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【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー

【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
 スクウェア・エニックスのオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(FFXIV)において、2024年11月12日公開のパッチ7.1から、2026年4月28日公開のパッチ7.5に至るまで展開したアライアンスレイドシリーズ“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”(以下EoV)。このEoVは同じくスクウェア・エニックスが運営するオンラインRPG『ファイナルファンタジーXI』(FFXI)とのクロスオーバーコンテンツとなっている。
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 『FFXI』は2026年5月16日で24周年を迎え、現在もアップデートで新たな要素が追加され続けているMMORPG。それだけに過去~現在に至るまでのプレイヤー=冒険者たちの思い入れは非常に強く、このEoVもそれに応えるべく相当な熱量を込めて制作されたコンテンツとなった。プレイの過程で『FFXI』に興味を持った『FFXIV』プレイヤーや、『FFXI』に復帰したくなったかつてのプレイヤーも多いことだろう。

 そこで今回はこのEoVの完結を記念して、バトルコンテンツ、BG(バックグラウンド/背景)、コンセプトアートの3セクションにおけるメインスタッフへのインタビューを実施。第1弾~第3弾までの制作秘話や、コンテンツに込めた想いをうかがった。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー

石川仁寿 氏いしかわ まさとし

バトルコンテンツデザイナー。2004年にスクウェア・エニックスに入社し、『FFXI』チームに配属。拡張データディスク『プロマシアの呪縛』から『アルタナの神兵』に至るまで、システム面やクエスト、NPC設定などを手掛ける。その後は『FFXIV』のバトルコンテンツデザイナーとして、アライアンスレイド“輝ける神域 アグライア”、“喜びの神域 エウプロシュネ”の監督や、レイド“希望の園エデン:共鳴編2”、“万魔殿パンデモニウム:天獄編4”、絶レイド“絶もうひとつの未来”、ヴァリアントダンジョン“シラディハ水道”、“商客物語”などを担当する。

原澤直也 氏はらさわ なおや

バックグラウンドアーティスト。2019年にスクウェア・エニックスに入社し、『漆黒のヴィランズ』のころから『FFXIV』に参加。レイドシリーズを中心にBG制作を手掛ける。おもな担当は“ミソロジー・オブ・エオルゼア”シリーズ、“至天の座アルカディア”シリーズなど。

塚本哲 氏つかもと てつ

コンセプトアーティスト。1996年にスクウェア(当時)に入社し、『FFVII』、『FFVIII』、『FFIX』、『FFX』、『FFX-2』、『FFXIII』、『FFXIII-2』などの『FF』シリーズなどでモンスターデザインを手掛ける。『FFXIV』チームへは『新生エオルゼア』直前に合流。『FFXIV』ではザンデ、アモン、暗闇の雲、フレースヴェルグ、ニーズヘッグ、神龍、ハーデス、商神ナルザル、ブルートボンバーなど、多数のボスモンスターを担当。

“ヴァナ・ディール”を再現した3人の役割と『FFXI』との出会い

――まず、お三方それぞれ、EoVで担当された部分をお聞かせください。

石川
 私は第2弾の“サンドリア:ザ・ セカンドウォーク”(以下セカンドウォーク)と、第3弾の“ウィンダス:ザ・サードウォーク”(以下サードウォーク)で、バトルコンテンツの総監督を務めました。それに加えて少々特殊ではありますが、“サードウォーク”のボスである神竜について、草案部分と実装部分を担当しています。また“セカンドウォーク”のボスであるエルドナーシュも、企画部分のみ担当しました。

原澤
 私はBGのメイン担当として、BG全体を管理しつつ自分の担当部分……おもに地形を含む自然物全般を制作するという形で携わりました。細かい担当箇所としては、“ジュノ:ザ・ファーストウォーク”(以下ファーストウォーク)ですと、ボヤーダ樹やル・オンの庭、闇の王戦後半の黒炎空間などになります。

 “セカンドウォーク”では北サンドリアなどの植生、ロンフォール~ホルレーの岩峰、クフィム島、そして最後のフィールドであるアル・タユを担当しました。またギミックになりますが、飛空艇船団なども担当しています。

 “サードウォーク”ではウィンダス石の区をまるごと担当しておりまして、ほかにもプロマシア戦の舞台である天象の鎖やプロミヴォン、神竜戦の前半後半などを担当しました。

塚本
 自分はEoVのすべてにガッツリ関わっていたわけではないのですが、“ファーストウォーク”では闇の王の前半・後半を、サードウォークではプロマシアおよび神竜の前半・後半について、モンスターのアートを担当しました。

 じつは当初、闇の王はほかのアーティストがデザインするものと思っていたので、話を聞いても「たいへんそうだな……」と他人事のように感じていたのですが、気がつけば担当が自分のほうへ回ってきまして、少々青くなりましたね(苦笑)。

石川
 神竜については、たしかコンペがありましたよね。複数のアーティストの案の中から、最終的に塚本のアートが選ばれ、担当になったという経緯でした。

原澤
 キャラクターについては、コンペで決まることが多いですよね。

石川
 BGではコンペはあまりない?

原澤
 メジャーパッチのフィールドや新規コンテンツなどについては、コンペで決めることがあります。たとえば“ミソロジー・オブ・エオルゼア”の神域のアートなどは、ラフアートをBGアート班に描いてもらって選定しました。

――石川さんは『FFXI』チームとしても、『プロマシアの呪縛』時代から『アルタナの神兵』時代まで開発に関わられています。それもあって、今回のEoVではバトルコンテンツの総監督を担当されることになったのでしょうか。

石川
 そうですね。『FFXI』をプレイしたことがある方にも、まだプレイしたことがない方にもEoVを楽しんでいただけるコンテンツにするため、両タイトルでバトルコンテンツに携わったきた私と、『FFXI』プレイヤーとして非常に強い思い入れを持つ中川(リードバトルコンテンツデザイナーの中川誠貴氏)が適任でした。
そのうえでチーム内でも検討し、第1弾は中川が担当し、第2弾、第3弾は私が担当という形になりました。

――以前、ファーストウォークについてメールインタビューを行った際も、中川さんが『FFXI』への熱い思いを綴られていました。
石川
 中川に限らず、EoVでは『FFXI』に思い入れのある担当者が、さまざまな部分に相当な熱量を注いでいます。それぞれファンとして情熱を傾けた箇所が多く、おかげで任せられる人材も豊富でした。

――ちなみに今回、クロスオーバーコンテンツのモチーフとして『FFXI』が選ばれたことについては、どのような想いを持たれましたか?

石川
 以前から折に触れて「『FFXI』をテーマにしてはどうか」という話が上がることはあったのですが、そのつど別のものが選ばれていましたので、「とうとう選ばれたか!」という気分でした。また、ひとりのプレイヤーとしても、「『FFXIV』のグラフィック技術で作られた『FFXI』を見てみたい」という気持ちがありました。
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――原澤さんと塚本さんは、EoVに取り組まれる前、『FFXI』というタイトルをどのようにご覧になっていたでしょうか。

原澤
 私自身は、石川のように以前から『FFXI』にかかわっていたわけではなく、子どものころに友人のお兄さんがプレイしているのを見て、「オンラインゲームというのはこういうものなのか!」と驚いた記憶がある、という感じでした。そしてEoVの企画が来た際には、ヴァナ・ディールを『FFXIV』のグラフィックに落とし込むことに対し、強いプレッシャーを感じたことを覚えています。『FFXI』の開発チームからもデータを提供してもらい、実際のデータをじっくり拝見しましたが、とても丁寧に作り込まれたゲームだという印象を受けました。

――吉田さん(プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏)も『FFXI』について語る際に、「テクスチャループの研究のために、ジュノの壁面をずっと見つめていた」と仰っていました。

原澤
 本当にジュノやアルザビなどはテクスチャーの描き込みが素晴らしく、ある意味、現在の『FFXIV』よりも描き込みが丁寧なのではないかと感じるほどでした。データ容量の制約から解像度自体は低いのですが、それを超えた熱意のようなものを強く感じます。
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――塚本さんは『FFXI』をどのようにご覧になっていましたか?

塚本
 2002年の『FFXI』の発売後、たしか『ジラートの幻影』くらいまではパッケージを社販で購入していたと思います。ですが当時は『ファイナルファンタジーX-2』の開発などで忙しく、手をつけられませんでした。プレイしたい気持ちは強かったのですが、ほかのスタッフが夢中になっている様子を見て、自分までハマってしまうことを懸念し、あえてプレイを控えていました。

 開発者の視点としては、テクスチャーやモンスターのアートの出来がすごくよくて、「これは負けていられないな」という気持ちになっていました。

――『FFXI』のモンスターやアート造形で、とくに印象に残っていたものはありましたか。

塚本
 毛の表現が非常に綺麗に出ていまして、これはなかなか真似できないという話をしていたことを覚えています。その後、『ファイナルファンタジーXII』の開発へと移行するにあたって、スタッフたちが 『FFXI』の開発と行き来した結果、そのノウハウが『ファイナルファンタジーXIII』へと引き継がれていったという経緯もあります。
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グラフィックスアップデート後のスペックを上限まで使い切ったEoV

――それぞれの担当部分におけるコンセプトについてうかがいます。まず石川さんにお聞きしたいのですが、『FFXI』らしさを再現しつつ、『FFXIV』のバトルへと落とし込むにあたり、もっとも重視された点はどこでしょうか?

石川
 これは『FFXI』に限った話ではないのですが、クロスオーバーコンテンツを制作する際は、元作品のシステムなどをそのままギミックに落とし込めることが、いちばん理想に近い形だと考えています。たとえばエルドナーシュだと、クロノス・スリングのように身体の周りをクルクルと回る技であれば、円範囲の攻撃として表現するといった具合です。

 ただしそれだけでは『FFXIV』のプレイヤーが満足できるバトルにはなりません。最終的には何かしら新しい技を追加するといったことになるのですが、その際に原作である『FFXI』において、「このボスが使用しても違和感がない」と思えるもの、公式のクロスオーバーとしての解釈が広がるようなものを、プレイヤーにお届けすることにこだわりました。

 闇の王を例に挙げると、“復讐の炎のようなものを操る”という要素は原作にはまったくありませんが、ガルカという種族が持つ心の闇としての“憎悪”から闇の王が生まれたという経緯があったため、そうした背景を拾い上げた結果になります。プロマシアについても原作に“虚ろなる闇”という強力なキーワードがあるので、そういった要素をバトルにも取り入れています。

――そのモンスターやボスが体現する要素を、いかに『FFXIV』の技として新たに表現するか、ということですね。

石川
 はい。『FFXI』でも高難度の上位バトルフィールドで新しい技が追加されることがありますが、そのような感覚で原作に追加されても違和感がないものを考えています。

 また既存の技についてもアレンジしているものが多いです。たとえば“セカンドウォーク”に登場するアルテマのマナスクリーンという技は、『FFXI』では一定時間魔法が効かない状態になる技ですが、これはEoVでは反射技になっています。このように技の名前だけ『FFXIV』に持ってきているというパターンも多いですが、シタデルバスターなど、象徴的な技はそのまま採用しています。
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――つぎにBGについておうかがいします。ヴァナ・ディールの風景には独特の空気感がありますが、あの空気感をどのように再現したのか、そして街の構造物のスケール感が原作とは異なる理由についてお聞かせください。

原澤
 まずはコンセプトという観点から言いますと、原作の『FFXI』の雰囲気を大切にしながら、『FFXIV』ならではのアレンジを加えるというのが大きな柱でした。スケール感の変更もその一環です。両作品をプレイした方ならおわかりかと思いますが、『FFXIV』と『FFXI』ではカメラの映りかたが異なります。ですから『FFXI』をそのままのスケールで実装しようとすると、ランドマークなどが小さく感じられてしまうという問題が起きました。

 よって星の大樹やジュノの街などは、実際のサイズよりも『FFXI』の中で“大きかった”と感じたイメージを重視し、構図としてとらえた際に最適なサイズを試行錯誤しながら決めていきました。

――ジュノ下層の競売所のサイズ感などが、原作よりも若干小さく見えて、逆に建造物がより大きく見えるイメージなのは、そういった理由なのですね。

原澤
 はい。北サンドリアなども同様で、ドラギーユ城というランドマークを『FFXIV』らしくアレンジして、スクリーンショットを撮っていただく際に映えるようなサイズ感になるよう意図的に変えています。
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――空気感という部分では、何か意識された点はありますか?

原澤
 環境表現はかなり意識しました。霞などを含め、すべて意図を持って配置しています。トゥー・リアなどの空気感が重要となるシチュエーションは、ほぼすべての場面で環境を意識的に作っていますね。『FFXIV』そのままの表現だと、どうしても陰影等クッキリしすぎてしまうのです。

――結果、ボヤーダ樹やル・オンの庭などは、エリアに入ったときに「おお……!」と感動しました。

原澤
 両エリアともプレイヤーの皆さんにスクリーンショットをたくさん撮ってもらって盛り上がっていただき、本当にありがたいです。これらのエリアについても開発中は試行錯誤がありました。

 たとえばボヤーダ樹の場合、そのまま実装すると暗い洞窟のような印象になってしまいます。ですが『FFXI』のオリジナルアートには光ゴケに覆われた幻想的な空間という設定があったため、今回はそちらを重視して、原作よりも光に覆われた幻想的な空間としてアレンジしてあります。それに対してル・オンの庭は、空の上の巨大な遺跡というコンセプトに合わせ、原作に近い形で設計しています。
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――イメージ的には、オリジナルのBGの正統進化型という感じでしょうか

原澤
 そうです。じつは公開前から「(『FFXIV』で)進化したトゥー・リアが見たい」という声をプレイヤーの皆さんからいただいていて、かなりプレッシャーを感じていました。そこで、原作をプレイした当時の感動、“空の上の島”という開放感をなんとか形にできないものかと、さまざまな人から話を聞いて実際に確認しながら、構図やサイズ感も含めて限界まで取り組みました。

 また、パッチ7.0のグラフィックスアップデートにより、草などの配置物を置ける数が増えたことも大きく、その恩恵があったからこそ実現できたと言えるかもしれません。

――BGなどに関しては、パッチ7.0以降のグラフィックスアップデートの恩恵はやはり大きかったということでしょうか。

原澤
 はい。キャラクターのテクスチャーも使えるサイズが変わっていますし、使える容量も増えています。とはいえ今回のEoVでは3部作それぞれ、アップデート後のスペックを上限まで使い切っていました。とくに最後の“サードウォーク”は本当にギリギリのギリギリで、「これ以上はもう入らない!」というところまで、かなり贅沢に作らせていただきました。

 やはり『FFXI』を体験している人は、プレイ前に「最新のグラフィックでヴァナ・ディールがどう表現されるのか」という期待をお持ちだったと思います。その期待は絶対に裏切れないという気持ちで、「だったら、やれるところまでやろう」と、本当に『FFXI』をリメイクするような感覚で開発に取り組んでいました。

――塚本さんは『FFXI』のボスを『FFXIV』で再現するためのアートワークを担当されましたが、制作にあたって重視したのはどのような部分でしょうか?

塚本
 闇の王などは、できるかぎり『FFXI』そのままの形で出したいと考え、細かい点だけ調整してバランスを整える形で考えていました。『FFXI』の闇の王が持つ象徴的なイメージを崩さず、それを『FFXIV』のグラフィックスへ落とし込むことには非常に苦労しました。初期イメージは自分で描きながら、資料による検証と補完を重ねてデザインをブラッシュアップしていったことをよく覚えています。

 闇の王のような重要なモンスターは、既存デザインへの期待や印象が強いぶん、完全な新規デザインを生み出す以上に難しいことがあります。最終的には、従来の魅力を継承しながら複数のバリエーションを展開することで、ゲーム性とデザイン性の両面から『FFXIV』らしい表現に昇華できたのではないかと感じています。
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塚本氏による闇の王の設定画。

“ファーストウォーク”のボスたち……原作リスペクトと新要素の融合

――つぎはEoVに登場した各ボスについてうかがいます。石川さんは“ファーストウォーク”には参加されていなかったとのことですが、『FFXI』の元開発者として、各ボスについて「おっ、こうきたか!」と感じたものはありますか?

石川
 第3ボスのアークエンジェル戦は驚きましたね。そもそも『FFXIV』で5体のボスと同時に戦うというシチュエーションはなかなかないので、それを再現したこと自体がすばらしいと思いました。担当者もかなりの『FFXI』ファンで、“セカンドウォーク”と“サードウォーク”では道中の設計なども担当してくれています。

 また、アークエンジェルは『FFXI』プレイヤーにとって非常に人気があるキャラクターですから、ボス部屋に入って最初にアークエンジェルがどう見えるか、立ち位置や並びまですべてに気を遣っていて、「これが自分の思い描くアークエンジェルだ」という熱意とこだわりを感じました。まさに“『FFXIV』で『FFXI』のアークエンジェルと戦っている”という気分を存分に味わわせてもらいました。

――『FFXI』でいうマラソン戦術のギミックが、線で結ばれた敵を引き連れて離すという形で採用されていたのには驚きました。

石川
 走るマークがついていて、私も驚きました(笑)。担当者が、どうしてもやりたかったようです。原作のバトルをいかに『FFXIV』に落とし込むかという点でも、たいへん苦労した箇所だったと思います。
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塚本
 あれは『FFXI』をプレイしていた人が楽しそうなギミックでしたね。自分も当時の『FFXI』をプレイしておきたかったと感じました。ちなみに自分がプライベートで所属しているフリーカンパニーには、『FFXI』のプレイ経験者が多くいまして、EoVをプレイ中に「懐かしい!」という反応がたくさん出てきたと聞いています。『FFXI』をプレイしてきた人にとって、それほどの感動があったということですね。

原澤
 それがいちばんうれしい反応ですよね。

――ちなみに“ファーストウォーク”の中でも、闇の王戦での黒炎空間は『FFXIV』オリジナルの要素ですね。

原澤
 あれは、もともと闇の王の心情である“憎悪”の炎を表現したいという企画側からのオーダーから生まれたもので、人間に対する闇の王の憎悪をイメージしたフィールドと黒い炎は、完全に『FFXIV』オリジナルになります。こちらからも「こういう感じはどうでしょう」と提案したりしつつ、かなり自由にやらせていただきました。

――そこで戦うのが、塚本さんがアートを描かれた闇の王になりますが、もともとは“持っている剣が変形して鎧”になるというアイデアだったとうかがいました。

塚本
 最初にそういう発注がありました。そしてコンペでいくつかの闇の王のデザインが出たなかで、ほかのアーティストがデザインした鎧が採用され、それを某聖衣のようにパーツに分けて変形させられないかという話になったのですが……残念ながらデザイン的な制限が多く実現しませんでした。

 代わりに
『FFXIII』のときに描いたモンスターのアイデアアートをアレンジすれば闇の王の鎧に使えるのではないかと考え、実際に描いてみたらうまくフィットしたので採用しました。じつはほかにも、いくつか他作品で描いたアイデアアートをベースにしているものがあったりします。

 たとえば、“次元の狭間オメガ零式:アルファ編4”に登場したオメガの最終形態は、『FFXIII』に登場していたパルス神のアイデアアートをベースにして、『FFXIV』の世界設定やレイドの設定に溶け込むようにアレンジして仕上げたものです。私は長年スクウェア・エニックスでアートデザインを担当していてアイデアのストックが豊富にありますので、こういった手法をとることがあります。
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塚本氏による闇の王(後半で鎧をまとった姿)の設定画。
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“セカンドウォーク”のボスたち……名曲『Ronfaure』を届けるための選択

――ではつぎに“セカンドウォーク”に話を移らせていただきます。まずはボスとして、麒麟、オメガ&アルテマ、カムラナート、エルドナーシュが選定された経緯をお聞かせください。

石川
 これはボスに限らないのですが、基本的にEoVでは、“『FFXI』の人気の高い要素を上から順に実装している”と思っていただいてよいかと思います。たとえば「なぜ第2弾はサンドリアなのか?」については、ロンフォールのBGMが『FFXI』プレイヤーに非常に人気が高かったためで、ある意味この『Ronfaure』という曲を届けるためにサンドリアを選んだという側面がありました。ですので、本来なら第2弾は“ロンフォール:ザ・セカンドウォーク”になるはずだった、とも言えます。

 また、人気のカムラナートやエルドナーシュは当然はずすわけにはいきませんし、そういった人気のキャラクターを登場させるとなると、つぎに来るのはやはり有名なHNM(ハイレベルノートリアスモンスター)だろうということで、“ファーストウォーク”ではファヴニル、そして“セカンドウォーク”では麒麟の登場となりました。また人気とは別に、「『FFXI』を知らない人でも親しみを持ってもらえるように」という意図で、カムラナートやシャントット、プリッシュなど、他作品にも登場しているキャラクターを採用しています。
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――『ディシディアFF』をはじめとする作品に登場しているキャラクターたちですね。

石川
 はい。ちなみに“セカンドウォーク”の初期ボス案は、シャントット、麒麟、カムラナート、エルドナーシュでした。ただ、シャントットを登場させるにはシナリオとの連携などの点で準備が必要だったため、“サードウォーク”に回すことになりました。ですから、じつは“セカンドウォーク”の時点で、“サードウォーク”までのすべてのボスを決めていたんです。そしてシャントットの代わりに採用されたボスが、オメガ&アルテマでした。

――オメガやアルテマは、『FFXIV』のプレイヤーにとっても名前になじみがあるというのが採用理由でしょうか?

石川
 それもありますし、やはり『FFXI』のオメガやアルテマと言えば、プロマシアミッションやリンバスなどで戦った“手強いボス”という印象が強いだろうという点でも選ばれました。この2体はさまざまなバリエーションが登場していますが、どれも強くて印象に残っていますよね。

 じつはほかにも候補として、マートやセルテウスなどのキャラクターも挙がったのですが、人型であることやサイズ感の問題などを検討した結果、最終的にオメガとアルテマが選ばれました。
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――ちなみに北サンドリアからコンテンツが開始する際、曲がサンドリアの街の曲である『The Kingdom of San d'Oria』ではなく『Ronfaure』なのは、やはり“ロンフォールありき”だったからでしょうか。

石川
 そのとおりです。開発初期の名称は“ロンフォール:ザ・セカンドウォーク”でしたが、社内でも議論があり最終的にはスタート地点である“サンドリア:ザ・セカンドウォーク”にしました。

 またロンフォールのエリア自体についても、より原作の雰囲気を突き詰めるために、コミュニティチームとも入念に議論を重ねました。コミュニティチームは『FFXI』と『FFXIV』の両方のコミュニティを見てきているので、彼らの中にも強いこだわりがあり、いろいろな意見をもらいました。「ロンフォールの植生はこうあるべき」、「焚き火の有無で印象が変わる」といった、非常に熱量のある具体的な資料まで用意してくれていたり、お互いの意見を出し合って進めました。ここまでコミュニティチーム を巻き込んでいっしょに企画をブラッシュアップしていくパターンは、極めて珍しいことでした。

原澤
 このパターンは初めてでしたね。

石川
 それだけ『FFXI』は熱量の高いコンテンツなのだと、改めて再認識しました。

 なお先ほどもお伝えしたように、“セカンドウォーク”では「ロンフォールの曲を使いたい」という意図がまずあったのですが、ではなぜ北サンドリアが入っているのかといいますと、エリアとしてのロンフォールは基本的に森じゃないですか。そこだけで道中が展開するよりも、あれも見せたい、これも見せたい……という気持ちがありまして。

 その結果、“セカンドウォーク”ではサンドリアからロンフォール、そしてホルレーの岩峰、とエリアが切り替わりつつ、一方でスタート前からじっくりロンフォールの曲を聴いてもらいたいために、最初から『Ronfaure』が流れるという状況になりました。ロンフォールの曲は絶対に流したい、しかし新しく描かれたサンドリアも見せたい、という悩みゆえのことですが、少々伝わりにくかった部分があったかもしれません。
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――これまでのアライアンスレイドの中でも、ボスまでの道中でここまで多様な画変わりがあるのは珍しいのではないでしょうか。

原澤
 そうですね。ボスのエリア内でフェーズとともに背景などが変わることはよくあるのですが、道中の背景が大量にあるというのはなかなかたいへんでした。じつはレイドのマップというのはすべてひとつの空間に収められていて、データロードを挟んで別のマップに移動している、というわけではないんです。例えば“ファーストウォーク”であれば、ジュノの下方にトゥー・リアがあって、ボヤーダ樹があって、王の間がある、というような形で、全部ひとつの箱の中に収まっているような形になっています。

 『FFXIV』のコンテンツは仕様上、キャラクターが歩ける範囲も制限があります。それをどう収めるか……最近のアライアンスレイドの制作は、まずそこから始まる感じです。企画担当が持ってくるすばらしいアイデアに対して、どうしても入らない場合は「ちょっとこれは入りません」と相談させてもらうのですが、基本的には企画側がやりたいことを極力実現したいので、どう箱の中に詰めていくかが重要になります。

――エリアをワープしているようでも、同じ箱の中を移動しているということですか?

原澤
 そうなんです。じつは上から下へ、あるいは下から横へといった形でエリアを配置しており、まったく別のエリアへテレポートしているわけではありません。なので“セカンドウォーク”で言えば、飛空艇船団のシーンは苦労しましたね。あのように上下の移動幅が大きいと、箱のY軸(高さ)の方向を占有してしまうので……。その代わりにほかのロケーションについては下方向に収めるという形にしました。結果、この飛空艇船団のシーンでは箱のサイズのギリギリまで、あと残り数メートルという限界まで攻めた感じです。
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――バトルについてもうかがいます。麒麟戦では四神がランダムで登場し、たとえば人によっては「何度もプレイしているけど初めて青龍に会った」などということもあって、なかなかユニークな仕様だと感じました。

石川
 まず、『FFXI』の麒麟戦のように「麒麟が召喚する四神をすべて出したい」という意図は最初からありました。ただ、最初のボスは戦闘時間をやや短くする必要があり、すべての四神を出そうとすると戦闘時間内に収まりきらなかったのです。それに対する解決策としては、四神だけですべてのギミックが終わってしまうようなボスにすることも可能ではありました。でも『FFXIV』のバトルを作る際の基本的な考えかたとして、「複数の敵が登場する場合、本体が弱い印象になるのは好ましくない」という方針があるのです。この場合、麒麟が登場するからには四神ではなく、麒麟自身がちゃんと強くあってほしい。

 そのため、麒麟の特徴として原作にあるデッドリーホールドという技を拡張し、大きな腕で強力な攻撃をしてくるボスという個性を設けました。途中でその大きな腕が左右に出てくるフェーズがありますが、あれがデッドリーホールドを元にしたものです。そちらを優先した都合上、四神の優先度を下げざるを得なくなりましたが、それでも四神すべてを出したいということで、1回のバトルで4体すべてを見せるのは難しいと判断し、ランダムな順番で出す形にしました。
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――かなり贅沢な仕様ですね。

石川
 そうですね。1ボスとしては珍しいかもしれません。見ることが難しいギミックが出てしまうのはもったいないので、基本的には作らないようにしているのですが、今回はあえてこの仕様にしました。

塚本
 でも、プレイヤーとして遊んでいると、見たことのないギミックが出てくるのはおもしろいですね。たまにはそういうものもあるといいです。

――つぎに、カムラナートとエルドナーシュについてもおうかがいします。カムラナートも属性クリスタルや大車輪などの表現が印象的でしたが、“セカンドウォーク”でもっとも驚いたのは、エルドナーシュ戦後半でアル・タユに風景が切り替わる場面でした。

石川
 じつはあの風景、正確にはアル・タユではないんです。見た目はアル・タユそのものですが、実際はエレクトロープの空間をエルドナーシュが逆に掌握し、それによってみずから生み出した真世界という設定なんです。

 なぜそのような表現にしたかといいますと、『FFXI』を知らない『FFXIV』プレイヤーからすると、突然カムラナートよりも小さいキャラクターが出てきただけだと、エルドナーシュ本来の格の高さが伝わらない、と思ったからです。そのため、自分が作られた存在であることを自覚したうえで、力によってその主従関係を逆転させる、掌握するというシーンを入れたかったというのが発想の起点です。その結果、掌握した彼が、自身が目指す真世界を疑似的に生み出すとしたらどうなるか……という形であの風景が生まれました。
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――ほかにもエルドナーシュの登場シーンは、『FFXI』の同じ場面と比較した際にカットの再現度が本当にすさまじくて驚きました。あれはイベント担当の方がかなりこだわって作られたのでしょうか

石川
 あのシーンの発注はバトルコンテンツ班から行いました。登場シーンのサンプルを持参して「こんな形にできないですか」とカットシーン担当班にお願いしています。なお、エルドナーシュは台座と一体化しているボスとして作られていますので、上から降りてきて台座に乗る、というのは無理かもしれない、と思っていたのですが、実際に『FFXI』でのムービーを見てみたら、「上から降りてきているね……」となり、カットシーン担当の人と頭を抱えました。「でもやるか!」と担当の方ががんばって再現してくれたので、あれはカットシーン担当者の功績です。正直、多少妥協した形にはなるかと思っていましたが、原作と寸分たがわぬ再現度には自分も驚きました。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
左が『FFXI』、左が『FFXIV』でのカットシーン。
――アル・タユは原作である『FFXI』のなかでも非常に特殊なエリアですが、BG担当として再現に苦労された点はありますか?

原澤
 やはり環境表現がとくに難しかったです。独特の水のような地面になっていますが、あの表現は『FFXIV』だとなかなかうまくいかなくて、最初はいろいろな水表現を試しながら試行錯誤しました。また、“セカンドウォーク”最後のエリアということで、クリアー後にスクリーンショットを撮っていただくことも想定し、ライティングなども含めて『FFXI』らしく美しく仕上げるよう努めました。もともと非常に美しい空間ですので、そのよさを活かしつつ『FFXIV』に落とし込んだ形です。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――たしかに『FFXIV』のプレイヤーにとっては、最後のフィールドはボスバトルをするだけでなく、クリアーした後に仲間と記念撮影できる場所としても重要です。

原澤
 スクリーンショットをできるだけ美しく撮れるようにということは、BGを制作する際にいつも意識しています。

塚本
 撮影が好きな人は本当にいろいろな角度で撮っていますね。

原澤
 そうなんです。撮影メインのパーティを組んでいるプレイヤーもいるくらいです。なので、最後だけではなく要所要所に撮影ポイントを意識的に配置しています。

――“セカンドウォーク”全体において、『FFXI』チームからのフィードバックで印象的だったものはありますか?

原澤
 先ほども出ましたが、ロンフォールについて「花が多い」という指摘を受けました。当初はスクリーンショット映えを意識してかなり華やかに風景を作っていまして、ロンフォールも最初は森の中の花園という感じで花をたくさん配置していたのです。ですが「そんなに花が多い場所ではない」というフィードバックがあり、現在の形に落ち着きました。

 あと、クフィムエリアの木の傾きも印象的でした。クフィムエリアの木は最初、いろいろな角度に倒して配置していたのですが、「メルト・ブロー(※)の爆風を受けているので、全部同じ方向に傾いているはずだ」という設定に基づいたフィードバックを受けました。そこで原作を確かめてみたところ、本当にすべて同じ方向に傾いていたので、スタッフみんな驚いていました。
※約一万年前、古代人ジラートの王国をたった一夜で消滅させた謎の大爆発のこと。【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
『FFXI』でのクフィム島の風景。
――では“セカンドウォーク”のまとめとして、全体を振り返っての注目ポイントがあればお聞かせいただけますか。

石川
 たいしたことではないのですが、麒麟のバトルエリアの四方には、四神の四つの印章がはめ込まれています。

原澤
 柱にさりげなく埋め込まれているので、プレイ中は気づきにくいかもしれません。青龍・朱雀・白虎・玄武の4つの印章で麒麟が召喚されたという痕跡を残したいと企画からオーダーがあり配置に至りました。

石川
 麒麟は本来ホルレーの岩峰には登場しないので、せめてこれだけでもということで四神の印章を加えてもらいました。ぜひ発見していただければと思います。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
麒麟戦のバトルフィールドをよく見ると、東西南北に四角い印章が埋め込まれている。

“サードウォーク”のボスたち~ヴァナ・ディールの“最強”が集う

――では、第3弾“サードウォーク”に話を移らせていただきます。第2弾の時点で第3弾のボス選定もされていたとのことですが、改めてボスがシャントット、アレキサンダー、プロマシア、神竜に決定した経緯についてお聞かせください。

石川
 シャントットは先ほどお話ししたとおり、非常に人気の高いキャラクターですので採用することは決定していました。アレキサンダーについては、『Ronfaure』と同じく、BGM『Ragnarok』の人気の高さから選ばれています。そして男神であるプロマシアはある意味当確というか、出すなら最後の第3弾しかないだろうということで、ほぼ登場が確定していました。

 そして最後のボスとしては、グルージャジャ(の幻影)と融合したHollow Kingが最終形態になるということは第1弾から決まっていたのですが、じつは何と融合させるかだけは最後まで決まっていませんでした。いろいろと悩んだ結果、プロマシアと同格の存在である神竜が選ばれた形です。決まったのは本当に最後のほうだったため、アート班に発注したのも第3弾制作開始のタイミングでした。

塚本
 それについては、私もコンペという形で知らされた感じです。

――Hollow King戦のBGMの発注についても、水田さん(『FFXI』メインコンポーザーの水田直志氏)に依頼することは早い段階で決まっていたのでしょうか。

石川
 いつもBGMは石川(シニアストーリーデザイナーの石川夏子氏)と祖堅(サウンドディレクターの祖堅正慶氏)とのやり取りで決まっていくため、詳細はわかりませんが、第3弾の制作中に「水田さんへ発注できるのだが、どんな印象の曲が欲しいか」という形で話があり、ラスボスの見た目の資料なども共有して作ってもらいました。まさか『Vana'diel March』をモチーフにして作っていただけるとは、『FFXI』プレイヤーとしてもうれしかったですね。ラスボス戦を作る際にもずっとあの曲を聴きながら作っていました。

――各ステージについてもおうかがいします。最初のフィールドのウィンダスについては、やはり星の大樹の印象を重視した形でしょうか。

原澤
 ウィンダスについては、星の大樹はもちろんのこと、全体として柔らかい印象や空気感を出したいというのがありました。パッチ7.0以降のグラフィックでは影がくっきり出やすくなりますので、そのあたりの加減を調整して、リアルになりすぎないようバランスをとって制作しています。いかに“完全なリアルではなく、ファンタジーらしさを残せるか”を目指しました。もちろん星の大樹の大きさと見栄えにはとくに気を配っています。

――プレイしてみたところ、とても水が綺麗なのが印象に残りました。

原澤
 水の表現にはかなりこだわりました。またスタート地点の空気感や、森の中の清々しさのようなものも重視しました。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――そこを抜けると、最初に戦うのがあのシャントット(Shantotto the Demon)です。『FFXIV』のバトルでシャントットの強さをどのように表現したいと考えられましたか?

石川
 あくまで最初のボスであるため、強くしすぎることができないという制約はありますが、途中で遠くにメテオがドカーンと落ちて大災害が起きたり、魔紋を大量に出すことで『FFXIV』プレイヤーにも“強大な黒魔道士であること”をわかりやすくしたり、クエイクで壁がせり上がるダイナミックな表現をしたりなど、さまざまな形で強さを表現しています。極めつけとしては、戦闘前のカットシーンでアブソリュートヴァーチュー(※)を倒していますから(笑)。
※『FFXI』におけるレベル75キャップ時代の最強のHNM。あまりの強さに長年倒された事例が存在せず、後年実際に倒すことができるという証明動画が公式から公開されたほど。『FFXIV』では同名のモンスターが“禁断の地 エウレカ”の最終コンテンツであるバルデシオンアーセナルに登場。【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
“サードウォーク”の冒頭で一瞬だけアブソリュートヴァーチューが登場。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
……が、あっさりとシャントットに倒されてしまう。
――やっぱりアレはそうだったのですね(笑)。もしシャントットが倒していなかったら、最初のボスはアブソリュートヴァーチューになっていたということでしょうか? 

石川
 そうなります(笑)。

――シャントットのつぎがアレキサンダーですが、その前にビシージを模したバトルがあるのが印象的でした。

石川
 あのシーンでは当初のものからちょっと調整が入っています。もともとセリフや演出を原作に寄せていたために場面転換が遅くなってしまったところがあり、テンポを早める調整をしました。もともとは戦闘に入らずにただセリフだけを見ている時間が生じていたので、そういったところは削っています。ただ基本的な企画やバトルの内容は大きく変わっておらず、最初のコンセプトが最後まで受け継がれている形です。

原澤
 BGとしてのアルザビは原作の再現性に重きを置き、テクスチャーも含め、できる限りオリジナルのイメージで制作しました。ひと目でアルザビだとわかるような形になるよう注力し、ウィンダスのようなアレンジは抑え気味にしています。そのあとのアルザダール海底遺跡群もそうです。アルザダール海底遺跡群自体は以前にインスタンスダンジョンとして『FFXIV』にも登場していますが、ここでのエリアはよりオリジナルに寄せた作りになっています。

――その後のボス、アレキサンダーについても、やはりオリジナルに寄せた形でしょうか?

石川
 アレキサンダーについてはそうでもなくて、バトル中の技自体はそれほどオリジナル通りではありません。ただ『FFXI』のアレキサンダーはカットシーンで光の矢を放つなど、ビームを撃ってくる描写がありますので、それらをバトルにも導入したという形です。印象としては『FFXI』のアレキサンダーらしさを感じてもらえるようになったと思います。

原澤
 印象って大事ですよね。今回EoVに関わった全セクションに言えることですが、“『FFXI』プレイヤーの皆さんの印象を大切にしつつ、その印象的な部分をきちんと感じていただけるようにする”ということは、どのセクションも相当注力してきたのではないかと思います。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
石川
 ちょっと話が戻りますが、“セカンドウォーク”のドラギーユ城も、もともとのドラギーユ城とはぜんぜん形が違いますからね。でもプレイした人はあれをドラギーユ城だと認識してくれると思います。

原澤
 ジュノ下層も街の中央の塔の部分なども、『FFXI』オリジナルに比べかなりサイズ感が変わっています。デザインもいろいろ手を加えているのですが、それでもオリジナルの雰囲気を感じとっていただけたようでした。

塚本
 理想としては、記憶の中で美化されたものをそのまま形にできたら最高ですよね。

原澤
 まさにそうで、原作通りにというよりも、“記憶の中の美しいヴァナ・ディール”を目指して制作していました。自分自身、子どものころに見たウィンダスについては少し覚えていて、「大きな木があったな」という印象が強かったんです。当時のゲームとしては非常に綺麗で、迫力があったという記憶があり、そういった部分の印象を大事にしながら制作に取り組みました。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――話をボスに戻しますと、つぎのボスはプロマシアになります。あの独特の造形もかなり原作に忠実な印象でした。

塚本
 プロマシアのアートは、けっこう原作そのままの形で制作していたのですが、後からオリジナルのモデルが届いて、羽の細かいギザギザの部分がデザインに入っていないことがわかり、「これ、ジャギー(※)だったのか!?」と驚きました。当初送られてきたスクリーンショットには入っていましたし、トレーディングカードなどのイラストにも描かれていたのですが、じつは元のモデルにはなかったという。
※デジタル画像などにおいて、斜めの線や輪郭部分がギザギザに見える現象
原澤
 当時のブラウン管やモニターで見た印象が浸透しているものもあるかもしれませんね。

――最終的にはギザギザをつけた形になったわけですか?

塚本
 はい。きっと『FFXI』プレイヤーの記憶の中では、ギザギザがついているだろうなあという認識です。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
塚本氏によるプロマシアの設定画。
――バトルについては、“虚ろ”という表現がさまざまな場面で印象深い形で使われていました。

石川
 バトル担当が『FFXI』のことをたいへんよく調べてくれていました。私が忘れていたような設定までつぎつぎと出してくれるほど熱心でして、その担当が“虚ろなる闇”にぜひフォーカスしたいと。じつを言うとプロマシアは元のバトルに寄せるとメテオが印象的なボスなのですが、この“メテオを使うボス”という部分を強調して表現してしまうと、『FFXIV』プレイヤーにはプロマシアがイコール“メテオを使うボス”という印象になってしまう、という懸念がありました。

 それに対し、「原作のプロマシアはケタ違いの大技を使う、もっとも格の高い神である」ということを伝えたい、という担当プランナーからの強い意図がありまして、ちゃんと“虚ろ”を使わせて、「神様なのに“虚ろなる闇”を使うとはどういうことなのか?」という興味を持ってもらえるようにしています。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――プロマシア戦で驚いたのが、途中でプロミヴォン(※)が出てくるところでした。
※『プロマシアの呪縛』で最初に訪れる特殊なエリア。実装当時はレベルが30に制限され、最初はマップがない状態でいくつかのワープを経由して移動しなければならなかった。またそれぞれのエリアの最奥に待ち受けるボスモンスターもかなりの強さだったので、ストーリーの進行に苦労したプレイヤーが多かった。【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
原澤
 バトル班からプロミヴォンもぜひ入れたいという要請があり、実装しました。

石川
 まさに“呪縛”ですね(笑)。自分もプロミヴォンは出すべきだろうと思っていました。ABCのアライアンスで出てくるモンスターがちゃんと3種類に分かれていたり、メモリーレセプタクル (光る球体)がノックバック攻撃をしてくるのも、原作に寄せてこだわった部分です。

――BGとして、あの場面を再現した感想はいかがでしたか?

原澤
 前半の天象の鎖とはかなり見た目の異なる画でしたので、どちらも作るのは楽しかったです。プロミヴォンについては、オリジナルである『FFXI』のアートのなかに印象的な塔のイラストがあったものですから、そちらも参考にして制作しています。あとは独特な薄い床の質感や、光のイメージなども含め、ぱっと見でわかるような形を意識しました。『FFXI』チームに見ていただいたときの反応も非常に好意的でした。

 なお前半の天象の鎖については、下にヴァナ・ディールが透けて見えるというシチュエーションが非常にたいへんでした。最初はかなりよく見えるように作っていましたが、『FFXIV』ではバトル中の真下に何かが透けてはっきり見えるという表現は、あまりないのです。

石川
 これ、じつは最近になって新しく実装されたシステムで、昔はこのような床が透けるという表現はできなかったのです。“商客物語”のときに水中から出てくるボスがいたため、水上での戦いを表現する際に実装されました。プロマシア戦の天象の鎖は、そのシステムを使ったコンテンツの第2弾ということになります。

 ただ、今回については酔って体調を崩す人が出てしまうことから、それを避けるために緊急性の高い修正として、あまり透けて見えなくなるよう処理しました。本当はオン/オフスイッチで透ける/透けないを選択できればよかったのですが、申し訳ありませんが現状の状態になっています。

――つぎが最後のボス・神竜ですが、今回の神竜のデザインは原作よりも“プロマシアがベースである”ことを強く感じさせるデザインになっています。

塚本
 設定を読んで、神竜はもともとアビセアという異世界に登場するボスであり、プロマシアのひとつの可能性として現れるキャラクターということだったので、そのプロマシアの象徴的なモチーフをHollow Kingまで踏襲して使えたら……と考えました。ただ、少しやりたい放題してしまって、モデル制作担当の人には申し訳なかったかもしれません。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
塚本氏による神竜の設定画。
――でもまさに、“記憶の中に残っている神竜の強大さ”が感じられました。バトルについてはステージが上下二層構造というのが大きな特徴だと思いますが、あれは神竜の大きさを表現するためでしょうか?

石川
 はい。神竜は『FFXI』でも最大級のモンスターですが、『FFXIV』にも巨大ボスはたくさんいますので、『FFXI』のスケール感をそのまま『FFXIV』に持ってきても、常識的なサイズに収まってしまうんです。神竜は『FFXIV』のほうでも非常識なサイズにしたかったので、床ひとつでは表現できないほど大きいという演出として、二層構造にしました。

 ちなみに当初は下の層から始まって、上を見上げても頭が見えず、上の層に行ってようやく頭が見える、というようなバトルを想定していました。ですが待機場所からの視線を考えると、どうしても最初から全身が見えてしまうので、戦闘のテンポなども考え最終的には上の層からスタートする形になっています。巨大なボスに対する二層構造は新しい試みでしたので、これは今後もどこかのタイミングでまたバトルに採用してみたいです。

――BG担当としては、上下二層構造の感想はいかがでしたか。

原澤
 コリジョン(地面などの当たり判定)の問題などを心配していたのですが、意外とスムーズに実装できた印象があります。ただ、上から下の層が見えたり、下から上の層が見えたりという視認性の問題はありました。最初は上層も下層も床が透けていたのですが、上から見たときに下層のさらに下が見えると見づらいというフィードバックがあり、下側の床は透けて見えないよう調整しました。試みとしては非常に新しくておもしろかったと思っています。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――その後いよいよ神竜が変化してHollow Kingが登場するわけですが、塚本さんとしては、グルージャジャと神竜の合体が決まってからあの形を考えられたということですね。

塚本
 コンペを行った際、皆さんがいろいろなデザインを出している中で、少々太めのものを最後に出したらおもしろいかなと思いまして。あえてボテッとしたボリュームのある形を提案しました。

――その前の神竜が比較的細身のドラゴンのイメージなので、あえて太くしたということでしょうか。

塚本
 そうですね。

石川
 他はやはり細身のデザインが多かったのですが、その中で塚本のデザインは、がっしりとした感じがグルージャジャと神竜の融合という解釈として素晴らしいと感じたため、この方向で行くことになりました。

塚本
 思い入れも強かったので、モデルチェック時に、「首をもっと太くしてほしい」とお願いもしましたね。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
塚本氏によるHollow Kingの設定画。
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――ラストバトルとしてなにか意識された点はありますか。

石川
 神竜戦に関しては、原作の技を採り入れることを重視しています。たとえば原作ではHPが1になってしまうカタクリスムヴォルテクスという技があるのですが、神竜戦でも失敗するとHPが1になるギミックとして盛り込んでいます。後半戦はそれらがさらに強化されたものになっています。

――ラスボスのステージについて、BGとしての注目ポイントはありますか。

原澤
 ボスが非常に大きく動き回りますので、ライトをどのように当てるかがたいへんでした。毎回ボスに対して見栄えがよくなるようなライトを意図的に配置していますが、あれほど大きなボスが幅広く動き回るのでライトが外れてしまうことがあり、工夫が必要でした。

 また最後のエリアですので、ここでもクリアー後に後ろを向いてスクリーンショットを撮ることを意識しています。ライティングの加減では、キャラクターのスクリーンショットが真っ暗になってしまったり、カットシーンなどでも顔に濃い影が出てしまったりすることもありますので、その点は本当に気をつけています。

――アート班が作り上げたボスも、ライティングの印象によってかなり変わって見えてしまうということはありますか?

塚本
 モンスターの見えかたは環境光に大きく左右されます。ですので、モデルや背景ができた段階ではまだ完成ではありません。必ずすべての要素が揃った状態で確認を行います。

 そこで「このモンスターはもう少し色を強くしよう」、「コントラストを上げよう」といった最終的な調整を重ねていきます。そうしたブラッシュアップを経て、ライティングを含めた全体の見栄えが整った時点で、ようやく完成と言えるのです。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
――“サードウォーク”全体を通して、『FFXI』チームからのフィードバックで印象的なものがあればお聞かせください。

石川
 “サードウォーク”では、ほとんど修正の依頼はなかったです。アルザビの街灯を少し減らしてほしいとか、本当にその程度でした。むしろ、自分のほうからウィンダスの花を減らしてくれとBGに要望したことがありました。

原澤
 “サードウォーク”は『FFXI』チームから非常に好評で、忠実に再現できているといううれしい言葉をいただいて、レイドBGスタッフ一同でたいへん喜びました。

冒険者と光の戦士、未来のプレイヤーへのメッセージ

――改めて、EoV全体を振り返ってみての感想をお聞かせください。

石川
 『FFXIV』の技術で作られたヴァナ・ディールを見られたことが、単純にうれしかったですし、「作ってよかった」、「プレイできてよかった」と思っています。

 いつも以上、というとなんですが、開発側からもプレイヤー側からも、熱量の高さが随所に感じられました。とくにイベント班の熱量が非常に高かったと感じています。道中に『FFXI』関連のテキストがたくさん仕込んであったり、各所のセリフにも細かいネタが入っていたりするのはその証左ですね。たとえばビシージが終わった後に人影が増えていて、ガダラル(※)がさらわれたことが示唆されるようなセリフを語るとか……。
※NPCである炎蛇将ガダラルのこと。アトルガン皇国軍将軍“五蛇将”の1人。ビシージでは範囲魔法を連発するために多数の敵に攻撃され、しばしば真っ先に戦闘不能になっていた。そのため捕虜になることも多く、ある意味ネタキャラとしても『FFXI』プレイヤーから愛されている。【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー
原澤
 五蛇将ネタ、ありましたね。

石川
 ふだんはそこまでネタを仕込み込むことはなかなかありませんので、非常におもしろい取り組みができたと思っています。

原澤
 BG担当としても、最初は『FFXI』をどのようにして『FFXIV』に落とし込もうか悩みましたが、いざ制作してみると、各ロケーションに個性があって、『FFXIV』に落とし込むのがとても楽しかったですね。実際にリリースするまでは、「これじゃない」と言われる可能性もあったので少々不安ではありましたが、結果的に好評な声が多く、ホッとしました。

――今回のコラボは本当に『FFXI』プレイヤーとしてもうれしいものでした。

原澤
 パッチ7.0の恩恵もあり、使える容量が増えたことも追い風になりました。そして、このレイドをきっかけに『FFXI』に戻ってきた方々や、新しく『FFXI』を始めてみたという方々が本当に多くて。そういったことはふだんあまり伝わってこないのですが、今回は多くの人がSNSに投稿してくださったりして、それをダイレクトに感じられたことがいちばんうれしかったです。

石川
 クロスオーバーとしてもっとも望ましい形に近づけたなと感じています。自分は『FFXI』の元開発でもあったので、単純に『FFXI』のプレイヤーが増えたことはうれしいですね。

――塚本さんは、今回のアート全体を振り返っていかがでしょうか。

塚本
 私は、アートはゲームに直接取り込まれるものではなく、モデル、モーション、テクスチャーなどの各担当への呼び水のようなものだと思っています。だから自分が描いたものだというよりは、その人たちががんばって再現してくれたものを後からゲームで確認して、プレイヤーの皆さんといっしょによろこんでいるという感じでした。

原澤
 でも、その最初のきっかけとなるアートの力は本当に大きいと思います。

塚本
 “スタッフがモチベーションを上げて作りやすくするためにアートを描いていく”という感覚でしょうか。しかも今回は、『FFXI』が原作ですから、もともとのデザイン画を確認しながら、『FFXI』のモデルを見て、そこからさらに細かく作り込んでいくという流れでした。最終的にモデラーさんが見て「このクオリティで作れたらいいな」という指針になれば、と考えて描いています。

――最後に、EoVをきっかけに『FFXI』を始めた人、あるいは『FFXIV』を始めた人たちに向けて、おひとりずつメッセージをいただければと思います。

石川
 『FFXI』と『FFXIV』には、それぞれにまったく別の魅力があります。『FFXI』については、歴史あるMMORPGだからこそ感じられるよさがたくさんありますので、ぜひそれを体験しながらプレイしていただければと思います。

 『FFXIV』については、最新のMMORPGとしてこれからも進化し続けていきますので、『FFXI』から『FFXIV』にいらっしゃった人だけでなく、既存の『FFXIV』プレイヤーの皆さんにも、これからの新たな『FFXIV』にご期待いただければと思います。とくに2027年1月リリースのパッチ8.0『
白銀のワンダラー』については、“エヴォルヴ”(進化)と銘打っているだけのことは感じていただけると思っていますので、ぜひご期待ください。

原澤
 BGからの観点で言いますと、『FFXIV』はファンタジーからサイバーパンクまで何でも表現できるというよさがあります。一方で『FFXI』は非常に統一された世界観、ブレない画作りという魅力があります。どちらも美しい風景がたくさんありますので、このレイドを機に両方の世界を楽しんでいただけますとうれしいです。

塚本
 今回、『FFXI』のことをあまり詳しくなかった自分でも、いろいろと見たり調べたりしながら制作していくことで、『FFXI』の魅了を感じることができました。それまでは、ほかの方々ほどは詳しくはなかったのが、プリッシュというキャラクターの立ち位置や物語も理解できて興味深かったです。『FFXIV』も、この先初めてプレイする人に、これまでの積み重ねてきた歴史や熱量を感じていただけるようなコンテンツになっていければと思いますし、そのようなものをさらに作り続けるためのアートを描いていきたいと思います。
【FF14】“冒険者がイメージする『FF11』”を再現するために――“エコーズ オブ ヴァナ・ディール”シリーズ総括インタビュー