福岡とゲーム産業の未来について、ふたりが真剣に語り合う!
2012年3月18日、福岡県福岡市のアクロス福岡にて開催されているイベント“ゲームファン集まれ! GAME FAN in FUKUOKA”。本イベントにて、福岡市長の高島宗一郎氏と、レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏が“GFFビジョントーク”を行った。
PART.1 GFFの軌跡
福岡のゲーム関連会社が加盟している組織“GFF”は、以前からよく集まって情報交換をしていたレベルファイブ日野社長、ガンバリオン山倉社長、サイバーコネクトツー松山社長が、「ゲーム業界はここ(福岡)にあり!」ということを主張すべく、合同でイベントを行ったことがきっかけで生まれ、現在は福岡にある数多くのゲーム関連企業が加盟している組織。福岡市、九州大学と連携をとり、福岡のゲーム産業を活性化させるべく活動している。
しかし日野氏は、GFF、福岡市、九州大学という産学官の連携による効果はまだまだ出ていないと冷静に述べる。高島氏も、「雇用や税収が増え、民衆の生活に還元されるという結果まで出さなければならない」とシビアな意見。
高島氏は、新しい価値を福岡で作るため、これまでにない規模の予算を通すべく審議中であること、コンテンツ制作で実績のあるクリエイターたちが集う“コンテンツフェスタ”を企画していることなど、市がコンテンツ産業に対し、真剣に取り組んでいることをアピールした。
PART2.ゲーム都市福岡の実現に向けて
日野氏は今回のイベントについて、「これまではクリエイター向けのイベントを行ってきたが、今回はゲームファンのためのイベントにした。福岡にゲーム好きが集まるのが当然になるようにしたい」と語る。また、日野氏は市長に“新天町(※)アキバ化計画”を提案しているとのことで、「東京はどこに行けば何が楽しめるのかがわかりやすい(秋葉原にはゲームやアニメがある)が、福岡はわかりにくい。対策が必要」と、行政がゲームファンが集まる場所を作るべきだと主張。
※新天町……福岡市の商店街
高島氏は、「行政ができるのは旗を上げることで、永遠に支援できるわけではない。その後は、民間企業の皆さんが、「この場所で稼いでいこう」と真剣に取り組んでいかなければ」とまたしてもシビアな意見。だが、反対というわけではなく、「民間企業の皆さんの意見が一致し、新天町をアキバのような場所にしたいということであれば、行政としてはもちろん支援する」と力強く語った。
一般のゲームファンが集まるイベントで、福岡市の未来について行政・民間が意見を交わすというのは、これまでにないことだ。イベントに集まったゲームファンたちには、GFFと福岡市が、いかに真剣にゲーム産業を育てようとしているかが伝わったことだろう。福岡市がどのようにゲーム都市として育っていくのか、これからも目が離せない。
第5回福岡ゲームコンテスト表彰式
本イベントでは、第5回福岡ゲームコンテストの表彰式も行われ、4人の受賞者が登壇した。なお、今回はグランプリにあたる“福岡ゲームフロンティア大賞”は該当者なしとなった。
審査講評を行ったのは、レベルファイブの日野氏。日野氏は「残念ながらグランプリは該当者なしとなりましたが、参加者のレベルは年々上がっています」と語り、「今日ゲストでいらっしゃるゲームクリエイターの皆さんは、ゲームだけでなく、マンガや映画など、さまざまなコンテンツを手掛けています。ゲームをきっかけに、さまざまな分野ではばたいていくクリエイターが育つよう、今後もこのコンテストを続けていきたいと思います」と熱く語った。