タブレットとPCの機能を併せ持ったSurfaceに企業も注目
2013年9月2日、都内にて日本マイクロソフトによる“Surface法人向け戦略発表会”が開催。現在量販店やオンライン経由で、一般、個人向けに販売されているSurfaceを、2013年9月2日より、法人向けにも販売開始することを明らかにした。
会見で登壇した日本マイクロソフト 代表取締役社長 樋口泰行氏は、現在発売中のSurfaceが、従来のタブレットに物足りなさを感じているユーザーに大きな評価を受けているという現状を紹介した上で、「法人向けにも早く整備してほしいという声も多く、現時点で500社以上からの問い合わせがあります」と法人からの反響の多さを明らかにし、「“これが本当のタブレット”ということで打ち出していきたい」と意気込みを語った。
会見では、Surfaceを導入する北國銀行 代表取締役 専務取締役 前田純一氏が登壇。全行員に対して、2300台のSurfaceを導入するという北國銀行だが、前田氏は、導入の理由について、以下の通り説明した。これは取りも直さず、Surfaceを導入する企業の声を代弁していると言っていいだろう。
(1)タブレット端末でありながら、OSはWindows 8で、キーボードも備えている。タブレットとしての用途はもちろん、通常のPCとしてのハイブリッド型の端末として使える。1台あればどこでも使えるメリットは大きい。
(2)端末を含めて、情報系のIT基盤をマイクロソフトの製品に統一することで、システムをシンプルにでき、セキュリティも高まる。
(3)ハードウェアの質の面でもすぐれている。顧客のニーズに合っている。営業活動においても、画面が綺麗だとお客様への商品の訴求力となる。
会見では、Surfaceの法人向け販売開始に合わせて、2013年9月2日より、認定Surfaceリセラー(販売代理店)6社が発表された。法人向けのSurfaceは、このリセラー6社から提供されることになる。
[マイクロソフト 認定 Surfaceリセラー6社]
・ウチダスペクトラム
・大塚商会
・キャノンマーケティングジャパン
・日立システムズ
・富士ソフト
・リコージャパン
当日は、これら6社のリセラーの代表者が登壇し、それぞれSurfaceに対する抱負を語ったが、各社のコメントを聞くだけでも、Surfaceに対する期待値の高さをうかがうことができた。リコージャパンの専務執行役員 窪田大介氏によると、20144月9日のWindows XPのサポート終了にあわせてPCの買い替えが加速。当初、今年度のPCの販売目標を70万台に設定していたが(ちなみに、昨年度の実績は60万台)、80万台に修正。タブレット端末に関しても当初の20000台を5倍の10万台に変更したらしい。こうしたコメントを聞くと、「タブレットの流れが急速に来るのかも……」と思わせられる。
会見では引き続き、日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏より、Windows 8.1の強化点が説明された。2012年10月にリリースされたWindows 8だが、ユーザーからのフィードバックなどを経て、2013年10月18日にアップデート版のWindows 8.1がリリースされるのはご存じの通り。Windows 8の使い勝手は法人ユーザーにとっても気になるところだろう。藤本氏は、「真のWindows 8のあるべき姿として、分析をしつつ、強化点を出しました」として、以下の5つを挙げた。
・ユーザーエクスペリエンスの強化
・企業向けWindows8アプリの拡大
・モバイルおよびBYODの強化
・最新テクノロジーへの対応
・エンターブライズセキュリティ
Windows 8.1では、スタートボタンが復活するなど(スタートティップと呼ぶらしい)、利用者が違和感なく使用できるようなアップデードが施されているらしいが、個人法人を問わず、利便性がさらに高まりそうだ。
会見では、藤本氏がSurfaceを使用してのPOSシステムを実演。SurfaceでBluetoothでつながったバーコードリーダーで商品の情報を読み取り、クレジットカードで決済する……といったデモが披露された。先に紹介したリセラー各社とも、Surfaceにさまざまな独自のサービスを付加して提供することを明言しており、今後、思わぬ場所でSurfaceを目にする、という機会も多いのかも……と思わせた記者会見だった。