宇宙開発の未来はゲーム開発者が鍵を握る――NASAはなぜKinectゲームを作ったのか【GDC2013】

サンフランシスコで2013年3月25日~29日(北米時間)の期間にGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2013が開催。3日目に行われたNASA(アメリカ航空宇宙局)のよるセッションの模様をお伝えする。

●宇宙開発とゲームの密接な関係とは

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 サンフランシスコで2013年3月25日~29日(北米時間)の期間にGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2013が開催。3日目に行われたNASA(アメリカ航空宇宙局)のよるセッションの模様をお伝えする。

 セッションに登壇したのは、NASAのジェット推進研究所よりVictor Luo氏とJeff Norris氏。冒頭、宇宙開発とゲームの歴史がスライドを使って解説された。ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行を行ったのが1961年のこと。同年に世界初のシューティングゲーム『Spacewar!』が登場している(1962年説もあり)。以後、ゲームは急激に進化を遂げ、『Sins of a Solar Empire』『EVE ONLINE』などは本職のNASAも驚くくらい複雑で豊富な情報量があるということだ。


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 ここでJeff Norris氏は「本物の宇宙を探索するためにはどうしたらよいか?」というテーマを投げかけた。2008年の統計データによると、若者の97%はゲームを遊んだ経験があり、86%は家庭用ゲーム機を持っているとのこと。こういった未来を担う若者に対して、宇宙開発およびNASAに関心を持ってもらうために、マイクロソフトに協力を求めてKinectを使ったプロジェクトが動き出した。それが昨年7月に無料配信されたXbox 360 Kinect用ゲーム『Mars Rover Landing』だ。


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▲ゲームメディア(IGN)はRoverの火星着陸よりもゲーム『Mars Rover Landing』を大々的に報じたとのこと。しかし、ゲーム開発のための予算は仕分け対象に……。

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▲Kinectでロボットを操作して指定されたポーズを取るゲームも紹介された。子どもたちに大人気だったようだ。

 そしてテーマは「宇宙開発の未来へ」。将来的にはゲームテクロジーを使って、ロボットをコントロールしたいという展望を語ると、ここで会場から地上用巨大ロボットを遠隔操作するデモを実演してみせた。またしてもインターフェースにはKinectが採用されており、人間の手をマッピングして、遠く離れた研究所にあるロボットの6本のアームを動かす模様が映し出されると会場は大いに沸いた。


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 最後にJeff Norris氏は「宇宙探索計画の未来はスペースシップ。これは皆の夢だと思う」と壮大な展望を明らかにした。それはまだ遠い未来に話かもしれないが、NASAがいずれ実現するためにゲームの開発技術や開発者の力を必要としていることは伝わってきた。実際にKinectを使った実演デモを披露したことでも、それは明らかだろう。なかでもロボット操作の分野において、ゲームが大きな貢献を果たすはず、そう感じられたセッションだった。


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