15年経っても色あせない名作を語る!

スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズ25周年を記念して、2012年9月1、2日の2日間、東京・渋谷の渋谷ヒカリエにて行われた“FINAL FANTASY展”。開催2日目に行われた、“『ファイナルファンタジーVII』15周年記念ステージ”の模様をお届け。
本ステージに出演したのは、声優の櫻井孝宏、石川英郎、鈴村健一。『FFVII』において、櫻井はクラウド・ストライフ、石川はケット・シー、鈴村はザックス・フェアを演じている。




『FFVII』以外の『FF』作品にも数多く出演している3人。櫻井は『FF零式』でクラサメを演じ、鈴村は『FFX-2』でギップル、『FF零式』でジャックを演じた。石川は『FFX』でアーロン、『FFX-2』でトーブリ、『ディシディア FF』でスコール(出典:『FFVIII』)、『FF零式』でカトルと、『FF』シリーズでなんと5役も演じている。
櫻井が「石川さんは人気キャラばっかりやってますよね!」と言うと、石川は「オレ今日ネコだぞ!」と反論。鈴村は「ネコからスコールまで幅広すぎるでしょ!」と感嘆の声を上げた。ちなみに石川は、飲み会などでは「まだ演(や)れる」とアピールしているらしい。






ここからは、事前にファン向けに行われた、『FFVII』に関するアンケートの結果を発表するコーナーに。「印象に残ったシーンは?」という問いについては、1位のシーンがダントツで支持を集め、以下についてはかなり票が割れたとのこと。
■印象に残ったシーン 第3位
ニブルヘイムで炎の中に消えていくセフィロス
自身に関する真実を知ったセフィロスが、ニブルヘイムに火を放ち消えていくシーン。セフィロスの佇まいと、ゆらめく炎の表現が印象的だった。


■印象に残ったシーン 第2位
オープニング
エアリスの立ち姿からカメラが引いていき、ミッドガルの全景が映し出される3Dムービー。「これが新しい『FF』か」と多くのファンを驚かせた。


■印象に残ったシーン 第1位
エアリスの悲劇
1位に選ばれたのは、多くのプレイヤーが愕然となったこのシーン。鈴村は、夜中の2時にこのシーンを見て衝撃を受けたそうだ。



続いて発表されたのは、“印象に残ったセリフ”ランキング。

■印象に残ったセリフ 第3位
ゴールドソーサーでのエアリスのセリフ
エアリス
「ね、クラウド
わたし、あなたをさがしてる
あなたに会いたい
(うんうん、わかってる……でも)
あなたに……会いたい……」

■印象に残ったセリフ 第2位
エアリスの悲劇後のセフィロスのセリフ
セフィロス
「なぜなら、クラウド。
おまえは……」
ジェノバ
「なぜなら、おまえは……人形だ」

■印象に残ったセリフ 第1位
エアリスの悲劇後のクラウドのセリフ
クラウド
「エアリスは、もうしゃべらない
もう……笑わない
泣かない……怒らない……
俺たちは……どうしたらいい?
指先がチリチリする。
口の中はカラカラだ。
目の奥が熱いんだ!」


思い出深い数々のシーン・セリフを振り返った後は、なんとキャスト陣による生演技披露! ザックス、ケット・シー、クラウドの名シーンが演じられ、ファンたちは歓声を上げた。
■ザックス
「夢を抱きしめろ。そして、どんな時でもソルジャーの誇りは手放すな」
(『CC』より)

■ケット・シー
「僕も、この星を守るんや。なんや、照れるなぁ……」
(『FFVII』より)

■クラウド
「ここに女装に必要ななにかがある。俺にはわかるんだ」
(『FFVII』より)

オチをつけたところで、石川、鈴村に「アレも言ってよ!」とせがまれた櫻井。「アンケートの1位とか……興味ないね」と、クラウドの名ゼリフを披露した。
この後、印象に残ったシーンに関する、ファンのコメントが読み上げられた。エアリスの悲劇の際、クラウドが感情を吐露するシーン、レッドXIIIが父親の真実を知るシーン、マリンの安否だけを気にするバレットにケット・シーが激怒するシーン、クラウドがソルジャーではなかったことが明らかになるシーン、ウータイでレノがコルネオを踏んだシーン、ゴールドソーサーでのエアリスとのデートシーンなど、数多くの名シーンに対する、ファンの色あせない思い出が語られた。



おつぎは、開発スタッフからの質問に、キャストが答えるコーナー。
■石川さんへ
数々の『FF』タイトルに出演していただきましたが、ほかに演じてみたいキャラクターのタイプはありますか?
石川 女でもやります! なんでもやります! これまで演じた中で、見た目的にいちばん若いのがスコールで、見た目的にいちばんおっさんなのがアーロン。もっと老けた役をやってみたいな。
■鈴村さんへ
明るくて軽い調子の役をお願いすることが多いですが、その中でもザックスというキャラクターは、どういう違いを意識して演じたのでしょうか?
鈴村 『CC』でのザックスは、途中で成長していくんです。『CC』はひとりの人間の成長譚なので、前半は、より軽い調子で演じました。ただし、おちゃらけている中に、意味があるように。また、「この主人公の最後はみんな知っているから、その悲劇が際立つように、明るくしましょう」というオーダーもありました。
■櫻井さんへ
長くクラウドを演じていただいていますが、中でも難しく印象に残っているシーンは?
櫻井 全部難しかったです。最初、トレーラーのセリフを録るだけで1時間半かかりました。セリフとしては、やはり「興味ないね」はひとつフックになっているところです。それから、『AC』ラストのセフィロスとのバトル。あのシーンのクラウド、2秒間で7アクションぐらいしているんですよ。すごく神経を使いましたね。
続いて、エアリスを演じている坂本真綾からのメッセージビデオが上映された。
坂本 エアリスは、私が声をやらせていただく前から存在していたキャラクターで、後から声を吹き込むことになりました。『FFVII』をプレイしていた皆さんひとりひとりの中には、エアリスの声やしゃべりかたが根付いていたと思うので、後から声を吹き込むのはプレッシャーでした。
この役と出会って、世界中の『FF』ファンの方に「エアリスを演じています」と言うと、みんな喜んでくださることが数多くありました。
私がエアリスを演じることが発表されたとき、『FF』をプレイしていた兄が「俺の妹がエアリスか……」と複雑そうに言ったのを覚えています(笑)。

このビデオ上映後、会場からは「おめでとうございまーす!」という声が。ご存じの人も多いと思うが、鈴村と坂本は、昨年結婚したばかり。櫻井は「やはりザックスとエアリスは結ばれるんですね……」と感慨深げにコメントした。
この後、キャスト陣のサイン色紙、『FFVII』開発スタッフサイン色紙(北瀬佳範氏、野村哲也氏ら)、『AC』アドベント ピーシーズ:リミテッド(野村氏が隠し持っていたものだとか)が当たる抽選会が行われ、いよいよステージもクライマックスへ。石川は「『FFX』の●周年とかでも呼んでほしいです。『零式』でも出ていくからね! よろしくお願いします」、鈴村は「進行役でしたが、ふつうに楽しみました。これだけ歴史があって、これだけ愛されていて、すごい作品だとあらためて思いました。一瞬でしたけど、ザックスのセリフも言えてうれしかったです。『ディシディア』の新しいタイトルが出たら、出演したいとこっそり狙っているので、よろしくお願いします」、櫻井は「たくさんの方々と同じ時間を共有できたのが本当にうれしかったです。当時の記憶や気持ちを思い出して、ちょっとウルっとしましたし、本当にこの作品が好きなんだなと改めて思いました」とそれぞれファンにメッセージを贈り、盛りだくさんだったステージを締めくくった。



