ドライブも楽しめるオープンロードシステムを採用!

 リアルさをトコトン追求したレーシングシミュレーター『Forza Motorsport』シリーズ。その最新作『Forza Horizon』は、リアルさ以外はこれまでの作品とはちょっと毛色が異なる、いわばシリーズのスピンオフ的な作品だ。
 本作の舞台は、アメリカのコロラドをモチーフとした広大な世界。ここで開催される“Forza Horizon フェスティバル”に飛び入りで参加し、各種レースにチャレンジして総合優勝を目指すのだ。
 本作最大の特徴は、オープンロードを採用していること。シームレスに展開していく、雄大かつ広大なコロラドの大地を愛車でかっ飛ばし、美しい景観を楽しんだり、隠されたアイテムを求めて各地を探索するなど、レース以外にドライブも楽しめるゲームシステムになっている。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_01
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_02
▲コロラドの大自然をモチーフとした広大なマップで、多彩なレースイベントを楽しめる。シリーズ最高峰の美しい映像もチェック!
▲こちらが本作の舞台となるフェス会場のマップ。各地にある青色や緑色のアイコンがレースイベントだ。

本格的なシミュレーターを手軽に楽しめる!

 広大なマップの各所にはレースイベントが存在し、これらのレースに勝利してポイントを溜めるとプレイヤーのレベルがアップ。新しいイベントが解禁されていく仕組みだ。
 おもしろいのは、このレースイベントがとてもバラエティ豊かなこと。通常のレースはもちろん、飛行機とクルマがバトルしたり、名車をできるだけクラッシュさせずに目的地まで運び写真を撮影するなど、じつに多彩なレースやドライブを楽しめるのだ。これまでのシリーズは、淡々とレースをこなしていくストイックな内容だったが、本作ではカジュアルユーザーにも楽しめるコンテンツが大きく増えているのだ。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_03
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_04
▲クルマの“MUSTANG”と飛行機の“MUSTANG”がバトルする、一風変わったイベント。このほかに、気球とレースするイベントなども存在する。
▲写真を撮影するイベントも。最新のフラグシップカーのみならず、ご覧のようにランボルギーニ ミウラを始め、往年の名車も登場。

 また基本システムも若干カジュアル寄りに調整されている。過去シリーズではレース中にクラッシュすると車体が破壊され、マシンの性能が低下し、さらに修理にはお金が必要となる作りだった(設定でOFFにすることもできる)。だが本作では、クラッシュしてもクルマの外装が壊れるぐらいのペナルティ。クラッシュを気にしない、ダイナミックなドライブを楽しめるのだ。またマシンのアップグレード要素も継承されているが、こちらは非常に簡略化され、単純に上位のものを購入すればマシンの性能が向上するという、メカに興味がない人にも理解しやすい内容になっている。
 このように、本作はカジュアルユーザーを意識したゲームデザインになっているのだが、根幹となるマシンの挙動と、それを思うがままに操る楽しさはシリーズ譲りの本格派。リアルな挙動のクルマを、お手軽に操作する楽しさを誰でも味わえる作品に仕上がっているのだ。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_05
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_06
▲パーツのアップグレードは非常に簡略化された。コアユーザーにはモノ足りないかもしれないが、ライトユーザーには逆にわかりやすくなるメリットが。
▲アップグレードにはお金がかかるが、フェス会場にある看板を破壊するごとに割引されていく。この看板を探しまわる探索要素も楽しめるのだ。

ハチャメチャなバトルが楽しめるオンラインプレイ

 オンライン要素は、ざっくりと2種類に大別される。まず本編では、直接ほかのユーザーとレースをすることはできないが、各種レースイベントや一定区間を走ったタイムを競う“スピードトラップ”などで、オンラインランキングを確認できる。フレンドとタイムを競い合ったり、ランキング上位を目指してコツコツタイムを縮めていく、レースゲームの醍醐味はバッチリ味わえる。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_07
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_08
▲各イベントのタイムがライバルと比較される仕掛けも。このようなランキングシステムは、単純な仕掛けながらつい熱くなってしまう。
▲フレンドに記録を更新されると、ごていねいにメッセージが届く仕掛けも。抜かれたときの悔しさをバネに再チャレンジ!

 それ以外のマルチプレイ、要するに直接レースを行う類のモノは、完全に独立したゲームモードとなっている。こちらには、キャンペーンモードとは別に、プレイヤーのレベルが設定されており、レースに参加して経験値を稼ぐとレベルアップ、賞金やクルマがもらえるという仕組みだ。
 さて、オンラインのレースイベントも、シングルプレイのものと負けず劣らずバラエティ豊かな内容になっている。スタンダードなレースに加えて、参加者のひとりが“感染者”となってほかのプレイヤーを追いかける鬼ごっこのような“インフェクティド”、参加者が2チームに分かれ、各チームにひとりずついる“マウス”のプレイヤーを先にゴールさせたチームが勝者となる“キャット&マウス”など、ワイワイと楽しめるルールが多い。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_09
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_10
▲鬼が増え続ける鬼ごっこ的なルールの“インフェクティド”。クルマで体当たりするのが新鮮で楽しい!
▲自チームのマウスを先にゴールさせることが目的の“キャット&マウス”。マウス以外のプレイヤーは“キャット”となり、相手チームを妨害するのだ。

 また“フリー走行”というモードもあり、こちらではシングルプレイの広大なマップをみんなで走ることが可能。“トータルで12875km走破する”、“日の出から日没までにランボルギーニで○○から○○までふたり以上走破する”といったチャレンジが用意されているので、単にドライブするだけではなく、みんなで力を合わせて目標を達成する協力プレイも楽しめるのが大きな特長だ。

多彩なDLCでさらにレースの楽しさが広がる!

 本作は追加ダウンロードコンテンツが多数配信されており、なかには新しいゲームモードが追加されるものも存在する。現在配信されているおもなDLCは、下記の通りだ。
○追加車種&カーパック(各カーパック:400MSP、各車種:0~240MSP)
○Rally拡張パック(1600MSP)
○1000 CLUB 拡張パック(無料)
○シーズンパス(4000MSP)
○VIP メンバーシップ(800MSP)
 では、各々をくわしく見ていこう。まず“追加車種&カーパック”だが、これはその名の通り、新しいクルマを追加するもの。これまでに7つ登場しており、各パックには6~7種類の車種が含まれている。価格は400MSPで、個別に買う場合は1車種240MSPとなっている。また各パックにひとつずつ、無料配信されているクルマもある。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_11
▲多数の追加車種が販売中。パックで購入する以外に個別で購入することも可能。またシーズンパスでのまとめ買いも可能だ。

 “Rally拡張パック”は、新たに5台のラリーカーが追加され、また既存の車種をラリー仕様に変更できるラリーアップグレードが追加される。このラリーカーを使用し、新しいゲームモードである“オンライン ラリー モード”を楽しめる。
 “オンライン ラリー モード”は、オンラインと名が付いているが、対戦オンリーではなく、さまざまなラリーレースイベントが楽しめるモードだ。ラリーカーの挙動は通常のレースカートは大きく変わり、とにかく滑りやすくなる。またコースもオフロードとなるため、車体の制御が難しい。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_12
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_13
▲新たにラリーレースモードを追加する“Rally拡張パック”。『Forza』シリーズの挙動でラリーレースを楽しめるのだ!
▲本編のクルマをラリーカー仕様にするアップグレードも追加された。お気に入りのマシンでラリーを楽しめる。

 さらに、ラリーには欠かせない、コ・ドライバーも登場。「100、ミディアムライト、つぎイージーレフト!」なんてコースレイアウトを読み上げてくれ、ラリー感を増大するのにひと役買っている。ちなみにこのコ・ドライバーのボイスもしっかりとローカライズされており、非常に聞き取りやすい。
 個人的には、この追加DLCはかなり楽しめた。ラリーレースは、クルマの挙動やコースレイアウト、レース中の雰囲気などが通常のレースと大きく異なるため、まるで別のゲームをプレイしているかのような新鮮さを味わえたのだ。

 “1000 CLUB 拡張パック”は、ふたつの新車種と、これまでのすべてのクルマに新しいチャレンジが追加される大規模のDLC。新しいチャレンジをクリアーするとメダルを入手でき、入手したメダルの数をオンラインで競うこともできる。
 このチャレンジとは、たとえば車種“アヴェンタドール”の場合は、180°ターンを成功させる“ワン エイティ スキル”、高速でほかのクルマと4回すれ違う“ニアミス”、306Km/h以上の速度で10秒以上走る“最高速度”など6種類のチャレンジが用意されている。チャレンジの内容は車種ごとに異なり、また本作は車種の種類も多いため、コンプリートを目指すならばかなりの長時間楽しめる内容になっている。何より無料で導入できるのはうれしい。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_14
【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_15
▲シングルプレイを拡張するような内容のDLC、“1000 CLUB 拡張パック”。各車種に新たなチャレンジが追加される。
▲指定されたチャレンジをクリアーすると解除される、追加実績も。実績マニアは要チェックだ。

 “シーズンパス”は、上記の“1000 CLUB 拡張パック”以外をダウンロードできる、いわばお得なまとめ買いパック。それに加え、シーズンパス限定の車種が5つ同梱されている。
 “VIP メンバーシップ”は、新しい5車種とVIP専用アイコン、専用イベントなどが追加されるDLC。『Forza Horizon リミテッド コレクターズ エディション』に同梱されていた特典が、単品で販売されている形だ。
 個人的には、本作を気に入ったのであれば、“1000 CLUB 拡張パック”と“オンライン ラリー モード”はぜひとも体験してほしい。可能ならば有料DLCのほぼすべてを楽しめる“シーズンパス”の導入がオススメだが、いかんせん値段が値段のため、お財布および自分のハマり具合と相談してみよう。
 また本作には実績が追加されており、追加実績の解除には“1000 CLUB 拡張パック”と“オンライン ラリー モード”が必要になる。というわけで、実績マニアにはこちらのDLCを要チェックだ。

【めざせ!!100万時間応援企画】プレイリポート第5回:『Forza Horizon』_16
▲Xbox SmartGlassと連動したゲームプレイを楽しめる。ちなみに写真は、筆者のiPhone 4で撮影。

 なお本作は、スマートフォンやタブレットで配信されている無料アプリ“Xbox SmartGlass”に対応している。ゲームプレイ中にこちらを起動するとミニマップが表示され、Xbox 360と連動して本作を楽しめるのだ。対応機器を所持している人は、一度体験してみるといいだろう。

 『Forza Motorsport』シリーズは硬派なレーシングシミュレーターだが、コアユーザーのみが楽しめるゲームを目指しているわけではなく、カジュアルユーザーも楽しめる仕掛けを数多く用意してきた。本作はその方向性が一番強く表れており、シリーズ中もっとも遊びやすいゲームに仕上がっている。シリーズのファンはもちろん、「本格的なレースゲームを遊んでみたいけれど難しそうだし……」と二の足を踏んでいる人にこそ、オススメしたい。

■著者紹介:喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。ウワサの新世代マシンXbox Oneで『Forza』シリーズの最新作『5』が登場するようで、そちらも楽しみ!