今回は少し怪談調&見応えのあるストーリー
2012年8月31日~9月2日の3日間にわたり、東京・日本青年館大ホールにて開催される、サクラ大戦紐育星組による“サクラ大戦 紐育星組ライブ2012 ~誰かを忘れない世界で~”。その公演初日に公開ゲネプロ(本番直前の通し稽古)が開催された。
16年目を迎えた『サクラ大戦』今年初のライブは、公演名にもある言葉“誰かを忘れない”がストーリーの鍵となっている。記者はここ数年の“紐育星組”はほぼすべて観ているのだが、今回の公演は楽曲のすばらしさはもちろんのこと、とくにストーリーが見応えあるものとなっていた印象だ。
サクラ大戦 紐育星組ライブ2012 ~誰かを忘れない世界で~ キャスト
小林沙苗(ジェミニ・サンライズ)、皆川純子(サジータ・ワインバーグ)、齋藤彩夏(リカリッタ・アリエス)、松谷彼哉(ダイアナ・カプリス)、園崎未恵(九条昴)、菅沼久義(大河新次郎)
内田直哉(マイケル・サニーサイド)、麻生かほ里(プラム・スパニエル)、本名陽子(吉野杏里)、笠原留美(大河双葉)、田村連(ボブ・ラッシー)
園岡新太郎(ダンディ・団耕助)、西村陽一(西村ヤン太郎)、Velo武 田(ベロムーチョ武田)
陽向あゆみ(エニアン)、久野綾希子(ラチェット・アルタイル)
リトルシップ・シアターを支え、同時にニューヨークの平和も守る、大河新次郎率いる紐育星組のスターファイブ(ジェミニ、サジータ、リカリッタ、ダイアナ、九条)の面々。戦闘訓練の仕上がりも順調で、新次郎もスターファイブのチームワークもこれ以上ないほどに良好だ。しかし、サニーサイドはそんな彼らに対して、紐育星組のチームワークは表面的なものである……と指摘する。そして、本当に守るべきものは何か? と新次郎に問いかけるのだ。
サニーサイドの言葉の意味について考える新次郎。そんなある日、ジェミニがとある事情で露天商をしていたダンディ団(ダンディ・団耕助、西村ヤン太郎、ベロムーチョ武田)から、不気味な人形を譲り受けてリトルシップ・シアターに連れてくる。じつはこの人形、呪われていた。新次郎は、人形が発する呪いの言葉に隊長としてのアイデンティティを揺さぶられ姿を消し、同じく人形の呪いにみまわれたジェミニを除く紐育星組のメンバーは、記憶の中からリトルシップ・シアターのこと、新次郎のことを消されてしまう。ひとり残されたジェミニは、“誰かを忘れない”大切さを訴え、紐育星組の仲間と新次郎を取り戻すために、人形の呪いと戦うことになる。
上記のあらすじを読んでもらえばわかる通り、今回の公演は若干怪談の色合いを含んだもので、とくに人形の初登場シーンには思わずギョッとさせられてしまった。また、人形と、人形の呪いを具現化したダンサーたちが、単調なオルゴールの音に合わせて踊るシーンは、まるでゴシックホラーの一場面のようで、再びギョッ。まさか『サクラ大戦』のライブで、こんな体験ができるとは思ってもいなかった……。
本当に守るべきものは? 誰かを忘れない――そんな重い問いかけが続く物語の中で、一服の清涼剤になってくれるのがダンディ団の面々たち。彼らの“悪イイ人”ぶりは今回もブレがなく、とくにボブ・ラッシーや大河双葉とのやり取りは爆笑必至。また、幕間にある物販の紹介コーナーでも大活躍してくれる。
ストーリーのほうは、これ以上はネタバレとなるので詳細は控えておこう。ちなみに、最終的には全員がハッピーになる大団円を迎えるので、ファンの人は安心してほしい。
なお、今回のライブの9月1日公演(午後1時~、午後6時~の2回)は“ニコニコ生放送”で有料配信される。残念ながら会場へ足を運べないという人は、そちらからチェックしてみてはいかがだろうか。また、2012年12月17日にはDVDが発売されることも決定している。価格は9000円[税込]で、完全受注生産の2枚組。メインキャストによる本編オーディオコメンタリーや、稽古風景、千秋楽の舞台裏を追ったドキュメンタリーなど特典映像も盛りだくさんだ。
サクラ大戦 紐育星組ライブ2012 ~誰かを忘れない世界で~ セットリスト
<第一幕>
地上の戦士
恋する紐育
ダウンタウン・ハート
バウンティーハンター・リカ
ある日青空を見上げて
輝く星座
Stand up hor Love
<第二幕>
ダンディー
ボクノユメ
5つのレシピ
いつも心にサンシャイン
君と会えて
ここはパラダイス~リトルリップ・シアターのテーマ~
地上の戦士