イベントコンパニオンさんのプレイ動画もあるよ!

『カーズ』、『トイ・ストーリー』などディズニー/ピクサー映画の世界をKinectで体感! 『Kinect ラッシュ』をひと足先に遊んできました_02

 Xbox 360のKinectが世に出てから早1年以上。同システムは、コントローラを持たずに遊ぶという新たなゲームの体験を我々に提供し、いまやXbox 360を語るうえで外せない存在となった。かく言う記者も『ダンスセントラル』ですっかり魅了され、以来Kinectの新作情報が出るたびに「つぎはどんなゲーム体験が待っているのだろう」と胸を躍らせている。日本マイクロソフトから2012年3月22日に発売が予定されている『Kinect ラッシュ: ディズニー/ピクサー アドベンチャー』(以下、『Kinect ラッシュ』)が発表されたときもそうだった。カリフォルニアにあるディズニーの“ディズニーランド・パーク”をモチーフとした世界を驚愕の完成度でゲーム内に表現し、ゲームとしての楽しさも損なわない『Kinect: ディズニーランド アドベンチャーズ』に続く、ディズニー/ピクサーの冒険の世界をモチーフにしたタイトルということで、それはもうKinectユーザーとして期待しないわけにはいかないのである。そしてこのたび、幸運にも『Kinect ラッシュ』をひと足早く体験させてもらう機会を得た。あくまでどんなアクションがあるのかを体験する機会であり、がっつりとやり込んだわけではないが、わずかな時間のプレイでもひとつだけ確信することができた。Kinectの最先端はこのゲームにある! その理由は後述するとして、まずはタイトルの概要を紹介する。

『カーズ』、『トイ・ストーリー』などディズニー/ピクサー映画の世界をKinectで体感! 『Kinect ラッシュ』をひと足先に遊んできました_01
(C)Disney / Pixar

 『Kinect ラッシュ』はディズニー/ピクサーのCGアニメーション映画「カーズ」、「トイ・ストーリー」、「Mr.インクレディブル」、「カールじいさんの空飛ぶ家」、「レミーのおいしいレストラン」の5作品がモチーフのコンテンツを収録したアクションアドベンチャーゲーム。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』におけるアトラクションの世界を体験できるゲーム性をピクサー映画バージョンにしたもの、と説明すればわかりやすいだろう。ただし本作ではそれぞれの映画の世界をモチーフとしたストーリーが存在しており、ただ映画の世界で遊ぶだけでなく映画の世界をモチーフとした別の物語の展開を楽しむという要素も存在。『Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』はディズニーランド・パーク” というテーマパークで体験できるひとりひとりの夢を思い思いに楽しむというコンセプトのためゲームの進行はプレイヤーの自由に展開するが、その点において『Kinect ラッシュ』はゲームの作りが違うと言える。

 今回の開発中のバージョンでプレイできたのは「カーズ」、「トイ・ストーリー」、「レミーのおいしいレストラン」、「Mr.インクレディブル」の一部と、キャラクター作成。以下にそれぞれのリポートをお届けしよう。なお、今回の体験会にはファミ通.comで連載中のブログ“麻薙智子のイベコンさんはゲームがお好き!”でおなじみの麻薙智子さんも参加していた。今年31歳を迎えるオッサンの言葉だけで本作の魅力を語るのもナニかと思うので、タイトルごとに麻薙さんのプレイ動画も併せてお届けする。オッサンの話に興味がない人はソッチだけ観てもらってもいっこうにかまわない。


<プレイヤーをスキャンして、らくらくアバター作成

『Kinect ラッシュ』では最初に、プレイヤーの分身となるキャラクターを作成することになる。個人的にキャラクター作成での細々とパーツを組み合わせる作業は面倒で好きではないのだが、本作ではそんな思いせずにらくらくと作成が可能だ。最初に性別を選択し、Kinectセンサーのカメラで服の色と表情を読み取ったら、あとは目の色、メガネの有無、髪を結んでいるか結んでいないか、を選択するだけであっという間に完成してしまうのである。時間にして1分程度。キャラクター作成が苦手な自分にとっては、非常にありがたいシステムである。なお、ここで作ったキャラクターは各ゲーム開始前に挟まれるデモシーンでの会話や各映画の世界に登場するキャラクターの仲間となって登場するようだ。

(c) Disney / Pixar ※本映像は開発中のものです。

<『カーズ』はKinect系カーアクションゲームの最高峰!

乗り物たちの友情や冒険のドラマを描く人気シリーズ『カーズ』をゲーム化、となれば当然ジャンルはカーアクションゲームである。今回体験したシナリオは、爆弾が仕掛けられたクルマを追跡して爆弾を解除する……というもので、舞台となるのは「カーズ2」の舞台であった“ワールド・グランプリ in 東京”。シナリオの開始前にはデモシーンが挿入されるのだが、クオリティーは映画そのままと言えるほどで、しかもデモからプレイまでシームレスに展開するため没入感は高い。肝心のカーアクションゲームとしてのデキであるが、個人的にはKinectを利用したカーアクション/レースゲームの中では最高峰であると感じた。操作方法は、両腕を前につき出してアクセル、腕を後ろに引く、あるいは体を反るとブレーキ&バック、ハンドリングは現実のハンドルと同じように両腕をひねるといった(Kinect的に)スタンダードなものを押さえつつ、バラエティーに富んだアクションを用意。たとえば、体を前に傾ければブーストが発生し、急ハンドルを切るとドリフトができ、片足を上げれば片輪走行、ジャンプをすれば車体が跳ね、その状態で腕を横に広げると滑空、エリアによっては腕を胸に引き寄せ前に突き出すとミサイルを放って障害物を破壊することもできるといった具合だ。

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基本操作だけでふつうに走っても問題はないが、これらのプラスαアクションを駆使することでコースを攻略する楽しさが倍増する。目の前の壁をミサイルで破壊して直線コースを作るとともにターボを決め、十分スピードが乗ったところでジャンプ&滑空でショートカットを決めたときなどは、圧倒的な高揚感に包まれるとともに、“攻略してやった感”を得ることができるだろう。また、前述のようなテクニックの組み合わせを見つける楽しさ、というのは従来までのKinect系カーアクション/レースゲームにはなかったものだと思う。そのような点において、記者は個人的に本作をKinect系カーアクションゲームの最高峰と位置づけるのである。話がまわりくどくなったのでひと言でまとめると、つまりは「遊んでいて気持ちいい!」です。

(c) Disney / Pixar ※本映像は開発中のものです。

<キャラクターを動かすだけで楽しい『トイ・ストーリー』

CGアニメーション映画のパイオニアとも言える『トイ・ストーリー』では、プレイヤーはウッディの仲間であるロボットのおもちゃとなり大冒険をくり広げることになる。今回のバージョンで体験できたのは、女の子 (ボニー) のもとに遠くから飛行機で遊びに来たおばあちゃんを空港へ迎えに行くときに、女の子のリュックから落ちてしまったぬいぐるみ“ミスター・プリックルパンツ”とともに、女の子を追いかけるというもので、舞台は「トイ・ストーリー3」の舞台であったサニーサイド保育園の庭。操作方法は“これぞ直感的”と言うにふさわしいものだ。前後に腕を振りながら走れば(腕を振るだけでもOK)プレイヤーの分身であるロボットも走り、ジャンプをすれば飛び跳ねてくれる。ステージ内には持ちあげることが可能なオブジェもあり、操作方法はオブジェの前に立ってそれを両手で持ちあげればいいのだ。また、先へ進むためにはパズル的な要素を解く必要があり(電池を持ち上げて仲間に渡し、機械を動かすなど)、さらにゴールへのルートは複数存在する。

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この『トイ・ストーリー』の世界は、動かしているだけでとにかく楽しい。とくに、腕を振って動かすという操作はキャラクターとの一体感を高めてくれので、前を行く“ウッディ”から「こっちだぞ」的なことを言われると、「オッケー!」なんて(心の中で)答えつつ思わず腕の振りにも力が入ってしまうのである。ステージ内のギミックを見つけるのも楽しい。前方の的に向けて腕を伸ばすと、プレイヤーの分身であるロボットは照準となるレーザーが現れ、的にむかって背中に背負ったミサイルを発射し、細い足場に飛び乗るとスノボーゲームのようなグラインドをキメ、上空にロープが貼られた場所ではそれを両手で掴んで滑り降りるなんてこともできてしまう。このようにアクションは豊富だが、操作で迷うことはまずない。アクションが必要な場所で操作アイコンが現れ、Kinectセンサーの前で、表現したいアクション通りに体を動かせばいいだけなのだから。

(c) Disney / Pixar ※本映像は開発中のものです。

<泳ぐアクションが地味にスゴイと思った『レミーのおいしいレストラン』

フランス料理を得意とするネズミが主人公の『レミーのおいしいレストラン』。今回の体験では残念ながらその腕前を見ることはできなかったが(そもそもプレイヤーはレミーではないんだけど)、意外な特技を発見することができた。水泳である。操作は平泳ぎの要領で腕をかくというもので、下に向けて腕をかくと潜り、逆に上へ向かってかくと上昇するのだ。「当たり前じゃない?」と思う人もいるかもしれないが、そんな細かな動作もしっかりと探知してくれることに、記者は非常に驚いたのである。

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そのほかの操作方法はさきほど紹介した『トイ・ストーリー』とほぼ同じ。つまり、こちらも動かしているだけで非常に楽しい。加えて、ネズミのモフモフ具合がよく表現されており、個人的にその可愛さにすっかり魅了されてしまった。また、下水道のジメジメとした暗い雰囲気もよく表現されており、ついついいろいろなところを探検したくなる仕上がりだ。あとは、個人的に料理に関連するシーンがあるのかどうかが気になるところ。

(c) Disney / Pixar ※本映像は開発中のものです。

<『Mr.インクレディブル』で超人的アクションに酔いしれる

スーパーヒーローの超人的アクションを堪能したいなら『Mr.インクレディブル』がオススメ。こちらも操作方法は『トイ・ストーリー』、『レミーのおいしいレストラン』と同じタイプとなっているが、主人公はスーパーヒーローなので表現はだいぶ違う仕上がりとなっている。まずジャンプの高さが違う。障害物を颯爽と飛び越え、小さな足場をピョンピョンと飛び移っていく姿はじつに頼もしい。パワーも段違いだ。巨大な岩石を軽々と持ち上げ、ぶん投げたあとなどは、思わずマッチョポーズを決めたくなるだろう。しかし、超人的な跳躍力、腕力は見られたものの“これぞ!”という必殺技は確認できなかった。マップ内には炎が行く手を阻んでいるエリアがあったので、そこで何かしらのパワーを発揮できそうな気もするのだが……。話が進行すれば使えるようになるのか、それとも記者が見逃していただけなのか、いずれにせよ製品版で遊ぶのが楽しみである。

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(c) Disney / Pixar ※本映像は開発中のものです。

 
 以上、『Kinect ラッシュ』のプレイリポートをさらっと紹介してみた。本記事の冒頭で“Kinectの最先端はこのゲームにある!”などと非常にカッコイイことを言ってみたが、ここまでの内容だけでは「どこが?」と思っている人がほとんどだと思う。というのも、これは文章でお伝えするのが非常に難しくて、何というか、うまい言葉が見つからないのですが……、要するにKinectの感度がいいのである。とくに『カーズ』を遊んでいるときに実感したのだが、細かなハンドリング、微妙なブレーキング、そして流れるように組み合わすことができるテクニックなど、プレイしていると「そんなにちゃんと認識してくれちゃうの!?」と驚きっぱなしであった。あくまで個人の感覚だが、Kinectのロンチのころと比較してみると、『Kinect ラッシュ』を遊んでいるときのストレスのなさは“Kinectセンサー自体の進化”を実感できる。まあ、そんな小難しいことを考えなくとも、あのディズニー/ピクサー映画の世界に入れるというだけで、ファンは遊ぶ価値アリである。もちろんKinectファンの皆様も、以上のような理由から一度は遊んでおいたほうがいいと思います。

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▲『カールじいさんの空飛ぶ家』の世界も早く遊んでみたいです。