『怒首領蜂 最大往生』のXbox 360版に新キャラクターが登場することが判明

ケイブが2013年春に発売を予定しているシューティングゲーム、Xbox 360版『怒首領蜂 最大往生』に新キャラクターが登場することが判明した。そこで、詳しい設定や現在の開発状況、気になるゲームモードなどを、浅田誠プロデューサーにうかがってきた。

●新キャラクターは、アレンジモード専用!?

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▲桜夜役に決まった平野綾さん。

 今回発表された、Xbox360版新キャラクターの設定は以下の通り。『怒首領蜂』シリーズのファンなら、思わずニヤリとするような要素が随所に隠されているので、続報にも期待したい。また、声優には平野綾さんを起用。シューティングゲームには珍しいオープニングムービーも収録され、平野さんの曲も流れるということだ。

・名称
エレメントドール・エクストラ Z-002 桜夜(Saya)
・性格
エレメントドール・エレクトロニクス研究所にて、
実験と研究の際に作られた、究極のエレメントドール。
陽蜂とは同時期に製造され、
実験中止後は、ほかのエレメントドール同様にマスターに仕えることとなった。
しかし、陽蜂の出現により、陽蜂撃退の特命を受ける。
幼くかわいらしい容姿と極上スマイルで対面を保っているが、中身は毒舌で腹黒い。
素を隠せているつもりだが、本音が漏れていることに気づいていない残念系。
姉妹のように過ごしてきた陽蜂の突然の裏切りに戸惑うも、
仲間を攻撃する陽蜂を許せない。
・好きなもの
マッドバニー&マッドテディ
・嫌いなもの
陽蜂


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▲左から、戦闘服(ショット強化)/私服(レーザー強化)/水着(エキスパート強化)。

●浅田プロデューサーに、開発状況を直撃

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 新キャラクターの追加が発表された今回。新キャラクター“桜夜”について、気になるXbox 360版専用モードや発売時期などを浅田プロデューサーにうかがってきた。

――現在の開発状況はどのような感じでしょうか?
浅田 アーケードを高画質にするモードはほぼ終わっています。マイクロソフトさんのイベント“Xbox 360 「大」感謝祭 2012 夏”で動いているところを見ていただいたときは解像度の低い状態だったのですが、そこから高画質化を進めて、現在はボスが残っている状態です。
――今回公開された新キャラクターの“桜夜”が登場する、アレンジモードのほうはいかがでしょうか。
浅田 まだこれからですね。今回はこれが家庭用メインモードと考えていますので、“新Xbox 360モード”という名前にしようと思っています。もちろん内容もガラリと変わったものになる予定です。“桜夜”のためだけに作る専用モードになります。
――『エスプガルーダII ブラックレーベル』の“ブラックレーベル”でのみ使えた、“セセリ”のような感じでしょうか。
浅田 似てはいますけれど、本当に“桜夜”専用のモードで、ほかのキャラクターは選ぶことはできないものにするつもりです。
――それはまた、思い切った作りですね。
浅田 はい。ストーリー性も強くして、アーケード版とはだいぶ違ったものにします。シューティングをやりながら物語が進んでいくという、いままでのうちのタイトルではやったことのなかった表現になると思います。
――ということは、単純にステージとステージのあいだにデモが入るとか、そういうものとは違うということですね。
浅田 正確には仕様は完全には固まっておらず、模索している部分もあるのですが、ゲームの流れをデモの挿入などで止めてしまうようなことはありません。ゲームルールもけっこう変わると思います。具体的なスジケジュールとしましては、9月の段階である程度の仕様を決めて、現在はプログラマーとそこを詰めています。11月下旬にほぼ仕様を確定させて土台を作り、来年から本格的にスタートする形で考えています。
――“桜夜”の3つのドレスのデザインは個性的ですね。
浅田 気づく人は気づくでしょうが、持っているぬいぐるみは『デススマイルズIIX』の追加ステージ“廃楽園”のボスですね。ここにもちょっとした意味が込められていますので、注目しておいていただけると楽しいことがあるかもしれません(笑)。今回は設定や世界観も大事にしていきたいと思っています。


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▲初公開となるHD画面。アーケード画面よりかなり鮮明だ。

●新キャラクターには平野綾さんを起用! オープニングアニメも収録!

――“桜夜”役の平野綾さんは、どのように決まったのですか。
浅田 じつはだいぶ前からお話はさせてもらっていました。きっかけは、平野綾さんの舞台を見に行く機会があったんです。そのときまで、私のなかでは声優さんというイメージだったのですが、演技も歌もすごく上手で関心を持ちました。その後も何度か拝見させていただいて、機会があればいっしょにお仕事をさせていただきたいなと思ったんです。それで知人を通じてオファーさせていただいたというわけです。
――ケイブさんとしては初めての起用ですよね。
浅田 初めてですね。事務所の代表の方が昔はアーケードゲームが大好きで、かつては事務所に筐体を置いていたそうです(笑)。そこから和気あいあいと話が進み、改めて『怒首領蜂 最大往生』のメインモードのキャラクターボイスを平野綾さんにお願いしたところ、オープニング主題歌も含めてやっていただくことになりました。
――『デススマイルズ』にはエンディング曲がありましたが、今回はかなり本格的な作りに?
浅田 はい。オープニングアニメも作る予定です。プロデューサーは皆さんもご存知な著名な方にお願いしています。
――それはすごい! 相当気合が入っていますね。
浅田 それはもう入っていますよ。予算がそんなにあるわけではないのですが、できる限りいろいろな層にアピールしたいんです。『インスタントブレイン』のようなアドベンチャーゲームでは一般的ですが、シューティングにはなかなかありませんよね。今回キャラクターデザインをお願いしている凪良さんの絵は、広い層に受け入れられるものだと思いますし、口コミだけでなくこちらからも最大限にアピールしていきたいです。来年早々にはオープニングアニメも公開できると思います。
――音声の収録は?
浅田 これからです。これから台本を起こすのですが、まだ手をつけていないのはちょっと危険ですね(笑)。これまでのシューティングに比べると、ボイスの量がかなり多くなりそうです。このストーリーモードもそうなんですが、今回はほかにも新しい試みを入れようと思っています。
――たとえばどんな?
浅田 ひとつが、ソーシャルな要素です。ユーザー同士がつながるという意味ですね。Co-opをイメージされるかもしれないのですが、弾幕シューティングで同期型のCo-opを遊ばせるのは課題も多く、違う方法を模索しています。たとえば全ユーザーを3つにグループ分けして、期間内の総獲得スコアを競うようなものとか。1位のグループに所属したプレイヤー全員にはゲーマーアイコンをプレゼントしたり、そういった仕組みを考えています。本当はもっと詳しく言いたいのですが、期間的な問題でできない可能性がありますので、あくまで構想ということにさせてください(苦笑)。
――なるほど。それは家庭用ゲーム機としてはあまりなかった仕組みですね。
浅田 前例のないことが多いので、いつもマイクロソフトさんに特例申請を出しています(笑)。技術的には可能なことがわかったので、あとは時間の問題だけクリアーになれば。私もあまりシューティングが上手ではないので、スコアアタックをやるきっかけがないまま終わってしまうことが多いんですよね。でも、多くの人に触ってもらいたいので、今回提案させていただきました。じつは初代の『デススマイルズ』のころから考えていたことだったのですが、やっと実現できそうな段階までこぎつけました。


●IKDモード正式搭載!

――ちなみに、池田恒基さん(※アーケード版開発統括)は開発に関わるのですか? 以前ファミ通Xboxのインタビューでは、本人はかなり渋っていましたが(笑)。
浅田 なんだかんだでやってくれることになりました(笑)。新モードは、市村というプログラマーと池田のふたりにまかせています。土台は矢川が作っていますので、熟練したエース級を集結させた形になっています。最初は不安も多かったのですが、何とかおさまりそうですね。
――ゲームシステムは具体的にどのようなものになるのでしょうか。
浅田 こちらもまだかっちりとは決まっていないのですが、スコアアタックに少し近いものを考えています。ただクリアーしていくだけではなく、いくつかの縛りが入っているようなものです。自機の性能も、ほかの3機体とはまったく違ったものになると思います。
――たとえばハイパーがない、というような可能性はありますか。
浅田 大往生の冠がある以上、ハイパーは何かしらの形で残すと思います。そうは言っても、大復活のような弾消しゲームにするのは本末転倒ですよね。現在はまだ漠然としているなかでも「これだけはNG!」という項目があるんです。弾消しゲームにしないことは、その筆頭ですね。
――そういえば『怒首領蜂 大復活』も大往生スタイルとRPGスタイルという、特徴的なアレンジモードが2種類ありましたね。
浅田 今回はああいったものとも全然別物です。“陽蜂”と“桜夜”の関係性を描く演出面もシステムに絡んできます。その際、16:9の画面をフルに活用しようと思っています。いままではエクストラウインドウを出したりしていましたが、今回の新モードでは、そこもゲームの一部になるような形で活用しようと思っています。これは縦画面のゲームでうちがずっと考えていた課題でもありますね。いまはまだちょっと想像しにくいと思うのですが、あまり例のない使いかたです。今回はこれ1本にほぼ集中できるので、そこもしっかり見ていきます。新モードの調整期間として、2ヵ月くらいはスケジュールを確保していますし、アイデアを仕様に落とし込む作業は順調に進んでいますので、余力があればいろいろな試みをしていきたいですね。いままでのアレンジモードやブラックレーベルが好きだった人は驚かれるかもしれませんが、最終的にはおもしろいと思っていただけるものになる予定です。
――それは心強いお言葉です。期待しています。
浅田 まあ、とくに池田は組み込んでからどうするかを考えるタイプなので、試行錯誤がたくさんありそうですけれどね。ちょっと効率が悪いところもあるのですが、開発のプロセスとしては確立された方法でもありますし、実際にいいものができると思いますので、そこは池田と市村に完全にまかせます。
――アーケードモードはいかがでしょうか。
浅田 アーケード版は小泉という人間が調整したんですが、現在彼は別のプロジェクトを進めているので、今回は矢川にまかせています。アーケードモードに期待されている方が多いことも十分に承知していますので、もちろんこちらも手を抜かずにきっちり作り込みます。
――ノービスモードも入るんですよね。
浅田 もちろん入る予定です。あとは新モードもスタイルの選択で難易度を選べるようにしようと考えています。アーケードモードと同じように、初級者~中級者向けと、上級者向けのふたつに大きく分ける形で考えています。
――Xbox 360のタイトルとしては、今度こそ最後になる可能性もありそうですね。
浅田 そうですね。私自身、Xbox 360で「シューティングを新しい層にアピールする」というテーマでやってきたのですが、なかなかうまくできなかったところもあります。現在Xbox 360が伸び悩んでいる状況で、うちの会社もコンシューマー機への開発はいろいろな選択肢を考えなければいけない場面になっています。そこをどうにか明るい方向に導くためにも、これで最後というつもりで一生懸命あがいてる最中です。


●来春の発売に向けて、鋭意開発中!

――最近はアーケードや家庭用のシューティングは苦戦していますが、スマートフォン向けのタイトルは増えています。そのなかでもケイブさんの作品は、敵の配置や弾を撃ち出すタイミングなどの、作り込みがやはり一線を画していると感じます。
浅田 敵の配置作りだけでも、1ステージにつき2~3週間はかけていますからね。そこは会社の歴史的にそうみたいで、5ステージあれば調整だけで5ヵ月近くはかけていると思います。
――それは東亜プラン時代からの伝統なのでしょうか。
浅田 そうですね。東亜プランのころから使っている“敵配置シート”というものがあるんですよ。現在はメインには使っていないんですが、メモ的に書いておくには便利だということで活用されています。初めてそのことを知ったときは驚きましたね(笑)。
――ちなみに、アーケード向けに『ブラックレーベル』などを出す予定はあるのですか。
浅田 予定はないです。今回はXbox 360版でやり切る形で考えています。今回も「Xbox 360はこれで最後」という気持ちでやっています。前回の『虫姫さま』からここまでにはいくつものミラクルがあったんですが、今後はもうないと思いますし、来年の3月くらいには改めて皆さんにお知らせしたいことがありますので、そこでいま言っていることがつながってくると思います。
――そのお知らせというのは『怒首領蜂 最大往生』に関わることでしょうか。
浅田 そうです。いままで支えてくださったユーザーさんに「ありがとう」と伝えたい……今回の作品はそういう気持ちで作っていますから、中途半端なものにはしたくありません。もちろん、いままで適当にやってきたわけではないんですが、今回は販促にも力を入れていきますし、いろいろな方に遊んでいただきたいですね。その点に関しては好材料もありまして、大阪の“大感謝祭”では、多くの一般の方がプレイしてくれたんですよ。
――Kinectもありますし、Xbox 360の潜在需要は大きいのかもしれませんね。
浅田 ええ。Xbox 360はコアなイメージがあるんですが、思いのほかファミリー層が多くていい発見が多々ありました。お子さんたちにもたくさんプレイしてもらえてうれしかったですよ。ただ、『怒首領蜂 最大往生』は難しいゲームなので、15分くらい並んでいただいたのに30秒で終わったり、そんなケースが多くて本当に申し訳なかったです。こういうファミリー層にいままで自分たちがアピールできていたかを改めて考えると、やはり全然ダメだったと認識しています。だから今回は、“大感謝祭”で気づかされたことも含めて、いろいろな仕掛けを考えています。
――発売日は2013年春から変わらずにいけそうですか?
浅田 おそらく大丈夫です。でもうちの春は、5月末までですからね(笑)。毎年ゴールデンウィーク近辺は本当にスタッフ一同は死んでいます。待っていてくださる方々のために責任を持って作品を送り出します。そこはご安心ください。


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――続報にも期待しています。最後にメッセージをお願いします。
浅田 これまでケイブは、4年ほどXbox 360を中心にゲームを作ってきました。そのなかで、ユーザーの方に「ありがとう」と言っていただけることがたびたびありました。これが本当にうれしいんです。初めてそう言われたときは、なぜ「ありがとう」なのかが疑問で思わず聞いてしまいました。すると、「楽しい時間を過ごせるゲームをありがとう」ということでした。決して安くはないものを買っていただいて、むしろこちらが「ありがとう」と言いたい気持ちでいっぱいです。私はメインの業務として営業もやっていまして、そういうプロデューサーはなかなかいないと自負しています(笑)。その経験から、開発者にはない視点を持てたことを活かして、今回もいろいろと仕込んでいます。もちろんゲームの出来も含めて、みなさんの期待を裏切らないようにがんばりますので、よろしくお願いします!



怒首領蜂 最大往生
メーカー ケイブ
対応機種 X360 Xbox 360
発売日 2013年春発売予定
価格 未定
ジャンル シューティング

(c)2012 CAVE Interactive CO.,LTD.