喜多村英梨1stシングル『Be Starters!』について直撃インタビュー

『とらドラ!』や『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!』、『魔法少女まどか☆マギカ』など、さまざまな作品で活躍する声優・喜多村英梨が、スターチャイルドレーベルよりデビュー。

●「喜多村英梨始めました!」って感じ(喜多村)

 『とらドラ!』や『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!』、『魔法少女まどか☆マギカ』など、さまざまな作品で活躍する声優・喜多村英梨が、スターチャイルドレーベルよりデビュー。1stシングル『Be Starters!』を、2011年8月10日にリリースする。同曲は、テレビアニメ『まよチキ!』のオープニングテーマにもなっている、アップテンポな楽曲だ。そんな1stシングルについて、ファミ通.comでは喜多村にインタビューを敢行。作品への意気込みや制作の裏話を語ってもらったほか、思わぬ人物も参加しての破天荒なインタビューとなった。ぜひ最後までチェックしてほしい。

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■Be Starters!
発売日:2011年8月10日発売予定
価格:【初回限定盤】1890円[税込]/【通常盤】1200円[税込]
【収録内容】
01. Be Starters!
(作詞:大森祥子/作曲:山口朗彦)
02. 彩-sai-
(作詞・作曲:山崎寛子/編曲:河合英嗣)
03. Be Starters! off vocal ver.
04. 彩-sai- off vocal ver.

【初回限定盤特典】
Be Starters!』PVほか収録のDVD同梱

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■初回限定盤

■通常盤

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――CD発売に対する感想と意気込みをお聞かせください。
喜多村英梨(以下、喜多村) 喜多村英梨、このたびスターチャイルドさんという新しいフィールドで、栄えある1枚目のデビューシングルを出させていただくことになりました。いろいろな役を演じたり、ラジオでトークをして自分を見せていくところはいままでとなんら変わらないのですが、個人での“歌”という表現の場が新しく増えたことにより、声優・喜多村英梨としていままで皆さんに知っていただいている面以外の部分を見せられればと思っています。

――声優としての仕事の延長線上みたいな感覚なんですね。
喜多村 私としては声優=人生という感覚があって。自分が生きているなかで見ているもの、感じたもの、すべてを声優という仕事に返していけたらいいな、という想いでやらせていただいているんです。それは、歌も同じなんです。表現方法の武器が変わっただけで、いままでは役を演じたり、ライブやラジオに出演したりという表現方法だったけれど、今度はいちアーティストとしての歌という武器を新たに手に入れた感覚です。その武器を使っている人は喜多村本人なので、相も変わらずキタエリ節というものを、今度は歌で表現できれば。

――これまでにもキャラソンとか、今井麻美さんとのユニット“ARTERY VEIN”としての活動をされていますが、個人名義でのソロだと違う感覚ってあるんですか?
喜多村 ARTERY VEINというユニットを、いまも並行してアーティスト活動としてやらせていただいているんですけれども、キャラソンと近い感覚なんです。ARTERYという人物になりきるというか、ARTERY VEINという揺るぎないひとつの世界が確立されているところに、自分が仁王立ちしている状態なので、やるべきことや、やっていく楽しみを見出しやすいんですよね。キャラクターソングも同じで、自分なんだけれど、自分が一歩引いて世界観を作っていくという工程がすごく楽しいです。では、喜多村英梨という“中の人”にスポットが浴びせられたときに、喜多村英梨像というのをどうしていくか、ということになるんですけれど、実際ぶっちゃけいまは答えが見出せていないし、逆に答えを見出さないことが喜多村英梨なのかな、という意識はあります。未知の可能性に挑戦していけるのも喜多村英梨個人名義ならではの楽しみや価値なのかな、と。今回は、プロデューサーを筆頭に喜多村英梨の人生の“歌”の部門をいっしょに歩んでいただけるということになったので、そういう意味での責任感はまた格別なものがあります。答えがない状態ですが、その状態に不安があるわけでもなく、「これが喜多村です」と、いまはドヤ顔で“白い喜多村”を見せている感じです。

――”白い喜多村”さんはCMの映像を観てびっくりしました。
喜多村 びっくりしますよね(笑)。今回、ジャケットやPVを観ていただくと、これまでにはない、みんなが見たことがないであろう喜多村英梨の一面が見られると思います。最近だとARTERY VEINの印象が強いと思うんですが、そういう意味では表情だったり、世界観がARTERY VEINから180度変わっています。どっちががんばっているとか、どっちが作り込んでいるというわけでもなく、まぎれもなくこれも喜多村英梨の一面です、という感じ。いままで見せるチャンスや環境がなかったから出していなかった部分ですね。だから、無理をしているわけではないです。逆に言うと、皆さんに見ていただいて「喜多村もこんな表情するんだ」とか、「喜多村もこういう一面あるんだ」という感覚になってもらうことが今回最大目的といえますね。いままでに見たことがなかった喜多村に、新しい価値を見出してもらえたら幸せだなぁ、と。

――“作り込んだ喜多村英梨”を演じているわけではなくて、もともと持っていたけれど、見せていなかった一面を出したという感じなんですね。
喜多村 自分も女子なんで、好きなものの旬があるんですよ(笑)。ファッションと同じで、誰かに何か言われたからやっているというのではなく、自分が好きだからやりたいという流行りがあるんです。そうやってやってきたものの中で、長く続けてきたものが、いつの間にか皆さんの中での“私の印象”として残っているんですよね。ただ、私もこれまでとはガラッとイメージを変えて黒髪にしたいとも思いますし、イチ女子としてオシャレとか化粧にもふつうに興味があって、「いいな」と思ったものを自分がやってみたい、着てみたいと思うんですよ。その延長にあったものを、さらにスポットを当てて、もっと輝かせた状態でパッケージ化していただきました。こういう環境がいままでなかったので見せてこなかっただけで、これも紛れもない喜多村英梨なんですよね。そうして見せてこなかった、ある意味これまで必要とされなかった(笑)喜多村英梨を、『Be Starters!』のジャケットやPVなどで見せています。

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――いまお話にありましたPVですが、今回、PVの撮影は初めてだったのでしょうか?
喜多村 厳密には1度撮ったことがあります。そのときは言われるままに撮影をしたんですが、今回のチームは、自分の意見にホントに耳を貸してくれるんですよ。PVの監督さんを含めた打ち合わせにも参加させてもらって、漠然とした自分のイメージをお伝えしたら、そういった部分もすごく盛り込んでいただけたんです。だから、“自分も参加している感”という意味では初めてですね。出来上がった映像を観たときは、「こういう顔をしてるんだな」、「こういう瞬間があるんだな」という新しい発見をした感覚でした。

――PVのコンセプトはどういったものなんですか?
喜多村 イチバン最初なので“素の喜多村英梨、いち女の子”という感じです。男性目線の価値観と女性目線の価値観が違うように、誰が見ても「これはカッコイイね。黒ですね」ではなく、喜多村英梨という素体があって、それぞれにぜんぜん違う受け取りかたをされるような内容になればいいな、と思っています。男性だったら「応援しようかな、ちょっと注目しちゃうな」とか、女性だったら「こういう女の子いるんだ。私もこの子みたいになりたいな」という感じで、真っ白いキャンバスに見えればいいな、というのを私はイメージしています。私のイメージをスタッフの皆さんがすごく汲み取ってくれましたね。ここのチームはあったかいクラスメイトみたいな感じなんですよ。体育会系な感じではなくて、どちらかというとみんなで自分のイメージを持ち寄って、今回のコンセプトに合うかどうかの取捨選択をみんなでしていくという感じなんです。ネタとしてはすごくいいんだけど、今回のコンセプトに合わないとなると、つぎのためにとっておこうという話になったり、みんなが出したり引っ込めたりできる環境なんですね。たとえばジャケット写真の選定をするときも、「男性の皆さんがいいと思う中から神テイクを選んでください」って(笑)。最初の選定段階で私は見なくていいです、とお任せできちゃう環境なんですよね。

――それだけ信頼関係が築けているわけですね。
喜多村 そうなんですよね。もちろん、それだけだと男性に向けたものだけに偏ってしまうので、女子目線でも写真を選んでほしいです、と女性スタッフさんにお願いしたりとか。そういう現場だからこそ、みんなで『Be Starters!』という1枚のCDを作り上げることができたんだと思います。

――いい環境ができたからこその1枚目という感じがしますね。
喜多村 だからこそ、こってり着飾ったり、何かを突き詰めたりしていなくても、恥ずかしくないというか(笑)。出来上がったものを観ても、自分自身、こういう一面あったんだと思えました。リラックスできる環境や、「やらなきゃ!」みたいな感じで気負うことがなかったからこそ撮れた写真や映像なんだと思います。ただそれは、ARTERY VEINやキャラソンなどで、ひとつ答えを決めてそこに突き進んで自分をすり合わせていくという作業をいっぱいやってきたからこそ出せる新境地だったんじゃないかと思うんです。ナチュラルな芝居って難しいんですよ。たとえば、“ツンデレをやります”となったら“ツンデレ”からイメージされる像に向けて演じていけばいいですけれど、“ナチュラルな女の子をやってください”と言われたときに、何をもってナチュラルなんだろうと考えちゃうんですね。ナチュラルだからこそ、定義がないというか。悩んだりとか不安だったりも最初はしましたが、いい環境が用意されていたので、まずは悩まないでいこうと。

――いままでの声優としての積み重ねがあったからこそ、こういうナチュラルなものが出せたということなんですね。
喜多村 裸でいるのが恥ずかしいのと同じ感覚で、何も着ない状態で立ち続けるためには、「それもアリなんじゃない?」と言ってくれる人がいないと、絶対できないじゃないですか。そういうことをできる環境にしてくださったので、改めて喜多村英梨自身の表現のチャンスをもらっているのだな、と実感しています。やれてよかったなという想いと、それと対比となるARTERY VEINをやっていてよかったな、とももちろん思いますし。事務所絡みだとアーティストとしての今井麻美を間近で見たり聴いたり、同じ舞台に立ったりした経験があったからこそ、じゃあ喜多村流って何だろうという刺激も受けることができました。いまは、とても素敵な環境で自分を叱咤激励しながらできている感覚です。

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――そういう環境の中で出来上がった『Be Starters!』ですが、どんな曲になっているのでしょう?
喜多村 ここから始まる喜多村英梨の歌の人生みたいなところもあるので、タイトルどおりの曲だと感じています。この曲を作ったときは、ちょうど東日本大震災など、環境的にも心情的にもいろんな人が不安に思っているときだったんです。「こんな状況だからこそ前向きにいこうよ」と、プロデューサーを含め、スタッフみんなが考えていて、「この曲を聴いて誰かの心が上に向けばいいね」というところから始まりました。私にできることは声で表現をすることなので、歌詞や曲に込められた力を存分に出さなきゃいけない使命もあるわけですよね。だから、いままでは見せていなかった歌いかたやニュアンスにもチャレンジして、楽しみながら作らせていただきました。

――コンセプトとしては、どんなところを目指されたのでしょう?
喜多村 みんなの曲になればいいな、というところですね。喜多村英梨の曲でもあるんですけれども、誰の曲にもなるようにという気持ちで作りました。たとえば、いまこのページを見てくれている皆さんでもいいし、記者さんでもいいし、今井麻美でもいいんですよ。『Be Starters!』を聴いた人に、「この曲は自分のテーマソングだな」と思っていただけるとうれしいですね。

――同曲は、テレビアニメ『まよチキ!』の主題歌にもなっていますが、主題歌ということで意識された部分はありますか?
喜多村 『まよチキ!』の世界観に合うのかどうか、という部分は意識していました。私自身、作品のオーディションを受けさせていただいていたので、事前に原作の小説を読ませていただいて、作品のイメージは自分の中にもありました。『まよチキ!』という作品は、現代の学生たちがくり広げるドタバタラブコメディーなんですけれど、登場キャラクターが多いんですよ。主人公は坂町近次郎という男の子でもあるし、スバルという男装している女の子でもあって。私が演じさせていただいている奏という役も見かたによってはヒロインでもいいんじゃないかなというぐらい、出てくるキャラクター全員が主人公になれる作品だなって思ったんです。

――まるで、さきほどのお話のように、みんなが主役という感じの作品なんですね。
喜多村 そうなんですよ! 誰が主人公でもいい作品というところが似てるな、と感じて。これはラッキーだな、と思いましたね(笑)。だから、胸を張って『まよチキ!』の看板曲だと言えるし、胸を張って喜多村英梨の看板曲ですとも言えるものになりました。

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――カップリング曲の『彩-sai-』についてもお聞かせいただければ。
喜多村 『彩-sai-』は、曲調も私が好きな耽美な世界観や和の雰囲気を押し出した作品ですね。喜多村英梨“個人”の音楽性を突き詰めていただいたトラックになっています。私的には「こっちがリード曲でもいいんですけど!」ぐらいの仕上がりになりました(笑)。歌いかたというか、彩る世界観も『Be Starters!』とは一線をおいています。この曲はタイアップがついているわけではないので、限定される部分がないんです。だから、喜多村英梨の好きなもの、思っていること、いま感じているもの、できるもの、というものを全部ぶちまけたような(笑)。曲を作るところからレコーディングまで一貫してそのスタンスで制作させていただいたので、なんだか自由度が高すぎて逆にドキドキしちゃう曲になりました。あと、この曲を作詞作曲されている山崎寛子さんも、じつはこの曲がデビュー曲なんですよ! 私としても新たな第一歩になりますし、彼女もこの曲から始まっていくということで、これも何かの縁なのかなと思いました。

――曲の雰囲気はどんな感じなんでしょう?
喜多村 女性の凛とした気持ちを描いた曲になっています。サビで詞を2回くり返すところがあるんですけれど、いま私が言いたいことはこうなんだ、大事なことだから2回言うね、みたいな感覚なんですよ(笑)。そういうところが自分も聴いていて気持ちいいし、歌いやすかったです。『Be Starters!』と合わせて、私の中で、抜群の安定感の1枚に仕上がりましたね。まずはこの2曲で、喜多村英梨という個人の歌の引き出しを、ふたつ見せられるかな、と思っています。『Be Starters!』では、白いキャンバスを広げて。これは白いキャンバスしかできません、というのではなく、喜多村英梨はまだまだ未知数の可能性を持っているということを表すもので。『彩-sai-』は喜多村が好きなもの、喜多村のカラーを押さえてくれたトラックになっています。

――『Be Starters!』は未知数だったり、可能性を秘めた白いキャンバスということに対して、『彩-sai-』は喜多村英梨という色をつけたものっていうのがおもしろい組み合わせですね。
喜多村 せっかくCD1枚の商品の中に2回チャンスがあれば、同じものをやるよりは、同じジャンルの箱の中だけど、まったく違うものをやりたいんですよ。声優・喜多村英梨としての住み分けたい癖というか、声優としての能力を歌でも活かせていけたらと思いますし、それができるのが声優アーティストじゃないか、と思うんですね。声優をやっていてアーティストもやるんであれば、何か1個でも武器を多く持っていたいな、とも思いますし。まわりに刺激を受けるアーティストさんだったり、同業者、今井麻美も含めて皆さん持っていますから、「喜多村英梨は何ができるかな」ということを考えた結果、いまは使える武器を使うというところに行き着いていますね。

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――ホントに話を聴いてると、環境がすごく整っているな、というひと言に尽きますね(笑)。
喜多村 そうなんですよ。甘やかされてるんで、つけあがらないようにしなきゃな、とドキドキしてます(笑)。

――甘やかされているというよりは、お互いにイーブンな立場で、刺激を与えながらやっているという感じはしますよね。
山中隆弘プロデューサー でも、面倒くさいと思いますよ。誰も「あれやってこれやってー」という言いかたをしないので。
喜多村 皆さんがそう言ってこないからこそ、私自身も「これじゃないとできません!」ということはぜんぜん思わないです。やはり環境ですよね。いいところもあれば、合わないところもあるとは思うんです。「俺はこうなんだ!」、「いや、俺はこうなんだ!」ってたくさんぶつかり合って、殴り合って友情! みたいな(笑)。そういう作りかたもアリだと思うんですけれど、今回はいままでで私の中ではなかった環境を用意していただいたので、すごく不思議な感覚です。だからこそ出来上がってくるものが、たしかに喜多村なんだけれど見覚えのない感じになっていたり、私自身では選ばないようなものになってくるんだと思います。いままでどおりの環境で、同じ人たちで作っていたら、どうしても偏ってくるじゃないですか。それを受け取った皆さんのイメージ自体も偏っていくと思うんですね。それを壊す楽しみというのも、スターチャイルドさんという新しいフィールドでやっていきたいな、と思っています。それはプロデューサーの願いでもありますね。じゃないとおもしろくないですから。どこでやっても同じだったんじゃないのとか、看板だけ違うね、というのでは意味が違うと思うし。それは喜多村英梨個人としてもそうだと思うんですよね。この役は喜多村じゃなくてもよかったんじゃねって言われたくない、という一心でやっているので。

――なるほど。
喜多村 ぜんぜん話が逸れるんですけれど、最初にデビューしたときに「オタクだ!」とか、「オタ声優」って言われたことが一時期重くて。最初のころは何も考えず「アニメ好きなんですよー!」とか言っていたんですよ。それはたしかにウソ偽りないことなんですけれど、それが最初のみんなの印象になると、だんだんそこから外れたときに「なんだ、お前!」とか「喜多村英梨がドラマ観るんですか?」とか言われて。あっ、究極の話ですよ(笑)。「喜多村英梨はアニソン以外に洋楽を聴くんですか!?」みたいなことを言われるのが怖かった時期があったんです。たとえば、“新しいアニメの情報を全部知っていないといけない”ということだったり、“役者さんの名前も一字一句全部覚えてないとダメ”みたいな強迫観念があって。ただ、“それって自分の素の状態から少し範疇を超えてない?”ということに気づいたんですけれど、気づいた自分と、まわりの求める自分にズレが出ると、多数決じゃないですけど、人数が多ければ多いほど、「そっちに寄せなきゃ」って思っちゃって、すごく辛かったんですよ。「私、ブリトニースピアーズとか好きだし! って、ラジオでしゃべりたい!」みたいな(笑)。そういう経験をしていたからこそ、夢を売る仕事ってどういうことなんだろうと考えたりもするようになって。そういう時代を見守ってくれていた人や、いまも変わらず応援してくれている人たちへの恩返しじゃないですけれど、同じもの、安定したものをずっと出していくよりは、新しい環境、新しい役、新しい立場があったら、そこでまだ見せていないものとか、安定感と新展開という両方をやっていくことも、ファンの皆さんへの“ありがとう”になるんじゃないのかな、と思うようになりました。なので、『Be Starters!』で白いキャンバスを広げた状態で、これから何色を足していって、このキャンバスがどういう色に見えていくのか、というところも、期待していただきたいと思います。いろんな角度、いろんな曲、ジャンル、いろんなビジョンでアーティスト活動をやっていこうと想っていますので、ぜひ楽しみにしていただければ。白でいきますとか、青でいきますというわけではなく、“喜多村英梨始めました!”みたいな(笑)。あと、もうひとつ宣伝もしていいですか?

――どうぞ(笑)。
喜多村 そんなことを言ってたら、なんと2枚目も決まりまして、超甘やかされ環境ですよ。

――早いですね。まだ1枚目が出てないのに(笑)。
喜多村 そう(笑)。さっきから、いろいろな喜多村を見せていきたいと言えているのは、2枚目がもう決まっていて、そちらも士気高く作っているからなんです。つぎのシングルは『C3(シーキューブ)』というアニメの曲なんですよ。作品自体がバトルものだったりとか、私の好きな耽美で和な雰囲気も持った作品なので、好きを超えたいいものが2枚目でできたらいいね、とみんなで相談しながら鋭意制作中です。年内にはCDをパッケージ化できると思います。

――なるほど。初めだから白というだけであって、今後はどんな色にでもなっていくってことなんですね。
喜多村 みんなたぶんスターチャイルドさんで白というと、「喜多村も堀江さんみたいになりたいんだな!」と考えるんじゃないかと思うんですけれど、あくまで何物にも染められていないところから始まりますという、所信表明みたいな感覚だととらえていただけるとうれしいです。黒髪も、ずっとこのままというわけではないですし。何かを捨ててるわけではなくて、たまたまタイミングがあったというだけなんですよね。「花になれ」と言われたら、どこまでも花になるのが声優アーティストとしての役目かな、と思っているので、安心の喜多村英梨も出していきますし、こういうのは見たことないな、というものにもどんどんチャレンジしていきたいな、と思っています。

――了解しました。それにしてもだいぶ語っていただいた感じですね。
喜多村 しゃべり尽くしましたね。あとは、「今井麻美、最高!」って書いといてください(笑)。いや、でも今井さんすごいですよ。ARTERY VEINを並行してやりながら、今井麻美の世界観をすみ分けるのは難しいと思うんですよ。耽美な、キレイな世界観というか、ジャンルとしてはいっしょじゃないですか、そこを今井クオリティーとするのか、VEINさんクオリティーにするのかっていう、スイッチの切り替え具合がすごいな、と。このあいだARTERY VEINのカップリングをいっしょに録ってきたんですけれど、「これはVEINさんの歌いかたじゃないね」って突き詰めてレコーディングをしているんですよ。そこがプロだな、と。当たり前のことなんだけれど、プロだなと思っていつも刺激を受けています。今井さんのどこまでも職人としてやる意識というか、ほかの人の意見はどうあれ、自分が揺るぎなく「これです!」という想いで作っていれば、いつか届くという姿勢は、本当にそのとおりだと思いますし。真似するわけじゃないですけれど、そういった姿勢に影響を受けて、喜多村英梨なりにやったものを出していくことが、今井さんに対する敬意でもあるんですよね。今井さんから影響を受けたことや教えてもらったことを、本番でやっていきたいと思っています。そんな中、ARTERY VEINのジャケ写撮影もしてきまして。

――ぜんぜん雰囲気が違うと聞きましたよ。
ARTERY 愚問だねぇ。

――おお、ARTERYさん!(笑)
ARTERY 『コープス』と『ファントムブレイカー』が黒だったんだけど、ARTERY VEINも一新……、革命を起こすつもりで曲作りをしているんだよね。そんな中で、今回は白い方向にするか、という漠然とした意見が出たんだ。ただ、ARTERY VEINで真っ白だとロリータ・ゴシックというのもどこか違うな、と感じてね。今度はジプシー系というか、カッコいい白系にしてみたんだ。おしとやかなロングではなく、VEINとともにジャンヌ・ダルクのような雰囲気になっているよ。VEINさんは、意外とアドリブ力がある人だからね、そこから「じゃあ、こうしてみようか」と自分自身が背伸びをできるいい環境なので、ここはここでいい環境を作れていると思うね。そんな環境で作った『パンドラの夜』が2011年8月24日にも出るので、ぜひご期待いただければ。けっこうこの時期は発売ラッシュになるから、要注目だよ。

――そうですよね。『Be Starters!』が出て、『パンドラの夜』が出て、今井さんのライブDVDが出て。
ARTERY ぜひ両方追いかけてほしいね。

――というか、これキングレコードさんのCDの紹介なのに、ARTERY VEINの話をしていて大丈夫なんですかね?(笑)
ARTERY 愚問だねぇ。それじゃあ、私はこれで。

――ありがとうございました(笑)。すごいコラボレーションになりましたね。今回は『Be Starters!』のインタビューだったんですが、ほかには何かありますか?
喜多村 2011年8月10日に『Be Starters!』と同時発売で、『まよチキ!』のエンディング『君にご奉仕』も発売されます。こちらは奏という役として3キャラで歌っているエンディング曲なので、そちらも合わせて聴いていただけるとうれしいな、と思います。

――それでは、最後にひと言メッセージをお願いします。
喜多村 みんな売れないとつぎがないんだよ! だから、応援してちょ! ってことで(笑)。

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