いよいよ体験版が配信!
ガンホー・オンライン・エンターテイメントから2012年2月2日発売予定のPlayStation Vita用ソフト『ラグナロク オデッセイ』。本作は、PCのオンラインRPG『ラグナロクオンライン』をベースにスピンアウトされた3Dアクションゲームだ。ハイスピードなアクションに加え、ジャンプや空中ステップを駆使した巨人との空中戦が楽しめる。今回は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント本社にて、2012年1月19日より配信予定の体験版の試遊と開発スタッフへのインタビューを敢行した。まずは、スクリーンショットとともに体験版の内容を紹介しよう。
キャラクタークリエイト
体験版をスタートすると、まず最初にプレイヤーキャラクターを作成することになる。体験版では、名前や性別のほか、顔タイプやボイスなど、製品版同様のカスタマイズ項目を使ってキャラクターを作ることができる。ちなみに、職業は攻守にバランスの取れた“ソードウォーリア”、スピード型の“アサシン”、回復魔法を使える“クレリック”の3つが選択可能だ。
クエスト出発への準備
キャラクタークリエイトを終えると、拠点や宿舎(マイルーム)で戦闘の準備を整えることになる。マイルームでは装備の変更が行えるほか、チュートリアルで基本操作を学ぶこともできるぞ。拠点のカウンターではカードは購入できないものの、HP回復など、さまざまな効果を持つポーションの購入が可能となっていた。装備を整えてクエスト出発への準備ができたら、カウンターのカプラに話しかけてミッションを受注しよう。
複数のクエストに挑戦
今回の試遊では、大量のオークが出現するクエスト、巨大なボス“オークキング”と1対1の戦いをくり広げるクエスト、多数のザコ敵とともに登場するボス“スコル”と戦うクエストを遊ぶことができた。各クエストを試遊した際のスクリーンショットを紹介するぞ。
開発スタッフインタビュー
本作のプロデューサーであるガンホー・オンライン・エンターテイメントの社長、森下一喜氏と、開発ディレクターを勤めるゲームアーツの入江和宏氏が本作に対するアツい思いと、今後の展開について語ってくれたぞ。
――プロジェクト立ち上げの経緯はどういったものだったのでしょうか?
森下 以前、韓国で開発されているPC向けオンラインRPG『ラグナロクオンライン2』を見せてもらった際に、キャラクターが3Dグラフィックでものすごくキレイに作られていたんです。それを見たときに、「これだけのクオリティーならアクションゲームとしてキャラクターを自分で操作できたら楽しいんじゃないか?」と思ったのがきっかけです。ちょうど、ゲームアーツがつぎのプロジェクトに取り組もうという時期だったので、企画はすぐに動き出しました。
――開発はどういったコンセプトで進められていったのでしょうか?
森下 『ラグナロクオンライン』のスピンオフ作品として、完全にアクションにフォーカスしたタイトルに仕上るように開発を進めていきました。『ラグナロクオンライン』のパラレルワールドとして、『ラグナロク』ブランドを広げていくこともひとつの目的としてありますが、『ラグナロクオンライン』を遊んだことのあるユーザーはもちろん、『ラグナロクオンライン』をプレイしたことのないユーザーであっても、すんなり入ってもらえるような作品にしたいと考えていました。アクションゲームとしてのポイントは、いままでに体感したことのないアクションゲーム。“巨人との戦い”にフィーチャーをおいて開発を進めました。
――企画は最初から巨人との戦いがありきで進められていたのでしょうか?
入江 いえ、最初は『ラグナロクオンライン』の世界観(テイスト)をフィーチャーしたアクションゲームということでオーダーをもらいました。アクションゲームである以上、操作感だとか爽快感のクオリティーをあげるというものは前提としてありましたが、やはりマルチプレイアクションを作るのであれば、尖っている部分、つまり従来のアクションゲームでは体感したことのない要素を盛り込もうと。
――そこで出てきたのが、巨人との空中戦ですか?
入江 はい。巨大な敵と空中戦。つまり縦軸を使っての戦いという要素は、まだほかのアクションゲームにはないだろうと。ちなみに、北欧神話の中で人間の敵というと巨人族なので、それをモチーフにして開発を進めました。それで最初にできあがったのが身長が40メートルくらいあるフルングニルという巨人でした。
――最初にフルングニルが公開されたときは、インパクトがありましたね。
入江 ありがとうございます。そういった巨人相手に戦う空中戦を作るのは苦労しましたね。
――森下さんがプロトタイプを触ったときの印象はどうでしたか?
森下 もともと自分がアクションゲームですごく遊んでいることもあってか、『ラグナロクオンライン』でアクションをやったらこうなるよね、とアクションゲームとして違和感なく受け入れられる形になっていました。とはいえ、やっぱりメインは巨人との空中戦にあるので、ここをどうやっておもしろいものにするのか? という部分は何度も議論を交わしながら開発を進めていきましたよ。「つまらない」と言って作り直させたこともありましたし。
入江 そうですね。きびしい言葉をもらったこともありました(笑)。手触り感が大切だと思ったので、社内でいろいろな人の意見を聞きながら仕上げていきました。
――空中戦を作るうえで苦労したところは?
入江 空中に浮かぶという要素は、ほかのゲームにはない感覚なので、空中で動く仕込みをいかに簡単な操作で再現するのか、プレイヤーが空中にいる自分の位置や視界をどれだけ把握しながら動かせるのか、という体感部分の調整に苦労しました。
――少し遊ばせていただきましたが、浮遊感がすごく出ていました。
入江 ありがとうございます。落下速度などをリアルに突き詰めていくと、操作が忙しくなってしまうので、空中でのポジション取りがうまくできるように、空中に浮かんでいるのが楽しいように仕上がっていると思いますよ。
――従来のアクションゲームでは体験したことのない感覚でした。
入江 ビューンと、勢いよく飛ぶのとはまた違った感じにしてあります。それでは、操作が難しくなってしまいますから。最終的にはいちばんいい形に落としこめたかなと。
森下 マルチプレイでみんなで空中戦を行っているところは、見ているだけでも楽しいはずです。
入江 開発の初期段階では、巨人との戦いと言っても「足下を攻撃するだけになっちゃうんじゃないの?」とよく言われたこともありました。作るまでまってくれと(笑)。
森下 誰も体感したことないから、イメージがわからないんですよ。企画の仕様を聞くだけでは「それっておもしろいの?」と、まったく判断することができなかったのですが、実際に体感してみたら「なるほど~」と実感できました。
――言葉ではイメージが伝わりにくい部分がありますよね。
森下 そうなんですよ。だから公式サイトなどで動画を公開してからはユーザーの反響も大きくなってきたので、幅広いユーザーの皆様に遊んでもらえる手応えはあります。
――なるほど。幅広いユーザーに遊んでもらえるように工夫した点はありますか?
入江 あまりに操作が複雑だとユーザーの皆様が混乱すると思いましたので、操作をどれだけシンプルにできるかということに注意しました。アクションゲームは、RPGと違ってプレイヤースキルも要求されてくるので、それを初心者の人に最初から求めると戸惑ってしまうと思うんです。だからクエスト内容もプレイヤースキルを少しずつ積み上げていけるように、簡単なルールやアクションから始めて、少しずつスキルを磨けるように配慮してあります。もちろん、初心者向けというだけではなく、コアなユーザー様がやり込める要素も散りばめてありますよ。
森下 アイテムのコレクション要素はもちろんですが、カードを使ったキャラクター強化など、カスタマイズシステムも充実しています。そういった意味では、アクションゲームでありながら、キャラクターを成長させていくRPG的要素も楽しめると思いますよ。
――本作は、衣装に防御力は設定されておらず、衣装にカードを装着することでキャラクターを強化できるので、衣装は性能にこだわらずに好きなものが選べますよね。
入江 そうですね。「好きな衣装なんだけど、性能は弱いよね」。という理由で好きな衣装を使わなくなってしまうのが残念なので、カードによる強化システムを入れました。衣装は好みのものを装備したほうが楽しみが増えるかなと。
――『ラグナロクオンライン』には、多くの職業が存在していると思うのですが、本作に登場する職業を6つにした理由は?
森下 ラグナロクオンラインでは、一次職、二次職、三次職とたくさん職業があるんですが、同じ系統の職業はアクションの挙動が似ている部分がありますので、それらをうまくまとめて現在の6職業に落とし込みました。たとえば、ソードウォーリアを例に取ると、『ラグナロクオンライン』ではソードマンというのですが、二次職や三次職の要素も組み込んで、特性を活かした形に仕上げてあります。
入江 そうですね。アクションゲームに落とし込むということで、『ラグナロクオンライン』の世界観(テイスト)を崩さずにパラレルワールドを構築するうえでは、職業についても新解釈が必要だろうと考えたうえで、丸々同じものを持ってくるのではなく、現在の6職業に絞込んで要素を凝縮しました。
森下 『ラグナロクオンライン』の世界観(テイスト)をフィーチャーしてはいますが、ひとつの完全オリジナル作品として捉えてもらうのがいちばんいいと思います。
――ちなみに、開発スタッフオススメの職業はありますか?
入江 ベーシックという意味ではソードウォーリアだと思います。そこで基本操作を覚えてもらって、あとは自分に合う職業で遊んでいただければ。製品版では転職が自由に行えますので、あまり悩まずにまんべんなく遊んでみて、その中でいちばん気に入った職業を使ってもらうのがいいのかなと。
森下 そうですね。操作感がいちばんしっくりくる職業を使うといいんじゃないでしょうか? 個人的には手数が多くてスピードのあるアサシンが好きです。オススメとかではなく、「好きです」になっちゃうんですけど(笑)。
――アサシンを優遇して作ってあるとか!?
森下 それは絶対ないので安心してください(笑)。
入江 バランス調整を行っている開発チームでさえも、強いと思う職業がわかれるくらいバランスは取れているので、どの職業でもいけるはずです。
――ちなみに、入江さんはどの職業が好きですか?
入江 アサシンです(笑)。攻撃を当てると画面にダメージが表示されるんですが、アサシンは手数が多いから“ポンポン”とダメージ表示が出るので楽しいんですよ。
――バトルの話しが出ましたが、一定時間パワーアップする“ダーインスレイヴ”というシステムも搭載されていますね。
入江 ダーインスレイヴは、一定時間パワーアップするうえに敵を攻撃するとHPが回復するんですけれど、何もしていないとHPが減っていくというシステムです。搭載した経緯としては、やっぱりボーナスタイムみたいなものがあったほうがいいかなと。
――HPが減ってしまうというのは斬新ですよね。
入江 ただのボーナスタイムでは緊張感がないので、HPが減っていくようにしたんです。ピンチになったらとりあえず発動しておけばなんとかなるという形ではなく、使いどころも考えて欲しかったので、デメリットもつけました。ちなみに、ダーインスレイヴという名称は、北欧神話に出てくる魔剣の名前を冠としてつけさせていただきました。
――なるほど。使いどころを間違えるとHPが0になってしまうんですね。
入江 いえ、発動中にアイコンをタッチするか、HPが少なくなれば効果が切れます。そのため、回避的に使ってすぐに効果を中断するといった使いかたができますよ。基本的には、ザコがたくさんいるときなど、敵をたくさん攻撃できるシチュエーションで使うのがいちばん効果的だと思います。
――ちなみに、アップデートによる機能の追加やダウンロードコンテンツを配信する予定はありますか?
森下 ユーザー様には本作を長く遊んでいただきたいので、オンラインゲームと同じで飽きさせないためにも定期的なアップデートやダウンロードコンテンツの配信は行いたいと考えています。
――遠距離のユーザーどうしがマルチプレイを楽しめるように、オンラインへの対応はあるのでしょうか?
森下 本作をプレイしていただくうえで、マルチプレイの楽しさを知って欲しいという思いもありますので、ソフト発売時点ではオンラインへは対応していませんが、なるべく早い時期にアップデートで対応できるようにしたいと考えています。新ハードということもあるので、キチっとしたテストを行って万全な体制を整えてから対応したいと思います。
――タイムアタックの大会など、イベントの開催は考えていますか?
森下 ガンホーはイベントに力を入れている会社ということもあり、イベントの開催は当然考えています。まずは毎年開催させていただいている『ラグナロクオンライン』のイベント“RJC”というイベント内で、何かできればと考えています。そこまでに、マルチプレイを促進するだけではなくて、こういう遊びかたもあるというものを提示していければと思います。その集大成という形で大会を開ければいいなと。
――コアなゲーマーにとっては大会という目標があれば、モチベーションがあがるだろうし、ライトな人もうまい人のプレイを見るのは楽しいですからね。
森下 そうですね。それに、イベント会場などのファンの集まる場所に来ていただければ友だちを増やすこともできますし、イベントについてはぜひ期待してください。
――それでは最後に読者へのメッセージをお願いします。
入江 マルチプレイアクションゲームがいくつも登場している中でも、異色の作品として新しい方向性を築こうと開発を進めてまいりました。その結果を出せたと自信を持っています。ぜひ一度遊んでいただけたらうれしいですね。
森下 ちょうど2012年で『ラグナロクオンライン』が10周年を迎えるのですが、本作は10周年記念作品として送り出しても恥ずかしくないものに仕上がっている自信があります。『ラグナロクオンライン』を遊んだことのある人も、そうでない人も楽しんでいただける内容になっていますし、いままでのアクションゲームでは体感できなかった要素もありますので、ぜひ友だちを誘ってマルチプレイで遊んでください。
ラグナロク オデッセイ
メーカー | ガンホー・オンライン・エンターテイメント |
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対応機種 | PSVPlayStation Vita |
発売日 | 2012年2月2日発売予定 |
価格 | 5985円[税込] |
ジャンル | アクション / ハンティング |
備考 | PS Store ダウンロード版は4800円[税込]、開発:ゲームアーツ、音楽:谷岡久美、 CGムービー:ロボット、CGムービーディレクター:岩本晶 |