週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、歌手の高橋洋子さんです。

高橋洋子:『PROJECT X ZONE(プロジェクト クロスゾーン)』【週刊ファミ通Face完全版】_01

■今週のお題
PROJECT X ZONE(プロジェクト クロスゾーン)
ニンテンドー3DS
バンダイナムコゲームス
2012年10月11日発売予定 6280円[税込]

カプコン、セガ、バンダイナムコゲームスの人気ゲームに登場したキャラクターたちが集うシミュレーションRPG。バトルシーンでは、ボタンの組み合わせ次第でさまざまなアクションがくり出せる。2Dキャラクターの滑らかなモーション、迫力ある3Dの演出、美しいカットインも見ものだ。

オアシスのような歌が最後に待っています

高橋洋子:『PROJECT X ZONE(プロジェクト クロスゾーン)』【週刊ファミ通Face完全版】_02
歌手
高橋洋子

東京都出身。1991年に「P.S. I miss you」でソロデビューし、日本レコード大賞新人賞ほか多数の賞を受賞。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」、「魂のルフラン」を歌い、独自のポジションを獲得。現在は、活動の場を日本のみならず世界に広げている。

 カプコン、セガ、バンダイナムコゲームスのキャラクターたちが、メーカーの枠を超えてともに戦う『PROJECT X ZONE(プロジェクト クロスゾーン)』。今回のゲストは、本作のオープニングテーマ「Wing Wanderer」、エンディングテーマ「GALAXY」を歌う歌手の高橋洋子さん。両曲のコンセプトや聴きどころを聞いた。

――本作の主題歌を歌うことが決まったとき、どんな感想を持たれましたか?
高橋 最初にお話をいただいたときは、まったく異なる3社がいっしょになって作っていることに衝撃を受けました。私は今年、“国やジャンルの垣根を越えていく”ことをテーマに音楽を制作しているのですが、「まさにこういうことがやりたかったんだ!」と感動しましたね。それからゲームの資料を読ませていただいて、どんどんイメージが湧いてきて……このゲームを通じてお会いできる皆さんに、私がお伝えできることは何かを考え、この2曲を作りました。

――では、それぞれの曲について伺います。「Wing Wanderer」はどのようなコンセプトで作られたのですか?
高橋 この時代に生まれてきた人には、自分は気づいていないミッションがあると考えているんです。とくに、アニメやゲームファンの方は、知識が豊富で、先見の明があり、キャラクターの魅力を引き出す才能があると私は思います。そんな皆さんと、ゲームの中で戦っているキャラクターたちは、じつは同じ存在で、みんな使命を持って生きている……ということをベースにして書きました。

――「GALAXY」についてはいかがですか?
高橋 激しいバトルを終え、ゲームをクリアーした方が聴くと伺いましたので、アップテンポな曲ではなく、静かなバラードがいいなと思って作りました。テーマ自体は「Wing Wanderer」と同じです。あなたと私はじつは同じ存在で、私を見つけることはあなたを見つけることだということを歌っています。この曲を聴いて、大きなテーマの核となる部分に立ち返っていただければと思います。

――それぞれの曲の聴きどころを教えていただけますか?
高橋 「Wing Wanderer」は、サビがコーラスワークとの掛け合いのようになっており、すべての言葉がつながっているんです。最初に聴いたときと、2回目に聴いたときに、耳に残る言葉が変わってくると思いますよ。「GALAXY」は、純粋な気持ち、純愛が表現されていますので、好きな人がいる人、もしくはゲームに登場するキャラクターに恋焦がれている人は、自分の歌だと思って聴いてください。

――この2曲が収録されたCDが、2012年10月31日に発売されますね。
高橋 「Wing Wanderer」のフルバージョンが聴けるのは、CDだけです。じつはこの曲、間奏にダンスパートのような部分があるんです。

――ダンスパートですか!
高橋 皆さんに「こうきたか!」と驚いていただきたくて、挑戦してみました。とはいえ、皆さんが私の曲に期待しているポイント……アップテンポなメロディーや、畳み掛けるようなサビはしっかり入れていますよ。

――カラオケで「Wing Wanderer」と「GALAXY」を歌うとき、気をつけるべきポイントを教えてください。
高橋 「Wing Wanderer」は、サビの英語の歌詞はコーラスワークに任せて、つぎのフレーズを歌うようにすると、歌いやすくなると思います。また、ふたりで歌っても盛り上がる曲なので、パートを分けて楽しんでみてください。「GALAXY」は、上手に歌おうとしないで、素直にひとつひとつ音を置くようにして歌うと、歌う人の持つ世界観が伝わると思います。好きな人のことを考えながら歌ってください。

――ところで、このゲームは3社の夢のコラボレーションによって生まれた作品ですが、最近、高橋さんは「この人と自分がコラボするなんて!」と驚いたことはありますか?
高橋 コラボではないですが、最近、10年以上前にお付き合いがあった方と、再会することが多いんです。みんな、螺旋状に成長していて、会社の名前や仕事の内容は変わったけれども、向いている方向は変わっていなくて。「巡り合いの周期ってあるんだな」と感じています。この先、再会した方々とコラボして、新しい作品が生まれることもあるかもしれません。

――このゲームとの出会いや、懐かしい人との再会があった2012年は、まさに「垣根を越えていく」という高橋さんのテーマにぴったりな年ですね。
高橋 本当にそうですね。音楽は、いろんなボーダーラインを越えやすいものだと思い、制作に励んでいます。この世界にあるいろんな価値観について、優劣を比べるのではなく、俯瞰で見れるようになれば、もっと建設的な話できると思っていて……そんな中で、3社がコラボレーションするという、昔だったら考えられないようなゲームに出会えました。2012年は本当にエキサイティングな年ですね。このプロジェクトに参加することができて、本当に光栄です。

――それでは、最後に読者にひと言お願いします。
高橋 ゲームをクリアーした先に、心のオアシスとなるようなバラードソングが待っています。ぜひそこでもお会いしたいと思います。