でも、街中で暴走できるゲームは現代ではかなり当たり前の表現になった。タクシーのゲームもあるにはある。オープンワールドタイトルのミニゲームだったりすることだってある。アーケードライクなスコア稼ぎ系のゲームは、また別のジャンルとして楽しまれるようになったようにも思う。
そんないまだからこそ、本当に楽しい暴走タクシーゲームになっているのだろうか……? と、ドキドキしながら今回試遊させていただいた。

ヤーヤーヤーヤーヤー!!
クレタク新作を試遊!
いきなりシラフになるが、本記事で扱うのはセガより2027年に発売予定のドライビングアクションゲーム『クレイジータクシー:ワールドツアー』。対応ハードは、Nitendo Switch 2、プレイステーション5、XBOX Series X|S、PC(Steam、XBOX on PC)。
発売に先駆けてメディア向けの試遊会が実施された。8月にドイツで開催されたgamescom 2026でも試遊展示はあったが、今回のバージョンは“日本マップ”が体験できるものだ。ドライビングアクションの感想を交えながら、日本マップについても解説しよう。



自由探索&ハイスピード輸送!
マップは自由に走り回れるフリーローミング仕様。このときは『クレイジータクシー』シリーズのように時間制限があるわけではなく、探索も走行も自由だ。


街を流してただドライブを楽しむこともできる。乗客があちらこちらでタクシー待ちをしており、乗せることで時間制限付きの『クレイジータクシー』らしいハイスピード輸送が始まる。

タクシー業務中は時間制限内に届けていくと制限時間がプラスされ、コンボとなってスコアが伸びていく。制限時間はややシビアになっていて、5人くらい連続で達成できればうまくいったな、といったくらい。

通常の輸送とは別に、特別なNPCを乗せるとミッションがスタート。“蕎麦を補給しながら配送し続ける”、“ドリフトでポイントを稼ぐ”、“動画配信者を急停止で飛ばしてあげる”、“花火を拾って打ち上げる”などなど、バラエティ豊かなミッションが楽しめた。




ストーリー部分については今回触れることができなかったが、フリーの輸送でお金を稼いで愛車を強化、ミッションの達成といった要素でストーリーを進めていくようだ。マップ画面もあり、おもなスポットにはファストトラベルもできた。

自由な探索と従来の遊びがミックスされ、まさに現代的なゲームになっていてとても楽しい。ミッションはただ達成するだけでもいいのだが、最高評価を得るにはけっこうな難度になっていて、ただ走り続けるだけではクリアーできない骨太さ。操作は緻密なシミュレーターというより全体的にカジュアルで、アーケードライクな挙動で遊べるのが斬新さすら感じさせてくれる。ドライブゲームの新しい形だ。

今回はドイツと日本のマップを体験したのだが、いずれも広大ではあるが、ものすごく広いわけではなく、タクシー体験がうまく楽しめるくらいのコンパクトさ。ちょうどいい塩梅のマップの広さだと感じた。
なお、フリーローミング中はボーカル曲は流れないが、ミッションや配送中はおなじみのオフスプリングの激しい楽曲を楽しめる。メリハリがついていて、ボーカル曲がまた映えるのだ。


簡単操作で忙しく、楽しい!
従来の『クレイジータクシー』は、アクセルとブレーキ、シフトレバー、ハンドル操作を駆使して遊ぶゲームだった。シフトレバーの操作などで“クレイジーダッシュ”をはじめとする特別なアクションをくり出し、より速く、より激しくお客を運ぶ。

本作では基本は踏襲しつつも、パッド操作に最適化された走行を楽しめる。曲がりながらドリフトボタンを押すだけで、車がスライドしながら曲がるお手軽ドリフトを実現。
また、ニトロボタンを押すと、時間経過でゲージが回復する“クレイジーニトロ”を使用し、高速ダッシュが可能となる。いままでは“リミッターカット”というテクニックで同じようなことができたが、今回はニトロでよりお手軽に(リミッターカットはまた別の要素として存在する)。

数分のプレイで基本的な走りを学び、輸送やミッションを遊んでいたところ、どうもうまくいかない。うーむ、やはり急発進や急加速ができる“クレイジーダッシュ”が重要になりそうだ。そう思って試したとき、本作ならではのクレイジーな走りの神髄を見た。
鍵を握るのが、“アクショントリガー”ボタン。各種アクションに使用するもので、コマンド技のような感じで、ほかのボタンと組み合わせることで、いろいろな性能のアクションをくり出せるのだ。

アクショントリガーを押してから、すぐにアクセルを踏むと“クレイジーダッシュ”。停止中は急発進、動いている最中ならば急加速となる。バックを踏むと、同じような性能で後退する“クレイジーバックダッシュ”。
走行中にアクショントリガーを押してから、バックを踏むとビタッと瞬時にその場で止まる“クレイジーストップ”。お客の目的地エリアに止まる際にとくに使えるテクニックで、どんな速度を出していようとストップする。

基本的なクレイジーアクションたちの性能はだいたい旧作通りなのだが、その使用頻度がものすごく高い。クレイジードリフトとクレイジーダッシュを駆使すれば、横向きに車を向けてから前に進む、直角のコーナリングすら実現可能だ。
この操作の忙しさが本作ならではのドライビングアクション。ドリフト! ドリフトダッシュ! ダッシュ! ドリフトダッシュ! と連発可能。手は少しだけ忙しいものの、アクセルとバック以外に触れるのはドリフトボタンかアクショントリガーボタンくらいなので、シンプルながらに「おれすごいうまくね?」みたいな感覚が味わえて、とても爽快だった。
旧作は障害物にぶつかると大幅なロスとなる部分があったが、今回は看板や木などはぶっ飛ばせるので、ほとんどロスにならない。ほかの一般車にぶつかったときもあり得ないレベルで吹っ飛ばせるため、ちょっとの減速で済むのがうれしい。


操作の忙しいドライビングアクションなので、細かいことは気にしなくていいよ! と、気持ちよさを重視して作られているんだなと感じられた。もちろん、避ければ減速しないので、タイムアタック系には響く要素だ。

日本マップを観光!


『クレイジータクシー』的に走ると、日本の道路の狭さを存分に楽しめるのが、入り組んだ繁華街エリア。渋谷のスクランブル交差点近辺がモチーフとなっているようで、SHIBUYA109渋谷店などが実名で登場。ほかにもラーメン屋の一蘭、カレーハウスCoCo壱番屋などの実名店舗も多数登場。




街並みは現実の雰囲気を踏襲しているものの、なんとなくそう思わせる程度でかなりデフォルメされているのが、本作ならではの構造。厳密な再現よりも遊びの気持ちよさを重視しているからだろう。碁盤のように路地が非常に多いため、ボタン操作の忙しさの魅力を味わえたのも、日本マップだからこその体験だったのかもしれない。


その隣には、アリーナエリアが存在。こちらは現実のものとだいぶ形を変えているが、国立代々木競技場をイメージしたものだろうか。階段や広い空間が広がっているので、繁華街よりも解放感のある走りが楽しめた。


日本マップの全体には高速道路が広がっており、これは首都高モチーフだと思われる。レインボーブリッジのような場所があったり、下には港が見えたりも。走っていると、富士山、東京タワー、東京スカイツリーが共演するという、現実にはあり得ない角度の風景もあった。




首都高の先にはパーキングエリアがあり、ちょっと違うかもしれないが大黒ふ頭パーキングエリアのようなイメージなのだろうか。車好きの集うエリアとして知られている。

そしてマップの左下には、浅草の浅草寺を彷彿とさせるような下町エリア。商店街のような場所もあって、お祭り気分なマップだ。両国国技館のような相撲競技場があるなど、古風な日本らしさをギュっと詰め込んだ場所だった。




驚いたのが、背景の作り込み。コンビニなどはまあほかの場所で見かけても、そりゃコンビニだよねと思うが、お店の看板などはほとんど使い回しているような感じがなく、個人店なら個人店とわかるくらいに作り込まれていた。看板を見ているだけでも時間が過ぎてしまったほどだ。

クレイジーな部分が魅力なのはもちろんのこと、ワールドツアーとしての世界旅行も楽しめる本作。実際に遊んだときには、ぜひ細部まで見てほしい。




















