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『零 ~紅い蝶~ リメイク』レビュー。カメラを中心とした戦闘と探索は現代的になり恐ろしくも爽快に。しっとり艶やかな和風ホラー体験があなたを包み込む。“ちーちゃん”もかわいい

『零 ~紅い蝶~ リメイク』レビュー。カメラを中心とした戦闘と探索は現代的になり恐ろしくも爽快に。しっとり艶やかな和風ホラー体験があなたを包み込む。“ちーちゃん”もかわいい
 コーエーテクモゲームスより2026年3月12日に発売される『零 ~紅い蝶~ REMAKE』。対応ハードはNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。

 本作は和風ホラーアドベンチャー『零』シリーズの最新作。2003年にプレイステーション2(PS2)向けに発売された『
零 ~紅い蝶~』のフルリメイク作品だ。開発はコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが手掛けている。

 本記事ではクリアーまで遊んだ感想を交えたレビューをお届け。物語に変更はないが、ストーリー部分に関するネタバレはなし。ただ記事の最後に、クリアー後に解放される要素などは紹介するので気になる人はご注意を。
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【ストーリー】姉妹が迷い込んだ恐怖の村

 本作では双子の姉妹である天倉 澪、天倉 繭を主人公に物語が進んでいく。天倉姉妹が思い出の地を訪れた際、怨霊たちが蠢く“皆神村”へと迷い込んでしまうのだが、繭は霊感が強いのか、何かに導かれるように村の奥へとフラフラ進んでいってしまう。そこで澪は村の中で見つけた除霊できるカメラ“射影機”を手に、姉の繭を探しに行くこととなる。
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妹の天倉 澪
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姉の天倉 繭
 プレイヤーは澪を操作して、物語を体験していく。基本は繭を探して村からの脱出を図ることがメインで、ストーリーの主軸はこのふたりにある。その横で、“村で何が起きたのか?”といった謎と、起きた出来事について調査していた人、またはまったく関係なく紛れ込んでしまった、ある意味被害者のような者の記録が見つかることも。
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 登場人物はそこまで多いわけではなく、すでに過去に起きたことを紐解いていく物語。「幽霊の王を倒しました!」みたいなヒロイックな話ではなく、強烈な後味を残す物語が展開される。このあたりのストーリー性についてはオリジナル版そのままになっている。
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 また、オリジナル版同様に本作もマルチエンディングになっており、オリジナル版をやった人はその“読後感”を知っていると思うが、リメイクでは新エンディングも用意されている。方向性としてはこれまでを総括するような内容となっているため、従来のファンも楽しめるだろう。
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 フィールドやマップにも一部違いはあるが全体的にはそのまま。新エリアが多少あるなどの細かい差異はあるが、だいたいオリジナル版の道順になっている。また、原作だとサブ要素だったものがメインストーリーの進行に組み込まれていることも。
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 メインストーリーだけを追っていると一部まったく訪れることのないスポットなどもあるが、これらは新要素のサイドストーリーなどで使用されている。サイドストーリーは敵である怨霊たちなど、主要幽霊たちの物語を深掘りするもの。メインの進行とは別に進められる脇道的な要素だ。
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 メインの物語の時点で「あの幽霊に何があったのか?」というのは大体予測がつくので、ものすごく状況が深掘りされるわけではない。ただ、達成すると装備品などがもらえるのでなるべくやってみるのがオススメ。一部は自分で探さないとサイドストーリー自体が発生しない、というものもあった。
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美麗になったグラフィック

 グラフィックはオリジナル版と比べるとはるかに美麗で、不気味な日本家屋の雰囲気を存分に味わえる。設定にもよるところだが全体的にはやや暗めだけれども、遊びやすさと両立された絶妙なバランスで、単に暗さで怖がらせてくるようなタイプではないのが個人的には好み。
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画像で見ると暗めに感じると思うが、遊んでいる最中は比較的明るい印象だった(設定で明るさは少しだけ上げている)。
 ゲーム部分、演出ともにリアルタイムで彩度がグッと下がる瞬間もあった。白黒の画面=超危険な状況もしくは何か衝撃的なことが目の前で起きている、などさまざまな場面で使われていて印象的。
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 澪や繭といった女の子たちも、かわいらしさが増している。コーエーテクモゲームスの中にもいろいろと3Dモデルの流派みたいなものがあると思うのだが、その流派のどこにも属さないモデリングだと感じられて新鮮味もあった。
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 『零』シリーズの進化の方向性として
『紅い蝶』以降の作品ではコスプレ度が強まったり、セクシー度が強調されたりしたこともあったため、ちょっとセクシーな女の子が見られるシリーズ作と思っている人もいるだろう。それもまた魅力のひとつだったと思うので、それを否定したいわけではない。だが、本リメイクにおいてはそのあたりがグッと抑えられていて、シリーズの方向性を見直したんだなと感じた。上品な世界観にまとまっていて、個人的には『零』シリーズはこれでいいと思っている。
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 幽霊も「なんかセクシーな幽霊がいる」みたいなものもシリーズ作にあったが、そのあたりもかなり抑えられていて、怨霊らしく留まっているといった感じになっている。一部にはかわいらしい幽霊もいるけど。
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胸元がはだけた幽霊もいるにはいるがセクシーだとは思わなかった(地を這う不気味な怨霊なのでそんな余裕はないと思うが)
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 主人公である澪たちがメインではあるが、もうひとつの主役とも言えるのが敵である怨霊たち。この怨霊の顔を撮ることこそがゲームの柱となっているので、怨霊たちの豊かな表情は恐ろしくも撮っていてものすごく楽しめた要素。まぁ顔芸的な写真も多くなるのだが、つねに撮り応えがあった。
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 これらの写真は一時保存されるのであとで見返すこともできるほか、お気に入りの写真を保存することも可能。ちょっと小さいけれども、怨霊たちの記録をSNSなどでシェアするのもいいだろう。
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 また、それとは別にフォトモードも用意されていて、そこでは澪や繭を主軸にした風景を撮影できる。こちらはゲーム解像度そのままの撮影ができる。画角やフィルターの変更に加え、スタンプやフレームを付けることも可能。
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 スタンプは幽霊の顔や手などがゲーム進行に応じて解放されていくので心霊写真を作りやすい。ただ、昨今のリマスター版のようなフォトモードではないので、めちゃくちゃ自由度が高いわけではない。
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おわかりいただけただろうか。指ハートをしている謎の手が映っているのを。
 シリ―ズ過去作のリマスター版におけるフォトモードはキャラクターの出し入れすら可能で、ポーズや表情などによってはいろいろな状況を作り出せそうな、お人形遊びにも近かった。そのためギャグ的な要素がかなり強まっていたように思う。本リメイクにおいては、まあ雰囲気に合わないと思うし、そこまでのカスタム性を求める人も少ないのではないだろうか。

 ちなみに幻影的なものを晴らすときのエフェクトに『
仁王』シリーズの常闇っぽさが現れており、Team NINJAファンとして「あ、Team NINJAっぽいな」とニヤリとしていた。荒廃した日本家屋を作り続けてきたチームでもあるので相性バツグンだったなと。

リメイクされた立花千歳

 もうひとつの作品の顔(?)とも言えるのが、少女の幽霊で物語の後半から登場する超人気キャラクターの立花千歳(愛称として“ちーちゃん”などと呼ばれたりも)。端的に言ってしまうと敵のひとりなのだが、とてもかわいらしい姿をしているのもあって、オリジナル版から「どうかわいく撮ろうか」とやり込んだ人もいただろう。
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立花千歳
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 本作では生前の姿も見られるのだが、怨霊としても怖さを持たせつつ、かわいらしさも両立させたような印象。敵としてはけっこう強めに作られているため、これまでの立花千歳よりもうまく撮るのは難しいかも。サイドストーリーも用意されているのでぜひお楽しみに。
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どうにかこうにか、かわいい写真が撮りたかったがマジで難しかった。

モダンで遊びやすいゲーム進行

 さて、ゲームの進行では澪を操作して周囲を探索しながら進んでいくアドベンチャーなのだが、澪のモーションはリアリティがある感じだった。Team NINJAだからといってキビキビ動く、というよりは若干の挙動の重さを持っていてそれも雰囲気バツグン。

 繭といっしょに行動する際には繭の手を引くことも可能。戦闘中などに繭の立ち位置を変更しやすくなる要素だが、基本的に手を引かずとも探索もバトルも問題なく進められるケースが多かったので、あくまで雰囲気作りのアクションといった感じ。そもそも、全編通して繭といっしょに行動するケースが少ない(繭がフラフラとどこかへ行く場合が多いので)。
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 繭を引き起こすといったアクションもあるのだが、これは戦闘中に繭が襲われてしまったときに使うもの。倒れた繭は戦闘が終わると勝手に起き上がってくれるので、毎回起こさないといけないわけではない。便利ではあるし、これは半分冗談なのだが繭を撮影したい人には不満かも(冒頭シーンだけじっくり撮影できるよ!)。
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終盤でもちょっとした繭撮影会ができる。
 ときおり手を伸ばさないと手に入らないアイテムがあり、これは過去作にもあったシステム。もしかしたら怨霊が澪の手をつかんでくるかもしれない、というドキドキ要素だ。手を伸ばす動作を中断すれば襲撃を回避できる。手を伸ばす時間はけっこう短いのでストレスはなく、かつ怨霊が出てくる頻度はかなり低かった(終盤だけやたらあったけど)ので、過去作では「やっかいなシステムだ」という人も少なくなかったところ、本作でようやくうまい具合のシステムになったなと感じた。
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なお、アイテムは近くに行くと光るというシステムになっていて装備でその探知範囲を広げることもできた。
 また、ドアを開ける動作もドキドキの要素で、毎回向こう側から怨霊が現れるかもしれないという恐怖感がある。これも頻度はそこまでなく、ランダム的に仕込まれている要素なので運が悪いと何回も現れてしまったが、すべてのドアを開けるたびにドキドキして緊張感が途切れず楽しかった。どちらも失敗したからといってペナルティが重くないのもいい。
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どんな場所もジワッと出るかもしれない、と思いながら開けるのがドキドキ。
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アイテムでホッとした、みたいな。
 探索においては各種目標が表示されるようになったほか、一部シーンでは紅い蝶などがナビゲーションしてくれるので比較的広めの村の中を探索するのに迷わずに進行できるのが現代的。ナビから外れた場所に向かえばサブ要素の探索にもつなげられる。

 一方で、中盤以降は家屋の中を探索するシーンが多いのだが、家屋内にはナビがないのでいわゆるダンジョン攻略的な楽しさは残っている。そこで役立つのがミニマップとマップ表示で、マップには開けられない扉、鍵の掛かった場所、拾えなかったアイテムなども記録されるので探索で重宝する。
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 マップの見た目はかなり簡素だが、必要な要素は揃っている。ただ、扉やアイテムは点のようなアイコンでものすごく小さいため、ここだけやや見づらさがあった。エリアにカーソルを合わせると細かく風景がバナーとして表示されるので「ああ、ここか」と確認できるなど、使いやすい部分もある。
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 鍵などのキーアイテムは、謎解きがない限りパッと調べるだけで使ってくれるので、キーアイテムを手に入れることだけに集中できるのもいい。ただ、ゲーム的に一部の要素についてはちょっと古臭さも残る。なんでこんなに大量の日記が落ちているのか(しかも読める数ページとかだし)とか、いきなりキーアイテムが足元に現れるといったご都合的な昔のゲームである部分もしばしば。
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 まあでも、謎解きの変な装置も含めて心霊現象が起きている世界でのストーリーゆえに、まあ心霊現象なら何が起きてもおかしくないか、と不思議と納得できる部分でもあった。
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 ちょっとした新要素として押し入れなどに隠れるステルス要素もある。ほとんどの場所では隠れるポイントにさえ入れば基本的に安全といった感じ。出番はそこまで多くないが、通常の戦闘を避けるためにも使用できた。難点としては狭い場所に隠れるため、澪の後頭部などで画面が埋まることが多く、それが透けることもあるが視界の確保が難しい。目の前の怨霊がどう動いているのか確認しにくく、いっそのこと隠れたら主観視点でよかったのではないかと。
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隠れているシーン。澪の後頭部ばかり映っていて、透けることもあるが視認が難しい。
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角度を変えてどうにか目の前を見ようと調整する感じはちょっと具合が悪かった。とはいえ出番はそんなにない。
 なお、ステルス関連のシーンは敵に触れると一撃死となる逃げに徹するシーン。このあたりも昔のゲームらしい体験で人によっては大きなストレスに感じるかも。コンティニューはなく、オートセーブまたは任意セーブをロードしてリトライする。オートセーブは運が悪いと10分前に戻されてしまうこともあったのでそこは辛い。
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 また、物語がだいたい同じゆえに、村全体をもう一度探索することになったり、前に探索した家を再び探したりといったことが多発する。そこは当時の工夫でボリュームを出していたところだと思うので仕方がないものの、使い回し感は否めず新鮮味は再訪するたびに薄れてしまう。とはいえ、道は知っているけれど幽霊が出るかどうかは別なので、その緊張感が途切れるわけではない。
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一応新エリアもあるが、物語に関わるためそこまで拡張されているわけではない。

射影機を使った戦闘の評価。複雑化しつつも爽快感はアップ

 根幹となるカメラバトルは基本そのままで、射影機で敵の怨霊の顔をアップで撮れば大ダメージを与えられる。敵の攻撃が来たとき(ファインダー内が赤く光り、激しく音が鳴る瞬間)に、シャッターを切るとジャストカウンター的な“フェイタルフレーム”が発動。ダメージを与えながら敵を怯ませて攻撃を阻止できる。
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画面効果もあるがカシャカシャと鳴る効果音で判断したほうがフェイタルフレームは狙いやすかった。
 基本は変わらないのだが、従来のシステムと似ているようで若干複雑になっており、このあたりのシステムはしっかり理解しないと戦うのが難しいだろう。

 まず、怨霊の体力ゲージは戦闘開始時から見ることができ、体力ゲージにはラインが付いている。このラインを超えるダメージを与えると敵が怯んで“シャッターチャンス”という状態になる。このシャッターチャンス状態の怨霊を撮影すると、もう1回怯ませながら大ダメージを与えられる。
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ファインダーが赤い状態だとシャッターチャンス状態。追撃してもいいがここはじっくり待ちたい。
 シャッターチャンスとなったらすぐに追撃したくなるが、この状態はすぐ途切れるわけではない。グッと我慢して、シャッターチャンス状態中にフェイタルフレームを決めると、“フェイタルタイム”という連射による追撃ができるようになる。追撃中、フィルム(FPSの弾丸に近い)の消費はゼロ。

 この一連の流れが大ダメージを与える3連コンボになっていて、戦闘で積極的に狙いたい行動となっている。まとめると、体力をラインまで削る→ファインダーが赤いシャッターチャンス状態のときにカウンターのフェイタルフレームを決めると追撃できる、という仕組みになっている。
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首の折れた幽霊。首が正面を向いていないのでちょっとクセのある戦いが求められる。
 あとふたつ理解すべきシステムがあり、ひとつが“フォーカスポイント”で、カメラのレティクルには点が付いており、この点が幽霊の顔に当たっていればいるほどダメージが高くなる。もうひとつは新要素の“ピント”で、敵に顔ピントが合っているほどに威力が高くなる。
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新要素のズームは遠距離からの撮影もできる。一部の敵にはとくに有効だが取り回しは難しい。
 ピントは基本オートフォーカスなのだが自分で操作もできる。だが、マニュアル操作はかなり上級者向けのシステムで、戦闘は“敵をロックオンし続けてピントが合うの待つ”というほうが戦いやすかった。敵を捉え続けるとダメージが上がる初代『零』が融合したようなシステムだ。
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中心にあるレティクルの周囲にある点がフォーカスポイント。
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ピントが合わないと顔もボケてしまうのでダメージが下がる。

 また、射影機を強化できる要素があり、これは探索やサイドストーリーを進めるとスキルポイントアイテム(念珠)が手に入る。強化はフィルムの装填速度(リロード)や威力を高められるが、いちばんわかりやすく強くできるのがフォーカスポイントを増やすことだ。

 フォーカスポイントは強化すると画面にズラリと並んで、射影機のカメラらしさは薄まるが兵器度がアップ。性能が違うフィルムの変更なども駆使していくと、上記のフェイタルフレームまわりのシステムを利用せずともバシバシとダメージを与えられて気持ちがいい。
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1周目の最終段階だとこれくらいフォーカスポイントが増える。
 といった感じでバトルシステムが独特であり、強化要素はゲーム進行(中盤ぐらいにグッと進む)といった具合で、ゲームを始めた最初期だけ難度が高め。ある程度ゲームを進めると戦闘難度が下がっていき、最終的にはよく出る怨霊くらいなら1~2発で退治することも可能。なので序盤で難しいと感じても諦めずに進んでみよう(もしくは難度を下げよう)。
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 新要素として澪がステップ回避するアクションもある。グッと重みがあってステップ距離はかなり短いのだが、やや無敵時間があり幽霊がスッと澪を貫通することもある。しかし、劇的にアグレッシブな回避でもない。とはいえ、連打しながら回避することもあるので、そこそこアクションゲームらしさもある。

 気が付くと敵の3連撃を連続回避することもできるわけだが、澪がチマチマとステップ回避をしているだけだったので、まあ雰囲気は損なっていないんじゃないかと感じた。
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 戦闘で厄介なのが敵が強化&体力を回復する“羽化”。序盤はとくに強力で、羽化状態になると与えられるダメージがものすごく下がる&怨霊の顔が歪んで捉えにくくなるのだが、体力バーのラインを超えて撮影するとそのままフェイタルタイムで連射追撃が発動する。

 羽化の発動は固定の敵もいるようだが基本はランダム発生の模様。ただ、中盤以降は羽化する敵が多い印象で2、3手でスピーディーに倒せなかったら、筆者の場合はだいたい羽化するような感覚だった。とはいえ、中盤まで進めていると射影機の強化により1発で羽化を解除できたり、“露出フィルター”で羽化のダメージ軽減を無効化できたりもしたのでそこまで苦戦はしなかった。
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 なお、弾丸であるフィルムについては探索で拾い集めるしかなく(1周目は)、探索でランダムに現れる怨霊にもバシバシとフィルムを使っていると最終盤にはかなりカツカツになってしまった。じゃあ探索でもっとフィルムを集めよう、サイドストーリーを進めて見つけようと思っても結局戦闘が発生するのでフィルムは枯渇気味、となかなか悩ましい。フィルム管理部分はサバイバルホラー的な楽しさとして健在。
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撮影に失敗するとフィルムが消費されるので慎重に行きたい。ただ、謎解きではフィルムが消費されないのでそこはやさしい。
 一方で、セーブポイントで体力が回復できるため回復アイテムはかなり潤沢。そもそも回復アイテムについては1周目でも買えるので、体力管理ではそこまで苦労しない要素。むしろ最後のほうは、無限に使えるけどいちばん弱いフィルムしかなかったため、回復アイテムでなんとか凌いでいたほど。
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お守りは多数あるが1周目では1個しか付けられない。また、ショップで販売されているものは強化もできる。

カメラを使った謎解きがおもしろい!

 遊びながら途中で感じ始めていたのが、射影機を使った謎解き&探索が楽しいこと。フィールドにはいたるところに隠しアイテム、隠し撮影要素が用意されている。ただそれらは自分で見つけるしかなく、ヒントはほとんどない。
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オリジナル版にもあった映写室でヒントや物語の断片を見る要素もある。これらも作り直されていて、リッチな映像体験を楽しめる。
 代わりに、サウンドと画面効果でほんのりとナビされていることに気づいてからその探索が一気に進められた。何かあるかもしれない、といったところでは「ジーン……」と、なんとなくその場所にあることがサウンドでわかるようになっている。
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隠された場所を撮影する探索要素については写真のヒントも一部ある。
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 また、画面の端が青くほんのり光ったりするのだが、その光る場所に何かしらが隠れていたりする。なお、戦闘中も赤くほんのり光る方向に怨霊がいるなど、さりげないアシストが効いていているのだ。この音とちょっとしたナビが、まるで自分にも霊感があるかのような感覚があって楽しかった。

 中には巧妙に隠されている要素も少なくなく、撮影コレクション要素にもなっている。これがまた霊感を駆使した宝探しという感じがしてなんだか楽しい(撮っているモノについては悲惨だったりもするわけだが)。
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 撮影コレクション要素のひとつ“浮遊霊”は、いきなり現れる幽霊を制限時間内に撮るものでシリーズ恒例の要素で、周回要素でもある。このあたりの仕様はほとんど変わらず、オリジナル版よりも数が倍増しているので撮る楽しみは大幅に増えた。
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 本作は撮影フィルターで謎解きをするため、突然目の前に浮遊霊が現れ、フィルターを通して青みがかった写真を撮ることもできる。そういったことも、その場その場のハプニング的な要素として個人的には楽しかった。

 もうひとつの撮影コレクション要素“双子人形”はふたつの人形をひとつの画角に収めるもので、トリックショット的なものが要求される。撮影に成功すると、その数に応じてフォトフレームやスタンプなどが解放されるようだ。物語的には子どもたちが遊びで隠した、という設定のようで「どうやって隠したんだ?」、「数が多すぎないか?」と思いもしたが、まあそこはゲームなので。
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 中盤から探索要素となる“照射フィルター”が解放されると、一気に射影機を強化できるようになる。照射フィルターは血が付いた扉や箱などを撮影すると、その血を祓ってその場所を解放するといった要素。壷や箪笥に付着している場合もあり、序盤の段階ではカメラを向けると反応だけはあるので「これはなんだろう?」と思うかもしれないが、中盤から開けられるようになる宝箱のようなものだ。すべてのフィルターが解放されるとさらに村の探索が捗って楽しくなる。
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サウンドこそ本作の神髄

 探索のヒントになる点も含めてサウンドはものすごくいい。とくに環境音は素晴らしく、木造の床を歩く音、その移動により軋む床の木造感など細かく音が鳴るので、没入感がすごくある。たまに「パキッ」と鳴る木の謎の感じとか、突然物が落ちたときのビックリ感などなど、本作はBGMらしいBGMがほとんどないので、それらの音がBGM代わりに鳴り響く。
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 そのため3Dオーディオ対応のヘッドフォンで遊ぶとかなり臨場感が高まるのでオススメ。謎解きヒントや怨霊がいる場所は、そこから謎の音が聞こえるため探索とバトルの攻略にも役立つ。

 なお、あまりアピールされていなかったポイントだが、オリジナル版でも使われていたボーカル曲『蝶』はそのまま採用されているので「もしかしたら採用されないのでは?」と思っていた人はご安心を。追加エンディングでは歌唱を担当する天野月氏による新曲
『うつし絵』も流れる。
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エンディングクレジットより。

【レビュー総評】正式にリブートされた高品質な『零』

 ゲーム進行上のご都合的な部分だけはほんの少し古臭さは残っているが、全体的にはすべてが一新されて遊びやすく、かつ恐ろしさの増した高品質な和風ホラーアドベンチャーに仕上がっていた今回のリメイク版。つねに幽霊がどこかいるかも、現れるかも、とドキドキしながら進める『零』シリーズらしい怖さが本作ではより際立っており、シリーズとしても完成度が増したように思う。
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 一部のバトルや終盤の敵の数など若干苦戦しやすいポイントはあるが、戦闘でゲームオーバーになることは少なく、回復アイテムなどのリソースを惜しみなく注ぎ込んでいけば詰まることはあまりないだろう。ゲーム中でも難度は下げられるので、弾切れを起こしてしまったら変えてみるのもいいかも。
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 やり込んでいくと、撮影バトルの部分でほんの少しだけ詰めの甘さみたいなものは見えてくる。たとえば、フェイタルフレーム判定で攻撃に成功したのに怨霊の攻撃が自分に届いてしまう瞬間があったり、画面では完全に怨霊の顔を捉えて撮影したが、ゲーム的な判定としてはワープの直前で、すでに無敵状態で攻撃を避けられていてやや理不尽に感じたりといった具合だ。
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 カメラと敵の顔をとにかく近づけるゲームなのでそういった接近戦でのチグハグな部分がちょっとだけ見えてしまいもするのだが、結局相手が幽霊ゆえに何だか許せてしまう気持ちもある。なぜなら、それらが「心霊現象なので」と言われてしまえばそういうものかもと納得できなくもないからだ。
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 全体的なボリューム感としては、筆者の場合だと1周じっくり隅々までやって10時間前後。昨今のゲームとしてみると物足りないかもしれないが、前述の通り本作は周回前提のゲームで、くり返しプレイすることで追加のエンディングを楽しめる。気になる人は体験版が配信中なので、まずはそこで本作の雰囲気をつかんでみてはいかがだろうか。

 ここからはクリアー後の解放要素の話をするので気になる人はご注意を。
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周回要素について

 クリアーするとそのデータを引き継いでニューゲームが可能。引き継がれる要素としては射影機の成長具合、装備アイテムのお守りなど。最初からある程度強化された状態で始められるので、ノーマル→ハードでもグッと難度が下がった状態でゲームを始められる。
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 また、サイドストーリーも新たに解放されており幽霊リストなどもしっかり引き継がれる。最高難易度のナイトメアも解放され、こちらの難度だけゲーム中に難易度変更不可になっている。
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 さらに、1周目は回復アイテムと、一部のお守り、フォトモード用アイテムが買えるだけだったショップでフィルム(弾丸)と成長アイテムが追加される。フィールドに落ちているアイテムの状況も引き継がれるので、買えるようになるのは弾切れの心配がなくてうれしいところ。
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 成長アイテムにはカメラの限界突破ができるアイテムがあり、1周目以上に鍛えることも可能。また、お守りの装備枠を増やすこともでき(1周目クリアー特典としてまず1枠が解放される)、お守りを複数付けて特別な効果を多数発揮しながら戦える。
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 もうひとつ追加されるものとして新たな衣装がショップで買えるようになる。衣装はものすごく高値で売られているため、周回プレイでのアイテム入手(上限を超えるとスコアに変換される)、スコア倍率が上がる高難度モードを遊んで貯め込まないと手に入れるのはなかなかに難しいだろう。
[IMAGE][IMAGE] [2026年3月10日11時35分修正] YouTubeのリンクを追記いたしました。
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