最終損益は137億円の赤字に

 2013年5月13日、スクウェア・エニックス・ホールディングスが2013年3月期 決算短信を発表した。売上高は1479億8100万円(前年同期比15.7%増)、営業損失は60億8100万円(前年同期は107億1300万円の営業利益)、経常損失は43億7800万円(前年同期は102億9700万円の経常利益)となった。

 なお、昨今のゲーム事業の環境変化を踏まえ、開発方針の変更、組織体制の見直し、一部ビジネスモデルの変更などを行うことで特別損失の発生を主要因として、最終損益は、137億1400万円の当期純損失(前年同期は60億6000万円の当期純利益)としている。

 主力となるデジタルエンタテインメント事業では、ブラウザゲーム『戦国IXA(イクサ)』やMobage向けソーシャルゲーム『ファイナルファンタジー ブリゲイド』などが引き続き収益に貢献したほか、2012年にサービスを開始した『拡散性ミリオンアーサー』が、日本のみならず韓国でもヒットするなど、新規タイトルも順調に伸長したとのこと。また、『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族オンライン』の運営は堅調に進捗しているとのことだ。ただし、「欧米における家庭用ゲーム機向けの大型ソフト販売が伸び悩み、営業損益の水準が大きく低下しました」(決算短信より)との理由から、 デジタルエンタテインメント事業における当連結会計年度の売上高は894億8200万円(前年同期比24.5%増)となり、営業利益は4400万円(前年同期比99.7%減)となっている。

 次期の見通しとしては、「当社グループを取り巻く事業環境は、欧米における家庭用ゲーム機向けソフト市場の競争激化・寡占化が進む一方、スマートフォン、タブレットPC等の所謂スマートデバイスが急速に普及するなど、大きな変革期にあります。当社は、このような環境変化を踏まえ、事業構造の改革を進めることによって、新たな収益基盤を確立し、収益性を改善する取り組みを強力に進めてまいります」(決算短信より)としている。