ホリのスティックを使って格闘ゲームを満喫!

 対戦格闘ゲームは、定期的に新作タイトルがリリースされることや、動画配信の恒常化、日本でのプロ格闘ゲーマー誕生などさまざまな要因が重なり、ここ数年で注目度が一気にアップした感がある。そんな格闘ゲームをアーケードと同じ環境でプレイしたいなら、ぜひともアーケードスティックを使うべきだ。今回は、ホリのAmazon限定モデルである“リアルアーケードPro.N3 SA”と、“リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM”の2台のインプレッションをお届けしよう。

 各スティック個別のインプレッションに入る前に、まずはリアルアーケードProシリーズの特徴を解説する。リアルアーケードPro最大のウリは、“スティックとボタンに、ゲームセンターの筐体と同じ、三和電子の部品が使われている”という点だろう。ふだんゲームセンターで遊ばない人にはピンと来ないかもしれないが、アーケード常連の格闘ゲーマーにとっては、“ゲーセンと同じ感覚でプレイできる”ということが何より重要。さらに、三和電子製であることもポイントで、格闘ゲーム上級者(全国大会に出場するレベル)の中には、「サンワのレバーじゃないゲーセンではプレイしない!」と公言する者がいるほどだ(三和電子製のレバーは、離したときの跳ね返りが少ないといわれていて、レバーを下→上と入れるようなハイジャンプ系の操作や、『鉄拳』シリーズの風神拳のように、レバーをいったんニュートラル状態に戻す技が暴発しにくいためと思われる)。ちなみに、今回紹介する2製品は、スティックにはJLF-TP-8YT-SK、技を入力する際に押す○ボタン、×ボタン、□ボタン、△ボタン、L1ボタン、L2ボタン、R1ボタン、R2ボタンには、OBSF-30が採用されている。
 また、リアルアーケードPro.V3 SA(2009年末に発売。現在のホリアーケードスティックで、もっとも一般的なモデル。以下、ノーマルV3)以降の本シリーズには、レバーの操作を、コントローラの方向キーに割り当てるか、アナログスティックに割り当てるか切り換えられるという機能も搭載されている。自分は長年、「この機能は一体何のために使うんだろう?」と疑問に感じていたのだが、『デッド オア アライブ5』をプレイしている編集者によると、「対戦終了後、スムーズにフォトモードへ移行するためには絶対必要なんスよ!」と力説された。なので、『デッド オア アライブ5』のユーザーなり、購入を考えている人は、この機能にも注目してほしい。
 そして、リアルアーケードPro.N3 SAとリアルアーケードPro.V3 SA CUSTOMは、連射機能がすぐれている点も知っておきたい。秒間5回、12回、20回と3段階(ノーマルV3は秒間10回、20回の2段階)に切り換えられるので、“ほどよい連射”が必要なシューティングゲームをプレイする際にも、この2台は適していると言える。


ホリの“リアルアーケードPro.N3 SA”&“リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM”を徹底レビュー! 読者プレゼントもあるよ_01
『デッド オア アライブ 5』のウリのひとつであるフォトモード。撮影時にはアナログスティックを使ってアングル調整を行うので、スティック切り換え機能がとても役立つ。

リアルアーケードPro.N3 SA~新しいホリのスタンダードモデル~

 リアルアーケードPro.N3 SAの基本スペックは、2012年に発売された『ソウルキャリバーV対応スティック』や『鉄拳タッグトーナメント2対応スティック』とほぼ同じ。キーボードやヘッドセットを挿せるUSBハブ機能が削除されているが、その分、価格が安くなっている(14800円[税込]→13800円[税込])になっているので、差し引きゼロといった感じ。対戦中に会話をする場合は、プレイステーション3の通信に負担をかけないように、PCでスカイプ通話を行うのがオススメだ。
 『鉄拳』や『ソウルキャリバー』シリーズ用のスティックがベースということで、ボタンはいわゆる“ノアール配置”で並んでいる。このボタン配置もアーケード格闘ゲーマーにとっては重要で、『鉄拳タッグトーナメント2 アンリミテッド』や『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』などが入っている筐体(ノアール配置)と、『ブレイブルー クロノファンタズマ』などが入っているNESiCA筐体や、『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』(以下『スパIV』)の専用筐体(ビュウリックス配置)では微妙に違う。具体的には、レバーとボタン間や、ボタンどうしの間隔の広さ、R1ボタンとR2ボタンの位置などがミリ単位で異なるというだけなのだが、一方の配置のゲームをアーケードでやり込んでいると、これが意外に、体感できるレベルの違和感として指が認識してしまう。たとえば、自分はビュウリックス配置に慣れているため、ノアール配置でゲームをすると、なじむのに時間がかかるのだ。

ホリの“リアルアーケードPro.N3 SA”&“リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM”を徹底レビュー! 読者プレゼントもあるよ_02
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左がリアルアーケードPro.N3 SAのボタン配置で、右がリアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM。ささいな違いではあるが、やり込む予定のゲームが決まっている人は、購入する際に一考したほうがいいだろう。

 ミリ単位とは言え、ノアールとビュウリックスで、ボタン配置が違うのには理由がある。ノアール配置はボタンどうしの間隔が狭く、×ボタンと△ボタンの同時押し(『鉄拳』シリーズでいうとLK+RPという入力)を多用するゲームでは、ノアール配置のほうがプレイしやすいのだ。また、リアルアーケードPro.N3 SAは、スタートボタンにカバーがついており、対戦中に誤入力を防ぐための対策が取られているのもうれしい。大会などでは、対戦中にスタートボタンを押すと失格になってしまうこともあるので、これはありがたい機能だ。

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エキサイトすると、誤ってボタンを押してしまうこともあるが、カバーをしておけば、スタートボタンを間違えて押すことはない。

リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM~『スパIV』で“つじ式”がやりやすい~

 リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM(以下、CUSTOM)を手にしてまず感じるのが、ノーマルV3と重さが異なるという点。これは気のせいレベルの違いではなく、ノーマルV3は約2.9キロ、CUSTOMは約2.2キロとなっている。アーケードスティックの場合、適度な重さがあるほうが使用時の安定感が高い傾向があるため、“軽いスティックがいいスティック”とはならないが、CUSTOMは裏面に滑り止めがついており、安定感についての心配は無用。海外や国内での、オフラインゲーム大会で主流となっている、膝置きでのプレイを考慮した作りとなっている。底面に滑り止めがないリアルアーケードPro.N3 SAと比較すると、N3 SAのほうは、膝置き状態にして横方向から力をかけると、わりとつるつる動くが、CUSTOMは滑り止めがいくらか抵抗してくれた。膝置きメインでプレイする人にはうれしいだろう。
 また、このCUSTOMは、ボタンの並びはビュウリックス配置になっている。ただ、同じビュウリックス配置だったノーマルに比べて、レバーとボタンの距離が、若干広がっているのだ。これは、手がでかい自分(体重が120キロもあるので……)には、幅が広くなることで窮屈さが緩和されており、ありがたい変更だった。

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裏側の滑り止めシート。こういったアーケードスティックは、底面が金属の場合が多いが、それだと冬は、膝置きすると寒いことが多い。しかし、これは太もも部分に当たるのが滑り止めシートなので、あまり冷たくならないのがうれしい。

 そして、一部の格闘ゲームプレイヤー、はっきり言ってしまうと『スパIV』プレイヤーにとって最大のウリなのが、スタートボタンの位置と、セレクト/スタートボタンの切り換え機能。この機能自体はノーマルにも搭載されているのだが、CUSTOMのボタン配置でスタートボタンをセレクトボタンに変更すると、ボタンのずらし押しを使って技の入力猶予を伸ばすテクニック(通称“つじ式”)を、弱パンチ(□ボタン)で使うことができるのだ。『スパIV』プレイヤーのあいだでは、“スタートつじ式”(セレクトつじ式)と呼ばれているこの入力方法を、ゲームセンターのビュウリックス筐体と同じ感覚で実行できるのは、現状だとCUSTOMのみ。自分も試してみたが、いぶきの弱旋→弱パンチのつなぎがやりやすいのは、非常にありがたかった。いぶき使いは、それだけでCUSTOMを選ぶ価値があるといっても過言ではないだろう。また、ブランカを使う自分は、連打系の技を出す際に、指の爪部分でボタンをこする、いわゆる“こすり入力”を多用するのだが、ビュウリックス配置は中パンチと強パンチがほぼ水平に並んでいるため、ノアール配置に比べて、こすりがやりやすい。スティックを選ぶ際は、こういった点も考慮するといいだろう。

自分に合ったスティックでアーケードゲームを楽しもう!

 さて、ここまででふたつのスティックについて説明してきたが、では、それぞれどんな人にオススメなのか? 自分としては、以下のような人に、それぞれのスティックをオススメしたい。

リアルアーケードPro.N3 SAがオススメな人
・『鉄拳』や『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』シリーズなど、ゲームセンターでノアール配置の筐体でプレイする人
・オフラインでの対戦機会が多い人(スタートボタンの誤入力を簡単に防げる)
・重いアーケードスティックが好きな人(落下の衝撃などにも強く、耐久性も高い)

リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOMがオススメな人
・NESiCA筐体の格闘ゲームをプレイする人
・特殊な入力テクニックを駆使する『スパIV』プレイヤー
・軽いアーケードスティックが好きな人(700グラムの差は意外に大きい)

 それぞれのスティックはAmazon限定で、実際に現物を見て買えないのを不安に感じるかもしれないが、いままでのリアルアーケードPro.シリーズと比べて悪くなっている点は何もなく、進化しているポイントも多いので、「格闘ゲームやシューティングゲームを万全の状態で遊びたい!」という人は、ぜひリアルアーケードPro.シリーズを手に取って、快適なアーケードゲームライフを体験してほしい。

■筆者紹介 マンモス丸谷
格闘ゲームは『バーチャ』から『アルカプ』まで、どんなタイトルをプレイしても勝率が5割前後に収束される、ある意味幸せな永遠の中級者。現在もっとも得意なのは、中野の某ゲームセンターでひっそりと稼動している『ブレイカーズリベンジ』。

■製品データ
リアルアーケードPro.N3 SA
ホリ/2012年12月6日発売/13800円[税込]
Amazon.co.jp 製品ページはこちら

リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM
ホリ/2012年12月20日発売/13800円[税込]
Amazon.co.jp 製品ページはこちら

アーケードスティックを2名様にプレゼント!

 今回レビューさせていただいた“リアルアーケードPro.N3 SA”と、“リアルアーケードPro.V3 SA CUSTOM”をそれぞれ1名様にプレゼントします。欲しい人は、下記のアンケートフォームに記入して応募してください。応募締切は2013年1月5日23時59分まで。当選者の発表は、賞品の発送(2013年1月下旬予定)をもって代えさせていただきます。

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