『エッジランナーズ2』プレミア上映の熱狂

イベントの熱気を物語るファンたちの深いリスペクト
ところが驚くべきことに、記事執筆時点で、SNS上に第1話の盗撮画像やリーク画像は見当たらない。実際、第1話の視聴中に周囲を見回してみても、スマホを掲げている人はひとりもいなかった。それほどまでに、作品への深いリスペクトを持ったファンたちが集っていたということだろう。
この状況に、CD PROJEKT REDの日本担当である本間覚氏も感謝の投稿を行っている。
制作陣が語る、前作が世界を魅了した理由

トークセッションではまず、前作『サイバーパンク: エッジランナーズ』が世界中の人々の心に深く響いた要因について語られた。
Elder氏によれば、制作時には干渉してくる企業や監視の目がなく、制作スタジオであるTRIGGER(トリガー)との打ち合わせでも、非常に自由な環境があったという。
その中で、「『サイバーパンク2077』のファンに向けて届けるのか、それともファン層を拡大したいのか」とターゲット層を聞かれた際、ショーランナーが「ターゲット層はどうでもよく、自分がこの番組を気に入ればそれで十分」と答えたというエピソードも披露された。
Elder氏は、言葉では表せない情熱と愛を持って自由に制作できたことを、視聴者も感じ取ってくれたことが世界中の人々に響いたのではないかと語っていた。
またSztybor氏は、前作主人公デイビッドが母親グロリアと過ごす序盤のシーンに見られるような、完璧ではないリアルな家族模様が、非日常的なサイバーパンクの世界観に普遍的な共感をもたらしたと分析している。
余談だが、同氏は真面目な話をしている最中に、突然ジョークをねじ込んでくるので油断がならない。「デイビッドを生き返らせろとCDPRがうるさいんだ」と言えば、「だからデイビッドを蘇らせるよ」と続けたり、「キャラに感情移入しすぎないでください」、「新キャラを発表しても、どうせ死ぬと思われている」など、ブラックすぎるジョークを連発していた。
続編が描く新たなナイトシティの物語
つまり、前作のデイビッドやルーシーたちが紡いだ物語は、ナイトシティで起きたひとつの物語に過ぎず、今回はまったく新しい主人公たちである“ウィーク”、“D”、“ロマン”、“タリア”の4人を中心に、新たな物語が展開されるわけだ。




「自己犠牲」というテーマへの新たなアプローチ
その問いに対する答えを求めて、犠牲について別の視点から語ってみてはどうか、という考えが『サイバーパンク: エッジランナーズ2』の出発点になったという。そのため、両作品は似たテーマを持ちながらも、今作では前作とは異なる決断が下されることになるようだ。
『サイバーパンク: エッジランナーズ2』にもロマンス要素はあるが、それが前作と同じく悲劇的なものになるかどうかは明かされなかった。ただし、Elder氏は「本作もライター陣は前作と同じなので、感情移入しすぎずに、各キャラクターの選択を見守ってほしい」と、冗談まじりに語っていた。
映画愛あふれる演出とビジュアルの変化
一方、今作は地に足がついた、より暴力的で、生々しい作品になっており、感情へのアプローチも異なる、映画にたとえるなら、マーティン・スコセッシ作品に近いとのこと。映画好きなら、イメージしやすいたとえだろう。
『サイバーパンク: エッジランナーズ2』の監督を務めるTRIGGERの五十嵐海監督も映画好きということで、『パルプ・フィクション』や『レオン』など、1990年代の名作にインスパイアされた要素が自然と取り入れられているようだ。
第1話のプレミア上映後には五十嵐監督も登壇。前作と今作のビジュアル面での違いについて、「90年代の魂を持ったキャラクターたちがナイトシティにぶち込まれたらどうなるか」を意識して制作し、さらに、「そんなキャラクターたちがナイトシティに取り込まれ、どのような感情を持って決断を下すのか見届けてほしい」と、作品への意気込みを明かした。
最後にSztybor氏は、「悲しみはセクシーだと思われがちだが、幸福のほうがよりセクシーだ」と、ユーモアを交えつつも意味深な言葉を残した。こうして、約6000人のファンを熱狂させたパネルディスカッションは、大盛況のうちに幕を閉じた。














