カリブ海の王となれ!『Port Royale3-ポートロイヤル3-』プレイインプレッション

1500年代のカリブ海を題材とした交易シミュレーションゲーム『Port Royale』シリーズ。その最新作が家庭用に登場、海の帝王として成り上がっていく楽しさをインプレション!

●商人と冒険者、選べるふたつのキャンペーン

 数多の海賊で有名なカリブ海。あの映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の舞台でもある、なんともワクワクする地域だ。2012年12月13日に、プレイステーション3とXbox 360で発売された『Port Royale3-ポートロイヤル3-』は、そんなロマンあふれる大航海時代のカリブ海を舞台に、貿易や海賊行為を自由に楽しめる交易シミュレーションゲームだ。

 メインといえるキャンペーンモードでは、商人と冒険者の、ふたつのシナリオが用意されている。物語に準じた目的が随時登場し、ストーリーを楽しみながら本作のシステムを理解できる、いわば巨大なチュートリアルといえる作り。商人シナリオでは交易を、冒険者シナリオでは海戦を主軸に据えたストーリーが進行していくのだ。また、時代や所属国、各種難易度を自由に設定してプレイできるフリープレイも存在する。本作は行えることが非常に多いため、まずは基本システムから解説していこう。なお、本稿はXbox 360版を用いて執筆している。

▲本作の舞台はカリブ海。登場する町は、スペイン、イギリス、フランス、オランダの植民地という設定だ。

▲キャンペーンモードでは目標が設定され、達成するとシナリオが進みつつ新たな目的が登場する仕組み。

●安く買って高く売るのが商売の基本でっせ!

 ゲームスタート時に主人公の手元にあるのは、1隻の商船とわずかな資金のみ。ひとまずは、これを元手に資金を稼ぐことになる。交易シミュレーションをうたっているだけあり、商品の売買がお金稼ぎの基本となる。

 主人公の船団が停泊している町を選択すると、町画面となる。ここでさまざまな建物へとアクセスできるのだが、商品の売買は埠頭(ふとう)で行う。木材や日干しレンガ、小麦、果物など、20種類の交易品が売買されており、在庫状況に応じて価格が変動する。品薄な商品ほど値段が上がり、逆に在庫が潤沢な商品ほど値段は下がる。安く商品を買い、それをほかの町へ持って行って高く売ることが、本作の基本となるのだ。

 また、町ごとに特定の商品が生産されている。たとえばキャンペーンの拠点となるポートロイヤルという町では、トウモロコシ、地金、綿花、タバコ、ラム酒が生産されている。必然的にこれらの商品は供給量が増えるため、その町の生産物は安く購入できることが多い、というわけだ。各町の生産品を把握することが、交易で利益を生み出すコツといえる。

▲埠頭での売買画面。商品アイコンのすぐ右にある、赤と緑のゲージが在庫状況を表す。また歯車アイコンがついてる商品は、その町で生産されているものだ。

▲これが海図画面。ここで船団の行き先を指定する。なお最初はスタート地点周辺の町しか判明しておらず、自分で航海して新たな町を発見していく探索の楽しさもある。

 ただし、いくら生産地だからといって、すべてを買い占めようとすると価格は大幅に上昇し、さらに住民の評判も下がる。逆に、売る場合の量も多くなりすぎると、買い取り価格が購入時の価格と同じ値段になり、利益が出なくなる。価格の変動を考えつつ、ほどほどに売買するのが利益を生み出すコツだ。

 交易で儲けて資金に余裕が出てきたら、船団を強化するチャンス。主人公は最初は1隻の船しか持っていないが、新しい船を購入して船団に組み込めば多くの商品を運べるようになり、より大規模な交易を行える、というわけだ。

▲エヴァンゲリスタという町に到着。さきほどの町では60で購入できた綿花が、ここでは94で売れる!

▲一部の町にある大造船所では、船を購入することが可能。ただし、船が入荷するかどうかはランダムのようで、いつでも買えるわけではない。

●事業所を建てて自分で商品を生産するのだ!

 続いて、建物の建設について解説しよう。本作では、主人公の資産、船団の積載量、使用人を一定以上にするとランクが上昇し、行えることが増えるシステム。ランクが一定以上かつ評判が一定以上あれば、建築免許を購入できるのだ。

 建設できるのは、住民の住宅、事業所(生産施設)、学校、病院など。事業所は、その町で生産されているもの、たとえばさきほどのポートロイヤルでは、トウモロコシを生産するトウモロコシ農場、地金を生産する製錬所などが建設できる。自分の事業所で生産された商品は自分の倉庫に搬入され、自由に使用できる。埠頭で買うよりも安く、安定して入手できるのだ。

▲建築免許を入手すると、その町で自分の建物を建設できるようになる。住宅や事業所、公共施設の学校や病院などを建てられる。

▲建設できる土地は決まっている。コンピューターも勝手に建てるため、いわば早い者勝ち。ただし土地は十分にあるため、土地不足に悩むことはまずない。

 ただし、事業所の建設はなかなかに苦労する。基本的に、事業所と同数の住宅を建てる必要があり、多くの資金が必要となる。また、建設材料として木材と日干しレンガが大量に必要となるため、多くの町を訪れて購入しなくてはならないのだ。もちろん、木材と日干しレンガは商品であることに変わりはないため、これらの生産施設を建てられれば、材料不足の問題は大幅に改善する。

 また、一部の商品は生産に材料を使うことにも注意。たとえばラム酒は、木材と砂糖を原料に使用するため、これらを倉庫に溜めておく必要がある。さらに、事業所で働く人手も必要となる。労働者が足りない場合は、ほかの町で入植者を船員として傭い、事業所がある町で解雇する、という手段で町の人口を増やすのだ。

▲倉庫画面では商品の在庫数、材料の消費量、生産数などを確認できる。木材と乾燥レンガは建築で大量に消費するため、優先的に生産したい。

▲町の入植者を船員として雇用することも可能。主人公の人気が高いほど、就職を希望する人数が増えるのだ。

 なかなかに大変な建物の建設だが、うまく活用すればその効果は何倍にもふくれあがる。たとえばある町で木材と砂糖を生産し、それをラム酒の生産施設である蒸留所がある町に運んで材料にすれば、少ない費用で高価なラム酒をたくさん生み出せるのだ。また船団に自動的に交易を行うよう指示したり、倉庫の商品を自動で売却するよう設定することも可能。基盤を整えれば、自動的に利益を生み続けるサイクルを構築できるのだ。

 さらに、事業所を9つ以上保有する、町での人気が90パーセント以上などいくつかの条件を満たすと、その町の統治を任させる“乗っ取り”を行える。名実ともにその町の支配者となれる、大きな目標のひとつといえるだろう。

▲一定以上の条件を満たすと、公邸で町を乗っ取ることが可能。合法的に統治権を得られる手段だ。

●交易以外にもできる、あんなことやこんなこと

 町には、埠頭以外にもさまざまな施設が存在する。公邸では、行政官から「商品が足りないから埠頭で売ってほしい」、「この町に○○を建てて欲しい」、「商品をどこそこの町まで運んでほしい」といった依頼を受けられる。これらを達成すると、報酬が支払われるほか、その町が所属している宗主国の評判も上昇していく。通常の交易よりも利益が大きいため、達成可能であれば積極的に行っていきたい任務だ。

 酒場では、さまざまなイベントが発生する。アイテムをなくしたから見つけて欲しい、主人が行方不明なので探してほしい、代わりに海賊を退治してほしいなど、依頼の内容はバラエティ豊かだ。公邸での依頼と同様に、達成すると報酬をもらえるのだが、注目したいのは宝の地図の破片だ。これをいくつか集めると地図が完成し、お宝のありかが判明する。トレジャーハント的な要素も楽しめるのだ。

▲行政官から任務を依頼されることも。現金報酬に加えて町や国からの評判も上昇するなど、メリットは多大。

▲報酬として宝の地図の破片をもらえることも。いくつか集めてみたが、海ばっかりで見当すらつかねぇ!

●海賊行為も行える海戦システム

 本作では海戦を行うこともできる。……というか、本作の舞台は大航海時代のカリブ海。そう、我が物顔で暴れ回っている海賊に襲われることが多々あるのだ。そのため、商人スタイルでのプレイでも戦力はある程度増強しておきたい。

 また、自らが戦いを仕掛けることも可能。海賊相手にはもちろんのこと、ほかの商船にケンカを売る海賊プレイも楽しめる。勝利した場合は積み荷を戦利品として奪えるのだ。ただし、一般の商船に戦闘を挑む場合は、すべての国からの評判が大きく下がるというペナルティが発生する。評判が一定以下になると、その国の町には寄港できなくなってしまうのだ。海賊行為を行うには、ある程度行動が制限されてしまう覚悟が必要となる。

 ただし、例外もある。自分が所属する国と、相手の国が戦争に突入したとき、一定の条件を満たしていれば“私掠(しりゃく)許可証”を発行してもらえる。いわば国家公認の海賊で、この場合は攻撃した国のみの評判が下がる。ちなみに戦争が終結すると、この許可証は効力を失う。

▲海賊は一般の船団に紛れてカリブ海をウロウロしている。まれに海賊の隠れ家が見つかることも。

▲他国の商船に攻撃を仕掛ける、海賊行為も可能。ただし、すべての国からの評判が大きく下がる。

 続いて、実際のバトルについて解説していこう。戦闘は、あらかじめ戦艦に指定した3隻がリアルタイムに戦うスタイル。戦艦は基本的に自動で行動するが、うち一隻をプレイヤーが直接操作することが可能。また集中攻撃、支援など、戦術を指示することもできる。

 耐久力や移動速度、大砲の数は船の種類によって異なる。また大砲にはリロード時間が存在し、船員の数が多いほどリロード時間が短くなる仕組みだ。さらに大砲の砲弾の種類も、船体にダメージを与える“固形弾”、敵の速度を遅くする“鎖弾”、船員を倒す“散弾”の、効果が異なる3種類が存在する。状況に合わせて砲弾を使い分ける必要があるのだ。

 また船に乗り込んで船員が戦う、接舷戦(せつげんせん)も行える。この場合は、船員が所持しているサーベルやマスケット銃による戦いとなる。また海に投下して船が接触すると爆発する、火薬樽も使用可能だ。なおこれらの砲弾や武器は、固形弾をのぞいてすべて町で購入する必要がある消耗品。とくにマスケット銃は値が張るため、大船団ほど装備を調えるのに資金が必要になる。

 さらに、町に対して攻撃を仕掛けることも可能。まずは都市を守る船団を撃破し、続いて防衛設備を破壊し、最後に上陸して兵士を倒す……という、かなりの長期戦を覚悟する必要がある。その代わり、勝利したときに入手できる金額も非常に大きい。さらに戦争中の国の町であれば、自国に併合することが可能。また自分のランクが准将以上であれば、自分の町にすることもできる。平和的な“乗っ取り”と対極に当たる、力業での支配といえる。海賊行為も、規模が大きくなれば町すら手中に収められるのだ。

▲こちらが戦闘画面。敵の船を撃沈することが目標だが、戦力差がある場合は相手が降伏することも。

▲町を攻撃することも可能。護衛の船団を倒してから、町の防衛設備を破壊していく。

 このように、海戦で行える選択肢は非常に豊富。かつ、側面にしか砲撃できない、つねに移動しているため急転回は不可能など、船独特の操作も相まって、海戦に慣れるのはかなり時間がかかる。ただし、海戦自体をすべてオートで行うことも可能なため、実際に船の操作を行わなくとも、船団を強化するだけである程度海戦に勝利することは可能だ。ぶっちゃけ海戦のコツをなかなかつかめないでいる筆者にとって、この仕様はかなりありがたかった。

●ハマればずっと遊べる1本!

 本作のジャンルは交易シミュレーションとなっているが、交易以外に都市の発展や海賊行為など、行える要素は多岐にわたる。プレイヤーの好きなスタイルでカリブ海を支配できる、自由度の高いシミュレーションゲームと感じた。

 筆者が個人的に気に入ったのは、事業所を建設して町を発展させられるポイントだ。まず木材と日干しレンガの事業所を建てて材料を安定供給できるようにし、続いて目的となる町に事業所をガンガン建設し、町を発展させていく。ある程度基盤が整ったら、さらにほかの町を発展させて商品を流通させる。この、独自の巨大な交易ルートを徐々に発展させていくサイクルは、自身の成り上がりっぷりを十分に体感でき、非常におもしろいのだ。フリープレイでは生産品をランダムにすることもできるため、何度でも楽しめそう。

 大海原にロマンを感じたり、交易でチョコチョコと儲けを生み出す経営ゲームが好きな人ならば、ベストチョイスともいえる1本。年末年始のお休みでじっくりと腰を据え、世界を支配する楽しさをたっぷり味わってほしい。

■著者紹介 喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。久々に骨のある経営シミュレーションを遊べて、本作には大満足。経営好きなら『Tropico』シリーズもオススメですよ!