主人公・ユキを演じる逢坂良太に聞く『つり球』の魅力
フジテレビ“ノイタミナ”ほかで好評放送中、Blu-ray&DVDの第1巻が2012年6月27日に発売予定のテレビアニメ『つり球』。そのキャストのいちばん上にある名前を見て「?」となった人。心当たりのある人は挙手! かくいう筆者もそのひとりである。そんな『つり球』の主人公・真田ユキを演じる逢坂良太さんにインタビューをする機会を得た。彼はいったい何者なのか? 『つり球』の魅力とともにお伝えしていきたいと思う。
衝撃のキャスティング
――きっと多くの方が『つり球』のキャストを見た瞬間、豪華なメインキャスト陣のいちばん上にある名前を見て、「おや? 知らないぞ?」と感じたのではないかと思うのですが、そんな逢坂さんについて伺えればと思います。これまでに出演された作品の中で、代表作というのは?
逢坂良太(以下、逢坂) 代表作……。代表作は『つり球』が初主演と初レギュラーを兼ねていますので、完全に初めてだったんですよね。大きなところにいきなり放りだされた子ネズミみたいな感じで(笑)。すごく緊張しました。
――初レギュラーの作品だったのですね。ちなみに、いままでアニメやゲームで名前のある役を演じられたりというのは?
逢坂 『つり球』の前に、毎週出ていたわけではなかったんですけれども、『ましろ色シンフォニー』というアニメで、主人公の男友だちのキャラクターを演じさせていただいたんですけれども、それが初めてのアニメでの名前のあるキャラクターでしたね。
――そこからいきなり、主演に抜擢されるわけですか。
逢坂 ホントにいきなりでしたね。
――『つり球』はオーディションだったのでしょうか?
逢坂 オーディションでした。オーディションが終わったあとに、「釣りをしたことはありますか?」と聞かれまして。自分が中学生のころに、ブラックバス釣りが流行っていたので、そのときの話を少ししたんです。
――それが功を奏したと(笑)。
逢坂 功を奏したらしく(笑)。受からせていただきました。
――そうしてオーディションに合格されて、主演を勝ち取られたわけですが、まわりが錚々たるメンバーですよね。
逢坂 若いころからデビューされている方ばかりなんですよね。僕よりも年下が多くて。入野(自由)さんは僕よりひとつ下で、内山(昂輝)さんが3つぐらい下なんですよね。それでも、デビューは早いので僕よりぜんぜん大先輩ですし。緊張でいっぱいでしたね。第1話の収録時は、とくに。
――先輩に囲まれた現場というのは、どんな雰囲気なんでしょう?
逢坂 皆さんすごくよくしてくださいました。最初に杉田さんが「僕たちが引っ張るから緊張しないでやっていいよ」と言ってくださって。それで緊張が抜けたんですよね。その言葉がすごくありがたくて、ずっと心に残っていますね。
――頼れる兄貴分なんですね。個人的には、平野文さんと共演されているのがすごくうらやましいな、と(笑)。
逢坂 (笑)。古川登志夫さんも出演されているので、『うる星やつら』コンビだったんですよ。僕が生まれる前から活躍されている方々なので、すごく不思議な感じでした(笑)。
――大ベテランの方との共演というのは、緊張感がありますか?
逢坂 下手をするとすごく怒られるんじゃないか、と思っちゃいますよね(笑)。失礼なことをしないように、と気にしながらアフレコに臨んだんですけれど、ぜんぜん怒られるようなことはなくて。平野さんはすごく明るい方で、向こうからどんどん話しかけてくださるんです。僕のおばあちゃんという役どころなので、始まる前に「ここの掛け合いは、こういう感じでやる?」とアドリブについて、平野さんのほうから話しかけてくださったりして、本当にありがたかったですね。
――それこそ、劇中のケイトみたいな雰囲気で。
逢坂 本当に。まんまケイトのイメージですね。癒されます(笑)。
――現場に行きたいですねー(笑)。レギュラーをやられてみての感想はいかがですか?
逢坂 最近は、すごく楽に、自然に演れるようになったんじゃないかな、と思います。現場に慣れてきたというのもありますし、ほかの共演者の皆さんと打ち解けてきたというのもありますね。主役だからこその責任感もあるんですけれど、楽しく演れていると思います。
――気弱な主人公という役回りですが、ご自身で似ている部分はあると思いますか?
逢坂 最初のほうの般若顔になっていたころのユキ君は僕とそっくりでしたね。人見知りなところが本当にそっくりで、共感しまくりでした。オーディションのときも「昔の自分を見ているみたいだ!」という感じだったので、そういう意味ではすごくやりやすかったんですよね。でも、いまはすごく明るくなって、おそらく僕よりも成長しているんですよ(笑)。物語の冒頭からすごくみんなと仲よく話していて、すごく大きな声で挨拶もできるようになったし。自分の成長を見ているようでもあり、親の目線で彼の成長を見ているようでもあり。がんばって成長しているなって思ったりもします。
――ユキに追い越されたという焦りはありましたか?
逢坂 ありますね。自分もついていかないとって。ユキの成長にいっしょについていくつもりだったのに、いつの間にか追い抜かれてる! という焦りはあります(笑)。
流されてフィッシング
――さきほどのお話にもありましたが、バス釣りをやられていたんですね。
逢坂 当時、バス釣りがすごく流行っていまして。週3~4日ぐらい釣りの番組をやっていまして、だいたいバス釣りを特集していたんです。そのころ『月刊コロコロコミック』で『グランダー武蔵』もやっていましたし、『Mr.釣りどれん』(とだ勝之による釣りマンガ)というマンガも連載されていて、このマンガも基本的にはブラックバス釣りをメインにしていたので、当時は本当にバス釣りばっかりでしたね。
――逢坂さんは、釣りはこだわってやられていたんですか?
逢坂 無駄に道具とかは揃えていましたね。なくしてばっかりでしたけど(笑)。
――実力的には、どれぐらいだったんですか?
逢坂 わかりやすく言うと中学3年間で釣ったのが2匹だけっていう(笑)。
――少なっ!(笑) それでも、釣りの楽しみは感じられていたんですね。
逢坂 そのころは楽しんでやっていたような記憶はあるんですよね。友だちとやっていたからというのもあると思うんですけれど、いまやると2回ぐらいですぐに飽きていたんだろうなって思います(笑)。
――ちなみに、最近になって釣りはされましたか?
逢坂 『つり球』の公式ホームページで僕が釣りをするという動画番組があるんです。その企画で先日、品川にある釣堀で釣りを体験してきました。改めて釣りの楽しさを感じられましたね。ちゃんとした釣りをやってみたいと思いました。
――アニメを観ていると釣りしたくなりますよね。
逢坂 そうなんですよね! 初心者の方にもわかるように、糸の結びかたからアニメの中で紹介していたりするので、釣りを経験したことのない人にとってもすごくオススメできるアニメだと思います。初心者の方が「ちょっとやってみたいな」と思えるアニメになっていると思います。
――作中では、シーバス釣りなども描かれていましたが、海に行きたくなったりしないですか?
逢坂 行きたいですねー。江の島が舞台なんで、江の島に行ってシーバス釣りやりたいです。
――ちなみに江の島には思い入れあったりします?
逢坂 放送が始まる前に個人的に江の島に行ったんですよね。そのときにシラス丼を食べたんです。江の島はシラスが有名ですからね。生シラスと釜揚げシラスの両方が入っているものを食べたんですけれど、本当においしくて、また個人的に行こうかなと思っているぐらいです(笑)。海もキレイなんですよね。ぼーっと海を見てたら、気づいたら1時間ぐらい経っていたりして(笑)。
せっかくなのでイントロダクション
――せっかくなので、逢坂さんのパーソナルな部分もお聞かせいただければと思うのですけれども、そうですね……つきなみですが、趣味は何ですか?
逢坂 趣味は散歩です。
――おじいちゃんみたいですね(笑)。
逢坂 けっこう言われます(笑)。ただ歩き回るだけではなくて、目的はないんですけれども、行った先でおいしそうなお店を見つけたり、おもしろそうな遊び場を見つけたり、すごくキレイな景色を見つけたりとか、新しいものを見つける喜びがあるので、そういった意味での散歩が好きなんですよね。
――1度も行ったことのないお店に、ひとりで入れる派ですか?
逢坂 ファミレス系だと難しいんですけれど、喫茶店なら気楽に入れますね。
――散歩は、いろんなところに移動したあとに始める感じなんですか? それとも自宅の近くを?
逢坂 目的を持たずにプラプラ歩く感じなので、気づいたら歩きたくなるというか。散歩がクセになっているというと変なんですけれど、ふと外に出たくなるんですよね。
――それでは声優を目指すことになったきっかけは?
逢坂 僕はきっかけというのがないんです。中学生のときにアニメをすごく観ていたんですけれど、こっちの世界に入ろうという気はぜんぜんなくて。ふと高校生の入学式の日に「(声優に)なりたい!」という想いがスッと降りてきたんですよ。そこからはずっとこの世界に入ろうと進んできて、いまここにいる感じですね。だから、きっかけというきっかけはありませんね。
――声優になるために努力したことというのは?
逢坂 ありがちなんですけれど、アニメはすごく観ていました。ほかの人の演技を真似したりとか。
――当時好きだったアニメは?
逢坂 いちばんハマッたアニメはロボットアニメ全般ですね。アツいアニメが大好きなので、ロボット系はハマッちゃいますね。
――アーリーウイングに所属するまでというのは、どんな経緯だったんですか?
逢坂 高校を卒業して、東京に上京してきたんですけれども、その後の2年間で専門学校に通いまして、そのつぎに養成所に通ったんです。その養成所で事務所所属のテストに落ちてしまったんですね。それでアーリーウイングの追加オーディションを受けて、正所属となったんです。
――今後やってみたい役柄とかはありますか?
逢坂 やっぱりロボットものが好きなので、アツいセリフを言ってみたいなと。
――ガンダムに乗りたい、と(笑)。
逢坂 乗りたいですね(笑)。ゲームだと、『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)が好きなので、ぜひ出たいですね!
――こんなゲームが好きとかありますか?
逢坂 いま遊んでいるのは、ニンテンドー3DSの『モンスターハンター3(トライ)G』ですね。あと、『スパロボ』の新作が(2012年)4月に出たので、それをちょこちょこっと遊んでいます。ほかにFPS(主観視点シューティング)で『コール・オブ・デューティ』も好きで、地元の徳島の友人とやっていますね。
――そうやって、地元の友だちと遊べるっていうのはいいですね。
逢坂 気軽に、会わなくても遊べるのはいいですよね!
――お話を聞いていると、けっこうアクション系の作品がお好きなように思えるのですが。
逢坂 そうですね。でも、RPGなどもやっていますよ。『テイルズ オブ』シリーズはけっこうやりました。
――ちなみに『スパロボ』はどれぐらい進みましたか?
逢坂 『スパロボ』は『再世篇』が、いま3周目です。
――えっ?(笑) 今回、けっこう長いですよね?
逢坂 まぁ、2周目以降はストーリーを飛ばし飛ばしでやっているので、1周20時間弱ぐらいで遊んでますね。電車の中とかで。
――なるほど(笑)。先ほどお話に出てきましたが、出身が徳島ということで、徳島と言えば?
逢坂 阿波踊りです! あと“マチ★アソビ”ですね。
――“マチ★アソビ”に参加されたことは?
逢坂 僕はまだ行ったことがないんですよ。
――いま“マチ★アソビ”などのイベントによって、徳島がすごく注目を浴びていますよね。
逢坂 その時期に帰ったことがないので、実際に何をやっているのかを僕は知らないんですよね。だから、すごく気になっているところではあります。
――すごく盛り上がっていますよ。イベント期間中に、どれだけの人が来るんだろうと驚くぐらい。
マネージャー アニメ業界の偉い人がすごくいらっしゃいますよね。
逢坂 そうなんですね。逆に粗相をしてしまうのではないかと考えてしまって、恐ろしいですね(笑)。
――(笑)。最後に読者の皆さんにひと言メッセージをいただければ。
逢坂 現在、『つり球』が放送されていますけれど、これから物語が佳境に入っていきますので注目していただきたいと思います。僕の成長ぶりも、ちょっとユキのほうが先に成長してしまった感はありますけれど、これからどんどん追い上げていきたいと思っていますので、どうか温かい目で見守っていただければと思います。よろしくお願いします!!
【キャスト】
真田ユキ:逢坂良太
ハル:入野自由
宇佐美夏樹:内山昂輝
アキラ・アガルカール・山田:杉田智和
ココ:加藤英美里
海咲:冨永みーな
さくら:小倉 唯
えり香:山本希望
ケイト:平野 文
ほか
【スタッフ】
監督:中村健治
シリーズ構成:大野敏哉
キャラクターデザイン:宇木敦哉
アニメーションキャラクターデザイン:高橋裕一
音楽:栗コーダーカルテット
制作:A-1 Pictures
製作:tsuritama partners
■つり球
フジテレビ 毎週木曜日 25時15分~
関西テレビ 毎週火曜日 26時28分~
東海テレビ 毎週木曜日 26時35分~
テレビ静岡 毎週木曜日 25時40分~
テレビ西日本 毎週金曜日 26時35分~
サガテレビ 毎週金曜日 25時35分~
秋田テレビ 毎週土曜日 26時05分~
さくらんぼテレビ 毎週土曜日 25時35分~
テレビ熊本 毎週土曜日 26時35分~
鹿児島テレビ 毎週土曜日 26時05分~
福島テレビ 毎週月曜日 25時40分~
テレビ新広島 毎週火曜日 26時15分~
テレビ愛媛 毎週火曜日 25時05分~
新潟総合テレビ 毎週火曜日 26時00分~
仙台放送 毎週火曜日 26時15分~
岩手めんこいテレビ 毎週水曜日 26時20分~
BSフジテレビ 毎週土曜日 26時30分~
北海道文化放送 毎週日曜日 25時45分~
■つり球Blu-ray&DVD 第1巻
発売日:2012年6月27日発売予定
価格:【Blu-ray(完全生産限定版)】6825円[税込]
【DVD(完全生産限定版)】5775円[税込]
【DVD(通常版)】4725円[税込]