トゥーンリンクの原点がHDで復活!
2013年6月11日~13日(米国時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大級のゲーム見本市E3 2013(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2013)。任天堂ブースにて試遊できた『ゼルダの伝説 風のタクトHD』(2013年9月26日発売予定)のプレイリポートをお届けする。
2002年にニンテンドーゲームキューブで発売された『ゼルダの伝説 風のタクト』。リアル路線で作られた『時のオカリナ』の次作が、まさかのネコ目リンクということで、大きな話題となった作品だ。しかし、この作品は見た目が変わっただけでなく、目の動きがヒントになっていたり、ディズニー作品を彷彿させるような敵のコミカルな動きだったりと、グラフィックの変化がゲーム性にも結びつく発明が多い作品だった。『ゼルダ』シリーズと言えば、『時のオカリナ』が世界中で絶賛されているが、それに比べて『風のタクト』は諸手を上げて絶賛されることは多くないものの、濃いファンが多いゲームになっていた(かくいう筆者も隠れファンのひとり)。そんな『風のタクト』から11年。ネコ目リンクが、HD画質になり、Wii Uへと帰ってきた。
E3の試遊台でプレイできたのは、リンクの故郷であるプロロ島の探索と、仮面をつけた鳥・ジークロックと戦うボス戦のふたつ。グラフィックHDになってくっきりとキレイになったのはもちろんだが、何より発色が非常にキレイ。昔の日本アニメのようなトゥーンレンダリングは、原色を活かしたような発色でさらに魅力を増し、とくに真っ青な海は一見の価値ありと言えるレベルの美しさだ。
Wii U GamePadへの対応により、遊びやすさも格段に進化している。ゲーム中、タッチスクリーンにはアイテムなどのメニュー類が表示されており、所持アイテムをドラッグするだけで持ち替えられるのだ。いちいちメニューを表示して持ち替える必要がないのは、大幅なテンポアップにつながり、非常に快適なプレイが楽しめる。また、近年の『ゼルダ』シリーズではおなじみとなったジャイロセンサーも活用しており、望遠鏡を覗いたり、弓矢を構えたりするときは、Wii U GamePadを動かすことで視点を操作できるようになった。そのほかの操作では、風を起こすタクトの操作も変更。タッチで上、右、左とタイミングよくスライドすることで、リンクがその方向にタクトを振ってくれる(右のアナログスティックでも代用可能)。このように、画質が変わっただけでなく、全般的にテンポアップにつながる改良がなされている点も要注目だ。
筆者は、ゲームキューブでクリアーして以来、それこそ約11年ぶりに『風のタクト』に触れたわけだが、グラフィックのリファインも相まって、まったく古臭い印象は受けなかった。いわゆる単なるHD化に留まらず、色味の調整など、細部の調整のおかげだろう。調整と言えば、任天堂のホームページに掲載されている、プロデューサーの青沼英二氏が語る動画(→こちら)によれば、前作の不満点として挙げられることの多い、船の移動を高速化したほか、トライフォースのかけらを探す部分なども改善しているという。グラフィックだけでなく、あらゆるところが新しくなった『風のタクトHD』。ゲームキューブで当時遊んだ人はもちろんだが、前作のファンとしては、未体験の人にこそ触れていただき、妹、おばあちゃん、赤シャチといったプロロ島の人たち、そしてテトラを始めとする海賊団との会話を楽しんでほしいと思う。……と締めのようなことを書いておいて何だが、これだけのリメイクをしたのだから、このまま『4つの剣+』に入っていた『ナビトラッカーズ』をリメイクしたり、『スカイウォードソード』をHD化してもいいよなーというか、ぜひしていただきたいな、任天堂さん。と、単なるいちファンの希望を出して、締めにさせていただく。お願いします!
(C)2002-2013 Nintendo ※画面は開発中のものです。