DREAMS COME TRUE 中村正人:『ソニック ジェネレーションズ 青の冒険/白の時空』【週刊ファミ通Face完全版】

週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、DREAMS COME TRUEの中村正人さんです。

 週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、DREAMS COME TRUEの中村正人さんです。

今週のお題
ソニック ジェネレーションズ 青の冒険
ニンテンドー3DS セガ
2011年12月1日発売予定 5229円[税込]

ソニック生誕20周年記念タイトル。これまでのシリーズ作品から、名ステージをピックアップして収録しているほか、さまざまなオリジナル要素も実装。各ステージには、サイドビューで表現される“クラシックスタイル”と、奥行きのあるアクションが楽しめる“モダンスタイル”が用意されており、任意のスタイルでプレイできる。


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▲グリーンヒル

▲カジノナイト

ソニック ジェネレーションズ 白の時空
プレイステーション3・Xbox 360 セガ
2011年12月1日発売予定 各7329円[税込]

青の冒険』同様、ソニック生誕20周年記念タイトルとして開発されている作品。クラシックスタイル、モダンスタイルの両方を収録している点も『青の冒険』と同じだが、収録ステージは異なる。また、グラフィックがHD化されているのも特徴。PlayStation StoreとXbox LIVE マーケットプレースにて、両スタイルで遊べる体験版が配信中。


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▲グリーンヒル

▲ケミカルプラント

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ソニック・ザ・ヘッジホッグ 1&2 サウンドトラック
中村正人 from DREAMS COME TRUE
好評発売中(2011年10月19日発売) 3150円[税込] DISC3枚組

ソニック』シリーズの第1作、第2作の楽曲と、当時の機材を駆使して作られたオリジナル音源を収録。ブックレットには貴重なインタビューや資料が掲載されている。


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▲当時の開発資料や、ソニックの生みの親・中裕司氏のコメントなどが読める。

 


 

●ソニックに関われたことを誇りに思っています

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中村正人 ナカムラマサト(DREAMS COME TRUE)
ミュージシャン

1958年生まれ。東京都出身。バンド“DREAMS COME TRUE”のアレンジャー・プログラマー・ベーシストを担当。現在、4年に1度のグレイテストヒッツライヴ“史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2011”を開催中で、2011年11月17日、19日、20日に京セラドーム行われる西日本(大阪)公演でツアーファイナルを迎える。

 今年で生誕20周年を迎える、セガの人気キャラクター“ソニック”。そのソニックが活躍するアクションゲームの第1作『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』と、第2作『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』のゲーム音楽を手掛けたのは、人気ポップバンド“DREAMS COME TRUE”の中村正人さんであることはご存知だろうか。今回のFACE SPECIALでは、その中村さんをゲストに招き、シリーズ第1作・第2作開発当時のエピソードや、先日発売されたCD『ソニック・ザ・ヘッジホッグ 1&2 サウンドトラック』の内容、中村さんの楽曲がアレンジされて収録されるシリーズ最新作『ソニック ジェネレーションズ 青の冒険/白の時空』での聴きどころなどを聞いた。ソニックと中村さんがたどってきた20年以上の歴史がわかる、ファン必読のインタビューをお見逃しなく。

■ソニックとの出会い

――まず、中村さんが『ソニック』に関わることになったきっかけを教えていただけますか?
中村 当時、僕はすでにDREAMS COME TRUEとして活動していましたが、バンド活動だけではなく、サウンドトラックの制作もやりたいと考えていたんです。たとえば、映画やテレビドラマの音楽を。そこで、当時の事務所のプロデューサーに相談したところ、「ゲームはどうだ?」と提案されて。それがきっかけでした。

――ゲームの音楽を作曲することに戸惑いはありませんでしたか?
中村 まったくありませんでしたね。というのも、『ソニック』のストーリー性がしっかりとしていたからです。最初に資料を見せていただいたとき、「これはインディ・ジョーンズ(※1)の映画みたいだな」と思いまして。そこで、このゲームを“ソニックが活躍する映画”と捉えて作曲しよう、と考えました。当時は映画――代表的なところで言うと『トップガン(※2)』や『フラッシュダンス(※3)』などから多くの名曲が生まれていたことを受け、ゲームからも名曲を生み出そう、と思いましたね。

――ゲーム内のステージを、映画の1シーンとして捉えたのですね。
中村 はい。どのステージもコンセプトがしっかりしていたので、曲はとても作りやすかったです。

――とはいえ、当時のゲームは音源が少なかったですし、機材もいまほど進歩していなかったでしょうから、苦労もあったのでは?
中村 確かに、昔は機材の制限はありましたが、思い返せばいちばん楽しかった時期でもありますね。作曲家が機材を扱えた時代でした。いま、作曲家は作曲ソフトを扱うだけで、機材の調整は専門家にお任せですからね。その面では、機材の進歩とともに歩めたのも楽しかったですね。『ソニック』1作目と2作目のあいだでも、作曲環境がずいぶん変わりましたから。

※1 架空の考古学者インディアナ・ジョーンズ。彼を主人公とする映画、ドラマ、小説シリーズは世界中で大ヒットした。
※2 1986年のアメリカ映画。トム・クルーズ主演。主題歌『愛は吐息のように』はアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞。
※3 1983年のアメリカ映画。ジェニファー・ビールス主演。こちらの主題歌『フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング』もアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞した。


■サウンドトラックの聴きどころ

――先月発売された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ 1&2 サウンドトラック』には、実際にゲーム内で流れていた曲のほか、中村さんが当時の機材で作ったオリジナル音源が収録されていますね。
中村 Disc2に収録しています。いま聴くと、「CDのような音をゲームで鳴らしたい」という当時の熱意がよく表れていると思いますね。あの頃はみんな、機材の制限を受けながらも、それに負けまいと必死に作曲していましたから。

――サウンドトラックには、中村さん秘蔵の『ソニック』1作目の資料も収録しているとのことですが。
中村 いままで披露されたことのない、未公開資料です。セガさんも、僕が保管していたことに驚いていました(笑)。ほかにも、僕のインタビューや、中さん(※4)のコメントが載っています。海外のファンの方でも読めるように、英訳も付いていますよ。

――『ソニック』は海外のファンも多いですからね。
中村 イギリスやアメリカのファンはとくに『ソニック』の音楽が好きで、作曲した僕よりもメロディーを歌えるんですよ(笑)。一昨年の紅白歌合戦で共演したニュートン・フォークナー(※5)も、自分で『ソニック』の曲に歌詞を付けて歌うほど好きだったというんです。僕が『ソニック』の音楽を手掛けていたことを話したら、彼はとても感動して、「お世辞ではなく、自分の音楽のすべては『ソニック』から始まった。『ソニック』の曲に歌詞を付けることで作詞能力を磨いてきたし、曲をコピーすることでコードを覚えた」と言ってくれまして。とてもうれしかったですね。

――それはすごいですね!
中村 『ソニック』が海外に進出していくさまは、僕もリアルタイムで見ていました。ロンドンにレコーディングに行くと、街が『ソニック』で溢れていて……。看板もあちこちにありましたしね。セガという日本をリードする会社、その象徴的スターである『ソニック』に自分が関わっているということは、とても誇らしかったです。

――では、この世界中で愛されてきた『ソニック』の曲の中で、中村さんのお気に入りはどれですか?
中村 僕ね、全部好きなんです(笑)。でも強いて挙げるなら、やっぱりグリーンヒル(※6)の曲や、ソニックのテーマ(※7)ですね。ソニックのテーマは、ライヴで『Ring! Ring! Ring!』という曲を演奏する
際、アレンジしてメロディーに入れ込んだくらい気に入っています。

――ソニックのテーマなどは、実際にゲームをやったことがなくても、ゲームセンターで聴いて知っているという人もいますね。
中村 そう、『ソニック』の曲はUFOキャッチャー(※8)の音楽にも採用されまして。ゲームが一段落した後に、ゲームセンターでも曲をかけていただけてありがたかったです。曲を聴いてもらえることが、作曲家としていちばんうれしいことですから。

※4 現プロペ代表取締役社長の中裕司氏。『ソニック』シリーズの生みの親。
※5 イギリス出身のシンガー・ソングライター。デビューアルバム『Hand Built By Robots』は全世界で100万枚以上のセールスを記録。
※6 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の最初のステージ。
※7 タイトル画面やソニック無敵時に流れるメロディー。
※8 セガのクレーンゲーム機の名称。1990年代の機種では、待機中のBGMとして『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の楽曲が流れた。


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▲現在の機種では残念ながら流れなくなったが、かつてゲームセンターで中村氏の楽曲を耳にした人は多いはず。

■永遠に愛される音楽を目指して

――『ソニック』の最新作『ソニック ジェネレーションズ 青の冒険/白の時空』が12月1日に発売されますが、こちらにも中村さんの楽曲が収録されているのですよね。
中村 はい、1作目と2作目のステージが再録されるので、もちろん僕の曲も入ります。いまは、セガのスタッフの方が、20周年にふさわしいサウンドにアレンジしてくださっていて、僕は監修として参加しています。

――今回のゲームで、中村さんが手掛けた『ソニック』の曲を初めて聴くというプレイヤーもいるかと思います。改めて、曲のポイントを教えていただけますか?
中村 グリーンヒルやカジノナイトといったステージの曲が再録されるのですが……いずれも、それぞれのステージのコンセプトや情景からインスパイアされたメロディーになっています。加えて、誰でも口ずさめるメロディーになるよう、意識して作りましたので、ぜひ聴いていただきたいですね。

――新たなゲームの音楽を作ってみたい、とは思われますか?
中村 『ソニック』のような歴史に名を残すような作品に、再び参加させていただける機会があれば、やってみたいと思います。いまのゲームであれば、アーティストが作ったオリジナル音源をそのまま鳴らすことができますし、やれることの幅も広がっていますからね。

――ちなみに、中村さんはふだんゲームをプレイされるのですか?
中村 僕はね、プレイはしないんです。一方、吉田(※9)はものすごくゲームをやるので、僕は横で見てます。あらゆるゲームを見ていますから、僕はゲーム評論家としてはハイレベルですよ(笑)。

――(笑)。吉田さんは『ソニック』のゲームも遊ばれるのですか?
中村 もちろんプレイしていますよ。吉田はとくにアクションゲームが好きなので。よく「『ソニック』はアクションゲームの究極だ」と言っています。きっとつぎの新作もプレイするでしょうから、僕は横で見たいと思います。僕がプレイすると、グリーンヒルで終わってしまいますからね(笑)。

――ご自身の曲を聴くために、吉田さんにプレイしてもらう必要がありますね(笑)。それでは、最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
中村 今回、サウンドトラックという形で自分の楽曲を残すことができて、とてもうれしく思っています。ソニックが生まれてから、もう20年になりますが、僕の音楽が今後もファンの皆さんに愛してもらえるよう願っています。これからもソニックとともに、30年、40年と歳を重ねていきましょう!

※9 DREAMS COME TRUEのヴォーカル、吉田美和さん。




(C)SEGA ※画面は開発中のものです。
※ニンテンドー3DSの3D映像は、同本体でしか見ることができません。画面写真は2D表示のものです。