著名クリエイターが『人狼』で激突! “ゲームクリエイター人狼会”ってなんだ?

最近ではテレビで番組化されるほどの人気を集めている『人狼』。その『人狼』を遊ぶため、著名ゲームクリエイター陣が夜な夜な集まっているという情報をキャッチした。その名も“ゲームクリエイター人狼会”。いったいどのような会なのか、潜入取材を行った。

●“ゲームクリエイター人狼会”は“魅せる『人狼』”を目指す

 某月某日。とある目的のため、そうそうたるゲームクリエイターたちが、都内某所に集まっていた。集った人数は、総勢20名以上。彼らの目的はただひとつだった。それは、『人狼』。互いに顔を合わせ、自分たちの中に潜んだ人間の皮をかぶった狼たちを、みずからの推理と論理で暴いていく。リアルタイムにくり広げられる舌戦に挑むべく、彼らは一堂に会したのである。

 ……と、ものものしく始めてみましたが、最初のキャッチでお分かりの通り、要するに人気のパーティーゲーム『人狼』を、ゲームクリエイターが集まって遊んでいるという、“ゲームクリエイター人狼会”におじゃまして、簡単なリポートを書かせていただこうという趣旨の記事になります。申し遅れました。私、週刊ファミ通の編集をしております、世界三大三代川と申します。

 『人狼』。ご存知の方も多いと思いますが、このゲームは参加者が人間側と、人狼側に分かれ、互いの陣営の勝利を目指してトークで戦い合うというものです。人間は、人狼を見抜く占い師などの能力を活用しつつ、人狼を探し当てていくわけですが、人狼はあたかも人間であるかのように振る舞い、ともに推理をする素振りを見せるため、人間はなかなか彼らを見つけられず、疑心暗鬼に陥って、仲間の人間を襲ってしまう……といった展開のゲームなわけです。なかなか説明が難しいゲームですが、詳しくは数多あるインターネット上の説明を見ていただいたり、まさに人狼のリプレイ記事を書いている大塚角満の記事(→こちら)を読んでいただいたりすると、わかりやすいかと思います。

 というわけで、『人狼』自体の説明は省略させていただいて、まずは某月某日に行われた“ゲームクリエイター人狼会”の参加者の一部をご紹介(五十音順)。イシイジロウ氏(代表作:『タイムトラベラーズ』など)、打越鋼太郎氏(代表作:『極限脱出ADV 善人シボウデス』など)、木村仁氏(代表作:『魔神STATION』など)、小高和剛氏(代表作:『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』など)、佐藤直子氏(代表作:『GRAVITY DAZE』など)、外山圭一郎氏(代表作:『GRAVITY DAZE』など)、西舘正臣氏(SCE チーフ)、能登伸治氏(代表作:『GRAVITY DAZE』など)、藤澤仁氏(代表作:『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』など)。なんとまあ濃ゆい面子! これらのメンバーに加え、『人狼』を題材に舞台を行う“人狼 ザ・ライブプレイングシアター”(通称、人狼TLPT)から、実際の役者さんであるデイジー役の寺島絵里香さん、医師マドック役の松崎史也さん、プロデューサーの桜庭未那さん、人狼TLPTに参加・協力し、『人狼』のゲームマスターを数えきれないほど歴任してきた、”ドイツゲームスペース@Shibuya”の児玉健さんも参戦。いわば、『人狼』のプロですね。さらに、見学や後から参加された方々(その中には、『428』の亜智役で有名な中村悠斗さんも!)もいましたので、それはもう豪華な会になっていました。

 そんなメンバーによる『人狼』に、恐れ多くも自分も混ぜていただきまして。いっしょにプレイさせていただきました。ということで、詳しい内容をリポート……するのは、その場で見学をしていた、ゲームプレイ日記のプロである大塚角満が、見事なリプレイ記事に仕上げてくれる(!)とのことなので(角満先生、お願いします!)、そちらに期待しつつ、自分のほうでは“ゲームクリエイター人狼会”が、一般的な『人狼』のプレイとどう違ったのか。自分の主観になりますが、ちょっとだけ書かせていただきます。

▲今回のルールを説明するイシイジロウさん。まだ始まる前なので、みんな元気です。

▲元気ですけど、一部、金色の飲み物でできあがっている方々もいます。カメラ目線の打越さんの目がおかしい……。

▲というわけでプレイ開始。最初にカードを引いて、自分の役を決めますが、その際、人狼であろうと市民であろうと、「私は市民です」と宣言するルールで行いました。この時点での行動や表情も推理の対象になるわけです。

▲みんな目を伏せていますが、寝ているわけじゃありません。いわゆる“夜”です。ここで人狼どうしが誰を襲うか、占い師が誰を占うかといった、役職ごとの行動ができるわけです。立っている方は、人狼TLPTのプロデューサーの桜庭未那さん。今回のゲームマスターです。

 『人狼』に一般論もあったものではない気もしますが、セオリーとしては人狼役の人はあまり目立たないようにしつつ、一部役職を騙る人が出たりするわけです。が、“ゲームクリエイター人狼会”、というか、人狼TLPTの方々も含めて、騙ったりするのは、むしろ常識。騙らないほうが非常識。人狼の人が堂々と主導権を握り(もちろん、プレイヤーはその人が人狼かどうかはわからない)、“狂人”役の人もとにかく場を引っ掻き回しまくるという、『人狼』と言えばBBSのROM専門だった自分としては、本当に大混乱に陥いるような状況でした。ましてや、「いまだ!」と自分の役職をカミングアウトした途端に、「ほら、釣れた。偽物が釣れるのを待っていたんですよ!」と、『428』の“御法川実”よろしく、人差し指で豪快に指されながら偽物扱いされた日には、絶句しながら「……あれ? 俺、本物だよね?」と、自分を疑いたくなるようなショックなわけで。でも! 人狼TLPT組の皆さんの見事な狂言回しや、イシイジロウ氏の独壇場となる名(迷?)推理などなど、とにかく見せ場の多い『人狼』は、本当に刺激的。自分がこれまでプレイしてきた『人狼』(と言っても、経験は浅いですが)は、ジワジワと推理をしていくタイプのものだったので、このスピーディー&ド派手な展開はカルチャーショックと言えるものでした。

▲『人狼』では怪しい人に投票を行い、最多票の人を“吊る”わけですが、今回は投票の際に相手にバラを渡すという人狼TLPTルールでした。藤澤さん、笑顔でバラを渡しています。

▲今回のルールでは、投票は順番を決めず、自主的に。どうしてその人に投票するのか、その理由を語りながら投票します。自主性なので、投票順序も大事な推理の要素。

▲投票のバラをたくさんもらってしまうイシイさん。

 それもそのはず。“ゲームクリエイター人狼会”が目指しているものは、“プレイヤーは勝つだけでなく魅せる試合も求められる”というもの。まさに、遊んで楽しいだけでなく、人狼TLPTのように見ても楽しいものを目指しているのです。今回で、“ゲームクリエイター人狼会”の開催は2回目。イシイジロウ氏いわく、今後も継続してプレイをしていくとのことで、“魅せる試合”が極まれば、そのうち公開試合なんてこともありえる……のでしょうか?

 というわけで、主観混じりのざっくりとしたリポートになってしまいましたが、機会があれば、こちらの“ゲームクリエイター人狼会”の情報をまた掲載させていただくかもしれません。大塚角満のリプレイ記事も期待しつつ、本記事の最後に、この“ゲームクリエイター人狼会”を主宰する、イシイジロウ氏にコメントをいただいたので、リポートの締めとして紹介させていただきます。

■イシイジロウ氏コメント
 遂に将棋のプロがコンピュータに負け始めた時代。そしてあと何年かすれば、さらに複雑な碁においても、コンピュータが人間を凌駕していくのでしょう。
 しかし、その後100年経ってもコンピュータが人間の足元にも及ぶ事のないだろうと言われる究極のゲームがあります。それがこの『人狼』です。ゲームクリエイターはゲームを作るのが仕事。だからゲームも強くなければならないのです。
 ゲームクリエイターは飽きる程ゲームの事を考えている。だから最高に刺激的なゲームでないと楽しめないのです。
 そんな気持ちで始めた”ゲームクリエイター人狼会”。今回はエンターブレインさんの会議室をお借りしての第2回開催でした。「僕たちゲームのプロだから、どんなルールのゲームだってそれなりに対応できるよね?」……というような軽い気持ちで、『人狼』のプロ・人狼TLPTの面々とお手合わせいただいたのですが。その結果は……。
 『進撃の巨人』で巨人に向き合った兵団の気持ちがわかりました。僕は旅に出ます。狼を倒す旅に、そして狼になる旅に。きっと強くなって帰ってきます。その時までゲームクリエイターなんて名乗らないのだ!

ゲームクリエイター人狼会 主宰→見習い イシイジロウ