週刊ファミ通の表紙イラストもあります!
2012年8月24日(金)~26日(日)の3日間、東京都千代田区のギャラリー エピキュートにて、イラストレーター松下進氏のアート展“松下進ArtWorks展 ~2013年 画業40周年をむかえる松下進の世界~”が開催されている。
週刊ファミ通の表紙イラストを手がけていることでも知られる松下氏。本展では、未公開作品を含む松下氏の原画40作品以上を観ることができる。
2012年8月25日には、本会場で、松下進氏のトークショーが行われた。
来年、画業40周年を迎える松下氏。これを記念し、来年はさまざまな企画を行う予定とのことで、本展示はその予告編にあたるという。
松下氏はこれまでの仕事を振り返り、もっとも忘れられない仕事は、マガジンハウスの雑誌「POPEYE」の表紙を手掛けたことだと語った。イラストレーターとして活動していくうえで、大きなウェイトを占めた仕事だという。続いて、集英社の「ヤングジャンプ」の表紙を手掛けたこと。このとき、初めて“キャラクター”を立てて描いたのとのことで、この仕事が、キャラクターデザインの仕事への道を拓き、週刊ファミ通の表紙であるキャラクター、ネッキーの誕生にもつながったそうだ。
では、松下氏の特徴的な画風は、これらの表紙の仕事を経て確立されたのか? と司会が尋ねると、「じつは違うんです」と松下氏。小学校のころから付き合いのある親友が、ある日、松下氏が小学校3、4年生のときに描いた年賀状を見せてくれたそうだ。そこに描いてある絵は、なんといまの絵とあまり変わらなかったという。松下氏は「進歩していないんです(笑)」と語ったが、そのころから際立った画風を持っていたとは、さすがとしか言いようがない。
続いて語られたのは、松下氏が絵を描く過程について。最初に使用する画材は紙、鉛筆、消しゴムと、シンプルなものだ。スケッチを起こし、主要な線だけを引き抜いて、イラストレーションボードに写し取る。写し取る際は、幻灯機を改良したような機械を使っているそうで、「いまはどこにも売っていないと思う」と語った。それからマスキングペーパーとエアブラシを使って、色付けをしていく。色付けには、根を詰めて1週間、根を詰めなければ10日間ほどかかるそうだ。一方、最近はデジタル彩色も多いそうで、こちらはエアブラシよりは手間がかからないとのこと。
また、今回展示されている、初版画作品6点についても語られた。とくに、鉛筆スケッチの版画については、「自分でも見紛うほどのデキです」とコメントするほどの仕上がり。また、カラーの一部版画については、セミオーダーに対応している。イラスト中に書かれているキャラクターの顔を、好きなように(たとえば自分の顔に似るように)描きかえてもらえるというものだ。松下氏の絵の世界に入りたいという人はお見逃しなく!
最後に、松下氏の今後の活動について。2012年8月31日(金)に、松下氏がギター・ボーカルを務めるバンド“本田富士旺&His GANG”のライブが銀座Swingにて行われる。音楽家としての松下氏の姿を見たい人は、こちらから席を予約しよう。また、イラストの仕事は「かなり溜まっている」とのことなので、新しい作品をお楽しみに。
<“松下進ArtWorks展 ~2013年 画業40周年をむかえる松下進の世界~”開催概要>
■日時
2012年8月24日(金)~26日(日)
午後12時~午後7時(26日のみ午後6時まで)
■場所
ギャラリー エピキュート
千代田区外神田6-15-14外神田ストークビル6F
■内容
原画作品40点以上、レアアイテムを特別展示。
会場限定のポストカードを販売。初版画作品を展示。