2012年8月22日に『HANABI』でソロデビューを果たす原由実にインタビュー
テレビアニメ『黄昏乙女×アムネジア』の庚夕子役や、『アイドルマスター』の四条貴音役などで活躍する声優・原由実が、2012年8月22日に5pb.Recordsから1stシングル『HANABI』でメジャーデビューすることが決定した。同じく5pb.からCDをリリースしている声優の今井麻美がサブボーカルとして、そしてプロデュースの一端を担う形でシングル制作に参加するなど、注目の内容となっている。今回、ファミ通.comではソロデビューを果たす原にインタビューを敢行。いまの気持ちを伺ってみた。
――ソロデビューという話を最初に聞いたときは、どう思われましたか?
原由実(以下、原) 自分のまわりのかたで声優をなさっていてアーティストとしてデビューされている方々が何人かいらっしゃるので、ライブを見に行かせていただいたりして、楽しそうだなと思う気持ちがまずありました。それと同時に自分がいざデビューというお話をいただいたときに、不安な気持ちというのがあったのも事実です。私自身、声優の養成所しか通ったことがなくて、歌をちゃんと勉強したことがない状況だったので、「自分に務まるのかな」という不安がありました。だから、すごく長い期間考えさせていただいたんです。じっくりとじっくりと考える時間をくださって、何度か話し合いもさせていただいて、その中で私が不安に思う点をちゃんと聞いてくださって。なるべく私の不安が解消される方向で、最良の形でデビューできる状況というのを作ってくださいました。私自身、ソロデビューに関してすごく楽しそうだという気持ちがあったので、いっぱい、いっぱい考えた結果、挑戦してみようと思いました。
――差し支えなければ不安だった部分というのを伺えれば。
原 そんなに歌に自信があるわけではなくて、自分は役者だという気持ちがイチバン大きいので、歌手としてCDを出すということが不安でした。
――それでもこれまでに『アイドルマスター』などで数多くの歌を歌われて、歌を歌うということの経験や、それを支えてくれる人たちはたくさんいらっしゃるわけじゃないですか。
原 そうですね。恵まれた環境でやらせていただいていますよね。レコーディングの経験もお仕事でたくさんさせていただいたりとか、ライブやイベントもたくさんやらせていただいて。そういう点ではあまり不安はなかったんです。でも、いざ作品の冠がない状態でCDを出させていただくというのは、素っ裸な状態だと思うんです。そうなると不安に思うこともあって。もちろんまわりに支えてくださる方もいっぱいいらっしゃったので、相談もさせていただいて。そういう意味では「やろう!」と決めてからは、すっぱり迷いはなくなりましたね。
――いまお話にありましたけれど、まわりの方たちにはけっこう相談をされたんですか?
原 (今井)麻美さんにはしましたね。麻美さんはもともと歌に関してや、困ったことがあるといつも相談に乗ってくださっていたので、今回も相談させていただきました。麻美さんは「いつかいっしょに歌えたらいいね。楽しいだろうね」ということをずっと仰ってくださっていたので、そういったことも後押しになったと思います。麻美さんも、私の不安がなくなるようにいろいろいっしょに考えてくださったひとりでした。
――個人名義でのアーティスト活動をやろうと思ったイチバンのきっかけは何だったんでしょう?
原 今年に入って、いろんなことに挑戦したいなって思ったことですね。今年はより強くそう思った年でもあったんです。どんどんお仕事の幅を広げたいというか。なので、いままでやったことのない分野に積極的に手を出していこうと思ったということがイチバンですね。
――原さんと言えば、ご家族との仲のいいエピソードというのもよく聞くことができますが、今回、ご家族の反応はいかがでしたか?
原 喜んでいましたね。ウチの親は私の仕事に関していつもすごく応援してくれていて、CDが出たら必ず買ってくれるし、ライブがあったら遠方でも足を運んでくれるんです。だから、今回個人名義でCDを出すことを話したら、すごく喜んでいました。
――驚かれたりはしていましたか?
原 私のまわりの……、麻美さんやアッキー(長谷川明子さん)がデビューしていることを親も知っているので、めっちゃ驚いているっていうことはなかったですね(笑)。
――今回、発表が今井麻美さんのバースデーライブの中で行われたわけですが、その話を聞いたときの感想は?
原 今回のシングルは、サブボーカルで麻美さんが参加してくださっているので、ある意味、麻美さんのバースデーライブで発表するということがイチバンしっくり来ると思いました。もちろん「せっかくのお誕生日なのに、いいのかな?」という気持ちもあったんですけれど(笑)。
――実際に発表されたときのことを振り返って、いかがでしたか?
原 とにかく緊張しました!(笑) 絶対に失敗できないと思っていたので、プレッシャーが大きくて。ライブに登場すること自体がサプライズだったので、誰にも見つからないようにタクシーの中でも身をかがめて会場入りしたり(笑)。麻美さんのリハーサルの様子を袖で見ながら、自分もずっと曲を聴いていたりして、緊張しながらの本番でしたね。本番では、麻美さんへのサプライズも成功して、麻美さんもお祝いできたのですごく楽しかったです。
――しかも、自分もお祝いしてもらって。
原 あー、そうですー(笑顔)。
――今回のデビューシングルでは、今井麻美さんがサブボーカルを担当されるということですが。
原 そうですね。自分が不安に思っている部分が、麻美さんといっしょにやることで軽減されるような気がしました。これまでもいろいろな場面で麻美さんが私のことを支えてくださったので、歌の面でも支えていただけることになって、とてもうれしかったです。
――デビュー曲となる『HANABI』という楽曲について伺いたいんですけれども、前述のライブですでに一度披露されていますが、どのような楽曲なのか改めてお伺いできれば。
原 『コープスパーティー』のエンディングということなので、若干シリアスな曲ですね。ただ、シリアスな中にもバンドっぽさもあり、和な雰囲気をメロディーから感じとれます。プロデューサーの濱田(智之)さんに伺ったところ、和の雰囲気をイメージされながらメロディーを作ったそうなので、その雰囲気が汲み取られた歌詞をコンペで選んだとのことでした。
――歌うときに気をつけたことや、ディレクションされた内容などあれば。
原 今回、自分で仮歌を録らせていただいたんですけれど、仮歌を録るということが初めてだったんですよ。
――たしかに、濱田プロデューサーの独特のレコーディング手法ですよね。
原 以前に、レコーディングをしたけれど、どうしても納得がいかなくて、もう1度録り直してしまったことが1回だけあったんです。でも、仮歌を自分で録っておくとそういうことがなくなったり、本番のときに自分の中でより曲が浸透してくるというお話を聞いていたので、最初に「仮歌はどうします?」と聞かれたときに、ぜひやらせていただきたいとお答えして録らせていただきました。『HANABI』は、曲が大人っぽい雰囲気だったので、私自身、大人っぽい雰囲気で歌わせていただいていますね。
――もう1曲の『天ノ紅』は、どのような楽曲になっているのでしょう?
原 それも和な感じというか。和な雰囲気って出てましたっけ?(濱田プロデューサーのアシスタントさんを確認)
アシスタント 2曲目はあんまり……?
原 あんまり出てないです(笑)。
――え!?(笑) ……えっと、ちなみに、ジャンルはどんなものになるんですか?
原 ジャンルは……、バラードですかね。
アシスタント バラードでもない……。
原 でもないです!(笑)
――原さん!?(笑)
原 (笑)。切ない感じの曲なんですけれども、アレンジが豪華で壮大な雰囲気になっていて、バンドっぽい楽曲ですね。作詞は森由里子さんが担当してくださっています。『HANABI』も『天ノ紅』も、両方ともキーが歌いやすくて、サブボーカルのハモリ部分の上パートで麻美さんが入ってくださる分、本線はそこまで高くならないので、人によっては若干低く感じるかもしれないですね。
――今井麻美さんのサブボーカルというのはどれぐらい入ってくる感じなんですか?
原 サブボーカルとしてはけっこう入っていて、ハモリはその3分の1くらいですね。
――キャラソン……原さんと言えば『アイドルマスター』の四条貴音が思い浮かびますけれど、貴音で歌っているときと、個人名義で歌うときでの違いというのはありましたか?
原 貴音として歌いすぎたことによって、貴音だと思ってつけていたクセが、貴音として歌うとき以外でもついつい出してしまうようになってきてしまっていて。ずっとずっと長い期間レコーディングをさせていただいたことによって、キャラクターのクセがだんだんついてきて、それが自分にも浸透してきているんです。ただ、個人名義でCDを出させていただくことによって、これからだんだん自分らしい、違った歌いかたというのが生まれてくるのかな、と思いますね。
――ここからまた、自分なりの歌いかたが確立されていくと。
原 そうですね。
――これからソロアーテイストとしてデビューされるわけですけれども、デビュー後にやってみたいことはありますか?
原 今回は切ない系の曲を歌わせていただいたので、わりと明るい曲を歌ってみたいです。個人的に、明るくてポップな曲や、ロックな曲が好きだったりするので、明るい曲を歌ってみたいな、と思っていますね。
――原さんと言えば、某バンドの熱烈なファンですが、そういった曲もいずれは?
原 バンド! っていう感じの曲もぜひ歌いたいですね。
――ゆくゆくはライブなども。
原 やりたい気持ちはありますが、曲数も少ないですし、まずは自分自身、もっともっと訓練を積みたいなと思っています。じつは、ソロデビューのお話が進行するようになってから、初めてボイストレーニングにも通い始めていまして。まだ足りない部分もすごくあるので、もっともっと訓練を積んで、いつかライブもできたらいいなと思っています。
――ちなみに、『HANABI』は『コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯・Hysteric Birthday 2U』のエンディング曲のひとつで、『天ノ紅』は挿入歌となっているとのことですが、原さん自身は『コープスパーティー』はプレイされたことはあるんですか?
原 最初のヤツだけなんですけれど、プレイしました。でも、なかなか難しくて。保健室で幽霊から逃げる場面があるんですけれど、それがぜんぜんできなくて、3ヵ月ぐらい進まないままでした(笑)。
――クリアーはされているんですか?
原 しました!
――ホラーゲームは大丈夫なんですか?
原 怖かったんですけれど、音を小さくしたりして、なるべく明るい昼間にやるとか(笑)、怖くない環境にしてプレイしましたね。
――それでは、最後に読者の皆さんにひと言お願いします。
原 今回『コープスパーティー』のエンディング曲のひとつを担当させていただくことになりました。もともと私もこのゲームをプレイしたことがあるので、自分がプレイしたことのあるゲームのエンディングを担当させていただけるというのはすごくうれしいことですし、ソロデビューということなので、自分自身ドキドキしています。皆さんにいい作品をお届けできるように全力でがんばりたいと思いますので、ぜひぜひ聴いていただけたらうれしいです。よろしくお願いします。
■HANABI
原由実 feat.今井麻美
発売日:2012年8月22日発売予定
価格:1260円[税込]
発売元/販売元:5pb./アニプレックス
【トラックリスト(4トラック収録予定)】
01. HANABI
02. 天ノ紅
03. HANABI - off vocal -
04. 天ノ紅 - off vocal -
【初回特典情報】
告知兼用初回特典B2ポスター