プロジェクトリーダーからのコメントも

ソニー・コンピュータエンタテインメントが、プレイステーション3のサービスのひとつ“Life with PlayStation”の提供を11月初旬で終了することを発表している。
Life with PlayStationは、世界のニュースや天気情報、ライブカメラ画像などの各種コンテンツを提供するサービス。サービスの利用中は、スタンフォード大学の分散コンピューティングプロジェクト“Folding@home”の一端末として、バックググラウンドでプレイステーション3の計算機能を使い、パーキンソン病やアルツハイマー病など、様々な疾病の原因究明に繋がるたんぱく質解析に協力することができた。
プレスリリースによると、これまでの利用者は全世界延べ1500万人。合計1億時間以上の計算時間を同プロジェクトに提供したそうで、今回スタンフォード大学との協議により、「PS3は同プロジェクトにおいて一定の役割を果たしたものと判断し、終了を決定」したとのこと。
同プロジェクトのリーダーを務めるビジェイ・パンデ氏からのコメントは以下。全世界のユーザーが貢献した計算結果から、より直接的な社会貢献に繋がる発見がなされることを期待したい。
スタンフォード大学Folding@home研究リーダー ビジェイ・パンデ氏コメント
(プレスリリースより抜粋)
「PS3は新しい演算方法、プロセッサの可能性、さらにはGPUの先進的な使い方を提案し、Folding@homeに大きな変革をもたらしました。私達の研究はここ数年大きな成果を挙げています。具体的には、これまでのFolding@homeでの解析結果から導いた予測の検証とこれらの予測に基づく新たなアルツハイマー病対策についての報告をつい先日発刊された『Journal of Medicinal Chemistry』誌で行いました。スタンフォード大学ではすでに取り組みはじめていますが、これまでに得られた成果を活用し実際に利用可能な医薬品を開発することが次のステップです。詳細をお伝えするのは時期尚早ですが、この報告からも単なる候補ではない有望な医薬品開発に向けた成果が得られる兆しが見えてきており、今後の展開が非常に楽しみです。」