●試遊版の最後には、あのウフフな画面が！
2011年9月15日から18日まで、千葉県の幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2011。チュンソフトは、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのブースにてPlayStation Vita（以下、PS Vita）用ソフト『真かまいたちの夜 11人目の訪問者（サスペクト）』の試遊台を出展している。ここでは、同作の試遊台を触れたインプレッションをお届けしよう。
まずは本作の概要から。『真かまいたちの夜 11人目の訪問者（サスペクト）』は、PS VitaとPS3で、12月17日の発売を予定している新作サウンドノベル。物語はもちろん、登場人物や舞台などがすべて一新された『かまいたちの夜』シリーズの完全新作となっている。本作のテーマは“原点回帰”。1994年に発売された『かまいたちの夜』第1作と同じく、舞台を真冬のペンションに設定したほか、プレイヤーの選んだ選択肢によって殺人事件の被害者が増えていくという展開も踏襲されている。
 |
東京ゲームショウ2011で遊べるのは、PS Vita版。しかも、この東京ゲームショウ2011に合わせて作られた書き下ろしシナリオが楽しめるという豪華な内容になっている。今回のシナリオに登場するのは、ペンション“ブラウニー”を訪れた宿泊客のひとり、オーモリ（声：杉田智和）。オーモリはアニメが大好きな、いわゆるオタク。そんな彼が大事にしていたアニメのテレフォンカードがなくなったというところから物語は始まる。プレイヤーであり、主人公でもあるは坂巻快人（さかまき かいと、声：中村悠一）は、ヒロインの立花京香（たちばな きょうか、声：小清水亜美）とテレフォンカードを、ペンション内で探していくことになる。
本作に触れて最初に驚いたのは、映像も音声も従来のシリーズ作よりとても進化しているのに、『かまいたちの夜』らしさが溢れているところ。シルエットで表示される人物は3Dポリゴンになり、シリーズ初となるボイスがときおり挿入されているにも関わらず、プレイして受ける印象はまさに『かまいたちの夜』なのだ。静止画で表示されるシルエットの人物＆背景、セリフをしゃべるように文章に合わせて速度を変えて表示される文章、どれも遊んだ瞬間に自然と『かまいたちの夜』らしさを感じさせる。
一方で従来のシリーズ作にない、新システムも導入されている。そのひとつが、“おさわり選択肢”。……なんだかいろいろと想像をかき立てられる名前だが、これはゲーム内の気になる場所をタッチして調べるという、サウンドノベルというよりは、一般的なアドベンチャーゲームに近いシステム。しかし、単なる周辺探索ではなく、PS Vitaのジャイロ機能を活用しており、PS Vita本体を持った状態で右を
向けばゲーム内の画面も右に動き、PS Vita本体を左上のほうに向ければゲーム内でも画面が左上に向くのだ。また、机などを調べたければ画面内にある机をタッチするだけ。タッチパネルの機能も活用されているというわけだ（ちなみにPS3版はアナログスティックとボタンを使うとのこと）。今回の試遊版でも、この視点を回転させる機能を使わなければ見つけられないものがあった。本編では殺人事件の現場で探索する際に使うことがありそうだ。
 |
 |
▲左は暖炉が写った写真。PS Vita本体を持って右を向くと……。右の写真のように視点が動く！ |
|
新システムはそれだけではない。もうひとつが、推理モード。これは、これまでに入手した情報を組み合わせて、選択肢を生み出すというもの。いくつもの情報がある中で、ふたつの組み合わせを選んでいくのだが、正解がひとつだけではないというのが曲者。組み合わせが正しかったとしても、その組み合わせで登場する選択肢が正解ルートにつながるとは限らない。総当たりで組み合わせを試したとしても、最終的にはプレイヤー自身の推理力が試されるというわけだ。
 |
 |
▲左と右に分かれた情報を、PS Vitaの左スティックと右スティックで回転させて選択。正しいと思うものを組み合わせると、新たな選択肢が生まれる。 |
|
ふたつの新システムを経て、試遊版の物語は大団円を迎える。……のだが、最後に東京ゲームショウ2011にて公開された本作のプロモーションビデオ（PV）に驚愕の情報が！ 試遊版のシナリオは、新システムを楽しむために用意されたコミカルな展開のものだったが、本編で展開するのはもちろんシリアスな殺人事件。PVには、“選択次第で犠牲者が増えていく”、“シリーズ最多7人の作家陣”といったキャッチフレーズが登場。そして、ラストにはシリーズファンならニヤニヤせずにはいられない、画面周辺がピンクになったシーンが写り、「あははは」というかわいらしい声が聞こえてPVは終了。これって、ピンクのしおり！？ そうでしょ？ そうですよね？ チュンソフトさん！
 |
▲これが気になるピンクのしおり（っぽい）シナリオの写真。いやいや、この雰囲気はどう考えても……。『かまいたちの夜2』にあった、みどりさんのシーンが頭をよぎる！ |
なお、今回の新システムなどの情報は、現在発売中の週刊ファミ通9月29日号にも掲載されているので、そちらもチェックしてほしい。『かまいたちの夜』シリーズ待望の最新作。シリーズファンはもちろんのこと、登場人物、舞台が一新されたことで、初心者にも入りやすい内容になっているのは間違いない。発売日は、PS Vita本体の発売日である2011年12月17日。ぜひ本作を手に入れ、ネタバレのないまっさらな状態で、このミステリーに挑んでほしい。
Text by 世界三大三代川
