶつかる部分ですよね。ゲーム画面からはうかがい知れない、裏側の部分に魅力があると。
五味 私はけっこうひっそり遊ぶのが好きですね。一般のお客様にまぎれて、キャンペーンやアップデートの内容などを、こっそり同盟内のチャットでつぶやいてたりしてます(笑)。告知がわかりづらい、ということでもありますので、反省すべきところなんですが……。

――そんなことをしてるんですか(笑)。
五味 それと開戦の瞬間の高揚感が好きですね。「何時何分に一斉攻撃を仕掛けます」といった檄文が送られてきたときは、テンションが上がりますね。

――仕掛ける側はテンションが上がりますね。
五味 戦争でいえば、敵の攻撃に耐えているときも、気分が盛り上がりますね。3人くらいに攻撃されて、3、4日持ちこたえているときとか。「あとは味方がなんとかしてくれる!」といった感じですね(笑)。

――なんだかんだ言って、戦争は気分が高揚しますよね。武将や城をチクチク育てるのも楽しいですけど、個人的には、ぜひ戦争も体験してほしいと思います。
五味 あと公式の23サーバーで、私の名前を出してタレントさんといっしょにプレイしているんですけど、これが非常に楽しいです(笑)。

――かなりちょっかいを出されるのでは?
五味 始める前はそう思っていたのですが、いざやってみると、紳士的なお客様ばかりですし、楽しく遊ぶことができています。お問い合わせの書簡がどんどん送られてきたりですとか、そういうことも想定していたのですが(笑)。公式チャンネルで視聴者の方に呼びかけて同盟を組んだのですが、久々にプレイに復帰したお客様もいらっしゃって、非常にうれしかったです。

――それでは最後にひと言、お願いします。
勝木 まず、具体的な話をさせていただくと、お客様からたくさん要望が寄せられていた、いわゆる“配下バリア”、“初心者バリアと呼ばれる、仕様の裏をついたプレイについて、修正のめどが立ちました。こちらは近日中にお知らせできるかと思います。長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。あと、同盟内のALLYに関して、ヤフーモバゲーのみ問題が発生してしまい、機能をオフにしているのですが、こちらの再開のメドが立ちました。

――では、改めてお願いします。
勝木 この件も含めまして、ゲームバランスやユーザービリティは、土台として非常に重要なところです。これからも優先度を上げて、お客様が楽しいと思える土台をしっかり構築していきます。そのなかで、お客様が個々に独自の遊びを考えていただくのが健全な姿かと思っていますので、そのような文化が生まれるための力添えを、しっかりやっていきたいです。

――合成まわりとか、非常にやりやすくなっているかと思います。
勝木 ありがとうございます。

五味 でも、まだまだディレクター勝木はいまの『ブラウザ三国志』に不満があるようなので、もっと便利になると思いますよ(笑)。

――それはありがたいです(笑)。
五味 私が言うのもヘンかもしれませんが、私自身、これからのアップデートをとても楽しみにしています。実装されたら、また新しいワールドでプレイを始めてみようかと思っていますよ(笑)。お客様と触れ合う機会やイベントも、またやりたいですね。みなさんといっしょに『ブラウザ三国志』を楽しんでいきたいな、という気持ちです。今後とも、よろしくお願いします。

●インタビューを終えて

 大きな変革を迎えようとしている『ブラウザ三国志』。なお、インタビュー中にも話題が挙がった“大剣兵”、“盾兵”、“大盾兵”はテストワールドにて先行実装(※)される。正式実装前に、一度試してるのもオススメだ。

(追記:2013年9月25日現在、満員御礼に付き、テストワールドへの登録は行えなくなっています。ご了承ください)

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