剣と魔法のファンタジー世界で、スープレックスをしてはいけないと誰が決めた。
※この記事は『紅の砂漠』の提供でお送りします。
うおおおおおおおお!!!!!!

(っどぉぉぉぉんんん!!![効果音])リードデビルがなんぼのもんじゃい!
2026年3月20日に発売された『紅の砂漠』の魅力のひとつに“自由度の高さ”がある。オープンワールド系のゲームでよく使われる言葉だが、『紅の砂漠』は頭ひとつ抜けているように思う。戦闘で自在に行動でき、アクションの種類が特段に多いからだ。
この記事では、戦闘における高い自由度を満喫しつつ、“こういう風に戦うと強い”と、悩める子羊に攻略情報を届けるつもりだった。
「つもりだった」。過去形には理由がある。気づいたら筆者が操作する主人公クリフはプロレスラーになっていたからだ。よくわからないだろう。筆者自身もよくわかっていない。

というわけで、まだ倒していなかったリードデビルをプロレス技でボコボコにすることになった。
『紅の砂漠』が発売されてからというもの、起動してはエルナンドを駆けずり回ってサブクエストをクリアーしたり、知らない虫を取ってはしゃいだり絶景を眺めてため息をついたり、メインクエストは放置気味だった筆者。
そろそろ別の地域にも足を運んでみたい。じゃあ進めるかと思った矢先、天啓が降りたのだ。「どうせ攻略するなら、打撃とつかみ系のスキルだけでやっていこう。プロレス系の技が豊富で、ラリアットやらネックブリーカー、バックドロップにドロップキック、ジャイアントスイングだってできてしまうのだから」と。
意外と強いぞプロレスビルド。ラリアットがあまりにも便利
というわけでプロレス系のみをしばらく試してみたのだが……結論から書こう。プロレスビルド、エルナンドあたりまではけっこう通用します。
おもにどういうかたちでプレイしていたかというと、
という、非常にシンプルな素手特化構成。剣を持ちながらでも素手での打撃はできるのだが、絵面的に剣がないほうが映えるので、剣を置くことにした。

盾と剣を持ちたくない場合は、装備選択画面で“平凡な手袋”を選べば大丈夫。これで素手での戦闘になる。

この状態は、打撃とは別に、武器として“拳”を扱える。昇り龍を彷彿とさせるあのアッパーカットも撃てる。対空もばっちりだぜ。
肉体ひとつで戦い抜くのでスキルビルドもシンプルに。打撃とつかみのスキルレベルを5に、後はプロレス技と気力というかたちにした。ボディプレスなど、一部の技を使いやすくするため、2段ジャンプなども取得している。
「打撃は、強い連携技が解放されるレベル3まででよくないか?」とも思ったのだが、レベル5で習得できる雷迅蹴りがライダーキックみたいでかっこよかったのでアビスアーティファクトを捧げてしまった。ライダーキックが嫌いな男の子なんていません。

雷迅蹴りは当たれば超かっこいい。当たれば。

そう、実際はモーションに入ってから蹴りを撃つまでに時間がかかりすぎて、敵が動いているとほぼ当たらない。いい技なんだけど……!
敵と戦うときは、なるべくたくさんの技を使うようにしている(楽しいので)。ひたすらに技を出すうちに、技ごとの扱いやすさもわかるようになってきた。
まず、いちばん便利なのはラリアット。これは間違いない。コマンド入力時点で敵に向かってかなりの速度で近づくため、距離を詰めるのに最適なスキルだ。とくに弓兵など、距離を取ってくるいやらしい相手には効果が絶大。再入力で地面に倒れた相手へ追撃できるので、威力も申し分ないのがありがたい。
唯一の欠点は燃費。気力消費量が多いので、連発しているとすぐに息切れしてしまう。走りながら使わなければいけないので、表記よりも少しだけ気力消費量が多いのも影響しているだろうか。

ゲーム内の呼称はラリアットだが、首元へ腕を叩きつけた後はそのまま地面へと引き倒すので、どちらかと言えばランニングネックブリーカー・ドロップなのだろうか。まあ細かいことはいいや。
そして同じコマンドで発動する、テイクダウンも非常に優秀。こちらはシンプルに威力が高いことに加え、スキルモーションがコンパクトなのがありがたい。通常の投げ飛ばしなどはモーションが長く、つかんでいる最中に敵から攻撃を受けることがかなり多い。無敵時間の少ない『紅の砂漠』において、発動モーションが短いのはそれだけで大きなアドバンテージと言える。
さらに、つかみを5まで上げれば再入力で追撃も可能になる。ラリアットと同じく燃費は悪いが、間違いなくプロレスビルドだと主力級のスキルだ。

テイクダウンにはいくつかモーションがある。敵の前方からくりだすと、相手の首に腕を駆けながら自分ごと地面に叩きつける、いわゆるネックブリーカー・ドロップのような形に。

背後からだと、腰から相手を抱え込みそのまま後ろへ投げるジャーマンスープレックスの形になる(真上からのカメラで見にくくて申し訳ないです)。

場所によってはぶつけた地面が激しく割れ、岩が飛び散るようなエフェクトが発生。威力を実感できて気持ちいいんですよ。
プロレスとは、戦いを魅せること。魅せプレイには動きの大きさも重要だ。観客へのアピールを研究するうちに、意外とボディプレスも使えることに気付いた。お気づきだろうか。筆者はプロレスラーとして少しずつ成長している。
つかみ攻撃主体ビルドの弱点は、どうしても範囲攻撃に欠けてしまうこと。その点、ボディプレスは攻撃範囲が広く、大勢の敵がいる中にお見舞いすれば一気に吹っ飛ばせる。
なかばネタ的なつもりで採用したスキルだったが、使い勝手のよさに気づいてからはまず敵の群れにボディプレスをかましに行くぐらいには愛用することになった。もうボディプレスなしではやっていけない。コーナーポスト上段からのボディプレスにわく観客の声援も聞こえてきた。観客なんていないはずなのに。

上から襲い掛かるクリフ。こちらも雷迅蹴りと同じく攻撃判定が出るまで遅めなのだが、範囲自体は広いので集団にぶちかませばだいたい当たる。
同じく範囲攻撃が可能なジャイアントスイングもいい。突き蹴りかドロップキックから派生する技なので少々扱いは難しいが、いちばん“プロレスやってる”感がある。だって蹴り飛ばした相手の体を持ち上げて、そのまま豪快にぐるんぐるん振り回すんですよ? 使っていておもしろくないわけがない。
惜しむらくは、入力タイミングがシビアなのか、蹴りが当たっているのにジャイアントスイングへと移行してくれないときがあり、少しばかり使い勝手が悪いこと。まあジャイアントスイングなんて大技だしね。そんなにポンポン決めていては観客も冷めるというもの。フィニッシュブローはもったいつけるからこそ華が生まれる。プロレス的ポジティブ思考である。

飛び蹴り、ドロップキックからつかみを入力するとジャイアントスイングに派生する。ぐるぐる回しているあいだは攻撃判定があるので、敵にぶつけると吹っ飛ばせる。

楽しい。人をぶん回すのが楽しい。
そんな剛のおもしろさだけじゃなく、プロレスビルドには柔のおもしろさもある。敵に接近し、通常攻撃とジャンプを同時入力することで発動できる踏み越えだ。前がかりになった敵をサッと踏み越え、背中側に回ることができる。
背中側に回って何をするかって? そんなもん、スープレックスをお見舞いするに決まっている。踏み越えという柔で剛を制し、スープレックスという剛で柔を断つのだ。

敵の頭上をサッと飛び越え、

腰をつかんで頭から地獄へ叩き込む。スープレックスを決めるためのコンボパーツとして申し分ない性能だ。

ボス戦などでは回避手段にもなる。これは華麗にリードデビルの攻撃を避けているところ。華麗な動きは観客を魅了する。

まあテクニカルなことなんかせず、正面からラリアットを決めるほうが手っ取り早いのだけども。
いろいろな技を使ってきたが、けっきょくのところ最強はラリアット。距離を詰めるのにも優秀で、瞬間火力も申し分ない。ふつうに剣術で戦う場合にも、取っておいたほうがいいのではないだろうか。いま『紅の砂漠』を遊んでいる、全灰色たてがみにおすすめのスキルだ。
と、剣術使いにこびを売ってでもラリアット仲間を増やしたいのである。

あとはドロップキックも楽しい。溜め時間が長くて使いにくいけど、モーションがやっぱり好きだ。

ドロップキックの滞空中に足を丸めているところ、好き。プロレスマンガだったら早くページをめくりたいシーン。
摂理の力でプロレスをさらに拡張。これがマジカルプロレス殺法だ
とはいえ、プロレスビルドは近距離一辺倒。いかにラリアットが優秀とはいえ、数と遠距離の暴力には弱い。ゲームを進めるにつれて、弓使い系の敵は厄介さを増していく。何かいい対策はないかとメニューを眺めていたら、ひとつのスキルが目についた。
それは“摂理の力:制圧”。敵に摂理の力を当てることでこちらに引き寄せ、そのまま地面に叩きつけるという豪快な技だ。これなら自分が近づかなくていい。
プロレスは観客の目を楽しませる派手さも大事なので、これもプロレス技の一種と見なす。大丈夫。プロレスラーはこれくらいできる。

摂理の力で敵をつないで、

引き寄せ持ち上げ、

叩き落とす! 気持ちいいなあこれ!
というわけでさっそく使ってみたところ、これがもうあまりにも便利。やってること自体は遠距離の相手を直接投げるようなものなので、強くないわけがない。
かなりいい感触だったので、摂理の力:制限の先にある、“摂理の力:急襲”も獲得。こちらは自分が敵のもとまで行くタイプのスキルだ。これで機動力も大幅にアップ! 大丈夫! これもプロレスだから! おれはおれのプロレスを信じる!

敵に摂理の力をつけながら通常攻撃ボタンを長押し。するとクリフの体が光って、

ギュンッ!

敵の目の前まで一瞬で移動できた。

あとは投げでも何でもお好きなように。楽しい! マジカルプロレス楽しい!
迎える限界。しかし剣を持っていてもプロレス魂は死なない
そんなこんなで楽しくやっていたのだが。

ストーリーを進めていくと、この画面を見ることが増えてきた。
うーむ、やはり投げと打撃オンリーはかなり難しいかもしれない(ようやく気付いた)。
隣の国であるデメニスに着いたあたりから、明らかに敵を倒すのがしんどくなってきた。エルナンドまでは余裕だったのに……。

“大儀の審判官”が強い。雑に戦っているとすぐ負けてしまう。
装備しているのが攻撃力のない平凡な手袋なので、相手の耐久に釣り合わなくなってきているのだろう。こうなると剣に頼るしかない。ちくしょう。
……と、硬い鎧の前にプロレス魂が屈してしまったことに悔しさを感じつつ剣を取ったのだが、よく考えたら別に“つかみ”系の攻撃すべてを封印する必要はない。今度はサブウェポンとして使ってやればいいだけだ。
あとはほら、凶器攻撃ってあるじゃないですか。

というわけで、とても久しぶりに剣を手に取ってみた。
ちょっと驚いたのが、久々に剣を持つと立ち回りがガラリと変わっていたこと。つかみと打撃オンリーで戦っていたため、「あ、ここ投げられるわ」とか「この間合いならキック通るな」とか、サブウェポンを挟む判断がすぐ頭に浮かぶ。よかった、プロレスでやってきたことが活きている。俺の魂はまだ死んじゃいなかったんだ。
プロレスラー・クリフがセカンドキャリアの重要さに気づいた瞬間である

そうか、そうだったのか。

おれの“プロレス”は、剣を持ってして完成するッ!
盾を構えた相手を投げ、無防備に倒れたところに剣を突き刺す。こちらの考えた戦術がピタリとハマったような感覚があり、プレイしていてすごく楽しい。投げ一辺倒でも剣術一辺倒でも味わえない気持ちよさがここにはある。
投げと剣技を織り交ぜる立ち回りは、決して優美ではない。しかしパワフルで、泥臭く、実践に基づいたような“強さ”がある。だから見ていて楽しいし、気持ちいい。
『紅の砂漠』の戦闘は本当にいろいろな楽しみかたがある。用意されているプロレス技は決してネタなんかじゃなくて、真剣にクリフが修めた戦いの術だ。今回のプレイを通じて改めて認識できた。

剣を持ったままラリアット! これこそがおれの! クリフの! 戦いかたじゃあ!

一流のプロレスラーは木も使うッ! 折れた丸太を持ち上げてぇ……。

振り下ろす! 力にものを言わせたシンプル暴力! これがクリフ流ッ! これが『紅の砂漠』ッ!
一歩進んだ戦い方を修めたいま、改めてステゴロの魅力を思い返している。スキルを見る限り、恐らくだが武器としての“拳”はカテゴリとしてあるようので、メリケンサックやバグ・ナクのような拳を使うタイプの武器種もあるのではないだろうか。
そういったものが手に入って攻撃力問題が解決したら、また格闘戦オンリーの戦いも再開してみたい。
あとは何やら、体術系のスキルに反応するアビスギアもあると聞いた。それも使ってみたいなー! どんどんゲームを進めて、試したいことがいっぱいある。

というわけで、いまとても『紅の砂漠』のモチベーションが高い。戦闘が本当に楽しいゲームなので、気になった方は自分なりの戦いかたを極めてほしい。いっしょにラリアットをキメようぜ。