ええ、どうすごいかは文章では絶対に伝わらないんですが、でもスゲー面白かったんですよ!

VRゲーミングデバイスOculus Rift専用の対戦型スペースコンバットシム“EVR”が正式化、『EVE: Valkyrie』として2014年リリース予定_01

 アイスランドのレイキャビクで開催中の、CCP Gamesのオフラインイベント“Fanfest 2013”。2日目となる26日の『EVE Online』メインの基調講演で、予想外なタイトルが発表!
 その名はEVR。VRゲームマシンOculus Rift用に作られた、宇宙での3対3のドッグファイトが楽しめる3Dシューティングである……(補足:6対6も可能)。

 「Riftってなんだよ?」という人もいると思うので大雑把におさらいしておくと、3D立体視ができるヘッドマウントディスプレイに、頭の動きを検知するセンサーをくっつけたガジェット。ヘッドマウントディスプレイの没入感に3D立体視の没入感がプラスされ、さらに頭の動きにゲーム内の視点変更が追従してさらに没入感倍増という夢の様なデバイス(もちろんまだまだ改善点はいろいろあるけど)。

 EVRはCCP Gamesの一部メンバーが、「業務時間内にいくらか好きな研究してもいいよ」というGoogleっぽい制度で作ってみたのがスタートの、特にリリース予定などがあるわけではない実験的プロジェクト。Fanfestでは最終日に参加者が試遊可能で、プレスには実は開催初日から先行体験の機会が設けられていた。

 で、もちろん遊んできました! PCに接続されたXbox 360コントローラーを使った操作は基本的によくあるフライトコンバットの体裁なのだが、これにRiftならではのヘッドトラッキング(頭の動きを検出する処理)が加わるというのが独自の点。頭を動かすと視点が動き、下に向けばちゃんと(自キャラの)足元が見える。ヘッドトラッキングはミサイルのロックオンシステムにもなっていて、進行方向とまったく違う場所にいる敵でも、とにかく頭を振って敵を探せばロックオンできちゃうというのがミソだ。

 記者は昨年QuakeConでRiftを使ってFPS『Doom 3 BFG Edition』をプレイして大いに感動したのだが、今回まったく違うゲームジャンルで体験してみて、スペースコンバット×Riftという組み合わせの可能性に気付いた。
 というのも、FPSは前後左右の移動と視点変更を操作するのが一般的で、大抵は視点変更がエイミング(狙いをつける動作)も兼ねているのだが、Riftに持ってきた場合に使い分けがちょっと微妙なのだ(でもあんまり活用しなくても、頭がブレたりするのに世界が追従するので没入感は上がる)。それに、ヘッドトラッキングでFPSのエイミングをやるのは若干キツいという問題もある。
 しかし戦闘機のコントロールにはピッチ、ヨー、ロールの3軸があり、進行方向と全然違う方向をぐるぐる見回す動きも必然的なもので、かつロックオンシステム程度であればそこそこアバウトな精度でも問題ない。そして舞台が宇宙だと水平線なんかを気にする必要がなく、酔いもある程度低減できる(VRゲーミングでは水平線が回転しまくると超絶酔うのだ)というメリットもある。
 さらにスペースコンバットそのものへのメリットもあって、通常のスペースコンバットなら巨大艦船との距離がわかりにくく、慣れないうちは結構激突しちゃったりして興ざめしたりもするが、3D立体視+ヘッドトラッキングのおかげで距離感が掴みやすく、その迫力もより伝わるというのがナイス。

 というわけでFanfest向けの余興と思いきや、かなり楽しめちゃった次第。スペースコンバットモノのPCゲームと言えば『Star Citizen』や『Elite: Dangerous』など、地味に復活する気配があるので、それぞれRift対応してくれたりしないかなぁ、などと思う記者であった。

VRゲームマシンOculus RiftとEVEがコラボした“EVR”を体験! 宇宙でのドッグファイトはFPSより向いてるかも【EVE Fanfest 2013】_02
VRゲームマシンOculus RiftとEVEがコラボした“EVR”を体験! 宇宙でのドッグファイトはFPSより向いてるかも【EVE Fanfest 2013】_03
▲Riftを体験するCEOのヒルマーさん。バカっぽい顔になってしまうのはRiftの必然です。俺もなる、あなたもなる。
▲EVRのゲームエンジンにはUnityを採用。ということでUnityのデビッド・ヘルガソンCEOからのビデオレターも。