『サイバーパンク: エッジランナーズ2』世界最速上映リポート【ネタバレなし!】。デイビッドの伝説から新章へ。マイケル・ベイ的な前作からマーティン・スコセッシ的な生々しい群像劇に6000人が熱狂

『サイバーパンク: エッジランナーズ2』世界最速上映リポート【ネタバレなし!】。デイビッドの伝説から新章へ。マイケル・ベイ的な前作からマーティン・スコセッシ的な生々しい群像劇に6000人が熱狂

『エッジランナーズ2』プレミア上映の熱狂

 アメリカ・ロサンゼルスで開催された“Anime Expo 2026”(アニメエキスポ2026)。本イベント内で行われた、『サイバーパンク: エッジランナーズ2』(Cyberpunk: Edgerunners 2)の記念すべき第1話プレミア上映と、制作者陣によるトークイベント、いわゆるパネルの模様をお届けする。
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 なお、『サイバーパンク: エッジランナーズ2』第1話の内容は、すでにWeb上で公開されている情報以外はいっさい語らないので、ネタバレを警戒されている方は安心していただきたい。

イベントの熱気を物語るファンたちの深いリスペクト

 今回のイベントは、ロサンゼルス・レイカーズの本拠地であるクリプト・ドットコム・アリーナに約6000人を収容して行われた特別イベントだった。パネル中は全編撮影禁止となっていたが、こうした注意事項は海外イベントでは必ずしも徹底されないことも多い。

 ところが驚くべきことに、記事執筆時点で、SNS上に第1話の盗撮画像やリーク画像は見当たらない。実際、第1話の視聴中に周囲を見回してみても、スマホを掲げている人はひとりもいなかった。それほどまでに、作品への深いリスペクトを持ったファンたちが集っていたということだろう。

 この状況に、CD PROJEKT REDの日本担当である本間覚氏も感謝の投稿を行っている。

制作陣が語る、前作が世界を魅了した理由

 パネルが開幕すると、司会のDanny Motta氏がまさかのルーシーのコスプレで登壇。ジョニー・シルヴァーハンドを演じたキアヌ・リーブスの“You’re breathtaking!”をまねて、会場を笑いに包んだ。続いて、エグゼクティブ・プロデューサーのSaya Elder氏と、シリーズ全体の制作・脚本面を統括するショーランナーのBartosz Sztybor氏も登壇。

 トークセッションではまず、前作『
サイバーパンク: エッジランナーズ』が世界中の人々の心に深く響いた要因について語られた。

 Elder氏によれば、制作時には干渉してくる企業や監視の目がなく、制作スタジオであるTRIGGER(トリガー)との打ち合わせでも、非常に自由な環境があったという。

 その中で、「『
サイバーパンク2077』のファンに向けて届けるのか、それともファン層を拡大したいのか」とターゲット層を聞かれた際、ショーランナーが「ターゲット層はどうでもよく、自分がこの番組を気に入ればそれで十分」と答えたというエピソードも披露された。

 Elder氏は、言葉では表せない情熱と愛を持って自由に制作できたことを、視聴者も感じ取ってくれたことが世界中の人々に響いたのではないかと語っていた。

 またSztybor氏は、前作主人公デイビッドが母親グロリアと過ごす序盤のシーンに見られるような、完璧ではないリアルな家族模様が、非日常的なサイバーパンクの世界観に普遍的な共感をもたらしたと分析している。

 余談だが、同氏は真面目な話をしている最中に、突然ジョークをねじ込んでくるので油断がならない。「デイビッドを生き返らせろとCDPRがうるさいんだ」と言えば、「だからデイビッドを蘇らせるよ」と続けたり、「キャラに感情移入しすぎないでください」、「新キャラを発表しても、どうせ死ぬと思われている」など、ブラックすぎるジョークを連発していた。

続編が描く新たなナイトシティの物語

 待望の続編となる本作だが、前作の直接的な続きではないことが、改めて強調された。制作陣は舞台となるナイトシティ自体を、原典制作者マイク・ポンスミス氏の『Cyberpunk 2020』の構想に近い、巨大なキャンバスとして捉えている。

 つまり、前作のデイビッドやルーシーたちが紡いだ物語は、ナイトシティで起きたひとつの物語に過ぎず、今回はまったく新しい主人公たちである“ウィーク”、“D”、“ロマン”、“タリア”の4人を中心に、新たな物語が展開されるわけだ。

「自己犠牲」というテーマへの新たなアプローチ

 『サイバーパンク: エッジランナーズ2』の制作について話を始めたとき、Sztybor氏は突然、「デイビッドはルーシーのためにみずからを犠牲にしたのでしょうか? それは愚かなことだったのでしょうか? それとも美しいことだったのでしょうか?」と会場に問いかけた。

 その問いに対する答えを求めて、犠牲について別の視点から語ってみてはどうか、という考えが『サイバーパンク: エッジランナーズ2』の出発点になったという。そのため、両作品は似たテーマを持ちながらも、今作では前作とは異なる決断が下されることになるようだ。

 『サイバーパンク: エッジランナーズ2』にもロマンス要素はあるが、それが前作と同じく悲劇的なものになるかどうかは明かされなかった。ただし、Elder氏は「本作もライター陣は前作と同じなので、感情移入しすぎずに、各キャラクターの選択を見守ってほしい」と、冗談まじりに語っていた。

映画愛あふれる演出とビジュアルの変化

 Sztybor氏は自身を映画好きと語り、前作については、ナイトシティとエッジランナーズたちにロマンティックなビジョンを持たせた作品であり、映画にたとえるならマイケル・ベイ作品のようなものだったと説明した。

 一方、今作は地に足がついた、より暴力的で、生々しい作品になっており、感情へのアプローチも異なる、映画にたとえるなら、マーティン・スコセッシ作品に近いとのこと。映画好きなら、イメージしやすいたとえだろう。

 『サイバーパンク: エッジランナーズ2』の監督を務めるTRIGGERの五十嵐海監督も映画好きということで、『
パルプ・フィクション』や『レオン』など、1990年代の名作にインスパイアされた要素が自然と取り入れられているようだ。

 第1話のプレミア上映後には五十嵐監督も登壇。前作と今作のビジュアル面での違いについて、「90年代の魂を持ったキャラクターたちがナイトシティにぶち込まれたらどうなるか」を意識して制作し、さらに、「そんなキャラクターたちがナイトシティに取り込まれ、どのような感情を持って決断を下すのか見届けてほしい」と、作品への意気込みを明かした。
 なお、五十嵐監督はTRIGGER主催のパネルでも『サイバーパンク: エッジランナーズ2』について語ってくださるそうなので、後日、そちらのリポート記事もお届けする予定だ。

 最後にSztybor氏は、「悲しみはセクシーだと思われがちだが、幸福のほうがよりセクシーだ」と、ユーモアを交えつつも意味深な言葉を残した。こうして、約6000人のファンを熱狂させたパネルディスカッションは、大盛況のうちに幕を閉じた。

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