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『紅の砂漠』街でスリをすれば賞金首に。羊なでなで、敵にはドロップキック。悪事も善行も自在のオープンワールドアドベンチャーに見る、「自由度が高い」ってこういうことか

『紅の砂漠』街でスリをすれば賞金首に。羊なでなで、敵にはドロップキック。悪事も善行も自在のオープンワールドアドベンチャーに見る、「自由度が高い」ってこういうことか
 今年も立派な羊が育ちました。
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どうだろうか。いまにも画面の中から「メェー」という元気な声が聞こえてきそうではないか。
 いきなり羊飼い面してしまったが、別に筆者がこの羊を育てたわけではない。『紅の砂漠』に登場する動物がかわいかったので、まずはそれを見てほしくて……。

 では改めて、そんな羊もいる『紅の砂漠』について紹介しよう。『
黒い砂漠』で知られるPearl Abyssが手掛けるオープンワールドアクションアドベンチャーであり、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store、GeForce NOW、Mac)で2026年3月20日に発売予定だ。

 大きな特徴として、主人公が取れる行動の選択肢がやたらと多いことがあげられる。“自由度が高い”という言葉でくくると逆に陳腐に感じてしまうほど、とんでもなくやれることが多いのである。

 発売前に実施されたメディア向け体験会は、6時間以上もみっちり。当然、その程度の時間では遊び尽くせるはずもなかった。
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冒頭の子羊はちゃんと持ち主のもとへ届けておきました。盗賊に奪われた子羊を取り戻す、というミッションだったのだ。

『紅の砂漠』のアクションは手触り良好。コマンドの豊富さが生む動かす楽しさ

 主人公であるクリフは、物語の舞台となるファイウェル大陸の北部地域パイルーン地方の守護者のような存在である“灰色たてがみ”に所属している。だがある日、悪辣な一味“黒い熊”の襲撃を受けて敗走。クリフ自身も深い傷を負ってしまう。
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これが主人公のクリフ。彼以外にも複数のプレイアブルキャラクターが仲間になるという。
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黒い熊を率いるミュルディン。灰色たてがみへと夜襲をかけた。
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善戦するも、ミュルディンの異様な強さの前に敗北を喫することとなってしまう。この後で川に投げ込まれるので、ふと「あ、生きてそうだな」と考えてしまった。
 卑劣な襲撃から長い日が経ったある日から、物語は幕を開ける。腹部に何度も剣を突き刺され、挙句の果てに首の頸動脈を掻っ切られたはずのクリフは、なぜか一命を取り止めていた。彼は不思議な力に導かれるまま、世界の秩序を取り戻すための旅へと出ることになる。
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 メインストーリーはかなり王道のファンタジー的な展開。「何かわからんが世界が危ないらしく、解決のために主人公ががんばる」という流れだ。……ちょっと曖昧な書きかただが、そもそも筆者がプレイできた序盤は解放されている情報が少ないため、全貌を把握し切れなかったというのが正直なところである。

 ではこの『紅の砂漠』は、いわゆる世界観が“薄い”ゲームなのか? 「序盤でシナリオを把握できないなんて、説明不足なんじゃないの?」と、切り捨てられるタイトルなのだろうか。

 いいや、まったくもってそんなことはない。クリフは黒い熊への復讐を考えているはず。ということは、黒い熊のミュルディンの異様な強さにも秘密が……と、想像の翼はいくらでも広がる。混乱したのは、何から手を付けていいものかわからないほどに、ゲーム体験が濃厚だったからだ。
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 まずシンプルに、アクションゲームとしての完成度に惹かれてしまった。戦闘時の“キャラクターを自在に動かしている感”が強く、手触りがとてもいいのだ。

 その理由はコマンド入力で出せる技の抱負さにある。単純に剣で切り合うだけではなく、ドロップキックやラリアット、相手をつかんで投げ飛ばす、でっかい丸太でぶん殴るなど、その戦いかたは豪快だ。ここまで“生き残るための泥くささ”に特化したアクションは、さまざまなゲームを見渡しても珍しいように思う。

 かと思えば、武器に元素(属性)をまとわせて弱点を突いたり、剣の光を反射させ敵の目を眩ませてからラッシュ攻撃を仕掛けたりといった技巧派な戦いかたもできる。とにかく選択肢が多いのである。
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そもそもの構えからかっこいい。盾を前面にして急所を覆い、剣は相手を突き刺すかのように前へ向ける。細かい流派はわからないが、ファンタジー的な映えではなく質実剛健さを感じる。
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片腕で敵をぶん投げるストロングスタイル。実戦派の剣術が好きな方にはたまらないのではないだろうか。荒々しいというか、お行儀が悪いというか。
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マップに生えている木を切って、巨大なこん棒のように振り回す!
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多数の敵に囲まれているときの「何をして、どう切り抜けるのか?」と、思考が走る瞬間。それがもうたまらなく楽しい。
 オープンワールド系ゲームに置いて、アイテムや地形などを駆使して戦略的に戦うものは珍しくない。つまりは“アクション以外”の部分に戦闘を突き詰める楽しさを凝縮させた構造だ。

 『紅の砂漠』の場合、そこにアクション一本で真っ向勝負するような潔さを感じる。それでいて、敵の攻撃が苛烈すぎてどうしようもないわけではないため、何十回も倒されながら立ち回りを覚える(いわゆるソウルライク的な)ことまでは要求されない。とにかくコマンドの多彩さで動かす楽しさを演出している。

 筆者が動かしたうえでの感想だと、アクションゲームに慣れている層であれば大した苦はなく楽しめる難度だと言える。アクションは苦手だと言う編集者のミス・ユースケは「難しい……」と呟きながらも楽しんでいたため、そういう方も挑戦の価値あり。自在に動かせるようになったときの達成感は、近年まれにみるものがあった。
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悪党を縛って、
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担ぎ上げて、
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「えいっ」と、
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川にぶん投げたっていい。自由ってそういうことだ。
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流されていく悪党を見送った後、近くの釣り人からドン引きの目で見られた。横にいた編集者ミス・ユースケの目もこんな感じだった気がする。

釣り! 料理! 煙突掃除! 自由なのは“戦闘”だけじゃない

 とはいえ、別に無理してアクションに没頭しなくたっていい。このゲームの懐の広さは、そんなものだけでは収まらないのだから。

 筆者が「俺はこの道を究めたい……ッ!」と決意したのは“釣り”。フィールドにある川や湖、海に釣竿を垂らして行うフィッシング。魚と俺との無差別格闘戦 in the 水中である。
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興奮して3回ぐらい書いてしまった。まあそれほどに楽しかったということで。
 『紅の砂漠』の釣りはかなりリアル指向。水場に釣り糸を垂らしてかかるのを待つだけ……なんてことは一切なく、まずはコントローラー操作で竿を動かし、その動きで魚を誘うところから始まる。

 そして無事かかっても安心はできない。しっかり食いつきに合わせたら、そこからは激しく動く魚と格闘。左右に触れる魚の動きに合わせてうまく竿を動かしながらリールを巻く。しかも“糸がどれぐらい張ると切れてしまうのか”を表示するインジゲーターなどはないため、コントローラーの振動や画面から情報を得ながら勘でやることになる。

 しかも魚はとにかく抵抗する。ときには障害物の下にもぐって糸を切ろうとするので、それも阻止しながらきっちり釣り上げる必要があるのだ。
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 読んでいて何となく伝わるかと思うのだが、この釣りはやたらと難しい。体験時間中、水辺を見ては糸を垂らしたにもかかわらず、最後まで魚が水面から姿を現すことはなかった。

 ただ、釣れないながらも試行錯誤がおもしろい。糸の張りかたは? このタイミングは竿を立てるべきか? 魚を釣りやすい位置に針を落とすには? そんなことを考えながらのプレイは、まるで現実の釣りのような味がある。

 コツさえつかめば何とかなりそうなので、正式リリースされた暁にはまず釣りから手を出そうと思う。この世界で一流のアングラーになるんだ、俺は。
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「よさそうな釣り場あるな~」と思いながら川沿いを走っていると、バシャッと水面を叩く音が。
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どうやら鳥が魚を捕まえたらしい。そんなことあるのか。「俺も俺も!」と続く気持ちで釣り糸を垂らしたが、まったく釣れる気配がなかった。
 ちなみに、釣り上げた魚は、料理すれば回復アイテムになる。焚火で焼いてもいいし、鍋などが備え付けられてあれば複数の素材を混ぜ込んだ煮込み料理を作ることもできる。とはいえ適当に混ぜ合わせると……。
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 こう、得体のしれない緑色の何かができあがるので要注意。もちろん失敗を恐れず「俺が『紅の砂漠』筆頭料理研究家になってやらあ!」ぐらいのノリでがんがん作ってしまってもいいが、美味しい料理を作るには、ちゃんとしたレシピを手に入れたほうがいいだろう。レシピはサブクエストなどの報酬で入手可能だ。
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レシピを参考にして、
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ぽいぽいと具材を入れ込めば、
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こんなにおいしそうな魚の粥ができました。彩りもきれいだ。
 そういったサブクエストの内容は、アクションゲームでは定番な戦闘メインのものから、前述の釣りや料理が絡むもの、さらには「このほうきあげるからサ、煙突の汚れをキレイにしてくれない?」なんていうこちらを使用人か何かと勘違いしているのかわからないものまで多種多様だ。その数は膨大で、困っている人を探し回りたかったが、限りある試遊時間を割くわけにもいかず断念。Pearl Abyssの担当さんに聞いたところ「すごい数があります」とのこと。

 まだ序盤の街ですらこんな具合なのだから、全体のボリュームはどれほどのものなのだろうか。サブクエストだけをやっているだけでフルプライスのゲーム1本が余裕でクリアーできてしまうほどの時間がかかるのでは……。そんな妄想を膨らませてしまうぐらいには、コンテンツの多さに圧倒されてしまった。
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先ほど作ったお粥のレシピは「自分で作るのは料理の腕が心配で……お客様のために作ってみてくれない?」というサブクエストでもらったもの。
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煙まみれになりながら煙突掃除。雑用も雑用だが、「しょうがねえなあ」という気持ちで引き受ける。
 これは余談だが、サブクエスト受注の流れが好きだ。前述のとおり困っている人を探して直接受けるほかに、街中の掲示板に貼られている「○○をしてくれる人募集!」のような張り紙をベリッと剥がし、内容を読んでから受注するパターンもある。これがいい。

 ただ話して受けるのではなく、クエストボードから選択肢を選ぶのでもなく、動作として“掲示板を見て、張り紙を剥がす”という流れがあるわけだ。言ってしまえば不要なひと手間ではあるのだが、この工程にすごく冒険心をくすぐられる。

 依頼書をしげしげと眺めながら「ふーん、牛を探してくれと。ああ、盗賊が関わってるのか。で、報酬は……なるほどなあ」みたいな品定めをする、この感覚。物語の中でたしかに息づく空気を感じられたような気がして、たまらなく好きだ。俺はこの世界で生きている。
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依頼が貼り出してある掲示板から、ベリッと。
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しげしげと眺めると、
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依頼の内容を確認できる。この一連の流れがすてきだ。

覆面をかぶって大暴れ

 サブクエストで盗賊をとっちめた際、とあるアイテムが気になった。それは“覆面”といって、倒した盗賊の死体をあさることで手に入る装備品のひとつ。

 こんなのもあるのかー、にしても他人の覆面って身に着けるのなんかやだな、なんてことを手に入れたアイテムを見ながら考えていたのだが、そんな筆者にスタッフの方がひと言。

「それをかぶると街で犯罪ができますよ」

 すぐに身に着けた。……なんですと? 犯罪? いろいろ説明してもらうと、覆面をつければ人からアイテムを盗んだり、脅したり急にぶん殴ったりできるのだとか。何それ楽しそう。
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本来なら灰色たてがみは秩序を守る側の存在。犯罪行為はできないはず……なのだが、覆面をかぶればバレないのでセーフなのだという。でも鼻から上とか丸見えですけどいいんですか。
 ということで、さっそく街に戻ってスリを働いてみることに。ダッシュしながら人にぶつかり、相手がよろけた拍子にすかさず表示された“スリをする”コマンドを選択。サッとスマートに懐からアイテムをちょうだいしますかね……と、思いきや。
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 何やら急にものものしい雰囲気に。心なしか周囲の住民の目つきも鋭くなっているような……。

「そのうち指名手配されますよ」

 早く言ってほしい。どうやらスリなどの犯罪行為は、人にバレないよう行う必要があるらしい。人がいない場所や、建物や壁で視線が切られている場所を選んでこっそりやればうまくいくのだとか。簡単にものを盗みまくれるようなうまい話ではなかった。こんなところにリアリティーが転がっている。
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見知らぬ人から説教されてしまった。「いい歳して」なんて言われると自分のみじめさが際立ってつらい。
 犯罪を起こしまくって指名手配されると、街中で衛兵に襲われる。捕まると罰金を支払わされ、住民からの評価も大きく下がるとのこと。

 そんなこと言われたら気になるじゃないか。体験会終了の間際に街で大暴れしてみた。住民から金を巻き上げ、唐突に馬乗りになってぶん殴ったりしていると、いつの間にやら周囲には衛兵が。大立ち回りの末、見事に捕まった筆者は、銀貨2000枚以上の支払いを申し付けられてしまった。街の評判は下がりに下がり、何だか住人も冷たい気がする。

 悪いことをするのはよくない。当たり前のことを痛感するのであった。
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まともに生きよう。川のほとりでひとりそう誓うのだった。

『紅の砂漠』は“無限”かも。底が見えないボリュームに、ただただ圧倒されながら楽しんだ先行プレイ6時間

 そのほかにもフィールドに用意された謎解きに挑んだり、街中にいる犬猫を心ゆくまでなでたり、少年が大事にしている羊を取り返すために盗賊に殴りかかったり……とにかくたくさん、本当にたくさんの冒険をして、体験会は終了となった。

 今回遊んだメインストーリーの進行度は全体の2割にも満たないレベルらしいが、それでも非常に濃すぎる体験だった。聞いた話によると、物語を進めて拠点を手に入れればわんちゃんねこちゃんの好感度を上げてペットにすることができるようで、なでなでに気合が入るというもの。
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 あまりにもできることが多すぎるのはもちろんだが、それらひとつひとつに『紅の砂漠』の世界観がにじむ。だから、たまらなく楽しい。掲示板の様子しかり、人々との会話しかり、寄り道の経験がかけがえのない旅の思い出になる。
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この場面なんかは印象深い。家が壊され、家畜もどこかへ連れていかれた住人から「せめて牛だけでも見つけてほしい」と依頼を受けているところに雨が降り出し、とてもドラマチックな一幕になった。
 アクションの完成度は冒頭に触れたとおり。コマンドが抱負なので、キャラクターを“自在に動かしている”という感覚が強く、手触りがとてもいい。

 体験中に複数のボスとも戦ったところ、どれも難しすぎるということはなく、それでいてザコ戦とは一線を画すような歯ごたえのある戦闘体験が味わえる。すべてのボスを見たわけではないが、その辺りのバランス感はしっかりと整えられていると考えてよさそうだ。
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 まあ筆者の心は、いまだ“釣り”に囚われているのだが。釣れなかったのがあまりにも悔しくて……。

 『紅の砂漠』発売は2026年の3月20日に予定されているとのことなので、それまでに一度リアルで釣りに行って、(役に立つかは知らないが)実戦での感覚をつかんでおくかと構想中。糸を垂らす釣り人のような心境で、発売までをゆっくりと待ちたいと思う。
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