乱世の幕開けまで、あと約2ヵ月! 期待高まる完成披露会
2012年1月19日、東京・六本木のグランドハイアット東京にて、『ポケモン+(プラス)ノブナガの野望』完成披露会が行われた。
ポケモンの『ポケットモンスター』シリーズと、コーエーテクモゲームスの『信長の野望』シリーズが夢のコラボレーションを果たしたニンテンドーDS用ソフト『ポケモン+(プラス)ノブナガの野望』(2012年3月17日発売予定)。昨年開催されたジャンプフェスタ2012(リポート記事はこちら)にて電撃発表され、世間を騒がせたことは記憶に新しい。
最初に登壇したのは、ポケモンの石原恒和代表取締役社長と、コーエーテクモゲームスの襟川陽一代表取締役社長。襟川氏は、今回のコラボレーションが実現に至った経緯について、「ポケモンの石原社長とは、いろいろな場所でお会いしてゲーム談議をよくしていたのですが、なんと石原さんは『信長の野望』のファンとのことで。私は『ポケモン』のファンでしたので、いつかいっしょに何かやりたい、と前々から考えていたのですが、ついに3年ほど前、実現に向けて動くことになったんです」と語った。一方、石原氏は、「コーエーテクモゲームスさんには『無双』などさまざまな人気シリーズがありますが、シブサワ・コウさんとコラボレーションするなら、もう『信長の野望』しかない! と思っていました」と、『信長の野望』への熱い思いを口にした。
ここで、本作のプロデューサーを務める、コーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏がトークに参加。開発チームの編成について聞かれると、鯉沼氏は「ポケモンが好き」、「シミュレーションゲームに携わった経験がある」というふたつのポイントに絞ってスタッフを集めたと述べた。
ポケモンと戦国時代という組み合わせについての話では、石原氏は「戦国というよりも、まったく新しいファンタジーの世界として捉えている」とコメント。襟川氏も、「戦国時代というのは現代の人にとっては一種のファンタジーですので、架空の世界で武将が戦うのもいいなと考えました」と語った。加えて、「『ポケモン』における各地のジムリーダーとの戦いを勝ち抜いていく過程と、『信長の野望』で敵武将を戦う過程には共通点があると考えています」と、『ポケモン』と『信長の野望』に親和性があることをアピールした。
トークセッションの後は、実機によるデモプレイ(本邦初!)の公開。披露されたのは、カエンの国(ほのおポケモンが多い)に所属するプレイヤーが、アオバの国(くさポケモンが多い)のモトナリ軍に戦いを挑むというシチュエーション。
勝利条件は“イクサ”(バトル)によって異なり、このイクサでは、3ヵ所にある旗を自陣のものとする必要があるとのこと。デモプレイでは、マップに仕掛けられたギミック(伸びるつるくさ)を利用し、敵軍が旗に向かって進む場面が公開されたが、このほかにも各マップにはさまざまなギミックが用意されているとのことだ。
続いては、ユーザーから寄せられた質問に答えるコーナー。
――おなじみの内政や外交などはありますか?
襟川 エッセンスは入っています。たとえば、フリーのブショーを採用・育成したり、ほかの国に派遣したり……あるいは、城下町の中にさまざまな施設があるので、それらを強化したり。このように、歴史シミュレーションらしい要素もありますので、お楽しみください。
――ランセ地方の17の国が舞台とのことですが、『戦国無双』シリーズには40人以上の武将がいますよね。リストラ組はいるんでしょうか。孫市が心配です……
鯉沼 まだ公開していない要素がいろいろあるのですが……とりあえず、孫市の姿はゲーム中で見たことがあるので、ご安心ください(笑)。
――このゲームは子ども向けではないのでしょうか? 私は13歳なのですが……。
石原 序盤でシミュレーションゲームの遊びかたを学んでいただきたいと思っています。本作の世界にカンタンに入り込んで遊んでいただけるようになっていますし、プレイを続けていただけると、さらに遊び方が広がります。けっして難しくないのでご安心ください。
――ブショーとポケモンの組み合わせはどうやって決めたのですか?
石原 開発のミーティングでもっとも盛り上がったのが、「どのブショーとポケモンを組み合わせるのがいいか?」という議題でした。「秀吉にはヒコザルだろうか? いや、モウカザルでは?」といった。ずっとその話ばかりして、何も決まらなかったりするものですから、たいへんでしたが(笑)。「なるほど」とみんなが思えるようなポケモンとブショーの組み合わせを考えました。
また、本作の初回限定特典が、ポケモンカードゲームBWのオリジナルカード“ノブナガの黒いレックウザ”に決定したことも明らかになったほか、『ポケモン+(プラス)ノブナガの野望』のグッズ展開についても明らかに。グッズはすべて、ソフトと同じ2012年3月17日に発売。下記で紹介しているフィギュアのほか、根付ストラップ(全4種・各650円[税込])、和紙風メモ(全4種・各400円[税込])、てぬぐいハンカチ(全2種・各650円[税込])、miniクッション(全3種・各1200円[税込])、タンブラー(1200円[税込])、A4ダブルポケットクリアファイル(4種・各400円[税込])、シール(2種・各500円[税込])、ポストカードファイル(600円[税込])、コレクションポストカードセット(2種・各800円[税込])、てぬぐい地の巾着(700円[税込])が発売予定。
※“miniクッション”と“タンブラー”は、ポケモンセンターのみの販売になります。
グッズ紹介が終わると、スタッフによるトークショーはいよいよエンディングへ。最後に、石原氏は「異例のコラボレーションと言われているのですが、僕としては、正統な、みんなが楽しめるゲームができたと思っているので、ぜひ楽しんでいただければと思います」、襟川氏は「ポケモンファンの方にも、シミュレーションゲームは初めてという方にも、ベテランのシミュレーションゲームファンにも楽しんでいただけるように作りました。通信対戦機能もありますので、親子や友だちどうしで楽しんでいただければと思います」、鯉沼氏は「最初このタイトルについて、皆さん「なんだろう!?」と驚かれたと思いますが、遊びやすい、初めてのシミュレーションゲームにもぴったりな作品になっています。内容もポケモンにマッチしたものになっているので、ぜひ遊んでください」とメッセージを述べた。
……と、エンディングを迎えたと思いきや、石原氏が「最初、シブサワ・コウさんがこの発表会にコスプレをして出たいっておっしゃったんですよ。僕はノブナガの甲冑を着るから、石原さんはピカチュウで、って(笑)。ピカチュウはおかしくないですか、と言ったら、主人公の甲冑を作るからどうだ、と言われたのですが、ポケモンの社長が甲冑を着るのもヘンですよね? コスプレをするなら、もっとほかに皆さんに喜んでいただける方がいらっしゃるはずですから……」と裏話を暴露。“皆さんに喜んでいただける方”とは誰か? そう、今回のスペシャルゲスト、アッキーナこと南明奈のことだったのだ!
というわけで、続いて登場したのは、オイチのコスプレをして登場したアッキーナ。『ポケモン』シリーズは小学校のころからずっとプレイしており、ピカチュウが好きで「ピーちゃん」というあだ名が付いていたほどだという。
しかしそんなアッキーナ、自分と相性のいい“ベストリンクポケモン”はどのポケモン? と問われると、「迷いますけどフリーザーかなぁ。強いし、きれいだし、かっこよさもあるし」と、ピカチュウではなくフリーザーを挙げた。
また、『信長の野望』はプレイしたことはないが、『戦国無双』シリーズは大好きだという。好みの武将を聞かれたアッキーナは、真田幸村と加藤清正のふたりを挙げていた。やはりビジュアルに惹かれるようで、「ふたりともすごく男らしい。見た目も好きだし。にやにやしながらプレイしちゃいます」と語った。
また、『信長の野望』ならぬ“アッキーナの野望”についても言及。「結婚願望は?」と問われると、アッキーナは「最近、結婚願望じゃなくて結婚式願望が強いんだということに気付いたんです。結婚自体は、まだ自分には早いと思いますけど、結婚式を見ると、「いいなぁ」と思います」と答えた。
アッキーナのトークの後は、再び開発スタッフが登壇し、質疑応答が行われた。
――本作のプレイ時間はどのくらいでしょうか?
''鯉沼 メインエピソードが20時間ぐらい。それが終わると、フリーシナリオが、それらを含めると200時間は遊べます。
襟川 手ごたえがありますよ。
――「コラボレーションをしよう」とお声をかけたのは、どちらですか?
襟川 私から石原さんにお話しました。
――主人公以外の国でプレイをすることは可能ですか?
鯉沼 可能になっています。
――ニンテンドー3DSではなく、ニンテンドーDSで発売する理由を教えてください。
石原 『ポケモン』ユーザーの皆さんがいちばん親しんでいるハードはニンテンドーDSだと思いましたので。
襟川 開発がニンテンドー3DSが発売されるよりも前、いまから3年前にスタートしていたというのもあります。
――この試みがうまくいったら、また新しいコラボがあるのでしょうか?
石原 あまり先走らないでください(笑)。可能性はありますが、まずはこの作品をしっかり成功させたいと思います。
――ポケモンの登場数はどのくらいですか?
石原 200以上です。すべてのポケモンが出るわけではないのですが、非常に多くのポケモンが出ます。
発売日まであと約2ヵ月と迫った『ポケモン+(プラス)ノブナガの野望』。どんなブショーが登場するのか、どんなイクサが待ち受けているのか……今後の発表を楽しみに待とう。