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では改めて、そんな羊もいる『紅の砂漠』について紹介しよう。『黒い砂漠』で知られるPearl Abyssが手掛けるオープンワールドアクションアドベンチャーであり、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store、GeForce NOW、Mac)で2026年3月20日に発売予定だ。
大きな特徴として、主人公が取れる行動の選択肢がやたらと多いことがあげられる。“自由度が高い”という言葉でくくると逆に陳腐に感じてしまうほど、とんでもなくやれることが多いのである。
発売前に実施されたメディア向け体験会は、6時間以上もみっちり。当然、その程度の時間では遊び尽くせるはずもなかった。
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『紅の砂漠』のアクションは手触り良好。コマンドの豊富さが生む動かす楽しさ
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メインストーリーはかなり王道のファンタジー的な展開。「何かわからんが世界が危ないらしく、解決のために主人公ががんばる」という流れだ。……ちょっと曖昧な書きかただが、そもそも筆者がプレイできた序盤は解放されている情報が少ないため、全貌を把握し切れなかったというのが正直なところである。
ではこの『紅の砂漠』は、いわゆる世界観が“薄い”ゲームなのか? 「序盤でシナリオを把握できないなんて、説明不足なんじゃないの?」と、切り捨てられるタイトルなのだろうか。
いいや、まったくもってそんなことはない。クリフは黒い熊への復讐を考えているはず。ということは、黒い熊のミュルディンの異様な強さにも秘密が……と、想像の翼はいくらでも広がる。混乱したのは、何から手を付けていいものかわからないほどに、ゲーム体験が濃厚だったからだ。
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まずシンプルに、アクションゲームとしての完成度に惹かれてしまった。戦闘時の“キャラクターを自在に動かしている感”が強く、手触りがとてもいいのだ。
その理由はコマンド入力で出せる技の抱負さにある。単純に剣で切り合うだけではなく、ドロップキックやラリアット、相手をつかんで投げ飛ばす、でっかい丸太でぶん殴るなど、その戦いかたは豪快だ。ここまで“生き残るための泥くささ”に特化したアクションは、さまざまなゲームを見渡しても珍しいように思う。
かと思えば、武器に元素(属性)をまとわせて弱点を突いたり、剣の光を反射させ敵の目を眩ませてからラッシュ攻撃を仕掛けたりといった技巧派な戦いかたもできる。とにかく選択肢が多いのである。
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『紅の砂漠』の場合、そこにアクション一本で真っ向勝負するような潔さを感じる。それでいて、敵の攻撃が苛烈すぎてどうしようもないわけではないため、何十回も倒されながら立ち回りを覚える(いわゆるソウルライク的な)ことまでは要求されない。とにかくコマンドの多彩さで動かす楽しさを演出している。
筆者が動かしたうえでの感想だと、アクションゲームに慣れている層であれば大した苦はなく楽しめる難度だと言える。アクションは苦手だと言う編集者のミス・ユースケは「難しい……」と呟きながらも楽しんでいたため、そういう方も挑戦の価値あり。自在に動かせるようになったときの達成感は、近年まれにみるものがあった。
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釣り! 料理! 煙突掃除! 自由なのは“戦闘”だけじゃない
筆者が「俺はこの道を究めたい……ッ!」と決意したのは“釣り”。フィールドにある川や湖、海に釣竿を垂らして行うフィッシング。魚と俺との無差別格闘戦 in the 水中である。
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そして無事かかっても安心はできない。しっかり食いつきに合わせたら、そこからは激しく動く魚と格闘。左右に触れる魚の動きに合わせてうまく竿を動かしながらリールを巻く。しかも“糸がどれぐらい張ると切れてしまうのか”を表示するインジゲーターなどはないため、コントローラーの振動や画面から情報を得ながら勘でやることになる。
しかも魚はとにかく抵抗する。ときには障害物の下にもぐって糸を切ろうとするので、それも阻止しながらきっちり釣り上げる必要があるのだ。
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読んでいて何となく伝わるかと思うのだが、この釣りはやたらと難しい。体験時間中、水辺を見ては糸を垂らしたにもかかわらず、最後まで魚が水面から姿を現すことはなかった。
ただ、釣れないながらも試行錯誤がおもしろい。糸の張りかたは? このタイミングは竿を立てるべきか? 魚を釣りやすい位置に針を落とすには? そんなことを考えながらのプレイは、まるで現実の釣りのような味がある。
コツさえつかめば何とかなりそうなので、正式リリースされた暁にはまず釣りから手を出そうと思う。この世界で一流のアングラーになるんだ、俺は。
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こう、得体のしれない緑色の何かができあがるので要注意。もちろん失敗を恐れず「俺が『紅の砂漠』筆頭料理研究家になってやらあ!」ぐらいのノリでがんがん作ってしまってもいいが、美味しい料理を作るには、ちゃんとしたレシピを手に入れたほうがいいだろう。レシピはサブクエストなどの報酬で入手可能だ。
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まだ序盤の街ですらこんな具合なのだから、全体のボリュームはどれほどのものなのだろうか。サブクエストだけをやっているだけでフルプライスのゲーム1本が余裕でクリアーできてしまうほどの時間がかかるのでは……。そんな妄想を膨らませてしまうぐらいには、コンテンツの多さに圧倒されてしまった。
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ただ話して受けるのではなく、クエストボードから選択肢を選ぶのでもなく、動作として“掲示板を見て、張り紙を剥がす”という流れがあるわけだ。言ってしまえば不要なひと手間ではあるのだが、この工程にすごく冒険心をくすぐられる。
依頼書をしげしげと眺めながら「ふーん、牛を探してくれと。ああ、盗賊が関わってるのか。で、報酬は……なるほどなあ」みたいな品定めをする、この感覚。物語の中でたしかに息づく空気を感じられたような気がして、たまらなく好きだ。俺はこの世界で生きている。
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覆面をかぶって大暴れ
こんなのもあるのかー、にしても他人の覆面って身に着けるのなんかやだな、なんてことを手に入れたアイテムを見ながら考えていたのだが、そんな筆者にスタッフの方がひと言。
「それをかぶると街で犯罪ができますよ」
すぐに身に着けた。……なんですと? 犯罪? いろいろ説明してもらうと、覆面をつければ人からアイテムを盗んだり、脅したり急にぶん殴ったりできるのだとか。何それ楽しそう。
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何やら急にものものしい雰囲気に。心なしか周囲の住民の目つきも鋭くなっているような……。
「そのうち指名手配されますよ」
早く言ってほしい。どうやらスリなどの犯罪行為は、人にバレないよう行う必要があるらしい。人がいない場所や、建物や壁で視線が切られている場所を選んでこっそりやればうまくいくのだとか。簡単にものを盗みまくれるようなうまい話ではなかった。こんなところにリアリティーが転がっている。
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そんなこと言われたら気になるじゃないか。体験会終了の間際に街で大暴れしてみた。住民から金を巻き上げ、唐突に馬乗りになってぶん殴ったりしていると、いつの間にやら周囲には衛兵が。大立ち回りの末、見事に捕まった筆者は、銀貨2000枚以上の支払いを申し付けられてしまった。街の評判は下がりに下がり、何だか住人も冷たい気がする。
悪いことをするのはよくない。当たり前のことを痛感するのであった。
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『紅の砂漠』は“無限”かも。底が見えないボリュームに、ただただ圧倒されながら楽しんだ先行プレイ6時間
今回遊んだメインストーリーの進行度は全体の2割にも満たないレベルらしいが、それでも非常に濃すぎる体験だった。聞いた話によると、物語を進めて拠点を手に入れればわんちゃんねこちゃんの好感度を上げてペットにすることができるようで、なでなでに気合が入るというもの。
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あまりにもできることが多すぎるのはもちろんだが、それらひとつひとつに『紅の砂漠』の世界観がにじむ。だから、たまらなく楽しい。掲示板の様子しかり、人々との会話しかり、寄り道の経験がかけがえのない旅の思い出になる。
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体験中に複数のボスとも戦ったところ、どれも難しすぎるということはなく、それでいてザコ戦とは一線を画すような歯ごたえのある戦闘体験が味わえる。すべてのボスを見たわけではないが、その辺りのバランス感はしっかりと整えられていると考えてよさそうだ。
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まあ筆者の心は、いまだ“釣り”に囚われているのだが。釣れなかったのがあまりにも悔しくて……。
『紅の砂漠』発売は2026年の3月20日に予定されているとのことなので、それまでに一度リアルで釣りに行って、(役に立つかは知らないが)実戦での感覚をつかんでおくかと構想中。糸を垂らす釣り人のような心境で、発売までをゆっくりと待ちたいと思う。


















