2012年12月13日、東京・六本木の国立新美術館にて、“第16回文化庁メディア芸術祭”の記者発表会が開催され、受賞作品が発表された。気になる受賞作品は……?

●応募作品総数は過去最多となる3503作品

 2012年12月13日、東京・六本木の国立新美術館にて、“第16回文化庁メディア芸術祭”の記者発表会が開催され、受賞作品が発表された。

 “文化庁メディア芸術祭”は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル。過去最多となる海外71ヵ国・地域からの1502作品を含む、合計3503作品の応募があった本年度文化庁メディア芸術祭。各部門の大賞に選ばれたのは、以下の4作品となる。

■アート部門 大賞
Pendulum Choir
ミュージックパフォーマンス
Cod.Act (Michel DECOSTERD / Andre DECOSTERD)(スイス)

9人のアカペラと18の油圧ジャッキからなるオリジナル合唱作品。声楽家たちの身体をコンピュータ制御によって一方的に揺らしながら「合唱させる」という、わかりやすく、エンターテインメントのようにも見えそうな作品だが、機械(テクノロジー)社会に生きる「人間の表現」というものの本質を深く考えさせることが評価された。

■エンターテインメント部門 大賞
Perfume "Global Site Project"
ウェブ、ソースコード、パフォーマンス、振付、楽曲
真鍋 大度/MIKIKO/中田ヤスタカ/堀井 哲史/木村 浩康(日本)

テクノポップグループ“Perfume”の世界デビューを記念したプロジェクト。これまでもアイドルという立ち位置を崩すことなく、最先端テクノロジーを用いたミュージックビデオやパフォーマンスを行なって来た“Perfume”だが、今回は世界デビュー用のオリジナル曲の楽曲データとモーションキャプチャデータを配布して、ファンとクリエイター、いやファンというクリエイターたちとともに世界に向けたPerfume像を作り上げたことが評価された。

■アニメーション部門 大賞
火要鎮
短編アニメーション
大友 克洋(日本)

伝統的な日本画の画風を映像表現のモチーフとし、舞台である300年前の東京(江戸)の風俗や道具、生活を再現する描写にこだわり、作画のアニメーションの表現と3DCGによる表現を融合させ、斬新な映像表現を実現した作品。江戸の振り袖火事と呼ばれた“明暦の大火”や“八百屋お七の大火”などを題材に作られたフィクションが、華麗にドラマチックにくり広げられ、歌舞伎を2階の最前列で鑑賞しているような、昔のジオラマのスペクタクルな画面を追体験しているような表現が評価された。

■マンガ部門 大賞
闇の国々
ブノワ・ペータース/フランソワ・スクイテン
訳:古永真一/原正人(フランス/ベルギー/日本)

我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群“闇の国々”。そこでくり広げられる摩訶不思議な事件の数々を描く、フランス・ベルギーのコミック(バンド・デシネ)の人気シリーズ。各話に人間の主人公はいるが、異世界をまるごと作り出し、その構築された世界・建造物・背景が本作の主役であることが評価された。

 なお、気になるゲーム関連では、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』がエンターテインメント部門の優秀賞を受賞。贈賞理由は以下の通りとなっている。

<贈賞理由>
GRAVITY DAZE』は、まさに文化庁メディア芸術祭で評価すべきゲームそのものである。現在のゲーム市場に登場してくる作品は、新規性の発掘よりも洗練に重きが置かれて開発されている。ゲームが提供可能なエンターテインメントの仕組みがあらかた出揃い、そのうえでどのようなシナリオをどのように料理するかが競われている。しかし『GRAVITY DAZE』は重力を操るという新しい快楽のあり方を発明した。しかも、ほかのゲームに勝るとも劣らないゲームとしての創造的な洗練とともに。PlayStation®Vitaに搭載されたセンサーを巧みに利用し、製品ではなく「ゲーム」として仕上げている。まだまだゲームにできることがあることを証明した作品だ。

 さらに、エンターテインメント部門の審査委員会推薦作品として以下のそうそうたるタイトルが選出されている。

【エンターテインメント部門の審査委員会推薦作品】
ドットハック セカイの向こうに+VersusHybrid Pack』(バンダイナムコゲームス)
箱! -OPEN ME-』(ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン)
初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- f』(セガ)
ダークソウル』(フロム・ソフトウェア)
orgarhythm(オルガリズム)』(アクワイア)
ザ・エルダースクロールズV:スカイリム』(ベセスダ・ソフトワークス)

 今回の発表を受けての、“平成24年度[第16回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品展”が、2013年2月13日~2月24日のあいだ、東京・六本木の国立新美術館(サテライト会場はシネマート六本木)にて開催される。会期中は、3503作品の応募から選ばれた受賞作品が展示。映像の上映会のほか、受賞者、審査委員、ゲストを招いてのシンポジウム、ワークショップなども予定しているとのこと。

【平成24年度[第16回]文化庁メディア芸術祭 受賞作品展概要】
■会期:2013年2月13日(水)~2月24日(日)
■入場:無料
■会場:
<メイン会場>
国立新美術館 1階 企画展示室1E
休館日:2013年2月19日(火)
開館時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
※開催情報は変更となる場合があります。最新情報は本ウェブサイトで随時ご案内します

<サテライト会場>
シネマート六本木 ほか
サテライト会場では、作品上映やマンガライブラリー、シンポジウム等を実施する予定です。

■主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会

※イベントや各種プログラム等の詳細は随時発表します。