高橋徹氏、岩本けい氏のコメントもお届け

いよいよ日本発売! 『ザ・エルダースクロールズV:スカイリム』発売記念パーティーが開催_01
▲開会の挨拶を行った、プロデューサーの岩本けい氏。

 海外では2011年11月11日発売され、高い評価とともに記録的な売れ行きを見せているベセスダ・ソフトワークスの『The Elder Scrolls V: Skyrim(ザ エルダースクロールズ V: スカイリム)』(プレイステーション3、Xbox 360、PC)。その日本版が、いよいよ2011年12月8日に発売となる。これを記念して、12月6日に発売記念パーティーが開催。多数の関係者を招いて、本作の日本発売を盛大に祝した。

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▲パーティーの途中では、さまざまなダンサーによるステージも実施され、会場を盛り上げた。

 パーティーにはもちろん、日本版『スカイリム』でプロデューサーを務めた岩本けい氏、そしてゼニマックス・アジアのゼネラル マネージャーである高橋徹氏も出席。会場で、両氏に発売を迎えた感想などを聞いた。


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<岩本けい氏コメント>
――いよいよ発売ですが、いまのお気持ちをお願いします。
岩本けい氏(以下、岩本) ほっとしているという気持ちがいちばんですね。本当に、無事発売を迎えられてよかったです。

――海外版の発売から約1ヵ月での発売ですね。ローカライズはかなりたいへんでしたか?
岩本 めちゃくちゃたいへんでしたね! 動き始めたのは5月くらいで、最初の段階はプラニング、そして6月末から実際の作業に入りました。超特急作業ですよ(笑)。

――前作に当たる『ザ エルダースクロールズ IV:オブリビオン』(日本ではスパイクから発売)は字幕表示でしたが、今回は音声もフルローカライズされています。
岩本 『オブリビオン』は約60万ワード、『フォールアウト 3』が約70万ワード、『フォールアウト:ニュー・ベガス』が約75万ワードありました。そして、『スカイリム』は120万ワードで、前作のほぼ倍というわけです。収録はひと月半くらいをかけて、4つのスタジオを同時に動かしてなんとか終わりましたね。

――かなり気合の入ったローカライズになっていますね。
岩本 遠くで話している人々のセリフまで、すべて日本語音声化されていますからね。ローカライズされていないのはオープニング画面の“PRESS START”くらいですよ(笑)。

――シリーズファンは間違いなく注目しているであろう本作ですが、『エルダースクロールズ』シリーズ未体験の人にアピールしたいポイントなどはありますか?
岩本 まずですね、ファンタジーとして王道中の王道という点。剣と魔法があって、さらに今回はドラゴンまでいます。いまの時代って、純粋なファンタジー作品って意外とないじゃないですか。でも、『スカイリム』はファンタジーど真ん中。『ロート オブ ザリング』のようなファンタジー世界を楽しみたい人には、ぜひ手に取ってもらいたいですね。もうひとつ伝えておきたいのは、本作のウリである自由度の高さ。自分の行動すべてが、ゲームの世界に反映される楽しさを実感してもらいたいですね。

――前作『オブリビオン』では成長要素に関して若干……。
岩本 めんどうなところがありましたよねぇ(笑)。本作では育成方法について一度見直していて、いい意味で簡略化されていると思います。それができたのは『フォールアウト3』というタイトルがあったからでしょう。あの作品は育成に関して無駄を削ぎ落とすようにして、そこで得たノウハウを反映、凝縮させたのが『スカイリム』だと考えています。とは言え、前作『オブリビオン』をハードコアに遊んだ人でもやりがいがあるシステムになっているので、ぜひやり込んでもらえるとうれしいですね。

――こんな質問は野暮かと思いますが……プレイ時間はどれくらいに?
岩本 ふつうに遊んでも300時間は遊べるでしょう。もちろん、遊びかた次第で時間はかなり上下します。たとえば縛りプレイをやるようになれば、もうそれこそ終わりが見えませんよ。1年以上は遊べるんじゃないですかね……。

――今回のローカライズを自己採点するとしたら、10点満点中何点になるでしょうか?
岩本 うーーーん……8.5点。

――その理由は?
岩本 具体的にダメなところがあるわけではないのですが、まだまだやれることがあると思うんです。もっと上を目指そう、という意気込みを含めてこの点数になりますね。

――ちなみに、『スカイリム』ではダウンロードコンテンツの配信は予定されていますか。
岩本 配信を行うということはすでに発表していますが、具体的な話はまだ出ていません。まあ、規模は大きくなるでしょう。『フォールアウト』シリーズのダウンロードコンテンツと同じか、それ以上に。

――もちろん日本でも展開をやられますよね。
岩本 当然です! ぜひ楽しみにしていてください。 


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<高橋徹氏コメント>
――いよいよ発売ですが、いまのお気持ちをお願いします。
高橋徹氏(以下、高橋) 本当に発売日がきちんと守れてよかったです(笑)。

――かなりぎりぎりまで作業をされていたんですか?
高橋 まあ、発売に間に合わないというほどではなかったんですけども、かなりのボリュームがある作品ですからね。スタッフは本当にがんばってくれて、おかげで海外発売から約1ヵ月で出すことができました。徐々に海外との発売日を縮めることを目指しているなか、これだけのボリュームがある作品をしっかりと出すことができて、本当によかったです。

――ベセスダ・ソフトワークスのタイトルは毎回、海外版と発売が近いですよね。どういった態勢でローカライズを行なっているのでしょうか?
高橋 社内タイトルだから早いというもありますが、やはり最後は気合です(笑)。『スカイリム』は約120万ワードもあるわけですから、冷静に考えれば約1ヵ月遅れのタイミングなんて不可能に近いスケジュールです。しかし我々は「この日に売るんだ」と最初に決めてしまうので、もうやるしかないんです。

――今回ローカライズするうえでいちばんたいへんだったことは何ですか?
高橋 時間との勝負ですかね。翻訳だけでなくボイスもあって、声優は60数名を使い、4つのスタジオをフルに使用して……と、とにかく間に合わせるために全力を出しました。本来であればプロデューサーが作業量から逆算して発売日を決めるわけですが、僕がそれをまったく無視して「ここで売ります!」と発表しちゃいましたから(笑)。くり返しになりますが、気合でやるしかないですよ。あとは、クリスマスシーズンに出せるか出せないか、年を越すか越さないかも重要でした。年内に発売できて本当によかったと思います。

――声優が60数人というのは驚きでした。『フォールアウト3』ではその半分くらいでしたよね。音声のローカライズは今後さらに力を入れていくのでしょうか。
高橋 これだけのボリュームがある作品を、字幕で読み物として遊ぶのは正直ツライと思います。そういった事情を省みて、ベセスダ・ソフトワークスは設立当初からRPGはすべて日本語音声で出すと決めていました。あとはやはり、英語圏のユーザーと同じ条件――言葉を耳で聞いて遊べることが、ユーザーはいちばん幸せだと思う。音声ローカライズはたしかにスケジュール的にたいへんです。しかし我々は“できるできないで”考えるのではなく、“できるべき”という“べき論”で開発をするようにしているんです。

――さきほど岩本さんにも同じ質問をしたのですが、今回のローカライズを自己採点するとしたら、10点満点中何点になるでしょうか? ちなみに、岩本さんは8.5点とおっしゃっていました。
高橋 スタッフはすごいがんばったと思うし、僕が業界に入って初めて海外タイトルのローカライズを手掛けたころと比べれば、スピード、質ともにだいぶよくなりました。しかし、自己採点となると……岩本が8.5点と言うならば、僕は6.5点くらいですかね(笑)。

――意外ときびしい点を付けられましたね。
高橋 自分のことを「よくやった」と褒めるのは簡単ですけど、そこはやはりきびしく採点しなければ伸びがありませんから。あとは、ユーザー様の立場に立てば(海外版と)同日発売、フルローカライズ、音声切り替え可能が理想でしょう。それらができて初めて、10点満点になるというわけです。とは言っても、『スカイリム』はすごくがんばりましたから、安心して遊んでくださいね。

――最後に、本作の発売を待つファンに向けてひと言お願いします。
高橋 スタッフも非常にがんばってローカライズをしましたし、ゲームの内容としては世界中で絶賛されているので自信を持って出せるものであると思っています。ぜひお楽しみください!