直撃インタビュー!『絶体絶命都市』の舞台化を実現した“劇団エリザベス”とは何者なのか?

ある日、ファミ通.comに届いた1通のリリース。そこには“『絶体絶命都市』舞台化”との見出しがあった。アイレムソフトウェアエンジニアリングの名作として知られる『絶体絶命都市』のタイトル名をこのような形で再び見ることになるとは思わなかった我々は、さっそく舞台化を進めている劇団エリザベスに取材を申し込んだ。

●【舞台版】絶体絶命都市――公演は2013年1月5日~21日

 ある日、ファミ通.comに届いた1通のリリース。そこには“『絶体絶命都市』舞台化”との見出しがあった。アイレムソフトウェアエンジニアリングの名作として知られる『絶体絶命都市』のタイトル名をこのような形で再び見ることになるとは思わなかった我々は、さっそく舞台化を進めている劇団エリザベスに取材を申し込んだ。

 ファミ通.comのインタビュー取材に応じてくれたのは、劇団エリザベスの主宰、k.r.Arry氏。今回の「【舞台版】絶体絶命都市 ―世界の終わりとボーイミーツガール―」の脚本・演出を担当するk.r.Arry氏に話を伺った。


▲劇団エリザベスの主宰、k.r.Arry氏(の自画像)。自画像だとあやしい風貌ですが、実際は演劇に対する熱意を内に秘めた好青年でしたよ。

──はじめまして。このたびは取材を受けていただき、ありがとうございます。

k.r.Arry こちらこそよろしくお願いします。

──えーと……なんとお呼びすればいいでしょうか?

k.r.Arry 劇団エリザベスの主宰をしているk.r.Arry(けーあーるえりー)と申します。エリーで結構です。

──わかりました。それでは、まず劇団エリザベスについて教えてください。

エリー もともとは日本大学芸術学部の学生が母体になっている団体なんですが、まだ結成2年ちょっと。たくさんある学生劇団の中の単なるひとつの劇団なんです。いまだに学生の人もいたり、社会人もいたりして、学生に毛の生えたような団体です。

──なるほど。それがなぜ今回の『絶体絶命都市』の舞台化を手掛けることになったのでしょうか?

エリー そもそも、僕は『絶体絶命都市』のファンなんですね。新しい公演をやるのでインパクトのあるタイトルをつけたいと考えていたときに、目の前に『絶体絶命都市』があったと。それで「いいタイトルだなぁ」「エリザベスの世界観に合うなあ」と思ったので、アイレム(ソフトウェアエンジニアリング)さんに確認をとる前に企画書まで書いて、「“絶体絶命都市”の舞台をやりたいんです」と打診したわけです。当初、了承してもらえるとは思っていなかったですよ。

▲開発中に公開されていた『絶体絶命都市4 -Summer Memories-』(発売中止)のスクリーンショット。

──『絶体絶命都市』シリーズといえば、非常に人気の高い作品だったにも関わらず、最新作『絶体絶命都市4 -Summer Memories- 』は開発途中で発売中止を発表(※)。さらにこれまでのシリーズ作品も生産を終了しています。ゲームファンにとって話題性の高い作品であり、今後タイトル名を目にする可能性は低いと思っていました。

エリー たしかに『絶体絶命都市』がデリケートな作品であることは承知していました。ただ、あくまでも学生演劇であり、商業的なものを目的とした演劇ではないということで話をさせてもらいました。

 ※『絶体絶命都市4 -Summer Memories- 』は地震後の首都圏を舞台にした内容で2011年春の発売を予定していたが、東日本大震災の直後(2011年3月14日)に発売中止が発表されている。なお、その理由について震災であるとは言及されていない。

 
──最初に企画書を持ち込んだのはいつごろですか?

エリー 今年の5月です。すぐ6月には返事をいただいて、実際にアイレムさんの担当者の方にお会いして話をさせていただきました。最初から好意的といいますか、対応も早くしていただいて、思っていたよりスムーズに承諾してもらいました。名前を使えるだけでなく、原作・監修という形で承諾してもらいました。

──原作・監修とは具体的には?

エリー 戯曲をチェックしていただきます。本が書き上がった時点で、すべてアイレムさんに見ていただくことになっています。まだ書きあがっていないので、これ以上は具体的な話になりませんが、何度か書き直すことになるのかも……。

──現時点で制限されていることはありますか?

エリー いや、とくにないですね。しいて言えば、タイトルについては【舞台版】を付けることで上演を許可してもらったくらいで、たいへん寛大にみてもらっています。念のため、付け加えておくと、この舞台は『絶体絶命都市』の続編といった位置づけではありません。あくまでも【舞台版】とタイトルに冠しているように、完全に別の時間軸だと思ってください。

──では、舞台の内容についてお聞きします。最初から震災をテーマにした舞台を描こうと思っていたのですか?

エリー 『絶体絶命都市』のテーマは震災だけではないですよね。苦しい状況下でどうやって生き抜くのか、ふつうの人ががんばって生きようとする姿を描きたいと思っていました。ごくごく当たり前のことです。そのひとつの状況設定として地震を扱うつもりでいます。

──地震を扱うこと、さらには根強いファンを持つ『絶体絶命都市』を題材にすることで、否定的な意見が出ることは心配ではありませんでしたか?

エリー 賛否両論あるだろうとは思っていましたし、よくも悪くも注目されるとは覚悟していました。ただ、何をやっても悪く言う人はいると思うので、それを気にしていては何も作れないですよ。

──進捗状況はいかがですか?

エリー 6割くらいは書いてます。サブタイトルを「―世界の終わりとボーイミーツガール―」としているように、恋愛が大きなテーマになっていますね。大学生の主人公が自宅で地震に遭って、世界が危機的な状況で女の子と出会う──そこから災害の中を生きていくストーリーです。その中で秘書が自殺したり、市長が出てきたり、冤罪で捕まっている女の子がいたりと『絶体絶命都市』のゲームをモチーフにしたサブストーリーを盛り込もうかと考えています。

──『絶体絶命都市』のファンにはうれしい要素ですね。

エリー なぜか刑事がよく溺れたり、いきなり発砲したりとか(笑)。劇団エリザベスはこれまで抽象的な世界の舞台をやってきたんですが、【舞台版】絶体絶命都市はあまり演劇になじみのない方が楽しめるようにするつもりです。

──それでは、この舞台を機に“劇団エリザベス”を知ったゲームファンの方にメッセージを送るとしたら?

エリー すごく偉そうな感じになっちゃいますね(苦笑)。あえて言うなら、僕自身もゲームファンであり『絶体絶命都市』のファンなので、ぜひ舞台を観てほしい気持ちは強いです。それと同時に演劇畑の人間としては、僕らの舞台をきっかけにして、演劇に興味を持ってもらえると僕はそれが一番うれしいことですね。

●インタビューは終わりましたが……

▲劇団エリザベスのマスコット的存在、ザベスちゃん。東京のどこかにいるかもしれません…

──インタビューは終わりましたが、最後にマスコットについて聞いてもいいですか?

エリー はい。ザベスちゃんのことですね。

──キャッチーなビジュアルですね。

エリー かわいらしいですよね。僕がデザインしたんです。僕は一時期、ひきこも……あまり外に出るのがイヤだったことがありまして(苦笑)、自室にずーっといたら押し入れから出てきたんですよ。

──(笑)。ザベスちゃん?

エリー そうです。誰も信じてくれないんですけど。毎朝ちょっとだけ押し入れが開いていたんですよ。上京後は実家の母親から電話がありまして、「あんたの部屋に誰かおるよ」って。しかたないから、いっしょに連れてきたんですど……本当ですよ!


公演名
【舞台版】絶体絶命都市-世界の終わりとボーイミーツガール-

公演日程
[名古屋]@G/Pit(チャレンジフェスティバル東京招致劇団として参加)
1月5日(土)15:00/19:00
1月6日(日)13:00/17:00

[東京]@八幡山ワーサルシアター(劇場提携公演)
1月13日(日)12:00/15:30/19:30
1月14日(月・祝)12:00/15:30 /19:30
1月15日(火)15:30/19:30
1月16日(水)14:00/17:00

[大阪]@in→dependent theatre 1st(大阪市助成公演)
1月20日(日)15:00/19:00
1月21日(月)14:00/17:00

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劇団エリザベスについて
【ホームページ】 http://gekidanelizabeth.web6.jp/(→こちら)
【twitter】 _elizabeth1218_
【問い合わせ先】 gekidanelizabeth@yahoo.co.jp