『ダンガンロンパ』好きなスタッフとファンが集った熱いイベント

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_01

 2013年6月23日、東京・六本木にて、テレビアニメ“『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”が開催された。テレビアニメ『ダンガンロンパ』の世界最速上映ということで、会場には多くのファンが集結。さらに、ライブシネマビューイングで、全国6ヵ所の劇場にも中継され、合計で約8000人近くのファンがアニメの上映、そしてイベントを楽しんだ。ゲストとして、苗木誠役の緒方恵美、監督の岸誠二氏、シリーズ構成・脚本の上江洲誠氏が出演。制作秘話などのトークでイベントを盛り上げていた。同イベントは1日に2回行われたが、本記事では1回目のリポートをお送りする。

 アニメの上映に先駆け、司会者とゲストの緒方恵美が登場。緒方は、「以前、ダビングしてもらったものを観たときは、まだ全部は絵が入ってなかったので、今日初めて全部観るんです」と、ファンと同じタイミングで見ることを報告。また、見どころを聞かれると「ここにいる皆さんは、ゲームの『ダンガンロンパ』はやってくれていますよね。ゲームを遊んでくださっている方が見ると、“ここから始まるのか”というシーンや、“ああ、そうか”と、わかるシーンがたくさんあると思います。もちろん、ゲームを遊んでいない人も楽しめるようになっていますが、ゲームと同じところ、同じじゃないところ、いろいろ楽しんでください。とくにゲーム版は、私たちは学級裁判の部分でしかしゃべってないので、日常の部分などを“こんな感じなのか”と楽しんでくださいね。あと、学級裁判シーンなどは“あー!”って思えるデキになっているので、楽しんでください」と話していた。
 そして、観客揃っての10のカウントダウンで、ついにアニメの上映開始。詳しくは記載しないが、ゲームのシーンと見間違うようなシーンが、たくさんあり、後述しているが、まさにアニメスタッフの“原作へのリスペクト”が感じられるデキになっていた。あと、ぬるぬる動くモノクマは非常に新鮮で、必見だ! 会場中のファンは、ひと言も発さずに、1コマも見逃さないような集中力で観ていたのか、1話のエンディングが終わると、堰を切ったように、会場中から大きな拍手が贈られた。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_02
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_03
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_04

 上映終了後、再びステージに登壇した緒方は、『ダンガンロンパ』のアニメ化について、「いやー、めちゃくちゃ感慨深いですね。最初から関わって、宣伝隊長もしていて、スパイク(当時)の皆さんと“アニメになったらいいね”と、いろいろ話してきたことが、こうやって実現したんだなという感慨深さがあります。映像なんて、ゲームのまんまですよね。でも、よく見るとゲームとの差が作り込んであって。原作のある作品をアニメ化するときは、皆さん何かオリジナリティーを入れたいという気持ちがあって、たいていは原作といかに変えるか、変化させようとする方が多いんですね。でも、岸誠二さんという監督は、原作にすごいリスペクトを置いて、原作のいい部分をしっかり残しながら、その残す部分で自分のテイストを入れていくという、すごく難しいことをとても上手にこなすんですね。そういうこともあって、もともと岸誠二さんが好きだったんですが、まさかのアニメ版の監督で、“岸誠二かよ!”と(笑)。それなら間違いはないなと思っていたんですが、まさにそういうリスペクトを体現されるようなフィルムを作ってくださったなと。私は、いちばん最初に『ダンガンロンパ』のファンになって、最初から見てきた身として、そう思いました」と、非常に熱いコメントを残した。

 続いて、監督の岸誠二氏、シリーズ構成・脚本の上江洲誠氏も登壇され、アニメの秘話についてのトークが行われた。『ダンガンロンパ』のアニメスタッフも非常に気合を入れて作っているようで、「この作業、本当にたいへんで、あんまり寝てないです(笑)」(岸誠二氏)、「今日も、朝まで仕事してましたから(笑)。じつは、この2、3日前まで(第一話の)フィルムもここまでできてなかった」(上江洲誠氏)と、コメントからギリギリまで作り込んでいることがうかがえた。また緒方は、アニメ化が決まる前のスタッフの『ダンガン』愛を暴露。「ずいぶん前にアニメ化が決まったと聞いたんですが、別のアニメの打ち上げで比嘉さん(アニメ『ダンガンロンパ』のプロデューサー)が、“観てくれます?”と、とある映像を見せてきたんですね。それは、モノクマだけが動いている映像なんですが、じつはそれはいかに自分たちが『ダンガンロンパ』のアニメ化をしたいかをスパイクさんに伝えるために作った、プレゼン用のアニメだったんです。“これを勝手に作るくらいやりたいんだ”とアピールしたみたいなんですよね。それで監督は岸さんだって聞いて、別の日にたまたま歌舞伎町の飲み屋で岸さんに会ったら、カバンにモノクマがついてて(笑)」(緒方)、「俺、ファンだからつけてただけだから(笑)。そうしたら決まっちゃって。夢が叶いました!」と語る岸監督は、自前のモノクマTシャツでうれしそうに笑顔をこぼしていた。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_05
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_06
▲左から司会のやまけん氏、緒方恵美、岸誠二氏、上江洲誠氏。
▲会場で公開された写真。左のモノクマケーキは、比嘉プロデューサーの手作りだとか。また、別の写真では岸監督が作ったモノクマケーキも公開されていた。

 また、シナリオの会議には、『ダンガンロンパ』のシナリオライターである、スパイク・チュンソフトの小高和剛氏も参加しているという。「小高さんも参加していただいて、二人三脚だった印象があります。アニメでは、監督が表の番長で、シリーズ構成が裏番みたいなもんなんですけど、小高さんが毎回いらっしゃってくれるので、小高さんが影番で。番長多いなーと(笑)。でも、すごく楽しかったですね」(上江洲氏)。とはいえ、ゲームとしてもたっぷりボリュームがある『ダンガンロンパ』を、30分の番組にまとめるのは、相当の苦労があるようで、緒方が「居酒屋の片隅でシナリオ会議が行われるというので、それについて行って音響監督と呑んでいたんですが、横からいろいろとシナリオの話が聞こえてくるんですよ。おわかりだと思うんですが、『ダンガンロンパ』ってゲームが長いので、割愛しなければいけないけど、割愛するところがないじゃないですか。で、上江洲さんがすごくストイックに削ってくれた台本が来たんですが、“そこから9ページ切らなければならない”と話をしているわけです。私も呑んでいるんですが、横で監督が“ここの苗木の5~6行のセリフをカットして、それを緒方さんに『……』で表してもらいましょう。それでいいですよね。任せましたよ?”って言ってるんですよね。意味がわからない!(笑)。いろいろな想いが込められた“……”に注目してください」と語ると、岸監督も「やむを得ず飛ばしますけど、表現はしてくださいと言いました(笑)」と認めていた。

 今後の2、3話と続いていくアニメの見どころについては、上江洲氏は「ビックリしてほしいんですよ。いろんな事件が起こるし、これは言ってもいいと思うんですけど、この子たち、ガンガン死んじゃうんで。ゲームをまだプレイしていない人が楽しめるのはもちろんですが、ゲームをプレイした人は、これから初めて見る人たちを、モノクマのような視点で見守るといいと思いますよ(笑)」とアピール。また、緒方も「『ダンガンロンパ』は、ゲームでファンになってくださった方に、スパイク・チュンソフトさんが“第一章まではしゃべっていいんですけど、第二章以降はしゃべらないでください”とお願いしたら、皆さんがそれを守ってくれて。本当にそれがすばらしいし、ありがたいなと。きっと皆さんが遊んだときに、この楽しい感じやドキドキする感じを、ほかの人にも味わわせてあげようと思ってくださったと感じるんですが、それが本当にうれしかったんです。だから、アニメも皆さんが楽しめるように、好きでいてくださる方はご配慮いただけると思うんですけど。……予告編とかね」と、テレビCMの話に言及。「予告編のあのネタってわかった人います?」と岸氏が語り、「予告編のネタっていうのは、『ダンガンロンパ』の体験版をやったことがある人だけがわかるネタが、予告編に仕込まれていたんですよね」と緒方が説明するように、体験版を遊んだ人ならばニヤリとする予告編へのこだわりにも触れていた。

 トークショウに続いて、さまざまなニュースが公開された。ここでは、主要なものをピックアップしてお届けしよう。まず、2013年8月28日に発売されるBlu-rayとDVDの第1巻。初回限定版には、“原作キャラクターデザイン・小松崎類 描き下ろし三方背ケース”、“アニメ版描き下ろし特製デジパック仕様”、“特典CD 第1弾(オープニング・テーマ曲収録予定”、“特製ゲームカード 第1弾”、“特製ブックレット”などのさまざまな特典がついているが、さらに上江洲誠氏から「原作の小高さんに描き下ろし小説を書いてもらっています」との発表が。詳細は不明だが、原作のシナリオを担当した小高和剛氏による書き下ろし小説も特典として付く予定とのことだ。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_07
▲全国のライブシネマビューイング会場も対象になった抽選大会が行われた。

 さらに初出情報として、2013年6月24日(月)から一週間、山手線の主要15駅に、番組の宣伝ポスターを掲出することが発表された。超高校級の15キャラクターそれぞれのポスターが、1駅に1枚貼られるという。なお、貼られる駅はそのキャラクターらしい駅になっていて、すべて改札内に貼られるとのことだ。また、秋葉原駅にはキャラクターポスターとは別の、宣伝ポスターも貼られるようだ。なお、掲出駅は、新宿、渋谷、池袋、秋葉原、東京、有楽町、新橋、上野、目黒、恵比寿、原宿、高田馬場、神田、大崎、代々木。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_08

 2013年夏のコミケにスパイク・チュンソフトの『ダンガンロンパ』グッズを販売する“希望ヶ峰学園購買部”と、アニメのグッズの販売店が共同出店するということも発表。ブースは、“№552 ダンガンロンパ希望ヶ峰学園購買部”と“№553 RONDO ROBE”で、コミックマーケット84(2013年8月10日~12日)の西4階企業ブースにて2社合同出展するという。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_09
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_10
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_11

先日発表されたプレイステーション Vitaの『ダンガンロンパ1・2 Reload』(詳細はこちら)のプロモーションビデオと、CMが初公開。プロモーションビデオでは、新要素となる『1』の“スクールモード”が公開され、かわいらしいドット絵で動くキャラクターの姿に加え、イベントシーンとして、舞園さやかとの会話シーン、弱気な姿を見せる石丸清多夏、恫喝する十神白夜の姿などが見られた。

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_12
▲『ダンガンロンパ1・2 Reload』のメインビジュアル。

<そのほか、イベントで発表された情報はこちら>
・少年エースにて好評連載中。『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』コミック第1巻が2013年6月26日発売!!

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_13

・“物理トリックの北山”の異名を取るミステリーの旗手、北山猛邦(たけくに)氏によって霧切響子の“過去”がついに語られる。『ダンガンロンパ霧切』、今夏、星海社FICTIONSより発売予定。

・『ダンガンロンパ』と“ナゾメイト”がコラボして、今秋に謎解きイベントの開催が決定。詳細は今後随時更新予定!

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_14

・『みんなのくじ ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』が9月下旬に発売予定

世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_15
世界最速上映! “『ダンガンロンパ THE ANIMATION』第一話先行上映&スペシャルトークショー”リポート_16

 そして、イベントはエンディングへ。エンディングでは、それぞれから締めのメッセージが贈られた。
「第一話、ご覧いただきましたが、こんな感じになっております。一生懸命作っていて、僕も初めて観たんですが、すばらしくてビックリしました。よくぞ、ここまでできたなと思っています。今日お話したいことがありまして。こういう形で、果てしなく原作に近いアニメを作ろうというのがテーマです。いい意味にとって欲しいんですが、『ダンガンロンパ』は原作が100点満点なんですよ。だから、本当の『ダンガンロンパ』は原作ゲームをやっていただくのがいいと思います。でも、僕たちはこれを1話30分のテレビ番組として成立する、ギリギリ正解の形の『ダンガンロンパ』を作ったと思います。ですから、100点満点の『ダンガンロンパ』とはまた違うもの、でも30分のテレビ番組としては100点の状態にしていると思います。テレビアニメ、原作、両方楽しでもらえるといいなと思います」(上江洲誠氏)。

「楽しんでいただけましたか。少しでも楽しんでいただければと思います。目標としては、ボタンを押さないで見られる『ダンガンロンパ』。そういうことです。このあと、学級裁判なども出てきますが、“おまえら、あれをどうするんだ”という話になっていると思いますが、楽しみにしておいてください。なかなかアニメでは見られない画面がテレビの中で展開するのではないかと思いますので、これからは番組のほうの応援をよろしくお願いします」(岸誠二氏)。

「『ダンガンロンパ』というタイトルは、最初からユーザーの皆さんに育ててもらったタイトルだと思っています。最初に出した出荷本数からどんどん増えていって、それは皆さんの口コミの力。口コミの力が、ファミ通のユーザーショウ(編注:『ダンガンロンパ』は、ファミ通アワード2010でルーキー大賞を、『スーパーダンガンロンパ2』はファミ通アワード2012で優秀賞を獲得)などをいただく結果になって、もちろん開発スタッフもすごいんですが、本当に遊んでくださった皆さんのおかげで広まった作品だと思います。この作品がまたアニメになるということで、すばらしいアニメチームに作っていただけるということがありがたいことなんですが、また皆さんの口コミの力で『ダンガンロンパ』という作品を広めていっていただけたらうれしいなと思います。それが広がっていくことが、スパイク・チュンソフトさんにもっといいソフトを作るための力になるかもしれませんし、もちろん私たち声優もそうですし、スタッフも関係各位もそうだと思います。良いと思ったら、口コミで広めていただけたらと思います。まだ始まったばかりですので、私たちも最後までがんばっていきたいと思います。みんなまとめて、応援よろしくお願いします」(緒方恵美)。

 熱いファンの盛大な拍手で、大盛り上がりのイベントは終了。アニメの第1話は、2013年7月4日から全国で順次放送される(詳細な放送スケジュールは下記を参照)。アニメの『ダンガンロンパ』、そしてPS Vitaの『ダンガンロンパ1・2 Reload』と、ファンにはたまらない年になりそうだ。

■放送日時
MBS:7月4日より毎週木曜日25:35放送スタート
TBS:7月5日より毎週金曜日25:55放送スタート
CBC:7月5日より毎週金曜日26:35放送スタート
BS-TBS:7月6日より毎週土曜日24:00放送スタート
※放送日時は変更になる場合がございます。

■スタッフ
原作:スパイク・チュンソフト 
監督:岸誠二
シナリオ監修:小高和剛(スパイク・チュンソフト)
シリーズ構成・脚本:上江洲誠
キャラクター原案:小松崎類(スパイク・チュンソフト )
キャラクターデザイン:森田和明
モノクマデザイン:アミサキリョウコ
アニメーション制作:ラルケ
製作:「希望ヶ峰学園映像部」(きぼうがみねがくえんえいぞうぶ)

■キャスト
苗木誠:緒方恵美
舞園さやか:大本眞基子
桑田怜恩:櫻井孝宏
霧切響子:日笠陽子
十神白夜:石田彰
山田一二三:山口勝平
大和田紋土:中井和哉
腐川冬子:沢城みゆき
セレスティア・ルーデンベルク:椎名へきる
朝日奈葵:斎藤千和
石丸清多夏:鳥海浩輔
大神さくら:くじら
葉隠康比呂:松風雅也
江ノ島盾子:豊口めぐみ
不二咲千尋:宮田幸季
モノクマ:大山のぶ代

(C)Spike Chunsoft Co., Ltd./ 希望ヶ峰学園映像部 All Rights Reserved.
(C)Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C)Spike Chunsoft