最終日もスペシャルゲスト登場で大いに沸いた!

 2012年9月20日~23日にかけて幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2012(20~21日はビジネスデー、22~23日は一般公開デー)。最終日となる9月23日、KONAMIブースでは『メタルギア ライジング リベンジェンス』ステージが行われた。

 最初に登場したのは『メタルギア ライジング リベンジェンス』のプロデューサー、是角有二氏(小島プロダクション)と稲葉敦志氏(プラチナゲームズ)、リードライターの玉利越氏(小島プロダクション)。まずは当日発表されたばかりの日本ゲーム大賞 フューチャー賞を受賞したことを報告すると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。稲葉氏は「小島プロダクションやユーザーの皆さんの期待に対して、ほんのちょっとだけですがお返しできたのかなと思っていて、ホッとしています」とコメント。

雷電現る! 堀内賢雄さんをゲストに迎えた『メタルギア ライジング リベンジェンス』ステージ【TGS2012】_01

 その後、『メタルギア ライジング リベンジェンス』のストーリーについて、リードライターを務める玉利氏から解説。“斬る”アクションが気持ちいい作品だが、ストーリー面では「敵を斬ることは本当に正義なのか?」ということをゲームプレイを通じて考えるようなシナリオを作り込んでいるとのこと。雷電は戦わずして勝つという理想に共感して戦っているが、実際にはひとりの悪を討つために大勢の敵を斬っている。話を進めていくと雷電の葛藤と“活人剣”というテーマが深く掘り下げられていくようだ。

「役者人生で積み重ねてきたものを全部出せた」

雷電現る! 堀内賢雄さんをゲストに迎えた『メタルギア ライジング リベンジェンス』ステージ【TGS2012】_02

 ここで最終日のスペシャルゲスト、主人公の雷電を演じた堀内賢雄さんが登場。「僕の三十何年間という役者人生で積み重ねてきたものを全部出せた気がする」と本作に注ぎ込んだ意気込みを語った。ただ、収録自体は苦労したらしく、なかなか「オーケーです」という声が出ないで沈黙が流れることが多かったようだ。その理由について是角氏は、ディレクターと玉利氏が意見が食い違ってケンカを始めることがあり、それを収めるのに時間がかかったと明かした(その後、稲葉氏は「ケンカではなくて“建設的な激しい議論”です」とフォローする一幕も)。
 また、シナリオについても「ケンカはいっぱいしました」(稲葉氏)とのこと。プラチナゲームズで開発することが決まった当初、ステージ構成やゲームの内容に合わせてシナリオを変えることも恐れず踏み込んでいきたいと希望を伝えたところ、是角プロデューサーが真っ青になっていたエピソードを披露。最終的にはシナリオを一から全部書き直した玉利氏は「その話を聞いて、これは中途半端に変えたら絶対クソゲーになる」と確信したそうで、齋藤ディレクターから「敵もそれぞれの信念を持っていて、主人公と敵が互いの信念をぶつけ合う戦いにしたい」との要望を受けて、「よし、全部書き直そう!」と決断したと明かした。

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小島監督が明かす“雷電”誕生エピソード

雷電現る! 堀内賢雄さんをゲストに迎えた『メタルギア ライジング リベンジェンス』ステージ【TGS2012】_04

 ステージも終盤に入ると、雷電の生みの親である小島監督が登場。雷電というキャラクターが誕生した経緯を明かしてくれた。『メタルギアソリッド2』を開発するときに、“伝説の傭兵”となったスネークを新規のプレイヤーが操作するとかっこ悪くなってしまうことから、「ユーザーに近いもっとまっさらな、ピュアな青年」として雷電が生まれたとのこと。その後、『メタルギアソリッド4』で強く成長した姿を見せた雷電に対して、「自分で操作して戦いたい」というユーザーの声を受け、『メタルギア ライジング リベンジェンス』につながったようだ。

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 その後、『メタルギア ライジング リベンジェンス』の進捗状況に話題が及ぶと、小島監督がイタズラな笑みを浮かべて「万が一、発売日に間に合わなったときはどうするの?」と罰ゲーム的な約束を壇上の開発陣に要求。とまどいながらもステージで宣言した内容は以下のとおり。

玉利:封印したシナリオを公開する。ただし、これは見たい人もいるだろうということで、小島監督は特典として付けることを提案。もしくは高校生のときに書いたシナリオを公開することに。

稲葉:一年間、名刺に印刷される肩書きを「負け犬」「Looser」とする。

是角:発売日にできるだけ多くのユーザーに自腹で直接お届けする。その人数は50万人(!)。

 さらに小島監督は「『メタルギア ライジング リベンジェンス2』を(プラチナゲームズに)作ってもらう!」と罰ゲームになっているのかどうかわからない提案を突きつけると、「なんか複雑なんですけど……」としきりに稲葉氏は困惑していた。

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 最後は小島監督からメッセージ。来場者に向けて感謝の気持ちを述べた後、「『メタルギア ライジング リベンジェンス』はコジプロで作っていましたがうまくいかず、プラチナさんに相談させていただきました。快く受けていただきまして、本当に失敗できないプロジェクトなんですが、すごい気合を入れてやってきました。発売日に遅れませんけれど、より高みに上がって頑張っていきたいと思っていますので、お待ちいただければと思います」とイベントを締めくくった。

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