最高難易度の“インセイン”にチャレンジしてみた
Xbox 360を代表するアクションシューティングゲームのシリーズ最新作『Gears of War: Judgment』。インプレッション記事は2回目となるが、今回はオンラインプレイの魅力に焦点を絞って語っていきたいと思う。
※関連記事:シリーズの“原点”は伊達じゃない!『Gears of War: Judgment(ギアーズ オブ ウォー: ジャッジメント)』プレイインプレッション
本作が発売されるやいなや、筆者はフレンドといっしょに速攻でストーリーモードをクリアー。機密情報はすべて開示、スターは多少取れなかったところがあるかな……といった具合。残ったスターを集めるのもいいが、せっかくフレンドと協力プレイができるんだから、思い切って最高難易度のインセインにチャレンジすることに。ふたりっきりの地獄のパーティが、ついに始まる!!
最高難易度のインセインは、プレイヤーの攻撃力と耐久力が大きく下がる。さらにプレイヤーはダメージを受けると、ダウン状態に移ることなく即死するという、厳しい内容になっているのだ。
とりあえずやってみるか、とゲームスタート。最初のセクションぐらいは「きっと楽勝!」とタカをくくって機密情報も開示。これで通常のレッチの代わりに、倒すと爆発する光るレッチが登場することになったが、なんと自爆のダメージで即死級のダメージを受けてしまう! 当然、現れるのは1匹だけではないため、その瀕死状態でまた光るレッチを倒さざるを得ない→逃げるのが遅れて自爆に巻き込まれて死亡、というデススパイラルに陥り、わずか5分のあいだに3回もゲームオーバーとなってしまった。キビシー!
これじゃーいかん、というわけで今度はじっくり進み、光るレッチは自爆のダメージを受けない距離で倒す作戦に出た。……が、今度は遠くからスナイパーに撃たれて、またもや画面が真っ赤に。「やべぇやべぇ」と慌てていたら目の前に光るレッチが……!!
とにかくカバーアクションを心がけ、敵に近づかれたら後ろにジャンプで距離を開けるという慎重プレイを徹底したところ、なんとかクリアーできた。相当キツイが、少なくとも筆者たちにも突破できそうな予感……!?
だが、2つ目のセクションはさらに苛烈極まる内容だった。ここの機密情報は、開示するとクリアーまでの制限時間が発生するタイプ。先ほどのように慎重に進んでいたら、制限時間内にクリアーできないのだ。慎重かつ大胆に戦いをこなさなければならない。
そんな極限の緊張を強いられる状況のなか、出現する敵はすべて強敵! ノーマルではとくに何も考えずに倒せるレッチも、インセインでは脅威。数匹にまとわりつかれるだけで、すぐに倒されてしまうのだ。遠距離から銃を撃ちまくるのが比較的安全な対処法だが、耐久力が高いため弾薬不足に陥りがち。
ノーマルでも強力なブーマーは、インセインでもやっぱり危険。近くにブームショットを撃ち込まれるだけで即死するからだ。ただし攻撃頻度は低いため、攻撃する瞬間にさえ注意を払えば、インセインでは比較的楽な相手ではあった。
もっとも厄介なのは、強力なガトリング砲“マルチャー”で攻撃してくるグラインダー。インセインでは、敵の攻撃中に身を乗り出すと1秒もかからずに倒されてしまうほどの攻撃力を誇るため、カバーポジションから離れられないのだ。
なんだかすべての敵が脅威のように書いているが、実際その通りなので仕方がない。通常のローカストでさえ、近づかれてショットガンを1発撃たれれば即死してしまうような難度だ。
このような厳しい状況で予想以上に活躍したのが、AI操作の味方キャラクター。プレイヤーキャラクターとは異なり、この味方キャラクターはダメージを受けても即死せず、ダウン状態へ移行するため、彼らが倒されてもゲームオーバーにはならない。むしろ敵の攻撃を引きつける盾役として大活躍するのだ。ふたりっきりのインセイン攻略だが、プレイヤーが少ないなりのメリットがあったのは、うれしい誤算だった。
そんなこんなで倒されつつもパターンを模索し、少しずつ先へ進めるようになってきた。そしてリトライ回数が40回を迎えようとしたとき、ついに光明が見えた。迫り来るブーマーの大群をフレンドが迫撃砲でうまく倒し、残り時間に少し余裕を持たせながらセクションの後半部分へとたどり着いたのだ。コンピューターが盾役となっているあいだに筆者は備え付けのトロイカ(タレット)でブーマーを撃破。ショットガンの攻撃を受けるも距離が離れていたため致命傷にはならず、返す刀で撃破。最後に現れたブーマーもカバーアクションで慎重に倒し、残り時間を1分も残してクリアーできた!
たった2つのセクションを突破するのに、なんと1時間半近くもかかってしまうという予想外の展開。だが少しずつ攻略パターンを編み出していくのは非常に充実したものだったし、その苦労が実ったときの達成感は、ほかの難易度では味わえないほど大きかった。物語を楽しむだけならノーマルで十分だが、この達成感を味わいたい人はぜひともインセインにチャレンジしていただきたい。苦労に見合った感動が待っているはずだ。
新しくなった協力プレイモード“Survival”に挑戦!
こんな感じで少しずつインセインを攻略していったが、ちょっと疲れてきたことも事実。そこで息抜きもかねて協力プレイモードの“Survival(サバイバル)”にチャレンジしてみることにした。
これは前作にあった“Horde(ホード)”に近い内容で、押し寄せるローカスト軍の波状攻撃から拠点を守り抜くことが目的。拠点を破壊されると少し後退し、新たな拠点が設定される。これをくり返し、敵の波状攻撃を10ウェーブ退ければ勝利。逆に3つの拠点を破壊されるとゲームオーバーとなってしまう。
Hordeとの最大の違いは、『Gears of War』シリーズ初となるクラス制を採用していること。ひとまず難易度はノーマルを選び、クラスはエンジニアを選択して戦うことに。
エンジニアは自動で攻撃する銃“セントリー”を設置でき、さらに防衛施設を修理できる“バーナー”を持つサポートタイプのクラス。バーナーは武器枠に扱われるため、所持している銃はナッシャーショットガンのみだ。こまめに防衛施設を修理し、敵を拠点に近づけさせないことを目指して戦ってみた。
序盤こそ順調だったが、敵は数ヵ所から攻めてくるため、筆者から遠くにある防衛施設が破壊されてしまう。防衛施設はダメージを受けた状態ならば修理を行えるが、破壊されてしまうと修理不可能。そのため徐々にローカストが拠点に近づいてくるようになり、ついに拠点を破壊されてしまう。
2つ目の拠点こそ「完璧に守るぜ!」と意気込んではみたものの、敵軍に巨大ローカストのコープサーが出現するとあえなく破壊されてしまった。
残す拠点はひとつ。いよいよ後がない。「これじゃあいかん!」というわけで、クラスをソルジャーに変更。ソルジャーは、グレネードランチャーのような武器“ブーシュカ”とランサーアサルトライフルを持ち、さらに付近のキャラクターに弾薬を補給する“弾薬箱”を設置できる戦闘に特化したクラスだ。もうこれで敵を倒しまくるしかない!
だがこのブーシュカ、攻撃力は高いが、弾丸は放物線を描いて飛ぶため、敵を狙いにくい。また、敵に当たらなかった場合、爆発するまで少し時間がかかるため、扱いに慣れるのに時間がかかる武器なのだ。
まだ思うようにブーシュカを扱えず、その結果、敵の突破を許してしまい、ウェーブ7の途中でゲームオーバー。Survivalを乗り切るのは、ふたりでは厳しいのか……?
いろいろと反省点を考えながら、もう一度同じマップで再挑戦。今回は最初からソルジャーを選んで、ブーシュカとランサーを適時使い分けながら敵を倒していく。だがウェーブ5で強力なローカストのコープサーが出現し、拠点に大ダメージ。善戦むなしく破壊されてしまった。
2つ目の拠点を巡る戦いでは、拠点の周囲に設置されたトロイカを使ってみた。トロイカ正面以外への注意がおざなりになるため使わずにいたが、運も味方したのか、ほぼすべての敵が正面から現れたため、想像以上に簡単に敵を撃破できた。目の届かなかった場所では、きっとフレンドが頑張っていたに違いない。
だが、尻尾にしか攻撃が通用しない大型のローカスト、セラピードの侵入を許してしまうとウェーブ8で拠点陥落。いよいよ後がなくなったが、ゴール(10ウェーブ)まであとわずか。あとは力の限り、戦い抜くしかない!
敵の攻撃もさらに激しさを増す。セラピードやブラッドマウントに加え、巨大な盾を持つモーラーも攻めてくる。しかし最後の拠点周辺には防衛設備がまだ残っていたため、うまい具合にローカストの足止めに成功。ここぞとばかりにブーシュカを活用し、拠点が破壊される寸前で最後の敵を倒すことに成功。ついにSurvivalを攻略したのだ!
なんだか息抜きのために遊んだわりには本気でプレイしてしまったが、協力プレイはやっぱり楽しい! クラスごとに違った戦いかたが楽しめるし、濃いバトルを短時間で堪能できるため、サクッと楽しみたいときにちょうどいいモードだ。
新ルールも追加された対戦モード
ここからは対戦モードについて触れていきたい。さすがにふたりでチーム戦をプレイしてもアレなので、クイックマッチで世界中のプレイヤーと対戦してみた。
個人的にいちばん楽しかったのは、やっぱり新モード“OverRun(オーバーラン)”! ざっくり言うと攻守交代制のSurvivalだが、やっぱりローカストとなって戦うのは楽しい。人外の種族だからか、COG軍側のクラス以上に個性的なキャラクターが多く、ほかのゲームモードとは大きく異なる戦いかたが可能なのだ。
個人的にはティッカーがお気に入り。すばしっこく、防衛設備の攻撃に優れているため、序盤には欠かせない存在だ。自爆で大ダメージを与えられるため、敵の拠点に突っ込んでその身を犠牲にするのも有効。ティッカーのみ移動できる隠し通路があったり、グレネードやブーシュカの弾丸を食べたりと、とにかく操作していて楽しいのがティッカーの魅力。ただし耐久力が低く、とくにエンジニアのセントリーには一瞬で倒されてしまうため、状況によっては何もできないのがつらいかなぁ。
Team Deathmatch(チームデスマッチ)やDomination(ドミネーション)といった、スタンダードなルールも安定した楽しさ。こちらはプレイヤーの立ち回り以外には武器が勝敗を大きく左右するため、いかにマップを覚えて相手より先に強力な武器を入手できるかがポイントだ。まだ初心者が多いため、筆者の腕前でも勝ったり負けたりの対戦を楽しめた。
最後にアップデートによって追加された新ルールについて触れておきたい。2013年3月29日にアップデートが行われ、新ルール“Execution”が追加された。これはダウンしたら復活なし、ヘッドショットかスマッシュ、ダウン中の処刑で敵を倒せるというルール。細かい違いはあるが、初代『Gears of War』よりずっと登場している人気ルールだ。なお、このルールで遊ぶには、“Haven DLC パック”という追加コンテンツ(期間限定で無料配信中)を導入する必要がある。
オンライン対戦イベントの開催も決定し、さらなる盛り上がりを見せる本作。こんなに熱いゲーム、いつ遊ぶ?
いまでしょ!
■著者紹介 喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。花粉症のため、この時期は毎年リアルインセイン状態。
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