『スペシャルフォース2』高評価のCBTからどう展開していくのか? 運営プロデューサーに聞く

NHN Japanの新作オンラインFPS(一人称視点シューティング)『スペシャルフォース2』。クローズドβテストを終え、今後どのように展開していくのか? 運営プロデューサーの佐野亘氏に話を聞いた。

 NHN Japanの新作オンラインFPS(一人称視点シューティング)『スペシャルフォース2』。クローズドβテストを終え、今後どのように展開していくのか? 運営プロデューサーの佐野亘氏に話を聞いた。

●クローズドβテストのフィードバック反映中!

――体験会やクローズドβテストを行われて、反応はどうですか? 触った人が「いい」と言っているのをよく見たのですが。
佐野亘氏(以下、佐野) 公式サイト以外にも公式Twitterアカウントなどもあるので反応を見ているのですが、ちょっと不安になるぐらい、いいですね。ありがたいことです。アンケートでは、もちろん「ここはこうしたほうがいい」といったご意見を頂いているのですが、予想以上です。

――プレイヤーからのフィードバックで多かったものはなんでしたか?
佐野 スナイパーが強いというご意見を多く頂戴しました。これはまぁ、運営が思った以上に反応があった部分でした。現在入れている武器で、PSG-1とAWPというライフルがあるのですが、PSG-1はスコープを覗く速度がゼロでクイックショットがしやすく、その反面ダメージがちょっと少ないという銃です。一方AWPは、覗く時間はかかるものの、当てれば一撃で倒せる攻撃力の高さを誇っています。
 AWPは韓国でも後半に入った武器なのですが、クローズドβテストにどんな武器を入れるか選定するにあたって、対照的なこの2本を入れたかったんです。で、結論から言いますと、PSG-1は当てやすいから倒しやすい。AWPは強いので倒しやすい。両方ともそれぞれ使いやすい武器になっています。
 それと、ほかのFPSと比べると全体的に銃を扱いやすい設計になっていて、たとえばストッピング(動いている状態から止まる動作を入れることで集弾性を高める技術)は、『スペシャルフォース2』の場合はキーを離すだけで同じ効果が得られる仕様です。なのでスナイパーが使いやすかったという影響もあるのではと思います。
 もうひとつは、基本的に開けたマップが多かったことですね。とくに走り回ってマップを覚えなければいけないアサルトライフルなどと違って、スナイパーはポイントがわかってしまえばある程度活躍できてしまうので、クローズドβテストではその差が出ているのかなと考えています。

OβTマップ紹介その1:ロストテンプル(チームデスマッチ)
インドの秘密核兵器貯蔵庫を舞台とするマップ。

マップ構成は左右対称。中心の建物内部は暗く、相手チームの識別が難しい。
壁が脆い土で出来ており、マシンガンなど貫通力が高い武器で壁抜きができる。

▲アフリカ某国人民解放戦線議長、みたいな感じがしますが、記者と広報さんによる「怖い感じでお願いします」というリクエストです。

――その辺りの今後の調整などはいかがですか?
佐野 開発会社と「スナイパーが強い」という話はしています。先程お話した以外にも、たとえばスナイパーが撃たれた時にノックバック(ブレ)がないと感じた人がいるかもしれません。実際は発生することもあるのですが、ちょっと今はそれが起こりづらいというか、ある一定の確率でノックバックが発生するという仕様なんです。例えば、アサルトライフルで何発か撃ち込んでも、確率でノックバックが発生するので、そこで発生しなかった場合はスナイパーの1発で逆転されてしまうという状況がありました。
 ですので、撃たれた部位や、ダメージの累積値、もしくは何発か撃ち込まれた時にノックバックが発生するとか、ちょっと違う仕様に変えていきたいと考えています。アサルトライフルとスナイパーライフルを比較した時に、アサルトライフルが不利にならないよう調整していきたいと話しています。

――ちなみに韓国でのフィードバックや今後の方向性などは聞いていらっしゃいますか?
佐野 聞いています。まず日本にサービスが来るまでの流れをご説明しますと、韓国のクローズドβテストで使えたアサルトライフルにM4A1とAK103があって、最初はみんな、ダメージが高いし集弾もいいし、AKを使っていたそうなんです。それでアップデートでAKの能力をちょっと下げて、M4と同じぐらいの使用率になったそうです。
――そこはバランスが取れたと。
佐野 はい。日本では、韓国でそのほかの調整も適用したものを入れています。それでも先程お話したようにスナイパーが強いというご意見が多いので、ノックバックやダメージの入り方などをもうちょっと調整していこう、ということになっています。
 韓国でいま一番強いのはK2というアサルトライフルで、リコイル(撃ちっぱなしていると銃口が上に上がっていくので、下方に調整する技術)なしで撃てる銃なんです。ある程度バラけるのですが、現状では使いやすすぎるので、これもバランス調整してほしいと話している銃です。
 基本的に日本ではその辺りの調整が終わったものを入れていく予定なのですが、日本からも意見を出して、総合的に見た上で開発がさらに調整を進めていくことになるのではないかと思います。

――逆に、おもしろい武器への反応などはどうでしたか。たとえば同僚はボウガンがおもしろいと言っていましたが。
佐野 実際に使ってみると難しい武器なのですが、人気がありましたね。アンケートでも「ボウガンはロマンだ」といったコメントがありました(笑)。それとメディア体験会では入れていたククリという武器をクローズドβテストで外していたので、「なんで入れないんだ」というご意見も頂戴しました。新しい遊びができる武器にはみなさん反応がいいですね。

――モードの人気などはいかがでしたか?
佐野 チームデスマッチと爆破がほとんどで、ちょっと特殊な脱出と奪取はあまり使われていませんでした。先行体験会などで爆破をやりたいとおっしゃっていた方が多く、クローズドβテストでもそれをなぞる形ですね。チームデスマッチで武器を試したり練習しつつ、爆破をやってみるという流れがあったのかなと感じています。
――やっぱり脱出や奪取は野良チームだとまだツライという部分もありますかね。
佐野 そうですね。ルールが少し複雑という部分もありまして。脱出だと、一回ヘリを呼んでから脱出ポイントに向かうという流れで、最初何をやっていいかわからないということも体験会で見かけました。オープンβテストなどでユーザーさんが増えたところで徐々に浸透していってくれるといいなと思っています。運営としても、もうちょっとどんなモードなのか、というのをユーザーさんに伝えられるように案内していきたいですね。

OβT武器紹介その1:Kukri
投げると弧を描いて飛んでいく特殊武器。
左クリックと右クリックではナイフの投げ方が変わり、左クリックでは遠くまで飛ばせ、右クリックだとフォークのように一定距離進むとストンと落ちるという特性を持つ。

●オープンβテストは6月7日から

▲ククリのおもしろさを説明する佐野氏。

――(要望の資料を見せて頂き)占領戦が欲しい、ゾンビモード……。
佐野 占領戦は韓国ではもう入っているので、日本でも早めに実装していきたい部分です。ゾンビは今のところないので未定ですけど(笑)。

――マップが狭いという意見もあったようですが。
佐野 開発が意図的にそうしている部分もあります。戦闘までの時間が短いほうがプレイの持続に繋がると考えて、全体的にそう設計しているようですね。また、たとえばデザートキャンプは『スペシャルフォース』にもあるマップなのですが、本作ではスプリント(ダッシュ動作)があるので、交戦ポイントにたどり着くまでの時間が短いんですね。その辺りも狭く感じられる理由だと思います。

――オープンβテストにかけてはどうなってくるのでしょうか?
佐野 クローズドβテストでは入れなかった武器が結構あるので、マシンガンやショットガンなど、新しいカテゴリーの武器を追加します。先程のククリもそうですね。あとはマップをチームデスマッチと爆破、奪取のマップをひとつずつ入れます。
――ちなみにオープンβテスト開始は?
佐野 6月7日です。マップも武器も増えて、より幅広く楽しめますので、ぜひ多くの方に触っていただきたいですね。

OβT武器紹介その2:Benelli M4
12ゲージのガス作動式ショットガン。ショットガンはジャンプ撃ちをしても照準がブレることが少なく、トリッキーな動きで相手を翻弄することができる。

――オンラインFPSだと当然オフライン大会なども盛んですが、正式サービス以降の予定などは。
佐野 秋から冬にかけて大きな大会をしたいと考えています。その大会に向けて、いくつかの大会をオンラインやネットカフェで7月や8月に行なって、ユーザーさんのプレイスキルが成熟してきたころに大きな大会に繋げていきたいですね。今年はNHN Japanでもオフラインイベントを盛りあげていこうとしているので、地域での繋がりを強化したいところもあり、キャラバンなどもやる予定です。

――ちなみに、『スペシャルフォース』だとプロゲーマー制度がありましたが、本作ではいかがでしょうか。
佐野 個人的にはやっていきたいところです。スポンサー企業さんを集めて、優勝チームをスポンサードしていただいてプロチーム化するとか、あるいは大会そのものをスポンサードしていただいて、もうちょっと賞金を……。
――奮発した感じに(笑)。
佐野 オフライン大会などでいろいろ仕掛けていきたいですね。スポンサーさんはいつでも募集しています(笑)。

OβTマップ紹介その2:発電所(爆破)
バスク地域への干渉をめぐって、ついに火力発電所で衝突が起きる。

一部の壁を爆弾により壊すことができる。目標までのルートが多数あるのがポイント。

――正式サービスに向けて、公認ネットカフェでの施策や、課金などはどうなっていくのでしょうか?
佐野 その前に武器アイテムの販売方法についてお伝えしたいと思います。と言いますのも、クローズドβテストでは全部武器を期間制で販売したんですよ。理由はいろいろあるのですが、武器を期間制で出しているタイトル、永久で出しているタイトル、どちらもありますので、ユーザーさんがどちらが好きなのか知りたかったというのが大きいです。そこで、韓国では全部永久で売っているのをあえて期間制にして、アンケート項目でも聞いてみたんです。
――おお、結果は?
佐野 圧倒的に永久が多かったですね(笑)。ですので、今後は武器の販売等には永久方式を採用していく方針です。そして、いわゆる課金武器は、大きくバランスに影響しない範囲で入れていこうと考えていますので、それでバランスが壊れるといったことはないと思います。ネットカフェでの施策ですが、従来からあるような、ネットカフェからプレイすると、経験値やポイントが早く貯まるといった特典をご用意する予定です。それと、アイアンサイトで覗く武器が、性能はそのままスコープになっているなど、ネットカフェ限定で使える武器も出そうと考えています。
――それと先ほどのネットカフェキャラバンと。
佐野 そうですね。『スペシャルフォース』の時はそういう活動を長いことやってこなかったので、クランメンバーが国内にバラバラだったりしたんですよ。それはいいことでもあるのですが、オフライン大会で初めて会うというようなケースが多いのは、たとえば世界大会に出ようといった時に不利なんですよね。ボイスチャットだけで練習するのと、横にいる仲間に声をかけながらやるのとでは感覚も違いますから。地域に根づいたコミュニティやクランができるよう、がんばっていきたいと思います。
――オフライン慣れは大事ですよね……。
佐野 それは世界大会に行って痛感しました。

▲広報さんの「ろくろとか回してみてください」というオーダーに応えるの図。

――ちなみに、年齢層などはどうだったんですか?
佐野 10代後半から20代前半が多かったですね。
――いいですね!
佐野 『スペシャルフォース』などの長い期間サービスしているオンラインFPSタイトルですと、強いクランが固定化されてきてしまっている部分があって、中々若い層のクランが対等に渡り合えていないと思うんです。
――それは取材していても感じることがあります。
佐野 もちろん、強いのはそのクランが努力した結果ですので、それは別に悪いことではないんですが、『スペシャルフォース2』がこれからオープンβテストに向かっていく中で、次世代を担うような世代が集まって、ベテランの層と対決して、といったことが起これば、結構おもしろいことになるんじゃないかと期待しています。

――では最後に、オープンβテストから始めようという人もいると思うのですが、メッセージをお願いします。
佐野 オープンβテストでは、クローズドβテストと比べると武器の種類も増えてフルバージョンに近くなりますし、マップも増やして長く遊べるようにしていきます。クローズドβテストでいただいたご意見はすでに開発と協議を進めているところで、オープンβテストにどれだけ間に合うかはわかりませんが、順次取り入れていく予定です。日本独自仕様というのは避けたいと思っているので、落とし所を探って行きたいと考えています。
 Wキーを2回押すとスプリントするのは体験会で頂いたご意見が元になっていて、クローズドβテストで入れたのですが、これは実は日本が先行の実装になっています。日本から提案したものが世界に広まっていくケースはこれからもありますので、どんどんご意見をお寄せいただければと思います。
――いっぱい遊んで、いっぱい意見を言ってほしいと。
佐野 そうですね、(ポスターを見て)「遊びはもう終わりだ」と書いてありますけども(笑)。触っていただければ絶対どのゲームとも違う個性を感じて頂けると思いますので。
――オーソドックスな新たなスタンダードになりたいと。
佐野 はい。なれるゲームだと思っています。