美しいグラフィックとともに語られる最初の旅

 全世界での累計出荷本数が1800万本を突破している人気タイトル、『キングダム ハーツ』(以下、『KH』)シリーズ。本作でHDリマスター化されるのは、その初期の物語だ。今回は、本作に収録される3タイトルのうち、主人公ソラのいちばん最初の旅を綴った『KH ファイナル ミックス』を紹介。オリジナル版との違いも公開する。

▲主人公は、鍵型の剣“キーブレード”に選ばれた少年、ソラ(左)。親友でライバルでもあるリク(中央)や、幼なじみの女の子カイリ(右)を捜して旅をする。本作がソラの旅の起源となるので、シリーズ未プレイの人は、この作品から遊んでみるといいだろう。

『KH ファイナル ミックス』オリジナル版からの変更箇所

・高画質化のほか、一部のキャラクターモデルとテクスチャーを変更 
・英語ボイス(日本語字幕)を日本語に変更 
・トロフィー機能に対応し、やり込み度がアップ 
・ゲームクリアー時にプレイステーション3用のカスタムテーマを入手可能 
・経験値を得られなくなる“EXPゼロ”と、攻撃を空振りした場合も続けてコンボをくり出せる“コンボマスター”のアビリティを追加
・カメラ操作を右スティックに変更。R3ボタンで背後へ回り込む 
・“はなす”や一部の特殊アビリティが、△ボタンひとつで実行可能に 
・“まほう”内にあった“しょうかん”が独立し、コマンドメニューに追加

ソラが旅するワールド

 故郷が闇にのまれ、“外の世界”へ旅立ったソラは、はぐれたリクとカイリを捜し、“ハートレス”と呼ばれる敵を退けながら、さまざまなディズニーのワールドを巡る。ここからは、各ワールドを紹介しながら、HDリマスター化でより美麗になった画面写真を公開!

【トラヴァースタウン】(KHオリジナルのワールド)
トラヴァースタウンは、ソラが最初にたどり着くワールド。レオン(『FFVIII』のスコール)など、『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターが暮らしているぞ。

【ワンダーランド】(from『不思議の国のアリス』)
ハートの女王の"ハート"を奪おうとした罪で、裁判にかけられたアリス。彼女を救うべく、どこかヘンテコなワールドで証拠品を集めるのだ。

【オリンポスコロシアム】(from『ヘラクレス』)
英雄になることを目指し、闘技大会に参加するソラ。しかし、裏ではハデスの陰謀が……。のちに訪れると、隠しボスのセフィロスと対戦可能!  

【ディープジャングル】(from『ターザン』)
ドナルド&グーフィーとはぐれたソラは、ターザンのナビゲートで密林を探検する。冷酷なハンター、クレイトンから密林の仲間を守ろう。

【アグラバー】(from『アラジン』)
囚われのジャスミン王女を救うべく、アラジンとともにギミック満載の魔法の洞窟へ。クリアー後、召喚魔法としてジーニーが仲間になるぞ。

【モンストロ】(from『ピノキオ』)
モンストロという巨大なクジラに飲み込まれ、その体内を冒険する。いなくなってしまったピノキオを捜していると、リクと再会するが……。

【アトランティカ】(from『リトル・マーメイド』)
このワールドでは、ソラたちがイルカなど海の生物の姿になり、海中を自在に泳ぎ回れる。泳ぎかたをバッチリ身につけ、アースラに挑もう。

【ハロウィンタウン】(from『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』)
ここでも、ソラたちの姿が特別なものに。ジャックから大切なアイテムを奪ったブギーと対決するが、イカサマをしてくるので苦戦は必至!?

【ネバーランド】(from『ピーター・パン』)
ピーター・パンと協力し、フック船長の海賊船を探索。このワールドでは、ピーターとともに空を飛べるようになる。爽快な空中遊泳を楽しめるぞ。

【100エーカーの森】(from『くまのプーさん』)
100エーカーの森は、絵本の世界。ほかのワールドにある“ちぎれたページ”を集め、ミニゲームをクリアーし、破損している部分を修復しよう。

■そのほかのワールド
今回紹介した以外にも、いくつかのワールドが存在。ディズニー作品と、オリジナルのストーリーが織り成す、壮大な物語が展開していく。

■美麗になったバトル画面や豊富なミニゲームにも注目
 簡単な操作で、ド派手かつ爽快なバトルが楽しめるのが、『KH』シリーズの特徴。バトルにはドナルドやグーフィーのほか、各ワールドのディズニーキャラクターが参加してくれる。手に入れた召喚魔法で、仲間を呼ぶこともできるぞ。

▲多彩なアビリティを駆使して立ち回るバトル。RPGらしい、レベルアップによる成長や、アビリティのカスタマイズなどの要素もあるので、アクションの腕に自信がない人も安心!
▲広範囲への攻撃や回復など、召喚できる仲間の能力はさまざま。
▲ジーニーの“ショウタイム”の発動など、オリジナル版ではコマンドを選ぶ必要があった特殊技も、△ボタン1発でくり出せるようになっている。

開発スタッフのコメント&ミニインタビュー!

 キャラクターアートディレクターの小林元氏から、コメントが到着! また、キャラクターのテクスチャーなどを担当した山崎透氏と、プログラマーの奈須純夫氏には、いくつかの設問にお答えいただいた。本作の開発の裏話をチェック!

■キャラクターアートディレクター 小林 元氏よりコメント

HD化にあたって、多くの素材を高解像度化または再構築し直しました。もともと『KH』のメニュー画面は、高いクオリティーで作られていましたが、それらがより美しくなり、16:9になったことで画面も広々、さらに操作も快適に生まれ変わっていますので、PS2版を一度プレイされた方でも新鮮な感覚で楽しんでいただけると思います。たくさんのトロフィーやカスタムテーマなどもご用意していますので、ぜひ集めてみてください。

■キャラクターテクスチャディレクター 山崎 透氏インタビュー

――HD化にあたって、どのような作業を担当されたのでしょうか?

山崎 キャラのテクスチャーの解像度アップと、『KH』以降で新たに作り直しているキャラを差し替える作業を行いました。また、キャラ辞典などのサムネイルなども、新しく差し替えています。今回は、基本的に『KHII』以降のクオリティーに揃えることを主題として作業を開始しましたが、なかには解像度が大幅に上がったものや、『KHII』以降に描かれたテクスチャーに合わせて描きかたを変えた部分もあります。最近のシリーズ作をプレイしていただいた方々に、なるべく違和感を与えないように心掛けました。

――ユーザーにとくに見てほしいところはどこですか?

山崎 カイリが助け出された後、約束のお守りをソラに手渡すシーンがありますが、かなりきれいになっていると思います。また、最初のステンドグラスの3人の姫の絵は必見です、かなりインパクトがあると思いますよ。『101匹ワンちゃん』の子犬たちもよりかわいくなっていたりと、ポイントはいくつもあります。

――そのほかに、印象深い出来事がありましたらお聞かせください。

山崎 HD化の作業開始当初に、先行開発していたメインプログラマーの方々など、開発関係者といっしょに、HDの解像度で見られる状態になった『KH』リソースのままの画面を確認する機会があったのですが、みんなから「このままで十分じゃないか」、「いま見てもきれいだなあ」と、賞賛の声があがりました。僕も、本当に10年前に作られたのか? と思ったほどです。通常なら過去のゲームを見ると、古さが目立ちますが、『KH』の画面は色彩豊かで鮮烈で、古さのない、普遍的なものに感じました。それだけ当時の開発者たちが、テクスチャーの描きかたなどに試行錯誤を重ねた成果なのだと思います。ただ、目が慣れてくると、だんだん欲が出てきて、ここも、ここも直したいよね、ということになり……人間の欲は尽きません。スタッフ一同、限られた時間と制約の中で精一杯バージョンアップしたとは思いますが、まだまだ作業できたな、という気持ちもあり、複雑ですね(苦笑)。

■プログラマー 奈須純夫氏インタビュー

――HD化にあたって、どのような作業を担当されたのでしょうか?

奈須 PS2時代のプログラムを解析し、PS3用に置き直す、リソース周りの変換をメインに作業をしました。私自身が『KH』を最後までプレイしたことがなかったので、基本操作に違和感がある箇所は、なるべく『KHII』の操作感に近いものに仕上げています。今回は、イベントスキップもできますよ。

――ユーザーにとくに見てほしいところはどこですか?

奈須 10年前のタイトルとは思えないほどのボリュームと映像力、そしてストーリーを大画面で堪能していただきたいです。シリーズに触れるのが初めての方でも、違和感のない操作で楽しんでいただけると思います。

――そのほかに、印象深い出来事がありましたらお聞かせください。

奈須 10年前のプログラムなので、覚えている者が誰もおらず……試行錯誤しながら、ようやく動作するようになりました。最初はHDリマスターなら思うほどの作業ではないと安易に考えていましたが、案外ヘビーなボリュームだったのに驚いています。今回、培ったノウハウを生かし、次回のリマスター作品を世に出したいですね。

▲ワールド間を移動する際のシューティングゲームや、そのときに乗る“グミシップ”のカスタマイズなど、バラエティー豊かなサブゲームも満載! ついついやり込んでしまうこと間違いなし。

キングダム ハーツ -HD 1.5 リミックス-
メーカー スクウェア・エニックス
対応機種 PS3プレイステーション3
発売日 2013年3月14日発売予定
価格 6980円[税込]
ジャンル アクション・RPG / 冒険・ファンタジー
備考 ディレクター:野村哲也、Co.ディレクター:安江泰、プロデューサー:西理江