ゾンビを題材とした新たなアクションゲームがXbox LIVEアーケードで登場。どんなサバイバル体験を楽しめるのか、その魅力をお届けする。

●“影”によって死した都市を探索せよ!

 近年、日本マイクロソフトが夏に開催しているXbox LIVEアーケードのキャンペーン。2012年は“Xbox LIVE Summer of Arcade ~夏のイチオシ~”として、毎週期待のタイトルを配信していくという内容だ(詳細はこちら)。その3作目となるタイトル『DEADLIGHT』は、8月1日より配信された。パッと見はゾンビゲームに思えるが、果たしてどんな作品に仕上がっているのか。早速インプレッションをお届けしよう。

 本作の舞台は1980年代のアメリカ。ある事件によってゾンビのような“影”がはびこる、死の世界へと化してしまった。生存者たちが生きる方法を探すなか、主人公のランダルは生き別れた家族を見つけるため、単身で廃墟同然の都市へ足を踏み入れていく。

 ゲームシステムは、横から見た視点の2D風横スクロールアクション。ランダルはジャンプを筆頭に、壁を蹴って上空へ飛ぶ壁ジャンプ、ダッシュからの体当たりなど、さまざまなアクションを行える。これらを活用して、天然の罠が張り巡らされた都市を進んでいくのだ。

▲本作は2D視点の横スクロールアクション。全体的に暗く描かれた、孤独感を際立たせるグラフィックにも注目だ。
▲アニメ調のキャラクターが登場するイベントシーンも。左のニット帽をかぶったシブいオジサマが主人公。

 本作の魅力のひとつは、このジャンプアクションだ。ハシゴから飛んで家の屋根に飛び移ったり、ダッシュしながらの大ジャンプで壊れた足場を突破するなど、ダイナミックなアクションを楽しめる。また建物が崩れ落ちるまえにアクションを駆使して脱出するなど、緊張感あふれるシーンもテンコ盛りだ。

 このようなプレイヤースキルが要求されるトラップがあると思えば、じっくり考えて解決法を見つけ出す、パズルのような楽しさも味わえる。たとえば序盤のある建物内部では、床の木が腐っていて、うまく破壊できれば先へ進めそうな場所がある。とりあえず上に乗ってみたものの、ウンともスンともいわない。そこで周囲を見回してみると、2階に何やら大きな機械のようなオブジェクトが。これを動かして落下させると、見事木の板が壊れて新たな道が開かれる、という感じだ。

▲崩れ落ちる足場を素速く駆け抜ける! 緊張感あふれる場面が最後まで続く。
▲重量物を引いたり押すことが可能。2階から落とせば、階下の床板をぶち抜けるという寸法だ。

●敵である影となるべく“戦わない”戦闘スタイル

 都市のいたる所に影が徘徊しており、ランダルを発見すると襲い掛かってくる。この影とのバトルも、本作の緊張感を際立たせるのにひと役買っている。

 最初は何も武器を持っていないが、ゲームを進めると斧やハンドガンなどを入手できる。斧はBボタンで振り回すことができ、数回ヒットさせると影はダウンする。まだ影が生きている場合は、その状態でBボタンを長押しすると、トドメを刺せる仕組みだ。

 ただし、斧による攻撃を始め、ランダルはさまざまなアクションでスタミナを消費する。スタミナは時間経過で徐々に回復するが、長期の戦闘は不可能だ。そのため、同時に大量の影と戦うのは非常に難しい。せいぜい2体が限界で、3体以上が同時に現れた場合は、斧以外での戦闘方法を探したほうがいいだろう。

▲少数の敵と戦う場面では、斧でもなんとかなる。ただし、スタミナの残量にはつねに気を配りたい。体力やスタミナの最大値を上げるアイテムも存在する。
▲大量の影が現れる場面では、正直逃げるしか選択肢がない。追いつかれないようダッシュで走りまくれ!

 銃器はハンドガンとショットガンが存在し、右スティックで照準を合わせ、Rトリガーで射撃できる。影の頭を撃ち抜けば一撃で倒せるため、非常に重宝する。ただし、弾薬は少ししか持てず、また入手できる機会も限られるため、ここぞという局面で使用することになるだろう。

 上記のように、ランダルの戦闘力は決して高くはないため、影との戦闘を避けて進むことも重要。敵をバッサバッサと倒すスタイルではなく、先へ進むために必要最低限の敵を効率よく倒す、戦略性を重要視したゲームデザインになっている。爽快感はあまり味わえないが、主人公の能力と周囲の状況すべてを駆使して敵から逃げる、緊張感バツグンのバトルを楽しめるのだ。

▲銃は非常に強力で、ヘッドショットを成功させれば影を一撃で葬り去れる。リロードは手動なので、残弾数には注意したい。
▲戦闘以外で役立つことも。南京錠を撃って破壊すれば上からハシゴが落ちてきて、先へ進める。
▲口笛を吹き、漏電している場所に影を呼び込むなど、周囲の環境を利用して敵を倒すことも可能だ。

●遺留品や日記から少しずつ見えてくる真実

 本作では探索もおもしろい。ロッカーや倒れた人間などに近づくと、歯車のアイコンが表示されることがある。ここでXボタンを押すと、そのオブジェクトを調べられる。

 たとえばスイッチを調べると、何か仕掛けが作動してトラップを突破できる。このようなゲームの進行に関係するものに加えて、死者の遺留品や日記の一部など、新たな情報を入手できることも。これらはゲームの進行には影響を及ぼさないが、周囲の状況やランダルの心境をうかがい知れるため、本作の世界をより深く知ることができるだろう。いわゆる収集アイテムとしての一面もあるため、すべてを見つけ出す探索の楽しさも味わえるのだ。

▲歯車アイコンが表示されるポイントを調べることが可能。トラップを突破するほか、さまざまな情報を仕入れられることも。
▲バラバラになったランダルの日記が見つかることも。彼の心境や家族のことが、少しずつ解き明かされていく。

 また本作は3つのACTに分かれているが、各ACTにひとつずつ特別なアイテムが隠されており、発見すると以後“ゲーム&ウオッチ”のようなミニゲームを楽しめる。なかなか見つかりにくいポイントに隠されているため、隅々まで探索してみるといいだろう。

▲懐かしさ満点の、ゲーム&ウオッチ風ミニゲーム。これに関連した実績もいくつか存在する。

●謎解きは楽しいがボリューム不足なのは残念

▲ゲーム後半の難度はかなりのもの。正確かつ素速い操作が要求される。

 基本的なゲームシステムは古典的な2D風アクションのため、とても取っつきやすい。トラップの謎解きもおもしろく、やや高度なアクションを求められるポイントもあるため、突破したときの達成感はなかなかのものだ。モノトーン風味の映像は絶望感が半端なく、敵の強さも相まって、終始緊張感を持続した冒険を楽しめるだろう。

 個人的に気になったのは、遠くからの視点が多いため、やや迫力に欠けることと、クリアーまで約2時間前後というボリュームの少なさだ。リトライ時の時間は計測されていないようなので、実際のプレイタイムは4~5時間ぐらいだとは思うが、それでも食い足りなさは否めない。収集物のコンプリートやタイムアタックを狙うならば、もう少し遊べるとは思うが……。次回作を作るのであれば、ぜひともボリュームアップに期待したい。

著者紹介 喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当するフリーライター。ゲーム&ウオッチを遊んでいた当時から、気がつけば30年が経過。時の流れは早いものですな……。