マキシシングル「ルクセンダルク小紀行(BRAVELY DEFAULT盤)」には特典コードを封入!
2012年6月19日、音楽ユニットSound Horizon(読み:サウンドホライズン)を主宰するRevo(レヴォ)が、スクウェア・エニックスのニンテンドー3DS用ソフト『ブレイブリーデフォルト』(2012年発売予定)の全楽曲を書き下ろすことが明らかになった。
Revo プロフィール
作詞・作曲・編曲すべてを手がけるサウンドクリエイター。みずからが主宰する“幻想楽団”Sound Horizonは、2004年に「Elysion~楽園への前奏曲~」でメジャーデビューを果たして以来、組曲形式で物語を紡ぐという手法で“物語音楽”という新しいスタイルを確立。Sound Horizon以外では、Revo個人名義での活動となり、Sound Horizonでみせる楽曲とは異なったスタイルの楽曲も提供している。
また、Revoが手掛けた楽曲をすべて収録した「ブレイブリー デフォルト フライング フェアリー オリジナル・サウンドトラック」が発売されることも発表。ゲームと同時期に発売予定で、初回生産限定盤はジャケットがジオラマ風の豪華仕様になっている。また、ゲームで流れる楽曲はエンドレス、またはフェードアウトの形式をとっているが、サウンドトラックに収録されている楽曲では、ゲームでは聴けない“曲の終わり”が聴けるとのことだ。
この驚きのコラボレーションが明かされたのは、東京・虎ノ門のポニーキャニオン本社にて行われた、Sound Horizonのポニーキャニオン移籍第1弾制作発表会の場。
発表会の司会進行を務めたのは、2010年に発売されたSound Horizonのアルバム「Marchen」(aはドイツ語で、ウムラウト付き)でドイツ語ナレーションを担当したSascha。会場には、各メディアの記者のほか、24時間という限られた時間だけインターネット上に設置された“制作発表会参加応募フォーム”に応募した3000人の中から抽選で選ばれた、認定特派員30人が訪れ、Revoとスクウェア・エニックス 浅野智也氏(『ブレイブリーデフォルト』プロデューサー)のトークショーを楽しんだ。
『ブレイブリーデフォルト』は、スクウェア・エニックスが日本のRPGファンに向けて送る王道ファンタジーRPG。浅野氏は、「ジョブチェンジがあって、アビリティがあって、ターン制のバトルで……という、“スタンダード”なRPGを丁寧に作る」をコンセプトに開発している、と語る。
Revoは開発中のロムをプレイしているとのことで、「おもしろいですよ。バランスはまだ調整中のようですが、逆にレアな経験をさせていただいているなと思っています。なかなか燃えるシステムがあって……」と詳細を語ろうとしたが、ここで浅野氏からストップが。浅野氏は「スタンダードなRPGではありますが、ひとつ新しいアイデアを入れていたり、ニンテンドー3DSならではのシステムを搭載していたりします。近いうちにバトルが楽しめる体験版を配信しますので、この体験版で新システムを体験していただけると思います」とコメントした。
続いて、浅野氏がなぜRevoに音楽を依頼したのか、という話題に。じつは浅野氏は、CD「Chronicle 2nd」(2004年発売)が発売されたころからのSound Horizonのファン(ここで認定特派員からは「おおーっ」という歓声が)。「ぜひ(Revoに)ゲーム作りに参加してもらいたい」、「ゲームで(Revoの曲が)聴けたら盛り上がるだろうな」と思い、ダメ元で依頼したところ、なんとオーケーをもらえたという。しかも、浅野氏が以前制作に参加した『光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-』をRevoがクリアーしていたことも明らかになり、「運命を感じた」とか。
オファーを受けたRevoは「ゲーム、とくにRPGは好きだったので、いつか仕事をしたいなとは思っていたのですが、本当に“いつか”のつもりだったので……まさかすぐにその機会がやってくるとは思いませんでした」と当時の驚きを語る。「浅野さんからお話をいただいて、そのときが来たんだな、準備する期間がないものなんだな、と感じ、即答に近い形でお返事させていただきました」と、喜んで引き受けたと述べた。
Revoは『ブレイブリーデフォルト』の分厚いシナリオを読み込み、街人の何気ないセリフまで読んだうえで楽曲制作を行ったという。浅野氏は「20~30曲だと思います」といってオファーしたのだが、ふたを開けてみたら倍近くの量になっていたそうで、Revoいわく「たぶん過去最大の作曲量です」。「すばらしいグラフィックを見て、そこに貧相な音楽をのせるわけにはいかないと思いました。気合が入り、ユーザーの中にその世界が生まれるような音を作ろうと思った」と、『ブレイブリーデフォルト』の楽曲に対し、真摯に取り組んだことを語った。
最後に、浅野氏は「Revoさんの音楽でゲームを遊びたい、という思いがいちファンとしてありました。Revoさんの音楽の新しい形が聴けると思うので、ゲームをプレイしていただけるとうれしいです。発売日は近いうちにお知らせできると思うので、ご期待ください」、Revoは「曲はすべて完成しています。あとは浅野さん次第です。このゲームは、昔遊んだ『ファイナルファンタジー』、『ドラゴンクエスト』、『サガ』の雰囲気を持っているんですよね。でも、ただの昔のゲームでもないんです。古いものと新しいものの融合を目指している作品なので、音楽もその融合を目指そうと思いました。皆さんが驚かれるような新しいRevoの音楽の部分もあるし、「あ、昔ゲームでこういう曲を聴いたよね」という部分もあるし。すべての曲は、メロディーを大切にして作っています。通学や通勤中に口ずさんじゃうようなメロディーがいっぱい詰まっています。サントラでも聴いてほしいですが、ゲームのために作った曲ですので、実際ゲームで聴いていただきたいです」と熱い思いを伝えた。
さて、ふたりがステージから去り、発表会はこれで終わり……と思われたが、そんなことはなかった! スクリーンに映しだされたのは、新たなRevoの楽曲のPV。ここでなんと、Revoの新プロジェクト“Linked Horizon”(読み:リンクトホライズン)が発表されたのだ。
“Linked Horizon”は、Revoがほかの作品とコラボレーションして音楽活動をする際のプロジェクト名。“外の世界とつながる”という意味をこめて名づけたという。発表された楽曲の名は「彼の者の名は…」。PVには、森の中の教会で歌うRevoと、その教会を訪れ、一冊の本を手にする少女の姿が映しだされていた。この楽曲のギターはマーティ・フリードマン、ドラムは淳士、ベースは長谷川淳、キーボードは勝又隆一が担当。
「彼の者の名は…」が収録される、Linked Horizon第1弾マキシシングルの名は、「ルクセンダルク小紀行」。2012年8月22日発売予定だ。ルクセンダルクは『ブレイブリーデフォルト』の舞台となる世界。Revoは、「作品を作るというのは、その世界を旅するようなもの」と述べ、みずからのルクセンダルクへの旅の模様を表現するという意味で「ルクセンダルク小紀行」と名付けたという。このマキシシングルには、『ブレイブリーデフォルト』用にRevoが書いたインストゥルメンタル曲をフルサイズに再構築し、ボーカライズした楽曲が収録される。
そしてなんと、アルバム「ルクセンダルク大紀行」が2012年9月19日発売予定であること、2012年11月25日に横浜アリーナでライブが行われることも発表。「ルクセンダルク小紀行」と世界観を同じくするアルバムには、『ブレイブリーデフォルト』の楽曲をボーカライズした曲が多数収録され、さまざまなミュージシャンが参加する予定。ライブは歌あり、バンドのインストゥルメンタル曲あり、オーケストラありの豪華編成。Revoは「正統派RPGの音楽にはオーケストラが必要だ」と考えているそうで、オーケストラをバックに歌う可能性も大いにあるとのことだ。
質疑応答コーナー
――「彼の者の名は…」のPVに出ていた、バンダナを付けていた方はどなたなのでしょうか。
Revo あの人は街を歩いていたら、たまたま見つかって……いえ、すいません、ふつうにRevoという僕です。今回は、ややこしい設定はございません。
――『ブレイブリーデフォルト』のAR体験版は遊ばれましたか?
Revo 遊びました。最初遊んだときに、アニエスを見失いましたね(笑)。移動するから。「あれ、いないぞ」って(笑)。
――アニエスのスカートの中はご覧になりましたか?
Revo 残念ながら、ご覧になってないです(笑)。もっと探究心を持たないとダメでしたね、別の角度から見ようとする(笑)。
Revoからのメッセージ
何もなくても、おそらく放っておいたら僕は音楽を作ります。だけれども、自分ひとりでは作れないもの、というのは世の中にあります。それは、出会いであったりきっかけであったり……『ブレイブリーデフォルト』に出会わなければ生まれなかった曲というものがあります。自分でも、すごくいい曲ができたと自負していますので、この出会いに対し、感謝の気持ちを忘れないでいたいと思っています。
皆さんと僕の関係もそうです。僕と出会わないと聴けなかった音楽がある。それを届けられるというのは、非常にうれしいことです。いろいろなものとの出会いを大事にして過ごしていただければ、皆さんの人生もより楽しいものになると思います。
『ブレイブリーデフォルト』の曲は、本当にいいものが生まれたので、ぜひ聴いてください。サントラはぜひ購入していただきたいですけど、サントラだけ聴くのは、僕のゲームを愛する心が「邪道だ」と言っているので、ぜひゲームも遊んでください。