
同作は、鉄道などの運搬手段で物流を回し、利益と発展を目指す輸送経営シミュレーションゲーム、いわゆる“タイクーン”系のタイトルだ。ちなみにこのタイクーンという英単語は、日本語の“大君”がもとになっていると言われているらしい。筆者も通訳さんに聞いて今回初めて知った。
タイクーンという単語ともども、このタイトルに対してあまりなじみがない読者の方もいるかと思う。筆者もあまりプレイしたことがないし、そもそも難しそうだと思いつつ、今回のハンズオンで触れさせていただいた。
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なお、当記事内で使用している画面写真は提供された素材であり、トレーラームービーの一幕も含まれる。実際にハンズオンでプレイした際の画像ではない点はご了承いただきたい。
4回ほどクリックしたら輸送成立。想像より簡単で奥深い
『Transport Fever 3』は全世界で数百万本を販売し、日本にもファンが多いタイクーンシリーズの第4作。プレイヤーは鉄道、道路、海運、航空など、あらゆる手段を駆使して壮大な交通帝国を築き上げ、複数の都市や産業を発展させていく。本作では温帯、乾燥帯、熱帯、亜寒帯ツンドラという4種類の気候帯から、ゲームの舞台となるマップを選択可能だ。
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3段階の中から時代設定を選ぶことができ、それぞれの時代で100~150年ほどの発展を見届けることになる。マップの地形はランダムで生成されるが、すべてを好きにエディットできる“サンドボックス”モードも用意されている。
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詳しくは後述するが、気候の違いや変化する時代の中で、すべて最新の輸送手段にしてしまえばいい、というわけではない点もおもしろい。
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マップ上に配置された各都市や生産施設には、それぞれが穀物などの生産物を持つほか、住民が何を求めているかという明確な需要が表示されている。各都市に需要に沿ったものを届けていけば、都市は自然と発展していく。
最初は単純に穀物を運んだりすればいいのだが、時代とともに需要が変化する場合もある。たとえば、穀物のほかにもガラスの材料となる砂を工場に運び、最終的には穀物と砂がビン入りの飲み物となって都市に届くように輸送網を作り上げたりするわけだ。
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輸送手段はトラックや列車だけではなく、本作からは“カーゴトラム”(貨物路面電車)や“ヘリコプター”といった新たな手段も用意された。その総計は、全時代を通じてなんと250種類以上。すべて実在のものであり、カラーリングを好きに変更可能だ。
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たとえば飛行機は高速で大量輸送が可能だが、大きいため設備が場所を取ったりする。それに対してヘリコプターは輸送量はさほどでなくても小回りが効き、ヘリポートにもさほどスペースを取らない。ほかにも人を運ばず貨物だけを運んだり、維持費が低かったり、乗客の満足度が高かったりと、独自の特色を持つこれらの輸送手段をどう使うかに、プレイヤーの手腕が問われる。
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このあたりで、難しい部分はほとんどない。各都市に作った駅や車庫などと、別の都市の同じ種類の施設をクリックするだけでラインがつながり、そのラインにどんな輸送手段をあてるかを選び、購入ボタンを押す。これだけで基本的にはその都市間で、生産されたものが運び出されたり、運搬先で消費されたりと、自動で運搬ラインが成立する。
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本作の世界の住民はすべてシミュレートされており、全員がそれぞれの暮らしや仕事を持っている。仕事に向かうためにバスが必要な人もいれば、自家用車があるからと電車を利用しない人もいる。もしクルマより便利な交通手段を提供できれば、自家用車が多いことによる渋滞や騒音、排気問題などを解決できるかもしれない。
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都市内を順行するバスなどは時代を問わず必要だが、列車は時代とともに性能も大きく変わり、買い替えの費用も非常に高い。最新の列車に換えるよりも、古い列車のほうが運搬能力では勝り、メンテナンスしつつ大事に使い続けたほうが効率がよい場合もある。
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また、本作からは昼夜のサイクルに加え、空のシミュレートも導入された。時間とともに雲が変化したりするため、朝日や夕日に照らされた幻想的な風景を見ることもできる。
昼夜サイクルや雲についてはプレイヤーが操作することも可能。夜の空にはミルキーウェイが広がるなど、空の描写にはかなり力が入っている印象だった。
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今回の試遊では実際にヘリポートを都市ふたつに作り、好きなヘリコプターを選んで購入して飛ばすことができた。運搬能力とかそういう細かいことはさておき、自分が作った空路を実在するかっこいいヘリコプターが飛んでいくのを眺めていると、無性にワクワクしてきた。
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プレイのしやすさについても、各都市の需要や各施設の生産物の量がアイコンを見るだけでわかったり、都市住民が何に不満を持っているのかが8つのボタンそれぞれの色で一発でわかったりと、UIがシンプルかつ視認性がいい点が印象的だった。ややこしい数字の表示が多かったりすると気が滅入る筆者には、とくにありがたい。
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こういったジャンルのゲームをあまりプレイしていない筆者でも、ものの数分で本作の基本システムを理解できた。わかってしまえばあとは好きな車両を眺めて癒されたり、あえて近現代に馬車を運行してみたり、超高層ビルからブランデーグラスと葉巻を手に街を見下ろす大社長のような気分を味わってみたりと、好きに楽しんでいけばいい。プレイヤーの数だけ遊びかた、楽しみかたが無数にあるのが、タイクーン系ゲームのいいところなのだ。
『Transport Fever』シリーズではプレイヤー間のコミュニティーが充実しており、MODの共有も頻繁に行なわれている。本作『3』ではクロスプラットフォーム対応のMODサポートも実施予定なので、家庭用機でもMODでのさらなるゲームカスタマイズが楽しめそうだ。
ユーザーの声が形作った最新作、まさかのJAXA登場?
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最大の違いは、プレイヤーに以前よりずっとたくさんの“決断”をしてもらうようになったことです。ひとつの決断をすると、何かが起きるのは興味深い点になると思います。プレイヤーの感覚として、これがいちばんの違いだと思います。
決断は規模も大きく、数も多くなっています。すべてがつながっているので、何かを構築する決断をして、1時間後にそれがほかのものに影響するとわかることもあります。つねに最適化して、継続していく必要があるわけです。
多くのプレイヤーの方が前作について「このゲームはお金がすべてだ」と言っていて、それではいずれ退屈なものになってしまいます。お金がたっぷりあれば、やることがなくなってしまうのです。これは変える必要がありました。本作では、お金稼ぎはやらなくてはならないもののひとつに過ぎません。
――決断のシーンとして、たとえばどのようなものが挙げられますか。
そこで、市外に倉庫を設置してみます。すると古い大型トラックで荷物をそこへ運び、そこから市内へは小型の電気トラックを使って運ぶことで、ふたつをうまく使い分けることができるようになります。
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私たちはつねに、コミュニティーと緊密に連携してゲームを作っています。前作『Transport Fever 2』では5年間フリーアップデートを行ないました。つねにコミュニティーからのフィードバックをもとに、ゲームの改善をしたいと思っているからです。これは私たちにとって、とても重要なことです。
また、MODにフル対応していることを確認して作っているので拡張が可能であり、日本の乗り物や建物そのほかをゲーム内に入れることも可能になっています。
――本作ではMODがクロスプラットフォームに対応し、家庭用ゲーム機でも使えるということですが、これはPCで作ったMODがPS5などでも使えるということなのでしょうか。
――日本のプレイヤーには、マルチプレイを希望している人も多いかと思います。事前資料を拝見した範囲ですと、今回はマルチプレイではなく、シングルプレイを極める形になっているのでしょうか。
――グラフィック面で、今回とくに注力した点を教えてください。
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そのひとつは日本の宇宙航空研究開発機構“JAXA”にフォーカスしたもので、彼らを助けてロケットを作るという、とても興味をそそられるミッションになっていると思います。詳細はまだ言えないのですが、概要としてはパーツを配達するなどロケットを作る手助けをして、ロケットを月へと届けるミッションです。
――まさか最後には、月との輸送ルートができあがったりするんですかね。
――では最後に、本作を楽しみにしている読者にメッセージをお願いできますか。
日本の多くのプレイヤーの皆さんにも、ご満足いただければ幸いです。そしてそこから、また日本のコミュニティーが成長し続けてくれることを祈っています。