本作は和風ホラーアドベンチャー『零』シリーズの最新作。2003年にプレイステーション2(PS2)向けに発売された『零 ~紅い蝶~』のフルリメイク作品だ。開発はコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが手掛けている。
本記事ではクリアーまで遊んだ感想を交えたレビューをお届け。物語に変更はないが、ストーリー部分に関するネタバレはなし。ただ記事の最後に、クリアー後に解放される要素などは紹介するので気になる人はご注意を。
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【ストーリー】姉妹が迷い込んだ恐怖の村
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登場人物はそこまで多いわけではなく、すでに過去に起きたことを紐解いていく物語。「幽霊の王を倒しました!」みたいなヒロイックな話ではなく、強烈な後味を残す物語が展開される。このあたりのストーリー性についてはオリジナル版そのままになっている。
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また、オリジナル版同様に本作もマルチエンディングになっており、オリジナル版をやった人はその“読後感”を知っていると思うが、リメイクでは新エンディングも用意されている。方向性としてはこれまでを総括するような内容となっているため、従来のファンも楽しめるだろう。
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フィールドやマップにも一部違いはあるが全体的にはそのまま。新エリアが多少あるなどの細かい差異はあるが、だいたいオリジナル版の道順になっている。また、原作だとサブ要素だったものがメインストーリーの進行に組み込まれていることも。
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メインストーリーだけを追っていると一部まったく訪れることのないスポットなどもあるが、これらは新要素のサイドストーリーなどで使用されている。サイドストーリーは敵である怨霊たちなど、主要幽霊たちの物語を深掘りするもの。メインの進行とは別に進められる脇道的な要素だ。
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メインの物語の時点で「あの幽霊に何があったのか?」というのは大体予測がつくので、ものすごく状況が深掘りされるわけではない。ただ、達成すると装備品などがもらえるのでなるべくやってみるのがオススメ。一部は自分で探さないとサイドストーリー自体が発生しない、というものもあった。
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美麗になったグラフィック
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澪や繭といった女の子たちも、かわいらしさが増している。コーエーテクモゲームスの中にもいろいろと3Dモデルの流派みたいなものがあると思うのだが、その流派のどこにも属さないモデリングだと感じられて新鮮味もあった。
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『零』シリーズの進化の方向性として『紅い蝶』以降の作品ではコスプレ度が強まったり、セクシー度が強調されたりしたこともあったため、ちょっとセクシーな女の子が見られるシリーズ作と思っている人もいるだろう。それもまた魅力のひとつだったと思うので、それを否定したいわけではない。だが、本リメイクにおいてはそのあたりがグッと抑えられていて、シリーズの方向性を見直したんだなと感じた。上品な世界観にまとまっていて、個人的には『零』シリーズはこれでいいと思っている。
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幽霊も「なんかセクシーな幽霊がいる」みたいなものもシリーズ作にあったが、そのあたりもかなり抑えられていて、怨霊らしく留まっているといった感じになっている。一部にはかわいらしい幽霊もいるけど。
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主人公である澪たちがメインではあるが、もうひとつの主役とも言えるのが敵である怨霊たち。この怨霊の顔を撮ることこそがゲームの柱となっているので、怨霊たちの豊かな表情は恐ろしくも撮っていてものすごく楽しめた要素。まぁ顔芸的な写真も多くなるのだが、つねに撮り応えがあった。
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これらの写真は一時保存されるのであとで見返すこともできるほか、お気に入りの写真を保存することも可能。ちょっと小さいけれども、怨霊たちの記録をSNSなどでシェアするのもいいだろう。
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また、それとは別にフォトモードも用意されていて、そこでは澪や繭を主軸にした風景を撮影できる。こちらはゲーム解像度そのままの撮影ができる。画角やフィルターの変更に加え、スタンプやフレームを付けることも可能。
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スタンプは幽霊の顔や手などがゲーム進行に応じて解放されていくので心霊写真を作りやすい。ただ、昨今のリマスター版のようなフォトモードではないので、めちゃくちゃ自由度が高いわけではない。
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ちなみに幻影的なものを晴らすときのエフェクトに『仁王』シリーズの常闇っぽさが現れており、Team NINJAファンとして「あ、Team NINJAっぽいな」とニヤリとしていた。荒廃した日本家屋を作り続けてきたチームでもあるので相性バツグンだったなと。
リメイクされた立花千歳
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本作では生前の姿も見られるのだが、怨霊としても怖さを持たせつつ、かわいらしさも両立させたような印象。敵としてはけっこう強めに作られているため、これまでの立花千歳よりもうまく撮るのは難しいかも。サイドストーリーも用意されているのでぜひお楽しみに。
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モダンで遊びやすいゲーム進行
繭といっしょに行動する際には繭の手を引くことも可能。戦闘中などに繭の立ち位置を変更しやすくなる要素だが、基本的に手を引かずとも探索もバトルも問題なく進められるケースが多かったので、あくまで雰囲気作りのアクションといった感じ。そもそも、全編通して繭といっしょに行動するケースが少ない(繭がフラフラとどこかへ行く場合が多いので)。
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繭を引き起こすといったアクションもあるのだが、これは戦闘中に繭が襲われてしまったときに使うもの。倒れた繭は戦闘が終わると勝手に起き上がってくれるので、毎回起こさないといけないわけではない。便利ではあるし、これは半分冗談なのだが繭を撮影したい人には不満かも(冒頭シーンだけじっくり撮影できるよ!)。
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一方で、中盤以降は家屋の中を探索するシーンが多いのだが、家屋内にはナビがないのでいわゆるダンジョン攻略的な楽しさは残っている。そこで役立つのがミニマップとマップ表示で、マップには開けられない扉、鍵の掛かった場所、拾えなかったアイテムなども記録されるので探索で重宝する。
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マップの見た目はかなり簡素だが、必要な要素は揃っている。ただ、扉やアイテムは点のようなアイコンでものすごく小さいため、ここだけやや見づらさがあった。エリアにカーソルを合わせると細かく風景がバナーとして表示されるので「ああ、ここか」と確認できるなど、使いやすい部分もある。
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鍵などのキーアイテムは、謎解きがない限りパッと調べるだけで使ってくれるので、キーアイテムを手に入れることだけに集中できるのもいい。ただ、ゲーム的に一部の要素についてはちょっと古臭さも残る。なんでこんなに大量の日記が落ちているのか(しかも読める数ページとかだし)とか、いきなりキーアイテムが足元に現れるといったご都合的な昔のゲームである部分もしばしば。
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まあでも、謎解きの変な装置も含めて心霊現象が起きている世界でのストーリーゆえに、まあ心霊現象なら何が起きてもおかしくないか、と不思議と納得できる部分でもあった。
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ちょっとした新要素として押し入れなどに隠れるステルス要素もある。ほとんどの場所では隠れるポイントにさえ入れば基本的に安全といった感じ。出番はそこまで多くないが、通常の戦闘を避けるためにも使用できた。難点としては狭い場所に隠れるため、澪の後頭部などで画面が埋まることが多く、それが透けることもあるが視界の確保が難しい。目の前の怨霊がどう動いているのか確認しにくく、いっそのこと隠れたら主観視点でよかったのではないかと。
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また、物語がだいたい同じゆえに、村全体をもう一度探索することになったり、前に探索した家を再び探したりといったことが多発する。そこは当時の工夫でボリュームを出していたところだと思うので仕方がないものの、使い回し感は否めず新鮮味は再訪するたびに薄れてしまう。とはいえ、道は知っているけれど幽霊が出るかどうかは別なので、その緊張感が途切れるわけではない。
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射影機を使った戦闘の評価。複雑化しつつも爽快感はアップ
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まず、怨霊の体力ゲージは戦闘開始時から見ることができ、体力ゲージにはラインが付いている。このラインを超えるダメージを与えると敵が怯んで“シャッターチャンス”という状態になる。このシャッターチャンス状態の怨霊を撮影すると、もう1回怯ませながら大ダメージを与えられる。
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この一連の流れが大ダメージを与える3連コンボになっていて、戦闘で積極的に狙いたい行動となっている。まとめると、体力をラインまで削る→ファインダーが赤いシャッターチャンス状態のときにカウンターのフェイタルフレームを決めると追撃できる、という仕組みになっている。
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また、射影機を強化できる要素があり、これは探索やサイドストーリーを進めるとスキルポイントアイテム(念珠)が手に入る。強化はフィルムの装填速度(リロード)や威力を高められるが、いちばんわかりやすく強くできるのがフォーカスポイントを増やすことだ。
フォーカスポイントは強化すると画面にズラリと並んで、射影機のカメラらしさは薄まるが兵器度がアップ。性能が違うフィルムの変更なども駆使していくと、上記のフェイタルフレームまわりのシステムを利用せずともバシバシとダメージを与えられて気持ちがいい。
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新要素として澪がステップ回避するアクションもある。グッと重みがあってステップ距離はかなり短いのだが、やや無敵時間があり幽霊がスッと澪を貫通することもある。しかし、劇的にアグレッシブな回避でもない。とはいえ、連打しながら回避することもあるので、そこそこアクションゲームらしさもある。
気が付くと敵の3連撃を連続回避することもできるわけだが、澪がチマチマとステップ回避をしているだけだったので、まあ雰囲気は損なっていないんじゃないかと感じた。
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羽化の発動は固定の敵もいるようだが基本はランダム発生の模様。ただ、中盤以降は羽化する敵が多い印象で2、3手でスピーディーに倒せなかったら、筆者の場合はだいたい羽化するような感覚だった。とはいえ、中盤まで進めていると射影機の強化により1発で羽化を解除できたり、“露出フィルター”で羽化のダメージ軽減を無効化できたりもしたのでそこまで苦戦はしなかった。
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カメラを使った謎解きがおもしろい!
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また、画面の端が青くほんのり光ったりするのだが、その光る場所に何かしらが隠れていたりする。なお、戦闘中も赤くほんのり光る方向に怨霊がいるなど、さりげないアシストが効いていているのだ。この音とちょっとしたナビが、まるで自分にも霊感があるかのような感覚があって楽しかった。
中には巧妙に隠されている要素も少なくなく、撮影コレクション要素にもなっている。これがまた霊感を駆使した宝探しという感じがしてなんだか楽しい(撮っているモノについては悲惨だったりもするわけだが)。
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もうひとつの撮影コレクション要素“双子人形”はふたつの人形をひとつの画角に収めるもので、トリックショット的なものが要求される。撮影に成功すると、その数に応じてフォトフレームやスタンプなどが解放されるようだ。物語的には子どもたちが遊びで隠した、という設定のようで「どうやって隠したんだ?」、「数が多すぎないか?」と思いもしたが、まあそこはゲームなので。
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中盤から探索要素となる“照射フィルター”が解放されると、一気に射影機を強化できるようになる。照射フィルターは血が付いた扉や箱などを撮影すると、その血を祓ってその場所を解放するといった要素。壷や箪笥に付着している場合もあり、序盤の段階ではカメラを向けると反応だけはあるので「これはなんだろう?」と思うかもしれないが、中盤から開けられるようになる宝箱のようなものだ。すべてのフィルターが解放されるとさらに村の探索が捗って楽しくなる。
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サウンドこそ本作の神髄
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そのため3Dオーディオ対応のヘッドフォンで遊ぶとかなり臨場感が高まるのでオススメ。謎解きヒントや怨霊がいる場所は、そこから謎の音が聞こえるため探索とバトルの攻略にも役立つ。
なお、あまりアピールされていなかったポイントだが、オリジナル版でも使われていたボーカル曲『蝶』はそのまま採用されているので「もしかしたら採用されないのでは?」と思っていた人はご安心を。追加エンディングでは歌唱を担当する天野月氏による新曲『うつし絵』も流れる。
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【レビュー総評】正式にリブートされた高品質な『零』
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一部のバトルや終盤の敵の数など若干苦戦しやすいポイントはあるが、戦闘でゲームオーバーになることは少なく、回復アイテムなどのリソースを惜しみなく注ぎ込んでいけば詰まることはあまりないだろう。ゲーム中でも難度は下げられるので、弾切れを起こしてしまったら変えてみるのもいいかも。
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やり込んでいくと、撮影バトルの部分でほんの少しだけ詰めの甘さみたいなものは見えてくる。たとえば、フェイタルフレーム判定で攻撃に成功したのに怨霊の攻撃が自分に届いてしまう瞬間があったり、画面では完全に怨霊の顔を捉えて撮影したが、ゲーム的な判定としてはワープの直前で、すでに無敵状態で攻撃を避けられていてやや理不尽に感じたりといった具合だ。
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カメラと敵の顔をとにかく近づけるゲームなのでそういった接近戦でのチグハグな部分がちょっとだけ見えてしまいもするのだが、結局相手が幽霊ゆえに何だか許せてしまう気持ちもある。なぜなら、それらが「心霊現象なので」と言われてしまえばそういうものかもと納得できなくもないからだ。
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全体的なボリューム感としては、筆者の場合だと1周じっくり隅々までやって10時間前後。昨今のゲームとしてみると物足りないかもしれないが、前述の通り本作は周回前提のゲームで、くり返しプレイすることで追加のエンディングを楽しめる。気になる人は体験版が配信中なので、まずはそこで本作の雰囲気をつかんでみてはいかがだろうか。
ここからはクリアー後の解放要素の話をするので気になる人はご注意を。
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周回要素について
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また、サイドストーリーも新たに解放されており幽霊リストなどもしっかり引き継がれる。最高難易度のナイトメアも解放され、こちらの難度だけゲーム中に難易度変更不可になっている。
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成長アイテムにはカメラの限界突破ができるアイテムがあり、1周目以上に鍛えることも可能。また、お守りの装備枠を増やすこともでき(1周目クリアー特典としてまず1枠が解放される)、お守りを複数付けて特別な効果を多数発揮しながら戦える。
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もうひとつ追加されるものとして新たな衣装がショップで買えるようになる。衣装はものすごく高値で売られているため、周回プレイでのアイテム入手(上限を超えるとスコアに変換される)、スコア倍率が上がる高難度モードを遊んで貯め込まないと手に入れるのはなかなかに難しいだろう。
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[2026年3月10日11時35分修正]
YouTubeのリンクを追記いたしました。

















