
Netmarbleは本作と同ジャンルのタイトル『リネージュ2 レボリューション』を長年運営しており、こちらは2026年8月に9周年を迎える。長期運営のノウハウを持つメーカーの最新作という点でも、MMORPGプレイヤーにとっては気になるところが多い。


ハン・ギヒョン
『ヴァンピール』プロデューサーとして、開発全般および長期的なサービス戦略を統括。『リネージュ2 レボリューション』ではゲーム企画を起点に、成長関連施策を主導した後、ゲーム企画責任者としてコンテンツ方針や運営戦略を牽引してきた。文中ではハン。
チェ・ナムホ
『ヴァンピール』を含め、複数タイトルに携わるエグゼクティブアートディレクター。『A3』からスタートし、『リネージュ2 レボリューション』や『二ノ国:Cross Worlds』などで豊富な経験を培っている。文中ではチェ。
チョン・スンファン
『ブレイドアンドソウル レボリューション』など、多数タイトルでプロジェクトマネジメントを経てきたビジネスチームマネージャー。『ヴァンピール』のほか、『アスダル年代記:三つの勢力』、『RAVEN2』などのローンチと市場投入戦略をリードしている。文中ではチョン。
MMORPGの固定概念を壊して魅力を再発見
やがて、いちユーザーとして「楽しむために始めたゲームが、なぜいつの間にかストレスになってしまうのか」という疑問を抱くようになっていました。異なるプレイスタイルを持つユーザーをひとつの競争構造に押し込めることや、過度な成長負担、反復的な課金構造、勝者中心のコンテンツ設計などは、ジャンルが長く抱えてきた課題だと考えています。
――MMORPGとはそういうものだと考えてしまいがちな部分ですね。

つまり『ヴァンピール』は、「MMORPGとはこういうものだ」という固定観念に挑戦するプロジェクトです。成長、競争、経済システム、そして世界観や表現方法にいたるまで、慣れ親しんだ枠組みを大胆に変え、ユーザーがもう一度楽しさを感じられるMMORPGを作りたいという思いが、開発の大きなきっかけとなりました。

ヴァンパイアは単なる種族設定ではなく、生と死の境界、欲望と禁忌、魅惑と恐怖が共存する象徴的な存在です。こうした感情の濃度をMMORPGの構造に落とし込むことで、より強い没入感を提供できると判断しました。そこから、私たちならではのヴァンパイア世界観が生まれました。
――ストーリー面でもヴァンパイアという題材を意識されたのでしょうか。

――演出面では流血表現など、残酷な描写も序盤から多く見受けられますね。
そのため、ゲーム内の演出についてもためらいませんでした。戦闘における血の表現や打撃感、吸血演出などは、感情を視覚的(直感的)に表現するための装置です。刺激のための刺激ではなく、世界観や情緒に合った“洗練された強烈さ”を目指しました。物語、感情、表現方法の全体において、既存MMORPGの定石を超えようとした試みの一環です。


そこで私たちが重視したのは、世界観を無理に押しつけるのではなく、自然にゲーム体験の中へ溶け込ませることでした。たとえば、ヴァンパイアの弱点である日光を単なるペナルティにせず、“血の関門”という設定で表現したこと。また、吸血を不快な要素ではなく、ヒーラーなしですべてのクラスがアタッカーとして戦い、アドレナリン効果を通じて戦闘のインパクトを生み出す重要な要素として活用したことが、その代表例です。世界観がゲームプレイを妨げるのではなく、ゲームプレイそのものが世界観をより深く感じさせる構造を作りたいと考えました。
――プレイを通じて、自然と世界観に没入できると。
最終的に私たちが目指したのは、プレイヤーが『ヴァンピール』の世界に接続した瞬間、これまで遊んできたMMORPGとは明らかに違う何かを感じながらも、自然とその世界に長くとどまりたいと思える体験です。
――プレイヤーにはどのような魅力を体験してほしいと考えていますか。

『ヴァンピール』は、その本質へ立ち返ることを目指しました。ダイヤ(課金通貨)ファーミングによって、プレイした時間が実質的な成長につながります。GvGコンテンツでは課金額ではなく、クランの戦略とチームワークが勝敗を分けるように設計。ひとりで成長し、クランメンバーと協力し、ほかのサーバーと競い合う。そのすべての過程を、課金の負担なく純粋に楽しめるようにしたいと考えました。『ヴァンピール』をプレイしながら、「ああ、これが自分がMMORPGに求めていた楽しさだったんだ」と感じていただける瞬間があることを願っています。
長年の運営ノウハウと最新のニーズの融合
ひとつ目は、戦闘設計の革新です。“すべてのプレイヤーが主役になれる戦闘”を目指しました。既存MMORPGの慢性的な課題であったヒーラー不足や役割の強制を解消するため、タンク・アタッカー・ヒーラーという従来の役割構造から、ヒーラーを大胆に取り除きました。すべてのクラスを攻撃中心に設計しつつ、ヴァンパイアの本質である“吸血”が戦闘における重要な生存メカニズムとして機能します。
敵をより激しく攻撃するほど体力が回復する構造となっており、攻撃こそが最善の生存手段になります。どのクラスを選んでも、戦闘の中心に立つことができます。

本作では一定レベル以上になると、フィールド狩りやダンジョンプレイだけでダイヤを獲得できます。また、ガチャシステムには“ケアポイント”構造を導入し、低レアリティーの排出が続くほどポイントが加速度的に蓄積され、欲しい報酬により早く到達できるようにしました。課金が絶対的な優位を決めるのではなく、継続的にプレイするユーザーが正当に強くなれるエコシステムを作っています。

――日本のMMORPG市場に対して、とくに意識した部分はありますか。
本作ではローンチ直後の“聖物防衛戦”を皮切りに、“クラン占領戦”、“争奪戦” 、そして2026年10月開催予定の“ヴァンピール クランチャンピオンシップ” まで、クラン単位の協力と競争がゲーム全体を貫く重要な軸となっています。勝者にはサーバー内で実質的な権限が与えられ、敗者にも貢献度に応じた報酬が付与されるため、より多くのユーザーが最後まで戦場に残って戦う理由を持てるようにしました。
――『リネージュ2 レボリューション』や『二ノ国:Cross Worlds』の開発経験は、本作にどのように活かされていますか。
まず、大規模戦闘や競争コンテンツの設計面に、そのノウハウを積極的に反映させました。単にコンテンツを追加するのではなく、ユーザー間の対立と協力が自然に発生する構造を設計することに重点を置いています。サーバー運営の安定性やパフォーマンス最適化についても、これまでのプロジェクトで蓄積した技術的経験をもとに、より精緻に磨き上げました。
――長らくライブサービスを展開してきたノウハウなども活かされているようですね。
何より重要な資産は、長期間にわたるライブサービス運営を通じて、さまざまな課題を直接経験し、対応してきたことです。コンテンツアップデート周期の管理、コミュニティとのコミュニケーション方法、バランス調整のスピードや方向性の設定など、ライブ運営全般に関する実践的な経験が蓄積されています。これらの経験と技術的基盤があるからこそ、より安定的で持続可能なサービスを続けていけると考えています。

結果的に、ユーザーの皆さまは『ヴァンピール』を単なる新作MMORPGではなく、慣れ親しんだMMORPGの文法を新しく解釈したゲームとして受け止め、その点に大きな魅力を感じてくださったのだと思います。
――韓国での運営を通じて、改善した部分や課題はありましたか。
この経験は私たちにとって、非常に貴重な資産となりました。韓国サービスを通じて蓄積したデータをもとに、コンテンツ供給の周期や成長導線、運営計画をより精緻に整えることができたからです。日本サービスでは、こうした経験を積極的に反映し、初期段階からより安定したコンテンツ運営計画を準備しています。ユーザーの皆さまが長期的に楽しめるよう、アップデートロードマップとコンテンツ準備体制を一層強化し、サービス初期から継続的な遊びを提供することに注力する予定です。


日本独自の展開や気になる点を訊く
その代表例がサーバー構成です。事前のコミュニケーションのなかで共通して強く要望をいただいたのが、日本ユーザー同士だけでプレイできる専用サーバーでした。私たちはその意見を積極的に反映し、日本専用サーバーを別途用意しました。もちろん、韓国や台湾のユーザーと競争したいユーザーのためのサーバーもあわせて準備しています。

つまり『ヴァンピール』日本版は、韓国で検証されたゲームをそのまま持ってくるのではなく、日本のユーザーの皆さんとのコミュニケーションを通じて、ともに作り上げてきた結果です。今後も日本サービスならではの運営方法やアップデートの流れを、ユーザーの皆さまとともに作っていく予定です。
――日本のMMORPGユーザーの中で、どのような層をターゲットとして想定していますか。
MMORPGは、結局のところ人々の物語です。ひとりでは味わえない成長の高揚感、クランメンバーとともに強敵に立ち向かう協力の感動、そして激しい競争の末に得る勝利の達成感。この3つが、このジャンルを長く愛されるものにしてきた核心だと考えています。
日本のユーザーの皆さまは、この本質的な楽しさに誰よりも真剣に反応してくださると感じています。『ヴァンピール』は、まさにそうしたユーザーの皆さまのためのゲームです。成長するときは妨げられず十分に強くなれて、競争の舞台ではクランメンバーとの協力が実質的な結果につながり、その結果がさらに高みを目指す動機になる好循環の構造。これこそが、日本のユーザーの皆さまが求めるMMORPGの姿だと私たちは考えています。

日本のMMORPG市場は、ユーザーの目線が高く、ゲームを見る視点も非常に深い市場です。そのため、表面的な数値や順位よりも、長くいっしょに遊びたいゲームかどうかが冷静に判断されると考えています。私たちの目標は、その判断において合格点をいただくことです。初めてログインしたユーザーが翌日も、1ヵ月後もログインしたいと思えるゲーム。クランメンバーに「このゲームをいっしょにやろう」と自信を持って勧められるゲーム。それこそが、『ヴァンピール』が日本市場で本当に実現したい姿です。

まず、課金の結果が確実に感じられるべきだと考えました。“ケアポイントシステム”が、その代表例です。結果がよくなかったとしても、その過程がつぎの報酬に向けた確かな足がかりとして蓄積されます。課金した努力が無駄に消えてしまわない構造です。


また、GvGコンテンツでは、単純な課金額よりも、クランの戦略とチームワークが勝敗を分ける重要な要素になります。財布の大きさではなく、プレイの深さで競える環境を作りたいと考えました。課金したときに確かに残るものがあり、課金しなくても取り残されたと感じないこと。このバランスを保ってこそ、長く愛されるゲームになると信じています。
ローンチ後の展開にも要注目
まず、クラン間の協力と競争の楽しさをさらに広げられるコンテンツを、継続的にお届けする予定です。MMORPGの最大の魅力は、最終的には人々とともに作っていく体験にあると考えているため、ユーザーの皆さんがより密接に協力し、競い合える環境を作っていきたいと考えています。
また、新地域、ダンジョン、成長コンテンツなど、MMORPGユーザーの皆さまが期待するコンテンツを安定的に提供していく計画です。韓国サービスを通じて確認したデータをもとに、コンテンツ消費速度や利用パターンをより綿密に分析しており、より体系的なアップデートロードマップを準備しています。
――日本サービス開始後のロードマップについて、現時点で共有できる内容はありますか。
7月22日のローンチ時点では、クラン協力コンテンツである“聖物防衛戦”、戦闘特化エリアであるインターサーバー“ゲヘナ”、そしてすべてのワールドがつながる“ワールド統合取引所”が同時にオープンします。
8月には、クランの実力を1対1のトーナメント形式で競う“クラン占領戦”と、サーバー最強クランを決める“争奪戦”が始まります。9月には初のサーバー移転とともに5対5パーティ戦場が公開され、10月にはいよいよ“ヴァンピール クランチャンピオンシップ”が開催されます。


――日本サービス開始を楽しみにしているユーザーへ、メッセージをお願いします。
『ヴァンピール』は、単に韓国で成功したゲームを日本に持ってくるものではありません。日本のユーザーの皆さんの声を直接聞き、そのニーズを設計に反映してきました。日本専用サーバー、ローンチ時点から運営される統合取引所、そしてGvGを中心に据えたコンテンツロードマップ。これらはすべて、日本のユーザーの皆さまとのコミュニケーションから生まれた結果です。
いいゲームは、開発陣だけで作るものではありません。プレイヤーの皆さんとともに作っていくものだと、私たちは信じています。皆さまの声に常に耳を傾け、ご期待に応えられるサービスを作るために最善を尽くします。2026年7月22日(水)12時を、ぜひ楽しみにお待ちください。















