日本マイクロソフトより2013年3月21日発売予定のXbox 360用ソフト『Gears of War: Judgment(ギアーズ オブ ウォー: ジャッジメント)』。開発を手掛けたエピック・ゲームズのスタッフを直撃したインタビューの模様をお届けする。
最新作はファンへのプレゼント
<エピック・ゲームズ シニアプロデューサー>
発売日を目前に控え、プロモーションのために世界各国を飛び回っているとのこと。
――『ギアーズ オブ ウォー』シリーズとの関わりを教えてください。
クリス・ウィン氏(以下、クリス) マイクロソフト在籍時に『ギアーズ オブ ウォー 3』のリードプロデューサーとして参加しました。エピック・ゲームズ移籍後は『Gears of War: Judgment』の共同プロデューサーを務めています。
――『ギアーズ オブ ウォー』シリーズに関わる前は、どのような感想を持っていましたか?
クリス Xbox 360のポテンシャルを引き出した圧倒的な表現に感激しましたね。
――『ギアーズ オブ ウォー』シリーズの特長を、ひとつだけ挙げていただけますか?
クリス TPS(三人称視点シューティング)というジャンルにおける、パイオニアである点ですね。そして作品を重ねるごとに激しさを増し、TPSの進化を促してきました。
――最新作は『4』ではありませんが、その理由はなぜでしょうか?
クリス 『ギアーズ オブ ウォー』シリーズは、当初から三部作として制作が進められてきました。『3』が完成して物語は完結したわけですが、次回作の構想を練りながら「つぎはシリーズのファンに楽しんでもらえる作品を届けよう」と考えました。それが、これまで描いていなかった時代を舞台に、三部作ではあまりスポットが当てられなかったベアードを中心に描いたストーリーです。つまり『Gears of War: Judgment』のコンセプトにつながったのです。
――なるほど。『ギアーズ オブ ウォー』シリーズのファンへのプレゼントのようですね。
クリス その通り。いい表現ですね。
――キャンペーンモードをプレイしましたが、いきなり冒頭でベアードたちが軍法会議にかけられていて衝撃を受けました。その後、キロ部隊の各メンバーの証言を再現する形で物語が進みますが、このようなシリーズ初の試みを採用した理由を教えてください。
クリス 新たなシナリオライターがチームに加入したことが大きいですね。彼らは『ギアーズ オブ ウォー』シリーズが大好きで、物語にさらなる厚みをもたらすために新しい文学的なアプローチに取り組みました。
――最大の宿敵として登場するカーンですが、キロ部隊とは何か因縁があるのでしょうか?
クリス カーンとパドックには、深い因縁があります。COG軍と戦争状態にあったUIR軍に所属していたパドックは、カーンの襲撃を受けたことで復讐を果たすためにCOG軍に入隊しました。その彼の決意に応えるかたちで、ベアードたちは軍の上層部の命令を無視してまで、打倒カーンに向けて動き出すのです。
さまざまな新要素について
――本日公開されたキャンペーンモードの“顛末”について、あらためて説明をお願いします。
クリス 先ほども話しましたが、『Gears of War: Judgment』はファンの方に特別な作品を届けたい、というところからスタートしています。そして『ギアーズ オブ ウォー 3』では、マーカスやドムたちの戦いと同時進行していたベアードたちの任務が描けませんでした。このエピソードを作品として完成させることは、シリーズのファンに喜んでもらえると思ったのです。ただし、『Gears of War: Judgment』の物語(“審判”)とは時代がまったく異なるので、独立した別のキャンペーンモードとして用意することにしました。
――それでは、初めから“顛末”をプレイすることはできるのでしょうか?
クリス “顛末”と“審判”は完全に独立したモードなので、どちらからプレイしてもらっても構いませんが、“顛末”をプレイするためにはアンロックすることが必要になります。
――アンロック条件を教えてください。
クリス “審判”をプレイしてスターを40個獲得することが条件です。個人差はありますが、“審判”のキャンペーンモードを半分くらいまで進めればアンロックできると思います。
――新要素の“機密情報の開示”は、ゲームプレイにどのような影響を与えますか?
クリス “機密情報”を開示するのか、封印するのかはプレイヤーの自由です。開示することでストーリーや結末が変わるわけではありませんが、新たな事実が明らかになったり、詳細が判明します。ストーリーに厚みが出る仕組みとなっています。また、ゲームプレイの面では、腕に自信のあるプレイヤーが挑戦したくなる要素として用意しました。
――リプレイ性を高める要素ですね。
クリス リプレイ性については、ユーザーに強制するような手段は取りたくないと思っていました。自発的に「もう1回遊びたい」と思ってもらえるように、慎重に開発を進めました。その成果が“機密情報の開示”であり、“スマート スポーン システム”であり、スターを獲得するスコアシステムです。また、キャラクターの音声もランダムになっていて、同じシーンでも以前とは異なる内容になることがあります。
――新たに公開された新要素の“Survival(サバイバル) ”モードについて教えてください。
クリス 最大5人のプレイヤーが協力して、ローカストの波状攻撃(ウェーブ)に対抗するマルチプレイモードです。OverRun(オーバーラン)と同じく、プレイヤーが操作するCOG軍のキャラクターはクラス制を採用しています。ローカストの攻撃は10ウェーブとなっていますが、これは限られた時間で密度の濃いゲームプレイを体験してほしい、という狙いです。
――マップ数はいくつ用意されていますか?
クリス “Survival”モードとOverRunのマップは共通になっていて、4つです。
――それでは、ゲームプレイについて改善した点があれば教えてください。
クリス 改善点はたくさんありますが、ユーザーがより快適にゲームプレイを楽しめるように努めました。たとえば、グレネードや武器を交換する操作はできるだけシンプルにして、キャラクターの動きもスピーディーになりました。マルチプレイに関しては、高低差を意識したマップを用意しています。これまでの平面的な戦いが立体的になったことで、さらにエキサイティングになっていますよ。
――わかりました。最後に日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。
クリス この作品には“濃い”体験が待っています。おそらく、三部作をプレイしてくれたファンの方は大きな期待を持っていると思いますが、それらを超える作品が完成したと自負しています。いい意味で期待を裏切りますよ。
Gears of War:Judgment(ギアーズ オブ ウォー: ジャッジメント)
メーカー | 日本マイクロソフト |
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対応機種 | X360Xbox 360 |
発売日 | 2013年3月21日発売予定 |
価格 | 7140円[税込] |
ジャンル | アクション・シューティング / SF |
備考 | Xbox LIVE ゴールド メンバーシップ同梱版は7980円[税込] 開発:エピック・ゲームズ / People Can Fly |