本作への思いを、小林PとRaychellが語る!

 カプコンは、2013年4月25日、東京・ビックロ ビックカメラ新宿東口店において、プレイステーション3/Xbox 360用ソフト『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の発売記念イベントを開催した。小林裕幸エグゼクティブ・プロデューサーと、メインテーマを歌うRaychellも登場したイベントの模様をリポートしよう。

『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』発売記念イベント開催 小林P、Raychellが登場_01
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▲会場となったビックロライオン口は、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』一色に。
▲イベントは12時スタート。昼休みに駆け付けたサラリーマンらしき姿も?

 イベントが開始されると、来場者の拍手に迎えられて、本作のエグゼクティブ・プロデューサー小林裕幸氏と、本作のテーマソング「Coils of Light」を歌うアーティスト・Raychell(レイチェル)が登場。せっかくRaychellがゲストということで、話題は「Coils of Light」の制作秘話が中心となった。この曲は、前作『ドラゴンズドグマ』もプレイしたというRaychellが、スタッフから提供された『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』の資料をもとに、イメージを膨らませながら詞を作ったのだそうだ。
 またレコーディングは長時間に及ぶ過酷なもので、「Raychellさん、だいじょうぶかな、とスタッフもとても心配しました」(小林氏)とのこと。しかしRaychellが「歌い続けたいので、歌わせてください」と訴え、気持ちのこもったレコーディングを完遂したというエピソードも語られた。

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 なお、「Coils of Light」が収録されたRaychellのアルバム「L※R」(※は右向きの三角形)は、2013年4月24日に発売されている。このアルバムは、「Coils of Light」のほかにも、映画「トラベラーズ 次元警察」の主題歌「FACE FREE」を始め、エンディングテーマ「Pray to the Moon」、挿入歌「EARTH BEAT」「Never EVER」「SPECIAL」「Feel」も収録された豪華な内容。Raychell自身も、「このアルバムでは音楽性を広げて、バラードだけではなく、テクノやロカビリーのような曲も入っています」と、多彩な音楽が詰め込まれたアルバムとなっていることをアピールしていた。興味を持った人は、ぜひこちらのアルバムもチェックしてみよう。

 また、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』に、公式ポーンとしてRaychellが登場することに関する話題も。小林氏によると、Raychellのポーンはかなり気合いを入れて作ったとのことで、社内で4人のデザイナーによるコンペを行い、もっともデキがよかったキャラクターモデルを採用したのだそうだ。その甲斐あって、実際に動いている様子を観たRaychellの感想は、「感動しました」。Raychellは、「前作も遊んでいたので、その世界の中に自分が入れることは本当に幸せで、ありがたいことだと思います。メイジとして一生懸命がんばりますので、ぜひ冒険に連れて行ってください」とアピールしていた。

 最後にRaychellは、「少しプレイさせていただきましたが、ドキドキハラハラ、とっても楽しいゲームです。私もひとりの“覚者”として、遊ぶのを楽しみにしています。皆さんも思う存分楽しんでください。そして私のCDも、よろしくお願いします」と挨拶。
 そして小林氏が、「皆様のおかげで『ドラゴンズドグマ』が大ヒットし、そして本作をTGSで発表して、ついに発売にこぎ着けることができました。『ダークアリズン』は、皆さんのおかげで作ることができたタイトルです。思う存分遊んで、また感想などを送っていただければと思います」と語り、トークショウを締めくくった。

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▲トークショウに続いて、小林氏のサイン会&プレゼント抽選会に。
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 イベント終了後、小林氏がカコミ取材に応じてくれたので、その内容をまとめてお届けしよう。

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――発売日を迎えての、率直な感想を教えてください。

小林裕幸氏(以下、小林) 昨日までは、まだ発売を実感していなかったのですが、こうしてお客様にお会いすると、「ああ、発売日を迎えたんだな」と(笑)。先ほど、ファンの方にも、「発表されたときはまだまだ先だと思っていたけど、発売日になってみるとあっという間でしたね」と言われたのですが、ファンの方の「早く発売してほしい」という声に応えるために、当初5月発売予定だったところを、がんばって、なんとか4月、ゴールデンウイーク前にお届けすることができました。やはり、とくに社会人の方などは、なかなか長期のお休みを取れませんからね。

――発売を前倒すことになったときの、開発の方々の反応はいかがでしたか?

小林 「えっ、ふざけんな!」ですよね(笑)。前作は5月に発売したので、つぎも5月に出そうというのは目標にしていたのですが、「やっぱり、お客様にゴールデンウイークに遊んでほしいよね」ということで、まずはプロデューサーとディレクターが理解してくれて、つぎにチームのリーダーたちが理解してくれて……と、全員に伝わっていって、結果的にはチーム一丸となって、「なんとかしよう」となりました。うれしかったのは、僕としては、内容を削ることになるかもしれないと思っていたのが、みんなが「いや、内容は削らずにいきます!」とがんばってくれて。時間がないと、バグなどの問題も起こりやすくなるものですが、『ダークアリズン』に関しては本当に順調に仕上がっていったので、最後まで、もめることなく、無事に着地できました。おかげで、半袖男こと木下(編集部注:木下研人ディレクター)を、プロモーションで使い倒すことができました(笑)。
 なかなかディレクターって、ギリギリまで作業することが多いので、宣伝に駆り出すのが難しいものなんですよ。でも今回は無事にマスターアップしたおかげで、イベントや番組などに引っ張り出せたので、生でディレクターの思いを伝えることができました。それが、この盛り上がりにつながっているのではないかな、と思います。
 昨日は、大盤振る舞いで、ラスボスのダイモーンを発表してしまいましたし(※)、開発チームが隠したがっていた覚者ふたりも出してしまいましたから(笑)、もう出すものは出し切ったかな、というところです。ただ、大きな謎を含んでいて、お見せしたからといってすべてがわかってしまうわけではないですからね。彼らがキーになって、ストーリーがどういう結末を迎えるのか。なぜ黒呪島に覚者たちが死んでいるのか、そういう謎が、プレイしていくとわかっていくと思います。
※詳細は→【重要な新キャラクターも発表! 『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』完成発表披露会【最新PVあり】】

――本作の見どころは、ストーリー以外の面ではいかがですか?

小林 ひとつわかっておいていただきたいのは、黒呪島はダンジョンではないんですよ。けっこう開けているところとか、明るいところもあったりするんです。ダンジョン探索だけで、同じような風景だけが続くのではなく、オープンワールドならではの遊びを作っていますから。掲示板システムなどもありますが、クエストを消化するだけのゲームではなく、自分でどんどん行きたいところにいってもらって、いろいろな変化を楽しんでもらえたらな、と思います。
 攻略の秘訣を言っておきますと、ポーンがひとりでも欠けたら、すぐに復活させたほうがいいと思います。僕もプレイしていて、「ひとり欠けるだけでこんなにツラくなるのか!」と思い知っていますから(笑)。

――本作でお気に入りのモンスターを教えてください。

小林 やっぱり“デス”ですね。継続して覚者を狙っているモンスターで、倒すと違うデスがでるわけではなく、1体が追いかけ続けてくる、ある意味、『バイオ』で言うところの追跡者のような形になっているところは、前作と違うおもしろさが作れているかな、と思います。

――今回は日本語音声も大きな魅力ですが、日本語音声を収録することは、早い段階から決まっていたのでしょうか?

小林 そうですね。前作の制作時から、ディレクターの伊津野(英昭氏)が、日本語でやりたいとは言っていたんです。このゲームではポーンがよく会話をするので、耳から入ってプレイできるといいな、と。ところが英語の台詞量が半端ではなくて、カプコンでも最大のボリュームだと思っているのですが、それを全部日本語に、となると、とてもスケジュールも予算も足りないということで諦めたんです。でも今回は、最初から日本語を入れようということで、予算もスケジュールも組み込んでいました。キャストも、僕のほうでだいぶ選ばせていただけて、メイソン役の安元洋貴さんにも言われましたが、“媚びないキャスティング”で、ハリウッド映画の吹き替えのような、映画を日本語で観るようなキャスティングにできました。いろいろな洋画で主役をやっておられるような、お芝居のうまい方ばかりなので、お声を聞いているだけでも楽しめるようになっています。ちなみに僕は、永井一郎さんにお会いできたのがうれしかったです(笑)。

――最後に、ゲームファンにメッセージをお願いします。

小林 今回、すべての要望を叶えることができたわけではありませんが、前作のグランシスを丸ごと入れただけではなくて、ちょっとしたところの操作性やUIなども調整をしています。あとは好感度。皆さん前作では、最後、アッサラームとたくさん会われたと思いますが(笑)、そこは木下の調整が入っているので。なかなか出ないようになっているかな、と。会いたい人に会えるようにはしているつもりなので、そこは実際プレイしていただいて、前作部分も楽しんでいただければと思います。
 あとは、ネタバレは禁止で、TwitterやFacebookなどをやっていただけると(笑)。前作も、いろいろとネタを仕込んでいたところを、皆さんバラさずにコメントなどを発信していただけたので。本作でも大ネタがありますが、そこは隠しつつ、お願いできればと思います。
 ぜひ本日から、黒呪島探検を楽しんでいただければと。『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』長く遊んでください!