イトケン節炸裂の『ロマサガ』ライブ“One Night Re:Birth”開催! アルバムの続編制作が明らかに

2013年2月24日に開催された、『ロマンシング サ・ガ』シリーズのライブイベント“One Night Re:Birth”のリポートをお届け。

●河津神もステージに降臨

 2013年2月24日、東京の日本橋三井ホールにて、ハーモニクス・インターナショナル、gentle echo主催、スクウェア・エニックス協賛によるライブイベント“One Night Re:Birth”が開催された。

 2012年8月に発売された、スクウェア・エニックスの『ロマンシング サ・ガ』(以下、『ロマサガ』)シリーズのアレンジアルバム「Re:BirthII/ロマンシング サ・ガ バトルアレンジ」に収録されている楽曲を、『ロマサガ』の作曲家として知られる伊藤賢治氏(元スクウェア、現在はフリーとして活動)を始めとするミュージシャンが披露した本ライブ。ライブの模様は、ニコニコ生放送で有料配信された。


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▲会場には、『ロマンシング サ・ガ』シリーズのキャラクターデザインを担当した、小林智美氏による原画の数々が展示されていた。

▲「Re:BirthII/ロマンシング サ・ガ バトルアレンジ」を始めとする関連CDも販売。

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 ライブ開始前、ファンが「まだかまだか」とスタートを待ちわびる中、会場に流れたのは、声優の杉田智和による影ナレーション。撮影・録音は禁止である旨を伝える際、「いつもは「アリだー!」ですが、今回は「ナシだー!」でございます」と、『ロマサガ』ファンならニヤリとするネタを挟み、会場を沸かせた。また、以前から、『ロマサガ3』の主人公のひとり、ミカエルを演じたいと公言している杉田らしく、「親愛なるロアーヌの民へ」と、ミカエル風の呼びかけでナレーションを締めくくった。

 そして、『ロマサガ』のオーヴァーチュアの旋律とともに、ステージにミュージシャンたちが登場し、いよいよライブがスタート。「Re:BirthII」より、「バトル1メドレー」(『ロマサガ1~3』、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)、「四魔貴族バトルメドレー」(『ロマサガ3』)、「玄城バトル」(『ロマサガ3』)、「術戦車バトル」(『ロマサガ3』)、「Believing My Justice」(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)を演奏した。


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 また、『ロマサガ』の楽曲だけでなく、『聖剣伝説』シリーズの楽曲のアレンジアルバムである「Re:Birth」に収録されている「マナの嬰児」(『聖剣伝説DS チルドレン オブ マナ』)、今回新たにアレンジされた『サガ フロンティア』の楽曲「Battle #5」も披露され、ファンは大いに盛り上がった。


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▲伊藤氏が当時のスクウェアに入社したのは、1990年のこと。河津氏は伊藤氏について「あんまり変わってないね」とコメント。対する伊藤氏は「河津さんは(年相応に)変わりましたね」と、20年以上の年月が過ぎたことについて感慨深げにコメントした。

 ここで、伊藤氏が「『サガ』のボスと言えば神ですが、ここで神をお呼びしたいと思います」と述べ、『サガ』シリーズの生みの親であるスクウェア・エニックスの河津秋敏氏(通称“河津神”)がステージに登場。伊藤氏と『サガ』に関するトークをくり広げた

・『Sa・Ga2 秘宝伝説』について
伊藤氏が初めて楽曲制作に参加したタイトルである『Sa・Ga2 秘宝伝説』。河津氏が「どの曲をイトケンが担当したのか、わかってなかった」と言うと、伊藤氏は「この曲ですよ」と、バトル曲を即興で演奏し、ファンを喜ばせた。また、ゲームボーイのソフトでは、音楽のために使える容量が限られていたため、伊藤氏がキャラクター“お玉”のテーマを作ったにも関わらず、容量不足でボツになってしまったエピソードが語られた。

・『ロマサガ3』について
ロマサガ1』、『ロマサガ2』を経て、伊藤氏が「好きにやっちゃっていいんだ」ということが掴めてきたという『ロマサガ3』。河津氏は、「ロビンや教授のテーマが最高だった」と当時を振り返った。

また、河津氏は「バトルは辛い思い出ばかりなのに、なんでみんなバトルの曲が好きなんだろう」と述べ、『ロマサガ3』のバトルの辛さを語った。四魔貴族のひとり、フォルネウスのメイルシュトロームについて、「なんで全体攻撃に即死効果がついているんだ」とバトル担当に文句を言ったところ、「魚鱗つければ即死は無効にできますよ」と言われたので、そのとおりにしたが、今度はダメージが大きすぎて死んでしまったという。


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・『サガ フロンティア』について
主人公の数だけラスボスがいる『サガ フロンティア』。全員分のラストバトル曲を書いた伊藤氏は過労で倒れ、床を這ってトイレに行ったそうだ。しかし、打ち上げで河津氏に「よくやった」と褒めてもらったことは、いまでも覚えているとのこと。

・『ロマサガ』の今後について
タイトルに“ロマンシング”をつけるというアイデアは、井上信行氏(元スクウェアのクリエイター)のものである、と河津氏。そんな『ロマサガ』の今後について、ファンからは「4は!?」という質問が多数寄せられたが、河津氏は、現状言えることは「ないです」と回答。伊藤氏が「お互い元気なうちに、何かやりたいですね」と言うと、「歳は関係ない。やるときはやる」という、頼もしい答えを返した。


 河津氏とのトークの後は、本ライブのためにアレンジされた「ポドールイ」(『ロマサガ3』)、「ALONE」(『サガ フロンティア』)と、「Re:Birth」より「戦闘2 -勇気と誇りを胸に-」(『新約 聖剣伝説』)が披露された。さらに、「Re:BirthII」では、まさかのアコースティックアレンジで話題を呼んだ「七英雄バトル」(『ロマサガ2』)が、新たなハードロックアレンジで登場。


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 そして、伊藤氏から、ここで重大発表が。「Re:BirthII」の続編となるアルバムの制作が決定し、このハードロック版「七英雄バトル」が収録される予定であることが明らかになった。

 ニコニコ生放送では、この新アルバムのタイトルについて、「Re:BirthII-2」、「Re:BirthII バージョン2」、「Re:BirthII 改」、「Re:BirthII 閃」のどれがいいか、というアンケートが行われ、「Re:BirthII 閃」がダントツで票を集めた。伊藤氏は、このアンケートを参考にタイトルを考えるとのこと。また、ファンからは「下水道」を収録してほしい! という声が多数寄せられ、伊藤氏も乗り気のようだったので、次作ではついに、あの美しい「下水道」の曲のアレンジが収録されるかもしれない。

 重大発表の後、ついにライブはフィナーレへ。「ラストバトル」(『ロマサガ2』)、「ラストバトル」(『ロマサガ3』)、そして「決戦!サルーイン」(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)という、ラストバトルの曲が続き、会場は最高潮を迎えた。


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 アンコールの楽曲は、「Re:BirthII」より「バトル2」(『ロマサガ3』)、新規アレンジの「邪聖の旋律(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)。そして、シークレットゲストの岸川恭子をボーカルに迎え、「Re:Birth」より「愚者の舞」(『聖剣伝説4』)、そしてファンからの人気の高い「熱情の律動」(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』)が新規アレンジで演奏され、2時間半にわたるライブを締めくくった。


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■出演者
伊藤賢治(key)、土屋玲子(vn)、寺前甲(gt)、上倉紀行(gt、kb)、榎本敦(b)、山内優(ds)、和田貴史(manipulator)、岸川恭子(vo)

■セットリスト
バトル1メドレー(『ロマンシング サ・ガ1~3』、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』:アルバム「Re:BirthII」より)
四魔貴族バトルメドレー(『ロマンシング サ・ガ3』:アルバム「Re:BirthII」より)
玄城バトル(『ロマンシング サ・ガ3』:アルバム「Re:BirthII」より)
術戦車バトル(『ロマンシング サ・ガ3』:アルバム「Re:BirthII」より)
Believing My Justice(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』:アルバム「Re:BirthII」より)
マナの嬰児(『聖剣伝説DS チルドレン オブ マナ』:アルバム「Re:Birth」より)
Battle #5(『サガ フロンティア』:新規アレンジ)
ポドールイ(『ロマンシング サ・ガ3』:新規アレンジ)
ALONE(『サガ フロンティア』:新規アレンジ)
戦闘2 -勇気と誇りを胸に-(『新約 聖剣伝説』:アルバム「Re:Birth」より)
七英雄バトル(『ロマンシング サ・ガ2』:アルバム「Re:BirthII」収録 ※新規アレンジ)
ラストバトル(『ロマンシング サ・ガ2』:アルバム「Re:BirthII」より)
ラストバトル(『ロマンシング サ・ガ3』:アルバム「Re:BirthII」より)
決戦!サルーイン(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』:アルバム「Re:BirthII」より)

<アンコール>
バトル2(『ロマンシング サ・ガ3』:アルバム「Re:BirthII」より)
邪聖の旋律(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』:新規アレンジ)
愚者の舞(『聖剣伝説4』:アルバム「Re:Birth」より)
熱情の律動(『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』:新規アレンジ)


●『サガ』シリーズクリエイターに、ライブ終了後にインタビュー!

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▲左より、ドット絵の名手として知られるスクウェア・エニックスの渋谷員子氏、小林智美氏、伊藤賢治氏、河津秋敏氏、『エンペラーズ サガ』プロデューサーを務めるスクウェア・エニックスの市川雅統氏。

――ライブを終えての感想を教えてください。
伊藤 もっと身体を鍛えないといけないな、と思いました(笑)。みんなちゃんとノってくださって、こちらとしても演奏しやすく、うれしかったです。

――今回のライブは、ファンの皆さんに対する、2011年に行ったライブのお礼でもあると伺いましたが。
伊藤 はい。つぎは、機会があれば、また別の形でお礼をさせていただきたいですね。

――ほかの皆さんはいかがでしたか?
河津 ゲームのファンの方は、イトケンの曲が大好きな方が多いので、イトケンに支えられてきたのだなと、感謝しています。
渋谷 イトケンのライブは初めて来たんですが……『ロマサガ』って、ロックだったのね(笑)。それから、やっぱり最後はサルーインなんだな、と思いました。聴いていたら、当時を思い出したりして。自分では、『ロマサガ1』がかなり思い入れがあるんです。
小林 高校生のとき、洋楽などにハマっていたので、(そのころに)帰ってきた……という感じで、すばらしかったです。

――ちなみに、渋谷さんと小林さんは、当時、ドット絵を作る際に、打ち合わせなどはされたのですか?
渋谷 いえ、何も。サルーインなど、勝手にやっていました(笑)。
小林 三邪神は、リテイクがなかった気がします。
伊藤 そういえば、ジャミルの絵は、小林さんが描き直したと聞きましたが。
小林 そうなんです。当初はもう少し男性らしかったんですが、シナリオができあがってきて、女装をすると聞いて。女装できるようなビジュアルの子じゃないとマズいかな、と思い、描き直しました。

――『エンペラーズ サガ』の市川プロデューサーは、いかがでしたか?
市川 『エンペラーズ サガ』には音楽が入っていないんですが(笑)、ぜひ『ロマサガ』の音楽を聴きながら、プレイしていただきたいんです。今回のライブで、『ロマサガ』ファンの皆さんの思いが感じられたので、皆さんの思いからズレたものにならないよう、制作を続けていきたいなと思いました。

――伊藤さんに伺いますが、本日制作が発表された、アルバム続編のビジョンを教えていただけますか?
伊藤 じつは、続編制作が決まったと聞いたのは最近の話で、これからいろいろと企画していきます。夏ぐらいの発売を予定しているんですが、秋になったり冬になったりするかもしれません(笑)。今年中には出したいです。

――「Re:BirthII」に収録した楽曲を、つぎのアルバムに、別のアレンジで収録する予定はありますか?
伊藤 「七英雄バトル」のハードロック版は収録しますが、ほかの曲については、個人的には、入れる予定はありません。

――今後、「こんなライブをやってみたい」という希望はありますか?
伊藤 ピアノとストリングス+αの編成による、クラシックコンサートをやってみたいですね。フルオーケストラとまでは言わないまでも……。ストリングスがとても好きなので。

――では、最後にひと言お願いします。
伊藤 なんだかんだで、今年、自分が45歳になるんです。スクウェアに入社したのが21歳のときですから、本当にあっという間だな、って。24、5年経っても、皆さんにライブに来ていただけて、20年近く前の『ロマサガ』の曲を好きだと言ってくださる方もいて、とてもうれしく思いますので、今後も期待に応えていきたいと思います。