BREAKERZがゲームと真剣に向かい合って作った楽曲、それが「RUSTY HEARTS」!
セガより2012年12月13日にサービス開始された、WindowsPC用3DアクションMORPG『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』。本作のオープニングテーマは、DAIGOがボーカルを務めるロックバンド“BREAKERZ”が担当している。
楽曲のタイトルは、ゲームと同名の「RUSTY HEARTS」。DAIGOが『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の資料を読み込み、作詞・作曲したというこの楽曲は、オープニングアニメーションムービーで聴くことができる。
ファミ通ドットコムでは、BREAKERZの3人に、「RUSTY HEARTS」制作時のエピソードや、ゲームに関する思い出などを聞いた。
BREAKERZ(ブレイカーズ)
DAIGO(ボーカル:中央) AKIHIDE(ギター:左) SHINPEI(ギター:右)
2007年4月に結成し、その年の7月にアルバム「BREAKERZ」でメジャーデビュー。これまでに5枚のフルアルバム、2枚のミニアルバム、13枚のシングルをリリースし、2012年10月には自身初となるベストアルバムをリリースした。2008年7月以降にリリースした全作品が、オリコンランキング初登場10位以内にランクイン。2012年7月にデビュー5周年を迎え、4年連続の日本武道館公演を成功させた。2012年11月より、BREAKERZ史上最長の全国ツアーを開催中。
ヴァンパイアになる時がきた!
――最初に、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の主題歌を歌うことが決まったときの心境を教えていただけますか?
DAIGO もともと、“ヴァンパイア”をいうテーマを、BREAKERZとしていつか表現したい、という話をみんなでしていたんです。そんなときに、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』のお話をいただいて、主人公がヴァンパイアハーフだということで。これはもう、ついに時がきた! と。ヴァンパイアになる時がきたな、と思いました。
――なぜヴァンパイアになりたいと考えていらっしゃったのですか?
DAIGO これまで俺たちは、曲に合わせて、いろいろな格好をしてきたんです。ちょっとウサ耳つけてみたり、制服着てみたり。コスプレをカッコよく仕上げるというか(笑)。ヴァンパイアというのは、衣装を着てみたい、カッコいいテーマとしてつねに候補に上がっていたんです。なのでもう、今回のお話をいただいて、やるしかないだろうと。大義名分が立つし(笑)。
――長年の願いを叶える、絶好のタイミングだったのですね。
DAIGO はい。それから、世界観や登場人物の資料をいただいたり、海外版のゲームの動画を見せていただいたりして、楽曲作りを進めました。とてもカッコいい世界観だったので、カッコいい楽曲が合うだろうと思い、みんなでアイデアを持ち寄って、「RUSTY HEARTS」ができあがりました。ゲームの『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の世界そのものにリンクしていて、かつ主人公のフランツの心情を反映した曲になっています。
――歌詞では、フランツの恋人への思いが中心に描かれていると感じました。
DAIGO そうですね。フランツの心情を表現しつつ、誰もが長い人生の中、後悔を抱えているけれど、それでも前へ進んでいく……というメッセージや、希望みたいなものも込めながら書き上げました。
――楽曲のアレンジは、皆さんで行ったとうかがいましたが、AKIHIDEさん、SHINPEIさんは、「RUSTY HEARTS」に対し、どのような思いで取り組まれましたか?
AKIHIDE 『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』は、すごくドラマティックな作品です。それに合わせ、僕たちの曲「RUSTY HEARTS」もドラマティックな曲になっています。ギターで激しくかき鳴らすシーンがあったり、サビの部分で、きらびやかに弾くシーンがあったり、哀愁感のあるギターソロがあったり。場面場面で情景が浮かぶような音作りを心がけました。
SHINPEI 自分自身、本当にゲームが好きで。ギターにのめりこむ前、子どものころからのめりこんでいたもののひとつなんです。そして、ゲームをプレイするうえで、音楽というものは、自分にとって切っても切り離せないものでした。そんなゲーム音楽に携われるのは、とてもうれしかったですね。『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』のストーリーやキャラクターを見せていただいたとき、「これはカッコいいロックがハマるだろう」と直感的に思いました。『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の世界観とBREAKERZが、うまくコラボレーションできるような楽曲を目指して……結果、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』のスリリングな世界が合う、疾走感のある楽曲になったと思います。
コラボレーションする作品に惜しみなくリンクする
――ひと足先に、「RUSTY HEARTS」のミュージックビデオを拝見させていただきましたが、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の世界ととてもリンクしていたのが印象的でした。
DAIGO ミュージックビデオとゲームのシンクロ率は250%です。そこは楽しんでいただきたいですね。
――日本で撮影されたとのことですが、そうは見えませんでした! まるでヨーロッパの古城が舞台のようで。
DAIGO この曲とゲームのイメージに合う、すごくいいロケーションで撮影できました。カッコよさ、そしてロックな音楽性を感じていただける映像になったと思います。
――ミュージックビデオ撮影中の印象的なエピソードがありましたら、教えてください。
SHINPEI (ヴァンパイアの)牙はたいへんでした。3人それぞれ、歯の型をとって牙を作ったんですよ。
DAIGO ビデオで牙をむき出しているのは俺だけですが、ほかのふたりも牙をはめて撮影したんです。でも、ちょっと様子がおかしいということになって……(笑)。
――様子がおかしい、ですか?(笑)
DAIGO そうなんです。即カットになりました。SHINPEIがガーッって口を開けたら、困っている人みたいになっちゃって(笑)。
SHINPEI 難しかったですね、表情を作るのが。
DAIGO 割愛させてもらいました。
SHINPEI いい思い出になりました(笑)。
――いつか、オフショットとして公開していただきたいです(笑)。それにしても、本当に、実写版『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』のような映像でしたね。
DAIGO BREAKERZは、タイアップは“コラボレーション”だと考えています。そして、コラボレーションさせていただく作品に、惜しみなくリンクします。俺たちの楽曲で、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』というゲームの世界観がより濃くなったらうれしいですし、ゲームをきっかけに、プレイヤーの方が俺たちの曲を聴いてくださったらうれしいです。その作品から刺激をもらったり、ふだん浮かんでこないワードが歌詞に入ったりしますし。今回も、いいコラボレーションができたな、と思っています。
――数あるコラボレーションの中でも、“ゲーム”とコラボレーションすることについては、どのようにお考えですか?
DAIGO まだ『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』はプレイしていませんが、たとえば自分たちの曲が、ボス戦に使われたりしたら感慨深いですよね。
AKIHIDE 僕も昔からゲームが好きで、いまでもプレイしています。「RUSTY HEARTS」が流れるトレーラーはとてもカッコよくて、「早くゲームをプレイしたい!」という思いでいっぱいです。
SHINPEI ゲームとのコラボレーションは、めちゃめちゃ光栄なことですね。思い出深いゲームを思い出すとき、必ずと言っていいほど音楽のことも思い出すので。プレイヤーの方々が、将来『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』のことを思い出すとき、BREAKERZの音楽が片隅にあれば、ミュージシャン冥利につきますね。
――この「RUSTY HEARTS」を表題曲とするシングルCD「RUSTY HEARTS」が、2013年1月16日に発売されますね。
DAIGO シングルCDの発売は、約半年ぶりですね。
――シングルCDには、「RUSTY HEARTS」のほかに、2曲が収録されているとうかがいました。
DAIGO 「RUSTY HEARTS」は、BREAKERZのとてもクールな、ロックサウンドになっています。2曲目の「CHALLENGERZ」は、アメリカンロック風の曲です。男でも女でもノれるような、力強い曲ですね。「君の声が聴こえる ~Acoustic Version~」は、「君の声が聴こえる」を癒しのテイストでアレンジしたバージョンです。疲れたときに聴いていただきたいですね。この1枚に、いろんなパターンの曲が入っているので、楽しんでいただけると思います。
――「RUSTY HEARTS」を皮切りに、BREAKERZの2013年が始まりますが、2013年への意気込みを語っていただけますでしょうか?
DAIGO 2013年は、流れが速いこの世の中で、しっかりと自分のスタンスを持って、力強く生きていきたいと思います。そして“錆び”ないように、自分に磨きをかけて、キラキラさせて、人生というゲームを楽しんでいきたいと思います。
――ラスティハーツ(錆びついた心)にならないように、ということですね。では、AKIHIDEさん、SHINPEIさんの抱負を教えていただけますか?
AKIHIDE いまはツアーの真っ最中ですので、まずはツアーをいい形で皆さんにお届けし、終えたいです。そしてその先は、BREAKERZとして、いろいろ挑戦していきたいですね。
SHINPEI BREAKERZは2012年に5周年を向かえ、ベストアルバムを発売しました。一区切りはつきましたが、まだまだ続く、息の長いバンドでありたいと思うので、2013年も、みんながあっと驚くような、飽きない展開ができるように活動していきたいですね。
BREAKERZのゲームの思い出
――BREAKERZの皆さんの、ゲームの思い出を語っていただけますか?
DAIGO 俺たちは、ゲームがドンピシャな世代ですので、ファミコンから遊んでいて……ファミリーベーシックとか、ディスクシステムの書き換えに行ったりとか。ファミ通はめちゃくちゃ読んでいましたよ! いまもゲームは遊びますが、やりこむ時間がなかなかないですね。人生というRPGで精一杯なんです(笑)。
――AKIHIDEさんはいかがですか?
AKIHIDE 僕はRPGが好きで。ゲームって、とくに近年は、映画や小説のように深いストーリーがあったり、人生を教えてくれるものになっていると思います。その中でも、自分がその世界に入って体験できるのが、ゲームの持っている魅力ですよね。僕もこれまで、ゲームからたくさんの影響を受けてきましたし。いまやゲームは、人間にとって欠かせない存在のひとつになっているんだなあと感じます。
――では、SHINPEIさんは?
SHINPEI 僕は小学校のころは、頭の中の95%がゲームでした(笑)。朝起きて、何よりもやりたかったのはゲームでしたし。友だちの家に行くのも、「あいつの家には、あのゲームがあるから」という理由でしたし。とくにアクションゲームが好きでしたね。いまもゲームはプレイしていて、人生において、ゲームはすごく楽しいことのひとつだと感じています。
――皆さんの中で、とくに印象に残っているゲーム音楽があれば、教えてください。
DAIGO 俺は、『ドラゴンクエスト』の『I』、『II』、『III』。『ファイナルファンタジー』だと『IV』ですね。小さいころは、ピアノでゲームの音楽を弾いたりしていました。
AKIHIDE 僕は、今年『ドラゴンズドグマ』をプレイしたのですが、テーマソングがB'zさんなので、驚きました。日本のロックアーティストが、あのようなハイファンタジーのゲームの主題歌を担当するなんて! と。そして僕らも『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の主題歌を担当させていただいて。「ロックアーティストが(ゲームの)主題歌を歌うのは、アリなんだ!」とわかったことが、今年の大きな驚きでしたね。
SHINPEI 僕もすぎやまこういちさんの『ドラゴンクエスト』の曲は、とても印象に残っています。誰でも口ずさめる曲ですが、深い構成になっていて。ピコピコ音も好きなのですが、オーケストラバージョンも壮大で好きでした。
――『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』と楽曲「RUSTY HEARTS」も、これから多くのプレイヤーに驚きを与えると思います。それでは最後に、読者にひと言メッセージをお願いします。
DAIGO 僕たちなりに、ゲームの世界観に合う曲を全力で作りました。ぜひゲームをプレイしながら、この曲を聴いて、好きになってもらえたらうれしいです。
AKIHIDE 僕らもこのゲームをプレイさせていただくつもりなので、同じゲーム仲間として、ぜひ僕たちの音楽に触れていただいて、興味を持っていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。
SHINPEI サウンド、歌詞ともに、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』をイメージして作った作品ですので、この曲を聴きながら、『RUSTY HEARTS(ラスティハーツ)』の世界を思い浮かべると、よりいっそう楽しめると思います。そして、これを機に、BREAKERZの音楽に触れていただけたらうれしいです。